単勝が2倍を切る断然の一番人気となったアーモンドアイ。
レースレコードで駆け抜けた桜花賞は圧巻で、抜けた一番人気になるのも無理はない。
しかも今回は、強烈な逃げ馬がいない。
今回もサヤカチャンが逃げると思うが、2走前の忘れな草賞をハイペースで逃げバテしているので、おそらく3コーナーまではペースは落ち着くだろう。
ただ、直線ヨーイドンだとどの馬もアーモンドアイとサトノワルキューレに差し切られるのがわかっているので、直線までにセーフティリードを取っておく必要があり、3~4角の間の位置取りが勝負のカギとなる。
そういう意味では、アーモンドアイ、サトノワルキューレ以外の有力馬がすべて内枠に入った点が、レースを面白くしてくれそうだ。

アーモンドアイに負ける要素があるとすれば、やはり血統か。
父ロードカナロアは19戦して1400mと1600mを走ったのがそれぞれ2回、あとはすべて1200m戦で11.3.1.0の成績だ。
G1初挑戦だった高松宮記念で3着だったが、生涯で13.5.1.0の戦績を残している。
母が短距離馬だったため、ロードカナロアも短距離路線を使われ素晴らしい戦績を残したが、父がキングカメハメハだったことを考えると走っていれば2000mまでは充分守備範囲だったと思われる。
アーモンドアイの母フサイチパンドラはエリザベス女王杯を勝ちオークス2着、2000~2200mで良績を残しているので、アーモンドアイ自体も2400mをこなしても不思議ではない。
ただ、アーモンドアイ以上に長距離適性のある馬がいて、直線最後の最後でもう一伸びが足りず競り負ける事も考えられる。

オークスで強いのが、やはりディープインパクト産駒だ。

過去10年で勝ち馬3頭、2着馬も3頭出している。
馬の成長過程、この時期の東京の芝状態が、ディープ産駒の切れ味にマッチしているのだろう。
そしてサトノワルキューレは、フローラSの勝ち方を見るとディープの切れ味を巧く受け継いでいるようにも見える。
まだ強い相手との対戦がないので底力という点は未知数だが、アーモンドアイを後ろからかわすとしたらこの馬しかいない。


それ以外では、長距離馬が4角でアーモンドアイからセーフティリードを取り、そのままスタミナに任せて振り切るという展開もあるかもしれない。
その可能性があるのは、これまでクラシック戦線で主役を張ってきたリリーノーブル、ラッキーライラックの2頭だ。
リリーノーブルは桜花賞でラッキーライラックにかなり詰め寄っていた。
上がりもラッキーライラックより0.2秒早いので、距離伸びて逆転もあり得る。
ただ、ルーラーシップ産駒だけに現段階ではまだ完成されていない可能性もあるし、胴が詰まった体型を見る限りではこの馬の方がマイル適性が高いようにも見える。

それよりも、やはりラッキーライラックの方が逆転の可能性が高いか。
桜花賞では今回のアーモンドアイ同様、1.8倍の抜けた一番人気だった。
その人気を背負って1番枠から好位に付け、直線抜け出すという正攻法の競馬をした。
アーモンドアイの末脚に屈したものの、この馬自身も桜花賞歴代2位タイと同タイムで走破しており、アーモンドアイさえいなければ今回もこの馬が主役だったはずだ。
桜花賞は陣営が1600m仕様に仕上げ、今回は中間の調整も2400m仕様に変えてきた。
ステイゴールド-オルフェーヴルと続く血統は、距離は長いほど合っている。
2番枠から好位に付け4角早めに抜け出せば、そのまま押し切りも十分あり得る。
やはり、アーモンドアイを任す可能性があるとすればこの2頭か。


それ以外の長距離血統で見た場合はトーホウアルテミスが面白い。
兄は菊花賞馬のトーホウジャッカル、父はハーツクライで、この馬も距離伸びてなお良しの血統だ。
ただ、持ちタイムがなく上がりに速い脚を記録したこともない。
ルーラーシップ産駒のパイオニアバイオは9戦中2着が5回で相手なりに走るタイプだが、さすがにここでは通用しないか。
同じルーラーシップ産駒のロサグラウカも2戦2勝で面白い。
ただこちらも持ちタイムが平凡で、外枠であることも含めて推しづらい。


