もう終了してしまったが、ギンレイの2本。

まず「ベイビー・ドライバー」。
併映がジム・ジャームッシュの映画なので、この映画も難解な映画なのかと思ったが、バリバリのエンターテイメント作品だった。

愛称ベイビー(アンセル・エルゴート)は、若いながらも天才的なドライビングテクニックを持っており、銀行強盗の逃がし屋をしていた。
そもそもベイビーは、強盗組織のリーダーであるドク(ケヴィン・スペイシー)の車を盗もうとし、強盗グループに引き入れられた。
その時にドクに負わせた損害をチャラにするまで、強盗の逃がし屋をするという約束であった。

ベイビーが残り1回の仕事でグループから抜けられるとき、ベイビーはダイナーのウェイトレスのデボラと出会う。
やがてベイビーはドクへの借りの返済を完了し、デボラとレストランに食事に行くのだが、その店に現れたドクが、デボラやベイビーの里親であるジョセフを危険にさらさないためには、引き続き組織に残るべきだとベイビーに告げる。
ベイビーは仕方なく逃がし屋の仕事を続ける。

だが、ドクが組織に引き入れるメンバーは、次第に危ない連中が増えていった。
特にバッツ(ジェイミー・フォックス)は平気で人殺しをするため、ベイビーは彼に違和感を感じていた。
そしてベイビーの予感通り、バッツは取引時に相手を殺してトラブルを起こしてしまう。

幼少時に自動車事故で両親を失い、その後は里親のジョセフ以外には心を開かない、そして音楽を聴けば天才的なドライビング能力を発揮する、主人公のベイビーのキャラを巧く確立しているため、エンターテイメント作品としてもかなり面白く仕上がっている。
強盗組織のほかのメンバーのイカレっぷりもなかなかよく、その対比としてジョセフとデボラを善人に描いているため、作品全体にメリハリが効いている。

監督のエドガー・ライトと言う人は全然知らなかったが、マーベルシリーズの「アントマン」の原案と脚本を担当し、監督も担当する予定であったが意見の相違から降板しているらしい。
日本ではあまり知られていないが非常にセンスのある監督で、今後の作品にも期待が持てる。
この作品自体で一つのストーリーが完結しているため、似たような続編を作ることは難しいと思うが、ベイビーとデボラでその後の別のストーリーを作っても面白いと思う。

続いて「パターソン」。
一言でいえば、良くも悪くもジム・ジャームッシュらしい退屈な映画である。

ニュージャージーのパターソンに暮らすパターソン(アダム・ドライバー)は、路線バスの運転手をしていた。
恋人と犬と暮らし、物静かな人間でノートに詩を書くことと、犬の散歩の際に毎夜訪れるバーで酒を飲むことが趣味であった。
バスの中ではさまざまな乗客がさまざまな会話をする。
またバーには、さまざまな客がやってくる。
そしてパターソンは、バスの乗客やバーの客の会話や、恋人との会話などから感じ取った言葉をノートに記していた。

映画は、このパターソンの1週間を描いている。
月曜日から週末にかけて、少しずつエピソードが増えていくと言うストーリーだ。
何もない日常の機微を描いている作品なのだが、私にははっきり言って退屈であった。
パターソンのキャラクターの掘り下げ方も、彼が詩をしたためている場面しかないので非常にあっさりした感じになっている。
パターソンと言う場所と、パターソン出身の詩人ウィリアム・C・ウィリアムズをキーにしているのだと思うが、この部分も非常にわかりづらい。
ラスト付近で出てきた永瀬正敏の立ち位置も、はっきりしない。
冒頭の「双子」についても、何の意味があったのかよくわからなくなってしまっている。

パターソンにアダム・ドライバーを配した点は機能していると思う。
物静かに詩を愛する男がよく似合っていた。
しかし、主題がよくわからなくなってしまっているので、個人的には映画としては評価はできないと思った。


24.ベイビー・ドライバー
25.パターソン


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久しぶりのジョン・ウー作品という事で大きな期待を持って映画館に向かった。
そしてオープニングテロップで「音楽:岩代太郎」「美術:種田陽平」と表示されたので、これは間違いなく面白い映画だと確信した。
しかし劇場の椅子から転げ落ちそうになるくらい酷い作品だった。
これだけ酷い作品に映画館でお目に掛かるのはそう簡単ではない、そのレベルの作品である。

国際弁護士のドゥ・チウ( チャン・ハンユー)は天神製薬の顧問弁護士で、会社のNY市場上場に大きく貢献した。
しかし上司の指示で天神製薬の担当を外れることになった。
天神製薬社長の酒井義廣(國村隼)は、守秘義務があるもののドゥが担当を外れて会社の秘密が外に漏れることを恐れていた。
そこで女を使ってドゥが担当に残るよう説得しようとする。
酒井の指示を受けた女は、ドゥの部屋に先回りして彼の帰りを待った。
しかし別の何者かが現れてオンンは殺害されてしまう。
何も知らないドゥが自宅に戻ると、いつもと雰囲気が違う。
おかしいと気付いて振り向こうとした瞬間、ドゥは殴打され気を失ってしまう。
そして次に気付いたとき夜が明け、ドゥは女の死体とともに自分のベッドに横たわっていた。

