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予告編では「戦争エンターテイメント」と言う謳い文句だったが、実際の内容はエンターテイメントとはまったく異なる物だった。

伍千里は人民軍第9兵団で第7中隊の中隊長だった。
国民党との戦いで兄の百里を無くし、遺骨を持って故郷に戻っていた。
だがすぐに招集がかかる。
朝鮮戦争で中国はソ連と共に北朝鮮を支援しており、援軍を送ることになったのだ。
再び第9兵団が招集され、精鋭部隊の第7中隊も全員が戻ってきた。
ただし人民軍として派兵するわけにはいかないので、全員が志願兵という形を取り、人民軍の軍章も外して戦地に向かう事になった。
アメリカを中心とする国連軍は38度線を越え、長津湖まで進軍していた。
中国は長津湖の東と西に兵を分けて応戦することを画策、第9兵団は鴨緑江を超え、無線機12台を前線に届ける任務となった。

千里には弟の万里がいたが、彼は千里を追って第9兵団の集合地に現れ、強引に志願兵団に入ってしまう。
千里は仕方なく、かつての師匠で今は部下となる雷公率いる砲兵小隊に万里を入隊させた。
第9兵団が鴨緑江を越えた直後から、夜間には零下40度近くなる極寒の地で、米兵との過酷な戦闘が始まる。

ハンパなしの、ゴリゴリの戦争映画である。
映画を観た後調べたら、中国共産党成立100周年祝賀作品として製作された「中国勝利三部曲」の第2作らしい。チェン・カイコーをはじめ3人の監督が名を連ねているが、中国共産党による戦意高揚映画と言っていいだろう。
CGやVFXの出来は予想以上で、そういう意味ではエンターテイメント性はあるかもしれない。
しかし爆発で吹き飛んだ兵士が内臓を露出させるなど、かなりリアルで過激な演出がなされており、レイティングは「R15+」だ。

この作品は、朝鮮戦争が舞台なので兵士はアメリカと戦っている。
かつ、アメリカ兵がとんでもない鬼畜、という描き方はされず、油断していたところを志願兵団に急襲されなし崩し的に退却する、と言う展開になっている。
おそらく史実にかなり近いと思われ、韓国以外ではあまりストーリーに違和感を感じないかもしれない。
ただ、日中戦争をテーマにした映画もこのテイストで作られているのかと考えると、当然日本兵は鬼畜として描かれているだろうし、その日本軍をボコボコに倒して「中国万歳!」と言う結末になっているのだと思う。
そういう映画を観て、中国の国民が喝采をあげているのかと思うと、観終わった後かなり気分が重くなってしまった。


104.1950 鋼の第7中隊


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G1シリーズスタートの前に、先週のオールカマーの馬券を試しに買った。
ここ数年牝馬が上位に来るレースなので、牝馬3頭のワイドボックスを買ったところ、一番人気のデアリングタクトが伸びあぐね、内からするすると伸びてきたジェラルディーナが勝利、ウインキートスが粘って3着に残ったので3180円をゲットできた。
そのレースを見て思ったのは、内が伸びて外が伸びないという事。
先週は台風の影響で良馬場発表だったものの、ひょっとしたらやや重に近かったのかもしれない。
さらにスローペースでもあったのだが、1~3番枠が上がり1~2番目の脚を使って1~3着という事は、やはり内、外の馬場差が大きいのは間違いないだろう。
最終週とは言え1開催のみなので、今週も先週と同じ馬場である可能性は高い。

スプリンターズSも牝馬が強いレースだ。
この10年で牝馬が連対を外したのはわずかに2回、しかも1~3着まですべて牡馬だったのは1回だけだ。
かつ、今年は3歳馬が活躍している。
それを考えると、人気ではあるがメイケイエール、ナムラクレア、テイエムスパーダあたりが優勝候補になるか。
ただ、メイケイエールは馬具の変更で気性的な問題は収まったようだが、レコードから中2週と言うローテーションが気になる。
先週の調教でいい時計を出しているので調子落ちはないかもしれないが、レコード勝ち後に人気になって負けると言うパターンは多いので、絶大の信頼は置きづらい。
となると、3歳馬2頭か。