最後に、強い馬が1頭いると、それを負かしに行った有力馬が直線で総崩れになり、イチかバチかで後方一気に掛けた馬が上位に来るケースがある。
その可能性があるのは、やはりディープ産駒だろう。
マウレアはチューリップ賞で上がり最速を記録、桜花賞もラッキーライラックより速い上がりだったので、可能性はある。
出走取消になったが、トーセンブレスも出走していれば上位入線したかもしれない。


前走別路線を勝っているディープ産駒2騎も、どちらも連対率10割でちょっと面白い。
特にオールフォーラヴのアルメリア賞は、2着に敗れているとはいえ1.45.7のタイムは立派だ。
しかしどちらも肝心の上がりの脚がない。
上がりの脚で言えばレッドサクヤの方が魅力的だ。
姉のエイジアンウィンズはヴィクトリアマイルを勝ち、エバーブロッサムはオークス2着だ。
鞍上が福永に戻ったことも魅力だが、昨秋赤松賞でマウレアに敗れており、底力という点では見劣るか。


◎アーモンドアイ
〇サトノワルキューレ
▲ラッキーライラック
△リリーノーブル
△マウレア


今回は◎〇▲を1、2着、◎〇▲△を3着の3連単16点勝負にするが、トリガミ防止のため◎1着をやや厚めに買う。


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構成作家の鈴木おさむが脚本と監督を担当している。
テレビのバラエティ的な作品である事は予想はしていたが、ハッキリ言ってそれを下回る作品であった。

アラフォーのパティシエ郷田飛鳥(吉田羊)は、小さいながらも巣鴨地蔵商店街に自分の店を持っていた。
そこには15歳年下のパティシエ星矢(野村周平)も勤務しており、飛鳥は星矢から付き合ってほしいと言われていた。
年の差を考えて星矢の誘い断っていた飛鳥だが、飛鳥は過去に恋愛に失敗しない薬を注射していた。

飛鳥は35歳の時、大きなスイーツ店で勤務していた。
そこのオーナー淡井(吉田鋼太郎)と恋愛関係になるのだが、淡井は既婚者で不倫であった。
妻との離婚をほのめかす淡井だったが、実際にはそのつもりはなく、結果的に飛鳥が店を辞めることになった。

しばらくして飛鳥は、親友のシングルマザー千種(大久保佳代子)が想いを寄せる野村(玉木宏)と出会う。
野村から誘いを受け、飛鳥は友情より恋愛を選ぶのだが、それも上手くいかない。
そして、ネット広告で見つけたラブ×ドックと言う診療所に行ってみることにした。
ラブ×ドックの医師冬木(広末涼子)は、恋愛で暴走してしまうのは女性ホルモンのせいで、その女性ホルモンを押さえる薬を注射するという。
飛鳥は半信半疑であったが、その注射を打ってもらう事にした。

アラフォー女子の恋愛あるあるを狙った映画なのだろうか。
だが、自分が50歳を過ぎたオッサンのせいか、感情移入がまったくできなかった。
飛鳥の行動はいかにもアラフォー女子の行動にようにも見えるが、自分の回りの同年代の女性を見ても、これほどステレオタイプな行動は取っていないように思える。
この映画の飛鳥の行動は「男が考えたアラフォー女子」の行動で、本当のアラフォー女子の共感を得られないのではないだろうか。
本当のアラフォー女子はお花畑ばかりを思い描いておらず、もっと地に足付けて、無駄に夢を追わずに恋愛を割り切って考えているのではないかと言う気もする。
面白おかしい作品を作ろうとして、ちょっとスベってしまった感が強い。

ターゲットなるアラフォー女子がこの映画を観て、どう感じたか、率直な意見を聞いてみたい気もした。


68.ラブ×ドック


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モリー・ブルームはモーグルでオリンピック代表を目指していた。
大学教授の父は子供のころから厳しく、モリーが怪我で手術してドクターストップがかかっても、モリーにスキーを辞めさせることはしなかった。
そしてソルトレイク五輪の予選会、上位の選手が失敗してモリーが代表選手になれるかと思われたが、モリー自身も転倒してしまう。

スキー選手を引退したモリーは、ロサンゼルスに移住してロー・スクール入学を目指していた。
元々学業の成績も良く、すでに入学の権利は得ていたのだが、親の反対を押し切って移住をしたため1年間アルバイトをして資金を貯めることにした。
そして、酒場のウエイトレスのバイトで出会った男と一緒に週末のポーカーゲームの運営を行い始める。
ポーカーゲームの運営は、細く長く客をカモらなければならないが、モリーにはその才覚があった。
しかしその男や客たちと揉め、モリーはロサンゼルスで商売ができなくなる。