すぐに警察が駆け付けるが、刑事の浅野(トクナガクニハル)はドゥを連行しようとする。
しかし部屋から庭に出た瞬間、浅野は同僚の警官を撃ち、さらにドゥも撃って無理やり逃走させる。
ドゥはその場から立ち去るが、大阪府全体にドゥの緊急手配がなされる。
別の立てこもり事件を追っていた刑事の矢村(福山雅治)は、事件を解決し後若手の百田(桜庭ななみ)と合流、彼女の車でドゥの足取りを追った。

ここまでがストーリーの序盤なのだが、これ以上の事を書いてもあまり意味がない。
ハッキリ言って、ストーリーは完全に破綻しているのだ。
この後、日本と中国のハーフである遠波真由美(チー・ウェイ)が話に加わってきて、彼女の婚約者の死と天神製薬の新薬についての疑惑がストーリーの軸となる。
しかしドゥ自身は、この新薬の疑惑とはまったく無関係だ。
映画はドゥの逃走劇なのだが、途中からドゥの部屋で起きた殺人事件はあまり重要な意味をなさなくなってしまうのだ。
ストーリーは突っ込みどころ満載をはるかに通り越しており、高校生が学園祭で作った自主制作映画の方がまだマシなのでは、と思ってしまうレベルである。

だが、ストーリー以上に陳腐だったのは、天神製薬の研究所のシーンだ。
ホームレスを使った秘密の人体実験が行われている設定なのだが、この研究所内のデザインと人体実験のシーンが、仮面ライダーシリーズレベルのお粗末さである。
脳波を操作すると思われる、頭に巻いたヘッドバンドも、とてもプロの仕事は思えないチャちさだ。正直、大人が見る作品のレベルではない。
また冒頭の天神製薬のパーティーシーンも、かなり安っぽい会場のうえ、日本人が絶対に踊りそうにない謎のダンスをしている。
本当に種田洋平が美術を担当したのかと、疑問が湧いてしまった。
ひょっとすると種田洋平ではなく種田羊平と言う別人じゃないかと思ったが、調べてみるとやはり種田洋平が美術担当だった。

一応、アクションシーンは見所がある。
ガンアクションはさすがジョン・ウーと言えるレベルだし、水上バイクやカーアクションもそれほど悪くない。
しかしアクションシーンのレベルが高ければ高いほど、その他のシーンの粗が目立つ。
セリフは同時録音ではなく後からアフレコしたのだと思うが、口の動きがまったく合っていない。
本職の声優が見たら「仕事をなめるな!」と怒り出すレベルだろう。

「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイクらしいが、自分が「君よ憤怒の河を渉れ」を観ていないので比較ができない。
本当に「君よ憤怒の河を渉れ」とはこんな酷い映画だったのだろうか。
いずれにしろ、今後ジョン・ウーの新作が公開されたとしても、もう観ることはないだろう。


23.マンハント


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今年最初のG1、逃げ馬が内枠、追い込み馬が外枠と、なかなか面白い枠順になった。
ノボバカラが逃げ宣言をしているが、最内枠のニシケンモノノフが追いかければペースは早くなる。
もちろん、ケイティブレイブも先行するだろう。
ペースが速くなればゴールドドリームに差し切られてしまうが、スローでもテイエムジンソクが好位から抜け出してくる。
ジョッキー的には非常に難しい展開となりそうだ。

ただ、本命はやはりゴールドドリームでいいだろう。
東京ダートは3.1.0.0で、唯一の負けはやや重の高速馬場で逃げ馬をとらえきれなかったもの。
調教でも絶好の動きを見せているので、今なら多少出遅れたとしても、ペース不問で力でねじ伏せてくるだろう。

対抗はサンライズノヴァだ。
強い4歳世代と言われながら、今年初G1に駒を進めてきたのはこの馬だけ。
だが中央の重賞初挑戦だった武蔵野S以外は、この馬も東京のダートは連帯率100%。
前走は1kg重いノンコノユメに切れ負けしたが、逆に58kgでレコードタイムを出したノンコノユメより消耗が少ないと考えられる。
ゴールドドリーム同様、東京ダートに強いゴールドアリュール産駒だけに、さらなる上積みも期待できる。

三番手はテイエムジンソク。
チャンピオンズCはゴールドドリームに差されたものの見事な粘り腰を見せ、前走の東海Sは逃げて完勝だった。
ただ、距離の1600mと東京ダートが初めて、かつクロフネ産駒はこのレースで相性が悪いなど、不安点も多い。
目標にされてしまう点もやや不利であり、今回は3番手評価とする。