ナムラクレアは2走前の函館SSを古馬と初対戦で快勝。
前走は4角を回ったところで行き場を無くしたが、そこから馬群を縫って3着に食い込んだ。
鞍上の浜中もかなり反省をしており、同じ轍は踏まないだろう。
同期でも桜花賞3着があり、トップレベルの実力の持ち主だ。
ここは本命に推したい。

対抗はテイエムスパーダ。
CBC賞は馬場、斤量と言う条件も良かったが、1.05.08で日本レコードを叩き出した。
単純計算ですべてのハロンで11秒を切っていることになり、今後この記録が破られることは当分なさそうだ。
前走はマークがきつくなり逃げバテしたが、今回は前走よりも楽に逃げられるだろう。
しかも内枠が伸びる馬場なら、そのまま逃げ粘りも考えられる。

3番手はメイケイエールだ。
あっさり勝てる可能性もあるが、そのときはごめんなさいだ。

4番手はタイセイビジョン。
春の春雷Sから3戦連続2着で、安定した成績を残している。
勝ちきるまでは難しいかもしれないが、ペース、コース不問で追い込む脚があるので、ここでも上位争いしてくる可能性は高い。

5番手は以降は迷う。
春雷Sを勝ったヴェントヴォーチェは前走キーンランドCも快勝している。
ただ、同じ春の中山1200mを勝った馬という事であれば、オーシャンS勝ちのジャンダルムの方が魅力的か。
ハイペースを番手で追いかけて抜け出し、その後に高松宮記念を勝ったナランフレグの強襲を凌いでいる。
休み明けの前走は17着だったが、一叩きして状態は上昇、今回もテイエムスパーダを番手で追いかけて粘り込みをしても不思議ではない。

最後は、3歳牡馬のウインマーベル。
1200m戦は3.2.3.0で4着以下がなく安定した成績だ。

安田記念2着のシュネルマイスターは外枠に入ったが、直線が短く外差しが聞きづらい今回は追い込んで届かずと見て無印にした。

◎ナムラクレア
〇テイエムスパーダ
▲メイケイエール
△タイセイビジョン
×ジャンダルム
×ナランフレグ

馬券はいつも通り三連単フォーメーションで、1着◎○、2着◎○▲△、3着は◎○▲△×の24点勝負。


それと凱旋門賞だが、今年も馬場状態が悪く日本馬は苦戦しそうだ。
そしてこちらのレースも、斤量の関係で3歳馬と牝馬が有利だと思われる。
勝ち馬候補はルクセンブルク、アルピニスタ、オネスト、ヴァデニあたりかと思うが、ルクセンブルクとヴァデニは2400未経験という事でやや厳しいか。

馬券は応援馬券で、日本馬4頭のワイドボックス6点と、アルピニスタ、オネストの2頭から日本馬へ3連複4点で勝負。


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裕次郎(香取慎吾)はホームセンターの店員で、客として来店していた日和(岸井ゆきの)と結婚していた。
知り合ってから7年、妻は毎日にこやかに接してくれており、裕次郎は何の不満もなく暮らしていた。
ある日昼食中、結婚を控えた同僚で後輩の若槻(井之脇海)が、マリッジブルーでSEXをする気が起こらないと言い出した。
裕次郎は、ウチは2年半セックスレスだが問題ないと、明るく笑う。
だが、それを聞いていた同じく同僚の蓑山(余貴美子)が話に入ってきた。
蓑山はすでに5年間セックスレスで、かつスマホで「旦那デスノート」と言うサイトに本名で投稿していると言い出した。
蓑山が見せる「旦那デスノート」の書き込みはなかなか過激で、裕次郎と若槻はかなり引き気味だ。
そして裕次郎は、「旦那デスノート」のある書き込みに目が留まった。
ハンドルネームは「チャーリー」で、ここ数日間の裕次郎の日和に対してと同じ言動が書かれている。
「チャーリー」は、二人が飼っているフクロウの名前でもあった。

日和はコールセンターに勤めていた。
ある日出版社の編集者から連絡が入り、「旦那デスノート」を出版したい、中でも日和の投降をメインにしたいと言ってきた。
書き込みだけで気が済んでいた日和はあまり気乗りはしなかったのだが、編集者が主宰する、図書にメインで掲載する書き込み者の会に参加した。
するとそこに、なんと蓑山も現れた。