モリーは一転、今度はニューヨークでポーカーゲームの商売を始める。
そこでも才覚を発揮して太い顧客をつかむのだが、モリーの商売に目を付けたロシアン・マフィアたちが彼女を食い物にしようと近づいてきた。

実在の人物、モリー・ブルームが書いた自伝が原作である。
従ってストーリーも、ほぼ事実に基づいているのだろう。
こういう事実に基づいたノンフィクションに近い映画の場合、どうしてもストーリーのメリハリもフィクション作品に比べてイマイチになってしまうケースが多い。
ところが、まずモリーの半生が実話とは思えないほど劇的な上に、時間軸を巧く入れ替える演出できちんと作品にメリハリが付いている。

冒頭でモリーがFBIに検挙され、その弁護人と彼女がこれまでの罪状を確認する、と言う流れでストーリーが展開する。
モリーはポーカーゲーム運営のために寝る時間がなく、次々とドラッグに手を出し身も心もボロボロになっていく。
その合間に、スキー代表を目指しいたころのモリーが差し込まれ、彼女の流転する人生が描かれる構成になっている。
この見せ方が巧い。
日本人にはあまり知られていないが、なかなか興味深い映画であった。


67.モリーズ・ゲーム



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天才が登場する東野圭吾作品と言う事で、「ガリレオ」シリーズをイメージして楽しみにしていたのだが、ちょっと毛色の異なる作品であった。

物理学者の青江(櫻井翔)は、温泉地で起きた硫化水素のガス中毒死について調べていた。
事故か事件か、警察から見解を求められた青江は、解放された空間で故意に致死量の硫化水素を撒くことはできないと結論付ける。
しかし刑事の中岡(玉木宏)は、死んだ映像プロデューサー水城の若き後妻千佐都(佐藤江梨子)が犯人ではないかと、推理する。
そして青江は、温泉地で調査を行っているとき若い女性と出会った。
彼女は友達を捜していて、その友達はこの温泉地を事件の少し前の訪ねていたようだった。

その後、別の事件で似たような硫化水素のガス中毒死が発生する。
今度は新聞社に調査を依頼された青江は現地に赴くが、あまりにも前回と似た状況であることを不審に思う。
そしてその現場に、温泉地で出会った若い女性が現れた。
若い女性は円華(広瀬すず)と名乗り、中毒死の現場に案内するよう青江に懇願する。
現場を訪れると円華は状況を見て、寒さで空気が地上に滞留しやすい冬を選んだのだろうとつぶやく。

一方中岡は、二つの事件の死亡者の共通点を見出した。
二つ目の事件の死亡者は売れない役者で、映像プロデューサーの水城とは甘粕才生(豊川悦司)と言うプロデューサーでつながっていた。
中岡が甘粕才生のブログを調べると、彼は8年前に娘を硫化水素による自殺で失っており、巻き添えとなった妻も死亡、息子は意識不明の重体になっていた。
しかし息子は手術により奇跡的に意識を回復、しかしそれまでの記憶はすべてなくしてしまうという悲劇に見舞われていた。
そしてその息子謙人(福士蒼汰)の手術をしたのが、円華の父である羽原教授(リリー・フランキー)であった。

映画の予告編で「ラプラスの悪魔」の話が簡単に語られている。
そして事件の鍵を握るのが、物理学上ではあり得ないオープンスペースでの硫化水素中毒死。
もうこの段階で、ストーリーの大半はわかってしまう。
「ガリレオ」シリーズのように、事件のトリックとなる部分が後から明かされる訳ではない。

また「ガリレオ」シリーズが、天才科学者の湯川が主役だったのに比べ、今回の主役の青江は天才ではない。
事件の周辺を調べるのは刑事の中岡で、核心に気付くのは円華、青江は傍観者に近くなってしまっている。
このあたりも興醒めだった。
だったら最初から円華を主役に脚本を書き変えた方がよかったかもしれない。

トリックをすべて「ラプラスの悪魔」の能力で片付けている点も、ご都合主義に思えた。
東野圭吾作品という事で期待が大きかっただけに、ガッカリ感も大きかった。


66.ラプラスの魔女


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よくあるヤクザ映画かと思ったが、さすが白石和彌だ。
ヤクザの抗争をかなりハードに描きながらも、全体としてのストーリーを損なわない見せ方になっている。
この映画を観てしまうと、北野武の「アウトレイジ」シリーズも霞んでしまう。