四番手はノンコノユメだ。
去勢手術をしてからやや成績が低迷していたが、前走で復活を遂げた。
ただ追い込み一辺倒で展開に注文がつくうえ、58kgでレコード勝ちした前走の反動も気になる。
勝ちきるまでは難しいとみて4番手評価だ。

5番手はベストウォーリア。
昨年の2着馬だが、昨秋からはやや精彩を欠いた感じになっている。
すでに8歳馬であるが、調子さえ取り戻せばこの馬も上位争いだ。
ルメールも2戦目でこの馬を手の内に入れていれば、一発もありうる。

最後はレッツゴードンキにする。
基本的には芝の短距離馬だと思うが、川崎のJBCレディスクラシックでホワイトフーガの2着という成績もある。
調教の動きを考えればダートをこなしても不思議はなく、人気を落としている今回はちょっとねらい目だ。


◎ゴールドドリーム
〇サンライズノヴァ
▲テイエムジンソク
△ノンコノユメ
×ベストウォーリア
×レッツゴードンキ


馬券は◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。


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原作は「イブニング」で掲載されていて、途中まで読んでいた。
ストーリーは「がきデカ」の山上たつひこ、作画は「ぼのぼの」のいがらしみきおで、ギャグ漫画の鬼才二人がサスペンスを手掛けるという事で、連載開始当初から話題になっており、かなりヒリヒリした内容であった。
その作品を吉田大八が映画化するという事で、かなり期待がたかったのだが、正直裏切られてしまった。

日本海に面する魚深市の職員月末(つきすえ、錦戸亮)は、ある日上司から新しい住人の受け入れを世話しろと命じられる。
言われるがまま6人の男女の世話を始めるのだが、途中で彼らが全員刑務所帰りだという事に気付く。
しかも全員が、元殺人犯だった。
上司によると、過疎化問題を解決するプロジェクトで、市長直々の勅命ではじめられたプロジェクトだという。
仕方なく6人の世話を続ける月末。

それとは別に、月末が思いを寄せていた石田文(木村文乃)が東京から戻ってきた。
月末は旧友の須藤勇雄(松尾諭)とともに、文とバンドの練習を始める。
すると6人のうちの一人、配送業者となった宮腰一郎(松田龍平)が練習を見に来はじめ、やがて宮腰本人がギターを買って練習に合流するようになった。
そして文は、宮腰と付き合い始めてしまう。

その頃魚深市では、「のろろ祭り」と言う祭りが行われた。
「のろろ」とは海からやってきた怪物で、かつて集落を襲ったが村人たちが撃退、その後は村の守り神となったという言い伝えられていた。
しかし「のろろ」は元々は怪物なので、のろろ祭りの日に集落を練り歩く「のろろ」を、住民は見てはいけないという奇祭でもあった。
月末はこの祭りに6人を招待、4人の男はのろろの行進に参加することになっていた。
だがそこで理髪店に勤務していた福元(水澤紳吾)が酒を飲んで暴れだし、大騒ぎとなってしまう。
その後、更新は予定通り開始されたのだが、突然の集中豪雨で祭りは途中で中止となってしまった。

翌日、全国紙に載ったのろろ祭りの写真を見て、ひとりの男が市役所に訪れた。
以前、その男の息子が宮腰に世話になったのでぜひ挨拶をしたいとの事だった。
市役所は個人情報は明かせないと断るのだが、男はあきらめずに市内で聞き込みを開始、宮腰を探そうとする。
そして6人のうちの一人、杉山(北村一輝)が宮腰の居場所を男に教えてしまった。

原作は非常にヒリヒリした緊迫感を伴ってストーリーが展開するのだが、この映画はかなり静的な展開をする。
吉田大八独特の「間」と言えばいいだろうか。
ただ、このストーリーにこの「間」はマッチしなかった。
そもそも原作は、もっと刑務所帰りの新住人が多かった。
新住人同士の愛憎劇や、月末の知人の高校生の娘がストーリーに絡むなど、もっとドロドロした展開だったと記憶している。
しかし映画はかなりあっさりしている。

正直、6人のうちの女性の二人、栗本清美(市川実日子)と太田理江子(優香)はほとんどストーリー展開上機能していない。
この二人をバッサリとカットしてしまっても、ストーリーはつながってしまう。
市川実日子の栗本については、街に溶け込めない元殺人犯という部分でまだ意味があるとは思うが、優香の太田についてはまったく意味がわからない存在になってしまった。
残りの二人、福元と大野(田中泯)についても掘り下げ方が甘く、特に福元は原作で、飲酒が原因で事件を起こしたが、どうしても酒が止められないと言う部分でかなり意味のあるキャラクターだったはずだ。
だがこの作品では、のろろ祭りで大暴れしただけで、かつ、この大暴れのエピソードもストーリーにあまり寄与していない。
どこをどう見ても、中途半端な点ばかりが目立ってしまう。

原作では、のろろのマスクを被った人物が新たに殺人を起こす設定だったと思う。
犯人が誰なのか、月末をはじめとする住人、そして元殺人犯同士も疑心暗鬼になるというサスペンス要素が非常に強かった。
しかしこの映画には、その要素がない。
吉田大八の「間」が、逆に退屈な感じになってしまっている。

