人気ブログランキング | 話題のタグを見る
近4年重馬場以上で実施されている高松宮記念。
スプリンターズSが12月から9月に実施になったため、高松宮記念も5月3月施行になったのだが、過去10年で良馬場で実施されたのは3回のみ。
12月は馬場が堅いという理由でスプリンターズSは9月になったのだが、今の造園技術なら以前より硬くならないはずなので、以前のように雨が少ない5月と12月にした方が、スピード決着の1200mのG1にふさわしいように思う。

さて今年の高松宮記念だが、天気、馬場に加えて、G1勝ち馬が海外馬を含めて3頭しかいない、混戦状態になった。
引退レースとなるメイケイエールのほか、モズメイメイ、テイエムスパーダなどテンの速さを誇る馬が多数出走し、かなりのハイペースとなる事が予想される。
となると普通なら差し馬が浮上となるのだが、馬場状態によっては前残りになる可能性もある。
しかも、昨日までは内枠が良かったようだが、雨で内外の優劣もよくわからない。
いつもならTV中継で事前に馬場状態をチェックするのだが、3場開催の場合、無料放送が東西の2場だけになり中京競馬場は放送がないので、今回はそれもできない。
ボヤいても何にもならないので、わかる範囲で予想することにした。

本命はソーダズリングにする。
前走の京都牝馬Sは、今回も人気になっているナムラクレアに競り勝ち重賞ゲット。
1200mは初出走で、血統的にも中距離異常が適距離のようにも見えるが、高松宮記念は過去にもマイル前後で好成績を残していた馬が優勝しているので、特に問題はないだろう。
今週の追切も絶好の動きを見せており、馬場が悪化しても問題はない。
こういう混戦の時こそ、名手武豊の腕がモノを言うだろう。

対抗はウインマーベル。
8枠が嫌われたのか、この2戦1400mの重賞を連勝しているのに人気を大きく落としている。
出遅れ癖があり馬場の悪化も好条件ではないが、陣営が調教を工夫したり馬具を付けたりし、馬が大きく変わってきた。
以前は追切も動かなかったが、今週は併せた相手に先着を許さず成長が見られる。
今回が過去最高の出来と見て、対抗に推す。

三番手はルガルだ。
前走のシルクロードSの勝ち方が圧巻で、1200m戦なのに2着に0.5差も付けた。
今週の追切も絶好の動きを見せており、初重賞制覇から一気にG1タイトル奪取の可能性もある。
ただ、今回は1番人気でマークも厳しくなる。
ここをあっさり勝てばしばらくはこの馬の時代になるだろうが、ここは試金石と見て3番手評価にした。

四番手はナムラクレア。
馬場不問で昨年の2着馬だ。
昨年のスプリンターズSが3着で、休み明けの前走も2着と好発進だった。
週初めまではこの馬を本命で考えていたのだが、追切がいつもの坂路ではなくWで追い、動きの評価も今一つ。
悲願のG1を獲るために調教過程を変えたのかもしれないが、ちょっと信頼が置きづらくなってしまった。
この馬もあっさり勝つ可能性があるが、今回はやや評価を落とした。

五番手以下は迷う。
昨年のスプリント王ママコチャは、予定通りのぶっつけ本番で、調整過程も悪くないらしい。
ただ、昨年のスプリンターズSはすべてが上手くハマった感が強く、ここでも惨敗はないと思うが、元々他の馬との実力差が大きくないだけに、休み明けはいい方には働かないような気がする。

香港馬のビクターザウィナーについては、はっきり言って強いのか弱いのかサッパリわからない。
昨年香港スプリントではジャスパークローネ、マッドクールに先着し、前走のセンテナリースプリントではラッキースワイネスやウェリントンなどを降してG1を勝利した。
ただ、このレースがどういう状態でどういうペースだったのかもわからないので、勝ったビクターザウィナーが強いのか弱いのか、判断が付かない。
基本的に、判断が付かない馬については馬券を購入しない事にしているので、今回は無印とする。

トウシンマカオはなぜか中京コースで良績がない。
鞍上にルメールを迎えて一変の可能性もあるが、ちょっと推しづらい。

となると、マッドクールとビッグシーザーという事になるか。
マッドクールは香港スプリントで8着に沈んだが、昨年のスプリンターズSはママコチャとハナ差2着だった。
先行して最後に脚を使う器用さがあり、内枠を引いた今回はチャンスである。
馬場がそれほど悪化しなければ、突き抜けても不思議ではない。