日岡(松坂桃李)は広島大を出て刑事になった変わり種である。
新任として赴いたのは呉原東署で担当は捜査2課、いわゆるマル暴である。
日岡の教育係はマル暴のエース大上(役所広司)だった。
大上は捜査のためなら放火まで行うアウトローで、尾谷組とも癒着していた。

14年前、呉原市は地元の尾谷組と広島市に拠点を置く五十子会の間で抗争が行われていた。
その抗争は五十子会幹部組員が惨殺され、尾谷組の組長(伊吹吾郎)が逮捕されることで幕引きとなった。
その後14年間大きな抗争は起っていなかったのだが、五十子会は尾谷組組長の出所前に呉原を押さえようと企み、傘下の加古村組に尾谷組のシマを荒らすように命じていた。

そんな時、加古村組のフロント企業の闇金業者の経理が、失踪をする。
失踪した男の妹から相談を受けた大上は、日岡とともに捜査を始めるのだが、加古村組の組員の様子から、失踪した男がすでに死亡していると考えた。
折しも加古村組のシマ荒らしが激しくなっており、怒った尾谷組の若手が加古村組幹部に切りかかって射殺され、その報復で尾谷組の組員が加古村組の事務所に発砲した。
たまたま発砲の現場近くにいた日岡は発砲した組員を逮捕するが、若手を射殺した加古村組幹部は捜査の手を逃れる。
怒った尾谷組の若頭一之瀬(江口洋介)は、加古村組と戦争を始めようとする。
大上は刑務所内にいる尾谷組組長と一之瀬を、フロント会社の男を殺した容疑で必ず加古村組を追い込むから戦争をしないように説得、一之瀬は3日間の猶予を大上に与える。

時間を限られた大上は、さらに過激な捜査で殺人事件を立件しようとする。
だがその一部始終を、日岡が記録していた。
日岡は、違法な捜査をしている大上を内偵するため、広島県警本部から送り込まれていたのだった。

映画の冒頭から、女性はちょっと制止できないかもしれないほどの、激しいリンチシーンである。
地中から掘り起こされる死体や水死体なども、最初ははっきり映さないのかと見せかけて、結局はグロい姿をバッチリ映している。
もちろん役者の演技ではなく制作された偽物なのだが、それだけにリアリティがある。
ヤクザのイチモツから真珠を抜き出すシーンなどもあり、とにかく手抜きなく激しさを追及している。

その一方で、日岡の心情変化もきちんと描かれている。
最初はただのチンピラ悪徳刑事のように表現されている大上だが、それもヤクザの抗争を阻止するための手段であることが、ストーリーが進むごとに明らかになっていく。
クライマックス直前、日岡が自分が書いた大上の内偵レポートを読み返すシーンでは、ちょっと感動もした。
さらに冒頭、かなりハードな映像ばかりが続く中で、日岡の心の安らぎとして薬局店員の桃子(阿部純子)を登場させている点も巧みだ。
竹之内豊や中村獅童あたりですらかなりの脇役扱いなのに、桃子に清楚なイメージの阿部純子を配する点で、キャスティングのセンスを感じる。

豪華な役者陣の演技力は言わずもがなだが、中でも役所広司と松坂桃李の演技は素晴らしく、それぞれ主演男優賞、助演男優賞を総ナメしても不思議ではない。
かなりハードなシーンが続くので誰にでも勧められる映画ではないが、映画好きにはぜひ観てもらいたい作品である。


65.孤狼の血


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G1勝ち馬5頭に加えてG1で2着3回のリスグラシューもいるため、非常に難しいレースとなった。
前日発売から、そのリスグラシューとアエロリットが代わる代わる1番人気となっているが、天気が雨予報になってから昨年の勝ち馬アドマイヤリードがじわじわ人気を上げてきている。
雨は降りそうだが馬場発表は良馬場のままだろう。
しかし逆に表面が濡れた芝の方が滑りやすい。
元々得手不得手がはっきり出る東京マイルだが、馬場状態も影響が出るかもしれない。
だが、13時現在でも発表は曇りなので、このまま早い時計の出る馬場で予想をする。

そして、人気上位に来ている馬は強い4歳世代が多い。
予想も4歳世代を中心に考えたい。

まず、アエロリットが人気になっている一番の理由は、昨年のNHKマイルCを勝った時の時計が優秀だからだ。
ミドルペースを先行したうえに、3番目に早い上がりの脚を使って押し切っている。
距離が長かった桜花賞が5着、重馬場の秋華賞は7着だったが、休み明けの前走中山記念は牡馬相手にハイペースを追走して2着に粘っている。
しかも、斤量は55kgだった。
普通に考えればこの馬が本命だろう。