裕次郎は日和の書き込みに気づいていたが、その事を日和にいう事もできず、落ち込んでいた。
そんな時、ファミレスで同僚のしおね(中田青渚)と顔を合わせる。
しおねはたくらみがあって裕次郎に近づいてきていたのだが、裕次郎はその事に気づかずに有頂天になり、LINEにしおねを「きたろう」として登録した。
だが、その「きたろう」の相手が女性であることを、日和に気づかれてしまう。

基本的には夫婦のスレ違いのブラックコメディなのであるが、ストーリー展開にはシリアスな部分も多いく、完全なお笑い映画に振り切っていない。
しかも、途中で一度二人はわかりあえそうになるのだが、とある理由で再度決裂してしまう。
その理由の原因は過去に起きた事なので、今からやり直す、と言う事にもできない。
観ていて解決の糸口が見えず、感情移入することができない。

ラストもかなり強引で、ほとんど笑う事はできなかった。
ところどころに息抜き的なしょうもないボケを入れておけば、もう少し作品全体の雰囲気は変わったかもしれない。


103.犬も食わねどチャーリーは笑う


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「わが母の記」以降、文芸大作を教科書通りに撮影して面白みに欠けていた原田眞人だが、この映画は久しぶりにガツンと来る作品だった。

歌舞伎町の交番に勤務する出月(岡田准一)は、管轄内のスーパーの高校生アルバイトに想いを寄せていた。
しかしそのスーパーは中国人たちの襲撃を受け、高校生アルバイト3人を含む4名が射殺されてしまう。
出月は警官を辞め、中国人たちに復讐をした。
復讐を終えた出月は自首して捕まるが、そこで阿内(酒向芳)から潜入捜査官になる事を持ち掛けられる。
ミッションは、東日本最大の暴力団組織東鞘会への潜入だった。
阿内は出月に「兼高」名義のパスポートを渡し、東鞘会の中でも一番危険な男室岡(坂口健太郎)に接触するよう指示した。
室岡はタイで、ヘルドッグというチームを指揮して暴れまわっていた。
AIによると、東鞘会の中で一番兼高と相性がいいのが室岡との事だった。

1年後、兼高と室岡は東鞘会神津組で殺し屋コンビとして活躍していた。
神津組の組長の土岐(北村一輝)は東鞘会三羽烏の一人で、先代の6代目東鞘会組長が殺された後、東鞘会の組長になってもおかしくない実力者だった。
三羽烏の残りの二人の大前田(大場泰正)と熊沢(吉原光夫)、そしてインテリの三神(金田哲)も含め、いずれも組長になってもおかしくなかったのだが、7代目になったのは先代の秘書をしていた若い十朱(MIYAVI)だった。
熊沢が十朱の秘書となり、大前田、土岐、三神の3人が組を支える存在となっていた。
兼高と室岡のコンビはこの1年で組内の仕事を的確にこなしたため、評価もうなぎ上りだったが、三神はその事をあまりよく思っておらず、三神と兼高、室岡は時折言い争いをする状態だった。

ある時、仕事を終えた二人を土岐が迎え、組員全員でステーキハウスに行った。
そこでステーキを焼いていた女性は、室岡の幼馴染の勝所杏南(木竜麻生)だった。
室岡と杏南はどちらも犯罪加害者の家族と言う関係だった。
杏南はホテルにいればいずれ室岡が戻ってくると思って、待っていたのだ。
二人は付き合い始めるが、室岡は杏南から犯罪被害者のグループを紹介される。
その中の一人から、母が新宿のスーパーで中国人に射殺されたと言う女性がいて、2カ月に一度、誰かから金銭が届くと言う話を聞いた。

一方兼高は、ステーキハウスのあとマッサージ店に来ていた。
そこのマッサージ師衣笠(大竹しのぶ)は、かつて息子が大前田の組に所属していて殺されていた。
衣笠も阿内から誘われた潜入捜査員で、阿内と兼高の間の連絡を取り持つ役目も担っていた。
阿内からの連絡を受け取った直後、兼高は土岐から呼び出される。
駆け付けると土岐は、兼高と室岡の噂を聞いた十朱から自分の護衛に付けたいと話が来ている、と告げた。

