人気ブログランキング | 話題のタグを見る

最低限の試合

【ウズベク戦、1-1で引き分けに】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110907-00000502-sanspo-socc


良かったか悪かったかと言われれば、悪かっただろう。
だが、試合後のインタビューで長谷部が言っていた通り、最低限の事はできた試合だった。
不合格ではなかったと思う。

ただ、一言で言えば雑なゲームだった。
とにかく動き出しが悪い。
コンディションが悪いのか、あるいは荒れた芝に対応できなかったのか。
ウズベキスタンの素晴らしい動きだしに比べ、日本はワンテンポもツーテンポも遅れるため、ルーズボールが取れないどころか高い位置で簡単にボールを奪われてしまい、何度も決定的なピンチに陥った。
それでも、ジェパロフのうっかりゴールだけで済んだのは、やはりザックが「持ってる」からなのか。
川島の神がかりセーブ連発がなければ、メタメタに打ちのめされていた可能性もある。

一方、攻撃はダメダメだったかと言うと、実はそうでもない。
前半も李の惜しいヘッドがあったし、駒野がいいアイディアでシュートを撃っていた。
どちらも、ゴール前に選手が詰めていたのだが、ちょっと位置取りが悪かった。
特に駒野のシュートは、単純にクロスをあげただけではオフサイドになっていた可能性が高く、あそこからシュートを撃って詰めていた選手がこぼれ玉と言う作戦は、なかなか使えると思う。

では、なぜこんなチグハグな試合になってしまったのか。

原因はよくわからないが、もしコンディションの悪さが原因であれば、11月のタジキスタン→北朝鮮のアウェイ連戦に大きな不安を残す。
今回ヨーロッパ組は、ヨーロッパ→日本→ウズベキスタンと、かなりの移動を強いられている。
タジキスタン戦の前はトルコあたりで直前合宿をするらしいので、今回よりは多少ヨーロッパ組の移動距離は少なくなるかもしれないが、アウェイ→アウェイの長距離移動はやはり注意が必要だ。
ましてや2戦目は北朝鮮である。
スタッフを含めて、十分にスタミナ対策を取らなければならないだろう。

ただ、それに加えて今回は、芝と合わなかったのではないか、という気もする。

日本はとにかく足元にボールが落ち着かなかった。
トラップミスが多くそのボールを狙われ、争いながら苦し紛れでつま先で出したパスをまたカットされる。
クロスの制度も悪く、中盤のルーズボール争いの空中戦もほぼ制されていた。

その中で際立ったのは、やはり清武だ。
一人だけ抜群のキープ力を誇っていた。

今回、前半は阿部を入れて長谷部をトップ下にしたが、インタビューで長谷部本人が「上がりすぎてチームに迷惑をかけた」と言っている通り、フォーメーションもよくなかったのだろう。
阿部に関して言えば、ジェパロフのゴールの時、手前に22番が見えていたので阿部がマークに行くべきだったのではないだろうか。
それで阿部が失格だとは言わないが、マークがズレていた事は間違いない。
このフォーメーションをどれだけ練習したのかはわからないが、まだ実戦で使えるレベルではなかったのだろう。
BSの試合後の解説にもあったが、後半は遠藤、長谷部のボランチが安定したので、中盤を組みたてられるようになった。
また、内田が清武にボールを預けて追い越し、絶妙なタイミングでスペースにボールを出しているシーンもあった。
内田と清武も、合っているのだと思う。
本田が3次予選には間に合いそうもない事を考えると、基本的には北朝鮮戦のように柏木をトップ下、オプションで清武というのがベストかもしれない。

裏への抜けだしもヘッドもある李から、高さのハーフナーへのスイッチはそのままでいいだろう。

ウズベキスタンの出来が素晴らしかったと想定すると、アウェイで勝ち点1、阿部と槙野を実戦でテストできた事は収穫と言ってもいいのではないか。
特に阿部は、遠藤、長谷部、今野あたりに万一何かあった時絶対必要な選手なので、チームでのフィット感をどこかで試す必要があったはずだ。

後は、長友が戻って来た後、CBを含めたDFラインがどれだけ安定するかがカギだろう。
吉田と今野はそれぞれ個人としてはとても良かったが、お互いのポジショニングとマークの確認を、もうちょっと熟成する必要がある。

次のホームのタジキスタン戦では、前半で大量点を入れて勝負を決め、原口、田中、細貝あたりを試して欲しいものだ。
by ksato1 | 2011-09-07 01:48 | 日記 | Comments(0)