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「グリーン・ホーネット」

版権の関係か「バッドマン」という名称は作品中に一切出てこないが、コスチュームや車を見ると「バッドマン」のパロディを狙ったのだろう。
だが、何か中途半端な作品になってしまった。

主人公のブリットは地方新聞社の二代目、ハッキリ言ってバカ息子だ。
ただ、どうしようもないバカ息子、って訳でもない。
小さい頃に母親を亡くし、父親からも叱咤され続けて育ってしまったために、少々ゆがんでしまったのだ。
弱い者いじめは放っておけないのだが、自分の力量を把握せずに立ち向かって逆にやられてしまうような人物だ。

最初は新聞社も継ぐつもりは無かったのだが、父親の急死で急遽社長の座に就く事になった。
そこで父親の運転手だったカトーがやたらとケンカが強く、とんでもない武器をバンバン発明する天才である事を知り、二人で街の悪党をやっつけようと考える。
カトーも天才ではあるが思慮深い訳ではなく、思いつくがままに自分が考えた武器を実現化しまくる。
この子どものような二人が、グリーン・ホーネットを結成して悪党退治を始めるというストーリーだ。

このあたりの設定は悪くない。

だが中途半端なのはキャメロン・ディアスの使い方だ。
キャメロン・ディアスは、表向きはブリットの社長秘書として雇われる。
だがブリットとカトーは、犯罪学を専攻しているキャメロンが「グリーン・ホーネットは次はこんな事をやるだろう」と言う予想の通り行動しようとする。
本人は気づいていないが、キャメロンはグリーン・ホーネットの作戦参謀として雇われているのだ。
そしてブリットはキャメロンに夢中なのだが、キャメロンはカトーに好意を抱いており、カトーも満更ではない。
ここで微妙な三角関係が生まれる。

おそらくは、この三角関係と各人のキャラを生かして、おもしろおかしい展開を考えたのだろう。
ただ、まず作戦参謀としての役どころが微妙。
口では「彼女は作戦参謀だ」と言っているものの、ストーリーでは大して彼女の予想を参考にしていない。
さらに三角関係の部分もかなり中途半端。
笑いを取るのが目的なら、二人が彼女を取り合って子どものようにポカポカ殴りあう、みたいなシーンを入れてもよかったと思う。

また、敵役も中途半端。
ギャング団のボスは、冒頭こそ大暴れするものの、それ以降は凶悪犯罪を計画するでも実行するでもない。
まあ、街を取り仕切っているボス、程度の人間だ。
だからアクションシーンはかなり頑張っているものの、その割りにあまり緊張感が伝わってこない。

ひょっとしたらシリーズ化を考えていて、最初は3人のキャラの紹介と小ボスとの闘い、という設定なのかもしれない。
とは言え、かなり面白くなりそうな要素があるのに、うまく使えずに中途半端な仕上がりになってしまった。

まあそれ以上に、「この映画で3D料金取るか?!」という不満の方が大きいんだけどね。
次回作が2Dで上映されたら観に行くかもしれない。

23.グリーン・ホーネット 3D
by ksato1 | 2011-02-10 23:24 | 映画 | Comments(0)