昨年の「美しい星」も、微妙な作品になってしまっていた。
しかし「美しい星」は55年も前に発表された作品を映画化したものであり、陳腐な部分が出るのも仕方ないか、とも思った。
だがこの作品については、そういう言い訳ができない。
ズバリ言って、残念な作品の一言である。


22.羊の木


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シリーズ物という事で、観に行く前はそれほど期待していなかった。
TVのSP版2本は見ていなかったが、TVドラマ版、「麒麟の翼」は見ており、どちらもまずまずくらいの評価だったので今回もそれなりに面白い、程度の期待だった。
しかし予想を大きく上回る、感動作であった。

葛飾区小菅の古びたアパートで、絞殺された女性の遺体が発見された。
遺体は腐乱が激しかったものの、家族の捜索願から滋賀県の清掃会社に勤める押谷道子(中島ひろ子)であることが判明する。
アパートの契約者は越川睦夫と言う男性だったが、数か月前から行方不明で押谷道子との関係も不明であった。

事件を担当していた捜査一課の松宮脩平(溝端淳平)は、この事件と5kmほど離れた河川敷のホームレスのテントで発見された焼死体が、犯行の日時も近く、どちらも死因が絞殺、そしてアパートの部屋がホームレスのテントのように生活感がないことに着目した。
松宮は事件の関連性を調べるために、アパートの部屋に残された数少ない遺留品からDNA鑑定を依頼する。
しかしアパートの住人と焼死体のDNAは不一致、関連性がないようにも見えた。
松宮はその事を、従妹で日本橋署勤務の加賀恭一郎(阿部寛)に相談する。
すると加賀は、犯人が捜査を混乱させるために、アパートの遺留品をわざと入れ替えている可能性があると指摘、松宮が別の遺留品から再度DNA鑑定を依頼すると、やはり焼死体はアパートの住人越川であることがわかった。そのことを松宮が加賀に報告したとき、偶然、アパートに残されたカレンダーの書き込みと、加賀の母親が生前暮らしていた部屋に残されたカレンダーの書き込みが同じであることが判明する。
カレンダーには毎月、日本橋周辺の橋の名前が一つずつ記されていたのだ。

加賀は優秀でありながらも、警視庁に戻らずずっと日本橋署勤務を続けていた。
その理由は、加賀の母親の部屋に残されたカレンダーの書き込みが母親の筆跡ではなく、おそらく死ぬ直前まで付き合っていた男性のものであったからだ。
加賀はその男性から生前の母親の話を聞くために、ずっと手掛かりである日本橋周辺の管轄署の勤務を希望していたのだった。

一方被害者の押谷道子の足取りをたどると、中学時代の友人で有名な演出家であった浅居博美(松嶋菜々子)に会うために東京に来ていたことがわかった。
押谷道子は、得意先の老人ホームにいた身元不明の老女が浅居博美の母親だと思い、確認するために上京していたのだ。
そのことを松宮が確認にしに行くと浅居博美は、母親は自分と父親を捨てて男に走り、さらにその時に父親の実印を使って膨大な借金を作った、その返済のために父親は自殺をし、その後自分は施設に送られることになった、そんな母親を母親とは思っていない、と告げる。
その後、浅居博美には押谷道子殺害の犯行時刻に完全なアリバイがあることも判明した。
浅居博美はこの事件と関連性がないように思えたが、松宮は浅居博美の事務所で、加賀と浅居博美が映った写真を発見する。

ストーリーはTVドラマ版、そして「麒麟の翼」以上に練りこまれている。
二つの殺人事件と加賀の母親のエピソードを巧みにシンクロさせ、かつ展開にほとんど無理がない。
映画をみているうちにどんどんストーリーに引き込まれてしまい、中盤以降、事件の謎を解明するシーンでは、不覚にも涙がこぼれてしまった。

若干ネタバレになってしまうが、印象としては「砂の器」に似ていると思った。
中盤以降で刑事が事件の真相を推測すると言う演出も、2004年にTBSで放送された「砂の器」(中居正広、渡辺謙バージョン)に酷似している。
このドラマも非常に秀逸な出来であったが、映画を観た後にWikiで調べたところ、監督の福澤克雄と言う人はTBS所属で、この「砂の器」の演出を担当していたそうだ。
そして同じくWikiには、原作も東野版「砂の器」として高く評価されていると書かれている。
福澤克雄の力量で、原作の持ち味を巧く生かして映画を撮った、と言えるだろう。
また中盤以降の刑事の推測で、物語のキーマンとして小日向文世が出演しているのだが、この小日向文世が強烈に機能していた。
このキーマンに小日向文世を配したことにも、制作者のセンスを感じる。
もちろん、その他の役者の演技も素晴らしい。