しかし今回は、POG指名馬でもある昨年のオークス馬ソウルスターリングの復活に期待したい。
昨秋は毎日王冠で復帰し、天皇賞秋、JCと、古馬、牡馬たち相手に善戦した。
休み明けの前走は10着と惨敗したが、一叩きされて体調は良化している。
昨春の強さは世代トップクラスで、人気を落としている今回が狙い目だ。

対抗もちょっと捻ってラビットランにする。
芝2戦目だった昨秋のローズSを、強烈な末脚で差し切った。
秋華賞は馬場に末脚を殺されながら4着、その後2戦は古馬と戦って一息の成績だった。
だが前走の阪神牝馬Sは、スローペースにはまって着順こそ9着だったが、メンバー最速の上がりを記録した。
今回はハイペースが想定されるので、長くいい脚が使えるこの馬の末脚が魅力となる。

3番手はアエロリットだ。

4番手はリスグラシュー。
安定度は抜群ながら、武豊をもってしてもなかなか勝ちきれない。
東京新聞杯を勝っており、東京は2.0.0.1の成績ではある。
だがハーツクライ産駒でありながら、2000m以下の成績が3.4.3.0であるのに2200m以上の2戦は0.0.0.2。
惨敗はないと思うが、今回はハイペースの消耗戦で、最後はスタミナと底力を要求される可能性が高いので、少し評価を下げた。

そのほかの4歳世代は、ミスパンテールが人気になっている。
現在4連勝中で、横山典がアエロリットではなくこちらを選んだ点も気になる。
しかしスローペースをそのまま先行して押し切る脚質は、今回のレースでは通用しないと思われる。
カワキタエンカも同様だ。
レーヌミノルは昨年の桜花賞馬で、秋のマイルCSも4着だった。
マイルは得意レースとしているが、この馬も先行タイプなので直線捕まる可能性が高い。
リエノテソーロは昨年のNHKマイルCで最速の脚を使い2着入っているが、その後は先行したり追い込んだりで、戦い方が安定しておらず信頼性に欠ける。
デアレガーロはここ2戦どちらも上がり最速の脚を使っている。
1600mの持ちタイムも優秀だが、まだ重賞2戦目でありキャリア面で不安が残る。
さらにオープン入りしたばかりのメイズオブオナーもまだ家賃が高いか。

それでは古馬はどうか。
昨年の勝ち馬アドマイヤリードは、昨年の勝利が稍重によるものだと思われている。
実際、その後4戦して稍重の府中牝馬Sが3着、それ以外は4着以下に沈んでいる。
とは言え、12着だった東京新聞杯は直線不利があり、前走の阪神牝馬Sは56kgを背負っての4着で、道中挟まれる不利もあった。
ハイペースへの対応がどうか、やや不安点はあるものの、鞍上がデムーロだけに道中巧くさばければ上位進出もあるだろう。

3年前の桜花賞馬レッツゴードンキも面白い存在だ。
1200~1600mのレースでは、芝、ダート問わず上位進出するレースが多い。
だがヴィクトリアマイルに限って言えば、過去2年で10着、11着だ。
東京芝は0.1.0.3で、唯一の2着は2歳時のアルテミスS。
東京芝コースは不得手としていると考えざるを得ない。

レッドアヴァンセは、半弟のレッドヴェイロンが先週のNHKマイルCで3着に入っている。
兄のリディル、クラレント、レッドアリオンもマイル戦で重賞を勝っており、まさにマイル血統の一族である。しかし前走は同斤量のミスパンテールを捕まえ切れなかった。
相手なりに善戦するタイプで、上位進出は苦しいだろう。

昨年の2、3着馬で言えば、3着だったジュールポレールの方が妙味があるか。
デンコウアンジュは切れる脚があり、鞍上の蛯名も魅力だ。
包まれない外枠を希望しており、巧くさばけば上位進出もあり得る。
一方、ジュールポレールは前走不利がありながらも5着。
こちらもディープ産駒らしい切れ味がある。
微妙な選択であるが、希望していたとは言え外枠はやはり不利になると考え、ジュールポレールを上に取ることにする。


◎ソウルスターリング
〇ラビットラン
▲アエロリット
△リスグラシュー
×アドマイヤリード
×ジュールポレール

馬券は◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。

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「モーリス」のジェームズ・アイヴォリーが脚本で、今年のアカデミー賞の脚色を受賞していると言うことで観に行ったが、正直退屈な映画だった。