ビッグシーザーは重賞未勝利だが、これまですべて1200m戦で5.2.2.3の成績。
昨秋不調だったが、年明けの2戦は1.1.0.0で、前走はトウシンマカオと同斤量で0.2差の2着だった。
父ビッグアーサーもこのレースを制しており、ここで一気に才能が開花する可能性もある。


◎ソーダズリング
〇ウインマーベル
▲ルガル
△ナムラクレア
×マッドクール
×ビッグシーザー

馬券は三連単フォーメーションで、1着、2着◎○▲、3着は◎○▲△の24点で勝負。


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください


●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF

SFの古典とも言える原作の映画化、そのPART2だ。

かつてハルコンネン男爵家が治めていた惑星アラキスは、超常のエネルギー源「スパイス(メランジ)」を産出する唯一の惑星だ。
領主連合の長である皇帝の命により、アトレイデス公爵家がハルコンネン家に代わってアラキスを統治することになった。
しかしこれは皇帝が、民衆に人気のあるアトレイデス家を恐れて画策した罠で、レト・アトレイデス公爵もそのことはわかっていた。
アトレイデス公爵は側近を伴いアラキスに着任、先住民族フレメンとも理解をしながらスパイス採集を行おうとするが、ウラディミール・ハルコンネン男爵と甥のラッパーンの急襲により殺されてしまう。
公爵の息子のポール・アトレイデスと彼の母レディ・ジェシカは、フレメンたちに助けられなんとか命を取り留めた。
レディ・ジェシカは秘密結社ベネ・ゲゼリットのメンバーで、その息子であるポールはアラキスに伝わる救世主ではないかと思われていた。

ここまでPART1だ。

PART2は、手っ取り早く言うとポールがフレメンたちに救世主と認められ、父の仇を討ってアラキスの統治を取り戻す物語である。
SFファンタジーの王道とも言えるストーリーで、原作が発表されたのが60年近く前の1965年、「スター・ウォーズ」は間違いなくこの作品の影響を受けていると言っていいだろう。
SFの教科書と言っていいストーリーである。
ただ、60年前に発表されたストーリーを現在そのまま映画化すると、やはり既視感が強くなってしまう。
原作を読んでいなくとも、PART1のティザーを観た段階でPART2のラストまでほぼわかってしまうため、ストーリーと言う面で言えば目新しさがない。

さらに、秘密結社ベネ・ゲゼリットがストーリーをわかりづらくしている。
スター・ウォーズで言えば「ミディ=クロリアン」的な位置付けで、ポールが救世主である事の裏付けとなる設定なのだが、ベネ・ゲゼリットが教母と呼ばれる女性だけの秘密結社で、かつこれまでの記憶をすべて共有している、という設定が救世主と直接リンクしていない。
PART1ではそれほど特異なキャラではなかった教母のレディ・ジェシカが、PART2で命の水を飲んだとたんに怪しいキャラにスタイルチェンジし、それがポールに味方しているのか、あるいは足を引っ張ろうとしているのかもわかりづらい。
細かい点で言えば、レディ・ジェシカがアトレイデス公爵の正妻ではなく愛妾と言う点も、意味があるのかどうかわからない。
原作は続編が何篇かあるので、そこでベネ・ゲゼリットと救世主の関連が明かされているのかもしれないが、少なくともこの作品では、ベネ・ゲゼリットと教母レディ・ジェシカのエピソードをすべてカットしたとしても、ストーリーはつながると思う。
上映時間が3時間近いので、映画化にあたってはこの部分をバッサリ削っても良かったのではないかと思う。

ただ、VFXおよびCGのレベルが高いため、多少イライラする展開はあったものの、おおむね最後まで飽きずに観ることができた。
砂漠のバトルシーンはどれもかなりの迫力で、作品としてのレベルの高さを感じた。

悪役のハルコンネン男爵家が全員スキンヘッドだったり、フレメンがボロボロの服をまとっていたりなど、SF映画によくあるステレオタイプの演出もやや気になる。
だが、そもそもこの作品の原作がオリジナルで、「スター・ウォーズ」などがこの作品の影響を受けて制作されたために世界感が似ている、とも考えられる。
いずれにしろ、SF映画としての完成度は高いと思った。