唯一整合性が合わない点は、横山一俊がホームレスのテントがあるのに、アパートの部屋も契約していたことである。
原発の作業員手帳用には愛知の住所を登録しているはずなので、アパートを契約する必要性はない。
逆にアパートを契約しているのであれば、ホームレスのテントは必要ない。
ただ、この部分は映画ではわかりづらかっただけで、ひょっとすると原作には明確な説明があるのかもしれない。

福澤克雄と言う人は、最近では「半沢直樹」など一連の「日曜21時 池井戸潤シリーズ」の演出を担当しているようだ。
「半沢直樹」は見ていないが「ルーズヴェルト・ゲーム」や「下町ロケット」は、「半沢直樹」を意識したせいか勧善懲悪の土下座的演出を無理やりいれていたため、かなりゲンナリした。
そのため、最近はこの枠のドラマは見ないようにしている。
一方で、同じ枠で放送された「流星ワゴン」は面白かったし、かつての「さとうきび畑の唄」も非常にいいドラマだった。
視聴者に媚びるために無理に「半沢直樹」系の演出をさせるのではなく、もっとこの人自身の力量を発揮できるような作品を担当してもらいたいと思う。
そうすれば素晴らしい作品が出来上がることを、本作品が証明している。


21.祈りの幕が下りる時


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「祈りの幕が下りる時」の予習の意味で、録画してあった「麒麟の翼」を見る。
一応、TVドラマ版も数年前に見ているが、どちらもそれほど「祈りの幕~」につながる要素はなかった。
「麒麟の翼」の田中麗奈演ずる金森登紀子が再び登場し、加賀とのつながりが若干わかりづらいものの、「祈りの幕~」を観ていて違和感を感じるほどではなかった。

ある夜、日本橋の欄干にある麒麟の像の下で、胸を刺された男が見つかった。
男はそのまま死亡、しかし男は刺された現場から数百メートルを自分で歩き、しかもその間に派出所があったものの、助けを求めることなく麒麟の像の下で息絶えていた。
そしてその直後、現場付近に緊急配備されていた警官が植込みの陰に隠れている不審な青年を発見。
警官が追うと青年は道路に飛び出し、トラックにはねられ死亡してしまう。
青年が刺された男の財布と鞄を持っていたことから、当初警察はこの青年が男を刺し、財布と鞄を奪って逃げたと考える。

刺された男は金属会社の本部長の青柳武明(中井貴一)だった。
トラックにはねられた青年は八島冬樹(三浦貴大)、半年ほど前まで青柳の会社で期間工員として雇われていたが、事故でのケガを理由に退職させられていた。
しかも会社は、労災隠しのため八島の事故を公にしていなかった。
矢島はその後も定職に着けずにいたため、状況的に警察は、青柳を恨んだ八島が労災隠しをネタに青柳をゆすろうとし、交渉中に逆上してナイフで刺し、さらに財布と鞄を奪って逃げたことで決着を付けようとした。

だが日本橋署の加賀恭一郎(阿部寛)は、青柳がなぜ麒麟の像の下まで歩いたのか、その点にこだわっていた。
そもそも職場と自宅から離れた日本橋に、青柳は何をしに来ていたのか。
捜査一課の刑事の松宮(溝端淳平)と一緒に、加賀は青柳と八島の関係、そして青柳の行動を調べる。
すると青柳がたびたび日本橋界隈に現れ、水天宮をはじめとする周辺の神社に色紙の千羽鶴を奉納していたことが判明する。
そしてその千羽鶴に、事件を解決する手掛かりが隠されていた。

誰かが誰かを護るために事件が起きる、ミステリーの大前提をベースに作られた作品だ。
原作は未読であるが、護る方も護られる方も動機がはっきりしており、非常によく作りこまれたストーリーである。
唯一、事件当日の青柳と八島の出会い方だけが、やや無理があった。
この部分も、あらかじめ八島が青柳に相談したいがために、その日の青柳の足取りを追っていた、という設定にすれば、すべての矛盾が解決したと思う。

キャスティングも素晴らしく、青柳の息子の悠人が松坂桃李、その友達の杉野が山﨑賢人と、当時はまだそれほど有名ではなかった二人を抜擢、演技する場面は少なかったが、二人の後輩の吉永を演じていたのは菅田将暉である。

「祈りの幕が下りる時」も観終わった後でシリーズについて調べたところ、このシリーズはこの2作以外に「眠りの森」と「赤い指」もTVのSPドラマが制作されているらしい。
そのどちらも見ていないので、いずれ機会があったら見てみたいと思う。

20.麒麟の翼

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「TSUTAYA CREATERS'PROGRAM FILM 2015」のグランプリ作品だそうだが、正直想像していたレベルの作品ではなかった。

食品会社で新商品プロデュースを手掛ける川原由加利(長澤まさみ)は、ウーマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれる程の才能を持っている。
しかし女子力は低く、そんな彼女は東日本大震災の時に偶然知り合った研究医の小出桔平(高橋一生)と同棲していた。
近々結婚する約束もしているのだが、由加利の母との会食に桔平は現れない。
不審に思っていたところに警官が現れ、桔平が脳出血で公園で倒れていたところを発見され、病院に搬送されたと言う。
そして同時に警官は、桔平が所持していた免許証が偽造されたもので、小出桔平と言う人物はどこの記録にも存在していないとも告げた。

