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「交渉人」と「容疑者」

これまた「踊る3」を観る前に復習として、地上波で放送された「交渉人 真下正義」「容疑者 室井慎次」を観る。

「交渉人」は本当に名作だ。
地下鉄という舞台を最大限有効に使い、テロリストと真下の攻防を手に汗握る展開で描いている。

「踊る」本編も含めて、個人的にはこの作品が群を抜いて完成度が高いと思う。

一方「容疑者」の方は、劇場で観た時にも思ったがやっぱりダメだ。

まず、警察庁 vs 警視庁という図式が描き切れていない。
どちらも同じ警察庁所属の人間なので、対立の構図になっていない。
警視庁出向中の大和田伸也は、警察庁に汚点を作って次長を追い落としたとしても、結局自分も警察庁に戻るのだからその汚点をいずれ背負わなければならない。

また、頑なに真実を求めようとする室井だが、昔の恋人の話を持ちだされてグラグラになってしまう。
さらにいきなり元検察庁長官が出てきて室井を説得すると、コロっと辞意に傾いてしまう。
それじゃ今までの強い意志はなんだったの、と不思議に思う。

さらにさらに、せっかく双方これ以上無駄な争いをしないようにと室井を辞職まで追い込んだのに、交番勤務の警察官が押収した覚せい剤横流しって結末にしちゃったら、完全に警視庁の不祥事で双方対立の構図が壊れてしまう。
あーあ、大和田伸也の出世の芽は完全になくなったな、と思ったのに、そういう部分には一切触れずにスルー。
うーん、いくらなんでもちょっと乱暴じゃない?

上層部の対立とか室井の過去とか小原久美子(田中麗奈)の過去とか訴訟パラノイアとか、いろいろと盛り込みすぎて散漫になっちゃった感じだね。
もうちょっとスッキリしたら、いい作品になっていたかもしれない。

それにしても惜しむべくは、水野美紀の事務所独立。
これで「交渉人 真下正義2」の製作は、完全になくなっちゃったわけだしね。
でもやっぱり「交渉人」の新作は観たいぞ。
いっその事雪乃さん役は、他の女優にスイッチって言うのはダメ?


59.交渉人 真下正義(再)
60.容疑者 室井慎次(再)
by ksato1 | 2010-08-17 23:52 | 映画 | Comments(0)