この後ストーリーは、西日本勢力との抗争に発展する。
その間兼高は阿内から指令を受け、十朱の握る警察上層部のスキャンダル書類の奪還に動く。
西日本勢力との抗争で幹部が命を落とす中、兼高はさらに十朱に近づくが、その一方で室岡が兼高の正体に気づき始める。

岡田准一が技闘デザインをしているアクションシーンは、かなりハードである。
途中で西日本勢力のヒットマンと銀座のバーで格闘となるのだが、なかなか過激な格闘シーンとなっていた。
ストーリーも、西日本勢力との激しい抗争に加え、東鞘会内部の勢力争いや人間関係なども描かれており、緊迫した展開が最後まで続く。
さらにラストは、原作を知らないとちょっと予想外の落とし方になっている。

アクションシーンが過激で終始シリアスな展開が続くため、誰にでもお勧めはできないが、アクション映画好きならかなり満足できる作品である。


102.ヘルドッグス


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「ガリレオ」シリーズの劇場版最新作だ。
謳い文句は「シリーズ最高傑作」だが、個人的には前2作よりややパンチが弱いかな、と言う印象だった。

東京都の多摩地区にある小さな市菊野市では、毎年夏祭りにパレードとのど自慢大会が実施される。
2017年の夏、そののど自慢大会で並木佐織(川床明日香)が、審査員も驚愕するレベルで優勝した。
佐織の両親は居酒屋「なみきや」を二人で切り盛りしており、佐織には妹の夏美(出口夏希)もいた。
のど自慢の審査員であった音楽プロデューサーの新倉直紀(椎名桔平)と留美(檀れい)夫妻が「なみきや」を訪れ、佐織にCDデビューさせようと父の並木祐太郎(飯尾和樹)を説得するも、祐太郎は首を縦に振らなかった。
しかし母の真智子(戸田菜穂)や祐太郎の親友の戸島(田口浩正)の説得により、佐織はデビューに向け飯倉のレッスンを受ける事となった。
佐織は高垣智也(岡山天音)と言う恋人もでき、デビューに向け順風満帆のように見えた。
しかしデビュー直前、忽然と姿を消してしまう。

そして2022年6月、東京から遠く離れた静岡県で火事が起き、その焼け跡から並木佐織と見られる遺体が発見される。
遺体の死因は後頭部の殴打による撲殺で、火事の時点ではすでに死亡していたと推定された。
なぜ、佐織の遺体は静岡で発見されたのか。
火事が起きた家の家主は火事で焼死していたが、その息子の蓮沼寛一(村上淳)は、佐織が失踪した当時に菊野市に在住していたことがわかった。
捜査本部は、草薙俊平(北村一輝)を呼んだ。
草薙はかつて蓮沼が容疑者となった別の事件を担当していた。
15年前に少女が殺害され、少女の父が経営する工場の従業員だった蓮沼が容疑者になったが、蓮沼は黙秘を続け一審、二審とも無罪になっていた。
検察は控訴を断念、少女の母はその事を苦にして自殺していた。
草薙にとっては、忘れたくても決して忘れられない事件だった。

その後蓮沼が江戸川区に在住している事が判明し、警察が家宅捜査をしたところ部屋からは佐織の血痕が付着した作業着が発見される。
警察は蓮沼を逮捕して取り調べをしたが、蓮沼は沈黙を貫き警察は勾留期限後に彼を釈放せざるを得なかった。
蓮沼の父親は元刑事で、自白を取って送検をしていた時代の人間だった。
その事を子どもの頃から聞いていた蓮沼は、自白さえしなければ罪に問われないことを知っていたのだ。

捜査は行き詰まり、捜査本部に所属していた内海薫(柴咲コウ)は草薙に無断で湯川(福山雅治)に連絡を取る。
湯川は現在、菊野市の実験施設で超伝導の実験を行っていた。
しかも「なみきや」の常連だった。
内海から話を聞いた湯川は、今回の事件は物理学者の自分が関与できることは何もないと、内海の協力要請を無下に断った。
だが湯川が「なみきや」に立ち寄ったとき、突然蓮沼が店に現れる。
奇しくも夏祭り前だったため、戸島、飯倉夫妻、高垣に加え、書店経営者の宮沢(吉田羊)など常連客がみな店を訪れていた時だった。
蓮沼の姿を見て夏美が「この人がお姉ちゃんを殺したのよ!」と叫ぶ。
悪びれずに注文をする蓮沼に向かって、祐太郎が包丁を振り上げようとするが、戸島と飯倉が制止した。
蓮沼は悪態をついて店を立ち去るのだが、湯川はその段階で小さな違和感を感じていた。