由加利は桔平が勤務先と言っていた研究所を訪れるのだが、そこでも小出桔平と言う人物はいないと言われてしまう。
途方にくれた由加利は、親友の伯父である探偵の海原(吉田鋼太郎)に、桔平が何者であるかの調査を依頼した。

そんなある日、由加利は自分の部屋の郵便受けを勝手に開けている女に出会う。
海原と一緒にその女を捕まえると、その女は心葉(川栄李奈)と名乗り、桔平に憧れていたのだという。
そして桔平が、ノートPCで何かを書いていた事を教えてくれた。
由加利と海原はコインロッカーの中にあったノートPCを発見、PCの中にあったのは原稿用紙700枚にも及ぶ長編小説だった。
小説は瀬戸内を舞台としていたが、海原の部下の木村(DAIGO)は、この瀬戸内にヒントがあるのではないかと推測する。
由加利は一人で瀬戸内へと旅立った。

主題は、由加利が愛する桔平の過去を探る、である。
この部分にブレはないのだが、詳細が詰め切れておらず、かなり雑な印象を受けた。
まず、桔平が瀬戸内に居た時期がいつなのか、よくわからないのに由加利は瀬戸内に旅立つ。
子どもの頃、灯台の基礎部分にある穴に宝物を隠した、と言う小説内の記述を手掛かりにするのだが、その一方で現在の桔平の写真で聞き込みを行っている。
結果、写真によく似た人物の情報を得るのだが、大人の時の目撃情報と子ども頃の灯台の手掛かりがリンクしない。
結果的に、この二つの情報がリンクをしていなくとも整合性は取れるのだが、そうなると逆に、灯台の基礎部分の穴は手掛かりとしての意味がなくなってしまうので、冒頭の布石を含め、このエピソードを組み込む必要があったのかと思えてしまう。

また、桔平がなぜ免許証を偽造していたのかもよくわからない。
携帯も所持していないのだから、かなり高度な偽造の免許証を所持する理由がわからない。
心葉についても、非常に中途半端である。
ノートPCを見つける手掛かりにはなるが、その前にコインロッカーのカギが部屋の中に転がっており、心葉が証言をしなくともいずれは見つけられたと思う。
そもそも、心葉が何が目的でマンションの郵便受けを開けていたのかの説明もない。
単純に桔平の事が心配なのであれば、ほぼ犯罪である行為などせずマンションの前でずっと待ち続けると言うのが普通ではないだろうか。
海原のバックグラウンドについても、結果も含めて非常に中途半端な感じがした。

もっと細かい部分で言えば、無理心中と言う言葉が出てくるのだが、この映画の中に出てくるのは無理心中ではない。
無理心中とは最初から自分が死ぬことを前提に、他の誰かを道ずれに殺害することである。
自分に死ぬ意志がない場合は無理心中ではなくただの殺人である。

意識不明になった男の過去を追う、と言う設定はかなり面白いのだが、そこからの話の広げ方に失敗してしまった、と言う印象だ。
役者の演技も非常によく、途中まではなかなか面白く観ていたのだが、真実が明らかにされてしまうと、逆にそれまでのストーリーにかなり粗が多いことが目立つ事になってしまった。
ちょっと残念な作品である。


19.嘘を愛する女



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予告編を観た感じではかなり地味で、アカデミー賞にノミネートされているものの、また日本人にはわかりづらいタイプの映画かな、と思っていた。
しかし実際には、激しく面白い映画であった。

ミルドレッド・ヘイズはミズーリ州の田舎町エビングの、さらに市街地から外れた場所に住んでいる。
彼女の家の前の道路は道に迷った者くらいしか通らないのだが、ある日彼女はそこに建てられた3枚の大型看板に注目した。
そして看板を管理している広告会社に、3枚の看板を使用したいと申し出た。
3枚の看板にはそれぞれ大きく、「彼女はレイプされ、殺された」「そしてまだ犯人は捕まっていない」「どうして?ウェルビー署長」と書かれた。

ミルドレッドの娘は数カ月前、レイプされた上に焼死体として発見された。
小さな田舎町では大きなニュースになったのだが、犯人の残したDNAが、これまでの犯罪歴に登録されているDNAと一致しなかったため、捜査は暗礁に乗り上げ事実上放置されていた。
黒人の摘発ばかりしている街の警察にいらだちを覚えたミルドレッドが、抗議のためになけなしの資金で看板広告を出したのだ。