エリオは大学教授を父に持つ青年で、自身はピアノを得意としていた。
毎年夏休みは北イタリアの別荘で両親と過ごしていたが、その夏は父と同じく考古学を研究するオリヴァーが別荘を訪れていた。
エリオは地元の女の子たちと触れ合うが、次第にオリヴァーにも興味を持つようになっていった。

昨年の米アカデミー賞受賞の「ムーンライト」に続く、ゲイをテーマにした作品である。
ただ日本人である私には、「ムーンライト」同様まったく作品の良さを理解できなかった。

同じくゲイをテーマにした「モーリス」は、二人がこの後どこまで堕ちてしまうのかと言う不安を巧く表現していた。
そして、かつて同じくアカデミー賞を受賞した「ブローク・バック・マウンテン」も同様に、ストーリーの後に二人が社会的に完全に抹殺されてしまうのではないかと言う状況を表現していた。
未来がないことがわかっていながらも、登場人物たちは自分の気持ちを封じ込めずに同性愛に落ちていく、その危険な香りが観ている者を引き込んでストーリーに引き込んでいった。

しかし「ムーンライト」もこの作品も、登場人物たちは同性愛に落ちていくものの、それほど社会的なダメージを受ける予感がしない。
むしろ、ひょっとするとパートナーと幸せな生活を送ってしまうのではないかと言うハッピーエンディングの匂いさえする。
そのため、観ていて非常に気が抜けた感じになってしまう。

北イタリアの美しい夏が描かれており、情緒的な映画ではあるが、ストーリーのメリハリはほとんどない。
「モーリス」を期待して観に行ったが、ハッキリ言ってガッカリした。



64.君の名前で僕を呼んで



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先週の天皇賞は、2番人気→1番人気→4番人気の3連単で11,650円をゲット。
今週も気分よく予想したい。

NHKマイルCは、過去10年で1番人気が6勝、2番人気が1勝なのに、馬連が3桁なのは1回だけ、3連単10万超が6回もある。
理由は簡単、1か月で馬がガラリと成長する3歳春の時期に施行され、しかも東京コース未経験という馬が多いからだ。
最近こそ最初からこのレースを目標にする馬も多くなったが、それでもクラシック路線のローテを組みながら、現段階ではマイルが適距離、ということでこのレースに目標変更する馬が少なくない。
しかし、東京マイルはスピードに加えてスタミナも要求されるコースで、芝状態がいいこの時期はよりスピードへの対応が必要となる。
そのため、かなり過酷なレースなのだ。
過去10年の勝ち馬のうち4頭は、このレースの後重賞を勝てずに引退している。

今年は良血馬が多く、かなり難しいレースとなったが、本命はテトラドラクマにする。
東京マイルは2.1.0.0でパーフェクト連対、ルーラーシップ産駒からスタミナも問題ないだろう。
前走のクイーンCはハイペースで先行しそのまま押し切った強い内容だった。
2月から直行というローテーションが不安だったが、今週の追切が絶好の動き、問題なく仕上がっている。
内枠に入ったため楽に先行が可能で、今回もスピードの違いで押し切る可能性が高い。

対抗はPOG指名馬のルーカスにする。
デビュー以降常に1800m以上を使われ、マイルは今回が初めて。
だが全兄はマイル王のモーリスである。
スクリーンヒーロー産駒なので、この先は2000m前後のレースでも活躍すると思うが、現段階では1600mが適距離と思われる。
鞍上は、先週のシュヴァルグランのために短期免許で来日したボウマン。
昨秋の東スポ杯2歳Sはワグネリアンに次ぐ2番目の上がりの脚を使っており、東京コースは得意である可能性が強い。
まったく人気のない今回が狙い目だ。

三番手はタワーオブロンドンだ。
前走のアーリントンCは完勝、昨秋の京王杯2歳Sで東京コースも勝利している。
朝日杯FSも3着で実績ならこの馬が一番だ。
ただ、今の東京コースは馬場状態が良く、先行馬が止まらない。
テトラドラクマを捕まえられるかどうか微妙で、今回は3番手評価にした。

四番手はプリモシーンにする。
前走の桜花賞は出遅れて10着。
休み明けで初の西下だったことを考えると無理もない。
一叩きされガス抜きされた今回は、前走のようなことはないだろう。
ディープ産駒らしい切れ味を持ち、東京マイルはこの馬に合っている。
ただこの馬も追い込み一辺倒、テトラドラクマには2戦して2勝しているが、やはり捕まえ切れるかどうかわからないので4番手とする。