ただ繰り返すが、ストーリー自体はやはりやや古臭さを感じざるを得ない。
原作の世界観を壊さないように忠実に制作したとは思うが、もう少し現代風にアレンジしてもよかったのではないかとも思った。


47.デューン 砂の惑星 PART2


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください


●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF

原作はコミックで、2023年10~12月に前編がTVドラマ放送し、後編が映画として公開されたメディアミクス作品だ。
後編が映画化される事が最初から発表されていたため、前編のドラマから頑張って見た。
感想は、前編のドラマは30分×10話で後編の映画が2時間弱、ボリュームの差が大きい事もありドラマの方が面白かったように感じた。

自分でも小説を書くミステリーマニアのサラリーマン鳥栖哲雄(佐々木蔵之介)は、妻の歌仙(木村多江)との間に一人娘の大学生零花(齋藤飛鳥)がいた。
零花は一人暮らしをしていたが、久しぶりに会うと顔に傷を負っていた。
付き合っていた延人と言う男にDVを受けていたのだ。
哲雄はその男と零花の部屋で会うが、揉み合っているうちに殺してしまう。
娘を護るために哲雄は、ミステリーの知識を使って歌仙と男の死体を処分する。
だが延人は半グレグループの一員で、しかも反社組織間野会の幹部の麻取(吉田栄作)の息子だった。
麻取の命令を受け、間島恭一(高橋恭平)が麻取の延人の行方を捜し始めるが、すぐに哲雄に殺されたのではないかと感づき、接触してくる。
恭一と行動を共にしながら、哲雄は娘を護るために延人殺しを恭一に擦り付けるべく策を考える。
ここまでがドラマパートだ。

ドラマのラストは、恭一は延人殺しの犯人と思われ逃げ出すが、その後麻取が真犯人が哲雄だという事に気づき、哲雄に罪を着せるために自分で自分を刺す。
だが哲雄は麻取の死体を山奥に埋めてしまい、無事哲雄は家族を護りきる。
しかし7年後、麻取を埋めた山が崩れ、麻取の死体が発見されてしまう。

麻取の死体が発見されたニュースを見て、まず間野会の会長志野(津田健次郎)が、当時の関係者を呼び出す。
麻取は組のカネ10億円を持ち逃げしていたはずだが死んでいる、じゃあ誰が持っているんだ、と志野が尋ねると、その関係者は恭一と鳥栖哲雄が怪しいと言った。
一方哲雄はニュースを見て、山崩れの現場を見に行った。
するとそこで、刑事の安元(立川談春)と再会する。
哲雄の父はかつて警察官で、安元は父の部下だったため小さい頃から顔見知りだったのだ。
安元に何をしているのかを尋ねられたため、哲雄は苦し紛れにバードウォッチングをしていると答えた。
しかしその答えで、安元は哲雄が山崩れの現場を確認しに来たのだと直感で判断する。

安元は暴力団対応の捜査二課所属だったが、その部下の同期に捜査一課の零花がいた。
大学を卒業した後警察官になっていたのだ。
零花は自分のために父が殺したことを知らず、麻取殺しの捜査班に加わる。

ストーリーはこの後、志野と彼の部下の殺し屋の窪(音尾琢真)が哲雄に10億円を返せと迫り、かつ安元と娘の零花が哲雄を捜査する。
二組に挟まれる形の哲雄だが、今回は5歳になる息子の明がいるため、歌仙もなかなかアシストができず、どんどん窮地に追い込まれて行く。
ドラマ版の1/3くらいの長さしかないため、ストーリー展開はやや捻り不足な感じもする。
しかし、哲雄が窮地を迎えるもののなんとかしのぎ、後からその種明かしがなされるのがこの作品の面白さで、映画版でも哲雄が追い込まれるヒリヒリ感はドラマ同様であった。

ドラマ版の吉田栄作の麻取と映画版の津田健次郎の志野がほぼ同じキャラで、そこはややくどいかなとも感じたが、全体的にはまずまずまとまった作品だと思った。


46.映画 マイホームヒーロー


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください


●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF

原作は中国で書かれた小説で、中国ではTVドラマ化もされかなりの反響だったらしい。
そのリメイクとなるのだが、たしかに日本人ではちょっと書けないようなストーリー展開だった。