当初警察は署長の名前を出すのは名誉棄損だと訴え、広告会社に看板を撤去するよう指示した。
しかし広告会社のレッドは、署長に問いかけをしているので法に抵触することは一つもないと突っぱねる。
警察は渋々引き下がらざるを得なかった。
しかし小さな町の警察署長は、市民の信頼を得ていた。
ほとんどの市民が、ミルドレッドの心情は理解するが、広告を出したことには反対すると考えていた。
そしてミルドレッドの息子のロビーも、高校で友人から嫌がらせをされてしまう。
その事で神父がミルドレッドを説得に来るのだが、ミルドレッドは悪態をついて神父を追い出してしまう。

その後警察署長のウェルビーは、自らミルドレッドを説得するために会いに行った。
証拠がないために捜査ができないとウェルビーが言うと、ミルドレッドは街中の8歳以上の男性のDNAを調べろ、場合によってはアメリカ中のDNAをDB化して調べろという。
困ったウェルビーは、自分は膵臓癌で余命が短いから継続捜査が難しいと告げる。
だがミルドレッドは、ウェルビーの寿命は街中の誰もが知っている、ウェルビーが死んだらさらに警察が放置していたことが有耶無耶にされてしまうから、その前に抗議の広告を出したのだと言った。

なぜここまでミルドレッドが頑なに抗議を強行するのか?
それは元々のミルドレッドの性格に加えて、娘との最後となってしまった会話にきっかけがあった。


一言で言って、非常に緻密に作られた完成度の高い作品である。
ミルドレッドと息子のロビー、広告会社のレッド、警察署長に加え、街のメインの警官で差別主義者でもあるディクソン、ミルドレッドの元夫とその若き恋人、警察署長の妻、レッドの飲み仲間の小男のジェームズなどが、非常に含蓄のある会話を繰り広げる。
そこには本音があり、本音をぶつけ合っていく中でお互いが傷付け傷付けられ、お互いの心情を理解して、それぞれの感情も変化していく。
その変化の描写も見事だ。
馬小屋での警察署長や病院でのレッドとディクソン、ダイナーでのジェームズのセリフなど、非常に心に響くシーンが多い。
ロビーがミルドレッドに「クソババア!」と叫ぶと、ミルドレッドが「ババアは余計よ」と返すなど、皮肉の利いた笑える会話が多い部分にも、制作者のセンスを感じる。
ミルドレッドの元夫の恋人も、登場シーンは少ないもののその天然振りが非常にいいアクセントとなっていた。
また、主要な登場人物たちの心情変化と、それを傍観する市民の距離感も巧みである。
わかりやすく表現するならば、セリフだけに頼らず、間や表情など「行間を巧妙に使った作品」と言えばいいだろうか。
ラストも、わかりやすい光明があるわけではない。
しかしそれでも、きっとこの先は誰もが納得する未来があると予感させてくれる。

この作品は日本人にも非常にわかりやすく、個人的には昨年の「ムーンライト」よりよっぽど面白いと思った。
映画好きならば、絶対に外してはいけない作品だ。


18.スリー・ビルボード


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映画を観る前は「脳男」のように、主演の松坂桃李が許せない犯罪者を処刑するストーリーかと思っていた。
しかし実際には異なる内容だった。

刑事の多田(沢尻エリカ)は新人の百々瀬(新田真剣佑)とコンビを組んでいたが、ある日悪徳金融業者が心筋梗塞で死亡すると言う事件に遭遇する。
目撃者の証言や防犯カメラに映っていた映像から、黒いスーツの男が金融業者に液体を掛けた直後、苦しみだして死亡していた。
状況から黒いスーツの男が毒物を掛けて殺害したと思われたが、鑑識の結果では液体はただの砂糖水で毒物は検出されなかった。
また数カ月前、同様に女性が腹部を押さえて「刺された」言いながら死亡したが、刺し傷はなく死因は心筋梗塞で死亡した事件があった。
そしてその時も、黒いスーツの男が目撃されていた。

その頃ネットでは、「電話ボックスの男」の噂が蔓延していた。
電話ボックスに殺したい相手の名前を書いたメモを置くと、電話ボックスの男がその相手を殺してくれる、しかしその動機が不純だと、依頼した人間も殺されてしまう、と言う噂だった。

羽根田健(忍成修吾)は出張の多いサラリーマンだった。
健は新婚で妻の桃香と二人で暮らしていたが、ある日桃香が町会長の鳥森(小林稔侍)が家の中を覗いていると言いだす。
翌朝、健が出社しようとすると、鳥森が健の家から出たゴミ袋をあさっていた。
健は注意をするが、鳥森はゴミのマナーをチェックしていただけだと言う。
だが健が会社から帰宅すると、室内に誰かが侵入し、桃香が乱暴された形跡があった。
桃香は鳥森に乱暴されたのだと告げる。
健はすぐに事実確認を行うために鳥森の家に行くが、鳥森は「警察に行けば奥さんもいろいろしゃべらなければならなくなる、困るのは奥さんの方だろう」と言う。
桃香ももう忘れるから警察には連絡しないでと、健に言った。
電話ボックスの男の噂を知っていた健は、鳥森の名前を書いたメモを電話ボックスに置いた。
すると、公園にいた鳥森に黒いスーツの男が接触、鳥森は心筋梗塞で死亡した。