五番手以降は迷う。
切れ味で言えば、アーリントンCでタワーオブロンドン以上の上がりの脚を使ったレッドヴェイロンだ。
レッドアリオン、クラレントを兄に持ち、バリバリのマイラー血統である。
ただ今回は外枠に回ってしまった。
さらにデムーロから岩田に乗り代わり。
乗り代わりはいい方に出るかもしれないが、不安要素が多いので無印にする。

毎日杯2着のギベオンも面白い。
勝ったブラストワンピースはダービーでも穴人気になりそうで、この馬もいいレースをしていた。
ただ、今週の追切の動きが今ひとつ。
東京コースは合っているし、デムーロがレッドヴェイロンではなくこの馬を選んだのは気になるが、やはり無印にする。

ミスターメロディはファルコンSを先行して勝ったが、先行した馬がすべて上位に入っておりレースのレベルに疑問符が付く。
リョーノテソーロは前走が案外だったので人気を落としているが、クロッカスSは上がり最速で勝ち上がっている。
ただ本質はダートの短距離血統のようで、東京1600mはやや苦しいか。

前走NZTを勝ったカツジは面白い。
スローペースを大外を回って強襲し、最後方から差し切った。
内枠に入って包まれる心配はあるが、鞍上松山が巧くさばけば上位進出も十分あり得る。

同じくNZT2着のケイアイノーテック、3着のデルタバローズもいい競馬をした。
ただ、前走は展開に恵まれた感もあり、今回はスローで流れるとは考えづらい分割引が必要だ。

であるならば、パクスアメリカーナか。
アーリントンCは自ら動いて2着、タワーオブロンドンには切れ負けしたが、道中の位置取り次第で逆転も可能だ。
全姉のホエールキャプチャが同時期同コースのヴィクトリアマイルを勝っており、血統的な裏付けもある。


◎テトラドラクマ
〇ルーカス
▲タワーオブロンドン
△プリモシーン
×カツジ
×パクスアメリカーナ


馬券は◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。


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このところ目立った作品がなかったが、「ミレニアム」シリーズで一躍スターとなったノオミ・ラパスが主演だ。
ノオミ・ラパスはやっぱりこういうサスペンスが似合う。

アリス(ノオミ・ラパス)は移民の子としてアメリカで育ったが、身体能力の高さからCIAにスカウトされエージェントとなっていた。
そしてヨーロッパで尋問官として活動していたが、フランスのテロ事件を未然に防げなかったことにショックを受け、自ら一線を退いてしまう。
上司のエリック(マイケル・ダグラス)は復帰を進めるが、主だった活動はせず、イギリスで移民のケースワーカーを装いながら、静かに諜報活動を続けていた。

だがある日、アリスはCIAヨーロッパ支部長からの依頼で尋問の仕事を命令される。
無理やり尋問の部屋に連れ込まれると、そこにはイスラム教徒の男がいた。
彼は、イギリスで高い地位にいる指導者の言葉を、アメリカのスポンサーに伝令を任されていた。
その伝言の際の合図(プロトコル)を白状させるのだが、ほぼ白状させたときにアリスの携帯が鳴り、この尋問の指令がまだ正式に発令されていないことを知る。
アリスはすぐにこの尋問自体が罠だと悟り、その場にいたヨーロッパ支部のメンバーを名乗る男たちを殺害、伝令の男とともにその場を脱出するものの、伝令は途中で殺害されてしまう。

アリスは上司のエリックの隠れ家に行き、事の成り行きを問いただそうとする。
しかしエリックと話を始めたとたんに急襲を受け、エリックは倒されてしまう。
アリスはなんとか逃げ延び、エリックが最後に告げた隠れ家に向かうと、そこにはちょうど空き巣が泥棒をしようとしていた。
空き巣は元海兵隊員でオルコット(オーランド・ブルーム)と名乗った。
アリスがCIAに連絡を取ると、すぐにイギリス警察の特殊部隊が部屋を急襲する。
危ういところをオルコットに助けられたアリスは、オルコットを相棒にして黒幕の正体を探ることにする。

良くも悪くも正統派のスパイ・サスペンスである。
登場人物が少ないので、誰がアリスをはめたのか、途中でだいたい犯人が絞り込めてしまうも、演出と役者の演技力で最後まで楽しむことができた。