やがて夏祭りの日となった。
夏祭りは仮装大会のパレードが実施され、全国から出場者が集まっていた。
菊野市も宮沢をリーダーとするチームが毎年参加をしていたが、一度も優勝できずにいた。
湯川はそのパレードを夏美と見物に行く。
パレードが佳境に入った頃、のど自慢大会の審査に来ていた飯倉留美とも合流、しかし「なみきや」の客が腹痛を起こして搬送されると言うトラブルが発生し、夏美は急遽店に戻った。
その後のど自慢大会が実施される。
その間、パレードの審査が行われ、何と菊野市チームが初優勝した。
祝勝会のため、店の常連と湯川が「なみきや」で宮沢たちを待っていたのだが、宮沢は店に入ってくるなり「蓮沼が死んだ」と告げた。
蓮沼は現在菊野市に住んでいて、そこで死んでいたのだ。
死因は窒息死で現場は争った跡もなく、首を絞めた跡も見つからず、なぜ窒息したのかがわからない。
しかし警察は蓮沼が殺されたものと考え、捜査を始めた。

期待の星の佐織が殺され、「なみきや」の常連は誰もが蓮沼を憎んでいた。
だから蓮沼は殺され、誰かが犯人であるのだろうと、みんなが思っている。
しかし警察の聞き込みにも誰も口を開かず、沈黙を続ける。
それは事件にかかわっている者もいない者も、蓮沼は死んで当然だから、警察の捜査が進まないことを願っているからだ。
タイトルの「沈黙のパレード」は、警察の取り調べで沈黙を続けた蓮沼から、蓮沼自身が殺された事件で誰もが沈黙を続ける、という部分からきている。

まず、佐織が殺されるまでの描き方が秀逸だ。
祐太郎の親友の戸島は、佐織が生まれた時から可愛がっており、書店経営の宮沢も並木家の姉妹をとても可愛がっていた。
恋人だった高垣は当然の事、飯倉夫妻は子どもがいない事もあり、佐織を娘のように大切に思い、時間をかけてレッスンを重ねてデビューさせようとしていた。
蓮沼役の村上淳の好演もあり、観ているこちらが「蓮沼は殺されて当然」と感情移入させられてしまう。

だが、肝心の謎解きの部分が、前2作から比べるとかなり甘い。
ポイントとなるのは、失踪直前の佐織の言動だ。
佐織の言動は、彼女がトラブルに巻き込まれる直接の原因となるのだが、この部分にちょっと無理がある。
前回の「容疑者Xの献身」の感想の時にも書いたが、「誰かが誰かをかばう時にドラマが生まれる」のだが、この「かばわれる人間」のバックグラウンドが、あまり感情移入できるものではなかった。
前2作は2作とも、真相がすべて明らかになったときには不覚にも涙が流れてしまったが、この作品では泣く事はなかった。
あるいは前半の、佐織が誰からも愛されていたことの表現が秀逸すぎたため、この真相の部分を甘く感じてしまったのかもしれない。

また、とある重要人物が、佐織の失踪に関係なく事件にかかわってくる。
この人物のかかわり方が、かなり偶然で強引だった。
湯川が「なみきや」の常連である事もかなり強引な偶然ではあるのだが、最初の佐織の失踪が物理学とは全く関係がないため、湯川を事件に絡ませるにはこの方法しかなかったので仕方がないだろう。
しかし、とある重要人物のストーリーの絡み方は、ちょっと興醒めするレベルの強引さであった。
この人物は、なぜ今回の事件までまったく行動を起こさなかったのか、と言う疑問が残ってしまった。

単体の作品と見れば、それほど悪い作品ではない。
このコロナ禍であのパレードのシーンを撮影した制作陣は、実に丁寧に作品を作っていると言える。
しかしその分逆に、ストーリーの甘さが目立ってしまった形だ。
前2作が秀作だったために、比較もしてしまう。
個人的には、公開直前に放送されたTVのSPの方が、泣ける要素は強いと感じた。


101.沈黙のパレード


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