電話ボックスの男から鳥森死亡の連絡を受けた健は、喜んで出張を取りやめて帰宅する。
しかし家では桃香が、若者たちとドラッグを吸引していた。
鳥森は桃香がドラッグを吸引していることを知り、やめさせるために屋内に侵入したのだった。
健は部屋の中でドラッグを吸引していた若い男女3人をガラスの灰皿で撲殺、それを見た桃香が健を包丁で刺した。
健は最期の力で桃香も撲殺した。

多田と百瀬、そして先輩刑事の夜目たちは、羽根田家の現場検証をしていた。
すると野次馬の中に、防犯カメラに映っていた黒いスーツの男を発見する。
多田たちは黒いスーツの男を任意聴取で連行、黒いスーツの男は名前を宇相吹正(松坂桃李)と名乗った。
聴取は夜目がメインで行うことになったが、宇相吹はかつて夜目が取り調べた容疑者と同じセリフを言いだす。
何も知らない新人の百瀬以外は宇相吹の言動に警戒をするが、宇相吹は隙を見て夜目の手首をなめた。
すると、夜目の手首が異常に腫れ上がる。
手首からは通常の人間の唾液以外は検出されなかった。
しかし夜目はその晩、自宅で手首を切って自殺した。
一連の状況を不審に思った百瀬が多田に尋ねると、かつて夜目が痴漢容疑で取り調べた高校生が、留置場で自殺したと、多田が教えてくれた。
そしてその高校生の父親は、同じ署内の鑑識官である河津村宏(安田顕)であった。

この後は、子どもの頃の両親の離婚で別々に育つことになった、理沙(芦名星)と優(真野恵里菜)の憎愛劇が展開される。
そして殺人についてはすべて、宇相吹の催眠によって引き起こされた自己暗示が要因だ。
しかし多田だけは、ごく稀に現れる宇相吹の催眠が効かないタイプの人間で、宇相吹はその多田に興味を持ち、多田なら自分を止められるかもしれないと告げる。
多田は宇相吹を止めるためには、刑事としてはあり得ないウソの発言をしなければならない状況になり、激しく葛藤する。

原作は「グランドジャンプ」に連載されているマンガのようだ。
宇相吹の強烈な催眠と言う設定を巧く使い、途中まではなかなか面白く見せてくれる。
だが途中から、連続爆破事件が絡んでくる。
少々ネタバレになってしまうが、映画を観ている最中でも、この爆破事件が宇相吹とは別件の事件であることがすぐにわかってしまう。
しかも犯人も、かなりわかりやすいフラグが立っているので容易に推測できてしまう。
ラストは宇相吹とこの事件を絡ませてくるのだが、その絡ませ方もやや強引で、ちょっと興醒めしてしまった。
多田がウソの発言をするかどうか、この葛藤はかなり緊迫した状況だった。
なのでこの部分をクライマックスに持ってくる組み立てにした方が、映画としては面白かったのではないかと思う。

続編を作ることも可能な展開であったが、もし続編を作るのであれば、もっと多田 vs 宇相吹の構図を強く打ち出した構成にした方がいいと思う。


17.不能犯


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原作はスティーヴン・キングで、スウェーデン版ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」の監督と言うのでそこそこ期待して観に行ったのだが、かなり期待外れの作品だった。

N.Y.の少年ジェイクは毎晩不思議な夢を見ていた。
いかにもファンタジーのような世界で、人間の顔の形をした皮を被った作業員が、大きな黒い塔を破壊しようとしている。
そのリーダーは黒い衣装の男だった。
黒い衣装の男は幻術を操るらしく、「ガンスリンガー」と呼ばれる拳銃使いの二人組のうち、年長の一人をあっという間に抹殺する。
しかし若い男には幻術が効かないらしく、黒い衣装の男は彼に危害を加えず立ち去った。

ジェイクは夢を両親や大人たちに話すのだが、精神的な障害があると判断されてしまう。
両親が施設で検査をするように準備するが、ジェイクは迎えに来た施設の職員が顔の皮を被った作業員であることを見破る。
ジェイクは逃走し、夢の中に出てきた古い屋敷を尋ねる。
するとそこには転送装置があり、ジェイクはガンスリンガーのローランドがいる空間へと移動した。

黒い塔がいつ、誰により建てられたのかとか、黒い衣装の男が何者なのかとか、ベースとなる設定がわかりづらい。
そのため、ストーリーに入り込めないまま物語が進んでいく。

映画を観た後でWikiで調べたところ、そもそもが7部構成の長編作品らしい。
それを100分にも満たない長さにまとめたため、よくわからない作品になってしまったのだろう。
一応、起承転結の構成にはなっているものの、ファンタジー作品にありがちな展開のうえ、すでに書いているようにベースの設定もわかりづらい。
正直観終わった後の感想は、「これで終わり?」となってしまった。


16.ダークタワー


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