「アトミック・ブロンド」「レッド・スパロー」など、最近の映画は女性エージェント物が多いが、体力的にディスアドバンテージがある女性エージェントは、通常のスパイ映画よりもハラハラ感が強く面白いかもしれない。
ノオミ・ラパスはこういう役柄が似合うので、ぜひ続編も作ってほしい。


63.アンロック/陰謀のコード



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原作は「GANTZ」の奥浩哉だ。
物理的な矛盾を無視した、圧倒的にスタイリッシュな機械化された犬屋敷と獅子神は、いかにも奥浩哉のデザインという感じだ。

もうすぐ定年の冴えないサラリーマン犬屋敷(木梨憲武)は、ローンを組んで一軒家を購入するも、健康診断の再検査で余命3か月を宣告される。
だが、彼を案じる家族はいない。
家族からは疎まれ、特に高校生の長女からは、犬屋敷の見た目が更けていることもあり毛嫌いされていた。

そんな犬屋敷のもとに、ある日犬が迷い込んできた。
妻に責められ、その犬を捨てようと夜中に出かけると、犬屋敷は不思議な光に包まれて気を失う。
犬屋敷が目覚めると、体全体が機械化されていた。
そして道端で瀕死のハトを手に取った時、ハトが息を吹き返して元気に飛び立ったのを見る。
犬屋敷はこの自分の力を、病気で苦しむ人たちのために使うことにした。

犬屋敷と一緒に光を浴びた高校生がいた。
獅子神皓(佐藤健)である。
獅子神は手を銃のような形にし、目的物に向かって「パン」というだけで、銃撃できる力を得ていた。
力を得た獅子神は、不登校の親友アンチョク(本郷奏多)を登校させ、いじめようとする同級生たちからアンチョクを守るのだった。

獅子神の両親は離婚し、彼は母親(斉藤由貴)と暮らしていた。
時折父のところにも行くのだが、父は新しい家族と幸せそうに暮らしている。
父の家族は獅子神も暖かく迎えてくれるのだが、そうされればされるほど、母を捨てた父へいら立ちを覚えた。
そして父親の家からの帰り道、幸せそうに暮らしている家族を力で惨殺してしまう。
襲われる家族の声をキャッチした犬屋敷は現場に向かうが、獅子神に倒されてしまう。
獅子神が去った後、犬屋敷は襲われた家族を回復させようとするが、死亡してしまうと力では回復できないことを知った。

獅子神は力を使って銀行口座の預金を増やすなど、破戒的な行為を行うようになった。
アンチョクは彼を制止しようとするが、力を得ることによって考えを変えてしまった獅子神を止めることはできなかった。
やがて、家族惨殺事件の捜査をしている警察が、獅子神にたどり着く。
獅子神は逃走をするのだが、母親がマスコミにさらされてしまう。
そして世間から中傷を受けた獅子神の母は、自ら命を絶った。
獅子神はこのことに激怒、母親をマスコミにさらした人間をネット上から一人ひとり狙撃し始めた。
獅子神は、彼に想いを寄せていた同級生しおん(二階堂ふみ)にかくまわれるのだが、SATの急襲を受けしおんと彼女の祖母が犠牲となってしまう。
獅子神の怒りは頂点に達し、彼は日本全体に対して戦争をしかけると宣言した。

犬屋敷と獅子神がなぜ機械化されたのか、いっさい説明なく物語は進行する。
しかしスピーディな展開に引き込まれ、そのほかの小さい矛盾も含めて、気づかないまま最後まで観てしまう。
そのあたりが奥浩哉の力量だろう。
身近な話からどんどん話が大きくなっていくのも、この作者特有の世界観だ。
「GANTZ」では「カタストロフィ編」になってから話がグズグズになってしまうのだが、この映画に関してはきちんと起承転結がまとまっていた。
ただ、原作では映画のストーリーの後に、隕石が地球に接近するというかなり大味な展開があるようだ。
そこまで話を続けず、ちょうどキリのいいところで終わらせている部分は、脚本家のファインプレーと言えるかもしれない。
同じ監督作品だが、映画版「GANTZ」のようなラストのガッカリ感はなかった。

また、木梨憲武の犬屋敷と佐藤健の獅子神は非常にはまっていた
特に佐藤健は現在の「半分、青い」のような好青年役も多いが、こういう悪役を演じさせても巧い。
「龍馬伝」の「人斬り以蔵」の演技も素晴らしかった。
犬屋敷の家族は出さず、犬屋敷、獅子神、そしてアンチョクの3人だけ引き継いで、原作とは別のバトルシーンだけの続編を作っても面白いかもしれない。

62.いぬやしき


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