舞台は沖縄。
東昇(岡田将生)は妻の静(松井玲奈)の両親を崖から突き落とした。
静はその時同行していなかった。
昇は事故を装い、泣き叫びながら崖を降りて助けを求めに行った。

中学生の安室朝陽(羽村仁成)が自宅にいると、かつて近所に住んでいた上間浩が女の子を連れてやってきた。
女の子は夏月(星乃あんな)と言い、浩の父の再婚相手の連れ子、つまり義理の妹だった。
浩の父はクズ男で夏月をレイプしようとし、逆に夏月に刺されていた。
そのため、浩と夏月は逃げてきたのだった。
朝陽の両親も離婚しており、母の香(黒木華)は少し離れたリゾートホテルで、昼はベーカリー、夜はホテルの夜勤のダブルワーキングをしていた。
そのため、日によってはホテルに泊まりこむこともあった。
その日も母がホテルに泊まりこみだったため、朝陽は二人を匿った。

翌日、朝陽の自宅の外壁一面に「人殺し」などと書き込まれ、チラシもべったり貼られていた。
自殺した同級生アキの家族が、原因は朝陽にあると言い立てているのだ。
そこに、離婚した朝陽の父一平(北村一輝)がやってくる。
自殺したアキは、一平の再婚相手の連れ子なのだ。
一平は朝陽に「なんとかする」と言い、数万円のカネを置いて帰って行った。

朝陽たちは、ニュースで夏月が義父を刺したニュースが流れていないことを確認し、一平からもらったカネを持って街に出た。
そこで夏月が欲しがったデジカメを購入する。
死んだ夏月の父が、毎年命日に夏月の写真を燃やして欲しいと言ったからだ。
3人はそのまま、香が勤めるホテルまで行く。
そこで香にランチを用意してもらい、その後浜辺に出る。
朝陽がデジカメでアキを撮影したのだが、誤って動画モードになっていた。
その動画を再生すると、後ろの崖から人が落ちるところが映っていた。

朝陽は動画を見て、すぐに殺人事件であると判断した。
そしてこの殺人事件をネタにして、犯人からカネを脅し取ろうと計画する。
朝陽は昇に接触して現金6000万円を要求するが、昇が「すぐには用意できない」と言ったため、しばらく待つことにした。

静と昇の仲はすでに冷え切っていて、不倫相手もいた静は離婚を望んでいた。
静の父は沖縄経済に大きな力を持つ一族の一人で、両親が死ねば静に莫大な遺産が入る
そのため、両親は事故ではなく昇に殺されたのではないかと疑っていた。
静は従妹の刑事の厳(江口洋介)に、両親が殺されたかもしれないと相談する。
だがすぐに、静は運転する車が暴走して事故死した。
その時昇は、二日前から大阪に出張中だった。

朝陽は昇の部屋に来ていた。
その部屋で、昇がかつて数学コンテストで獲った銀メダルを見かける。
そして昇に、僕は去年このコンテストで優勝したと告げ、さらに奥さんをどうやって殺したのかを尋ねる。
昇が話をそらそうとしていた時に、厳が部屋のチャイムを鳴らした。
それでもしつこく問いかけてくる朝日に、昇は「改めて説明する」と言い、厳を部屋に入れた。

一言で言えば、妻とその両親を殺して財産を奪う昇と、目撃者である中学生の朝日の心理戦であるが、この二人がかつて数学コンテストで上位成績を収めるほどの知能を持っている、と言う設定が巧くハマっている。
昇は緻密な殺人の計画を立てるのだが、中学生に偶然現場を目撃され、しかも自分と同等かそれ以上の知能を持っている。
そのため歯車が少しずつ狂わされてしまう。
お互い、そう簡単には相手がこちらの思惑通りに動かないことをわかりながらの駆け引きとなるのだが、岡田将生と羽村仁成の演技力が巧いため、どんどんストーリーに引き込まれてしまった。
羽村仁成の演技はやや過剰なようにも見えるが、逆に頭の切れる中学生は、こういう芝居掛かった仕草をするものかな、とも思った。

冒頭にも書いたが、昇と朝陽がなんの躊躇もなくどんどん突き進んで行く展開、そしてラストシーンは、あまり日本人には発想できない容赦のない展開である。
頼る者がいない夏月が、朝陽に抱く淡い恋心も切ない。

監督は金子修介であるが、そう言えば天才同士の駆け引きだった「デスノート」も、金子修介が監督であった事を思いだした。


45.ゴールド・ボーイ


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください


●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF

結婚するカップルの両親が、それぞれ不倫していて顔合わせの会食の時にそれが発覚する。
リチャード・ギア、ダイアン・レイン、スーザン・サランドンなど往年の名優が出演しており、イタリア映画の「おとなの事情」のように、不倫がバレないように辻褄合わせをする会話で笑わせる作品かと思って期待して観に行ったのだが、まったく異なる大スベリの作品だった。

同棲中のカップルのミシェルとアレンは、友達の結婚パーティに出席していた。
女性参加者の間では、新婦の投げるブーケをミシェルが受け取る段取りが取られていたが、それを知ったアレンはブーケを無理やりキャッチしてしまう。
アレンはまだ結婚を前向きに考えられなかったのだが、そんな煮え切らないアレンに嫌気がさして、ミシェルは実家に戻ってしまう。

夜の小さな映画館。
鑑賞中に音を立ててポップコーンを食べていたサムは、まわりから顰蹙を買って席を移った。
それを見ていたグレース(ダイアン・キートン)は、サムを気遣って声を掛ける。
なんとなく意気投合した二人はカフェに行き、そこから安ホテルに行く。
しかし二人ともそんな状況になった事は初めてで、気まずい雰囲気の中で買ってきたチキンを食べるだけ。
やがてサムの提案で二人は夜の街を散歩して、自分たちの事を語り合った。

一方ハワード(リチャード・ギア)とモニカ(スーザン・サランドン)は、ホテルのベッドの上にいた。
モニカは関係を求めるも、ハワードにはその気がない。
4か月もお預けのままだとモニカは怒るが、もう関係を解消しようとハワードは部屋を出てしまう。

ハワードが自宅に戻ると、グレースがテレビを見ていた。
そして娘のミシェルが戻ってきて、両親にアレンに対する不満を打ち明ける。
アレンも自宅に戻って、どうしたらいいかを両親のサムとモニカに相談していた。
翌朝、グレースが提案してアレンの家族を食事に招くことになった。

まず、両家の両親が顔を合わせ、お互いの不倫相手だと気づくまでの前段階が長い。
90分強の作品で、両家が顔合わせするのは全体の2/3くらいが経過してからだ。
ここまででかなり飽きてしまうのだが、一番の笑わせどころである、お互いの不倫相手だという事がバレないように行動するシーンは、10分くらいしかない。
大肩透かしであきれてしまった。

そもそも、カップルが仲直りするための両家の顔合わせ、という部分で設定が破綻している。
両親の不倫が発覚する前に、アレンの家族がミシェルの家に着いた段階でもう、腫れ物に触るような微妙な空気になっている。
幸せいっぱいのカップルが、両親がそれぞれ不倫している事に気づいて一転ショックを受ける、という図式なら面白いのだが、すでにカップルの仲が危ういために両親の不倫はあまり重要ではなくなってしまい、若い二人を仲直りさせるという事が映画の主題になっていた。
それゆえ笑える箇所がほとんどない。

また、何十年もずっと付き合っているというならわかるが、70歳前後で付き合い始めた不倫カップルは少々気持ち悪いな、と思っていた。
制作者もその部分は同感だったらしく、サムとモニカの間には何もないのだが、そうなると不倫カップルとは言えない状態だ。
真面目で小心者の二人はそれでもおどおどするのだが、それを不倫カップルと言うのはさすがにちょっと無理がある。
ハワードとモニカも、一般的な不倫カップルのイメージとはほど遠かった。

コメディではなく、両親の4人が自身の人生観を自らシニカルに批判するという作品なのかもしれないが、セリフがどれもホンネではなくコンプライアンスを意識したかのようにタテマエだけで、深みがまったくなかった。
元々は1970年代に上演された演劇で、演出家が自ら監督をしたらしいが、個人的には観た後に説教臭ささだけが残る作品であった。


44.アバウト・ライフ 幸せの選択肢


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください


●放射能ヒステリックビジネス

https://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1371517543&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF