<   2017年 08月 ( 14 )   > この月の画像一覧

「マーベル」と並ぶアメリカンヒーローの伝導「DCコミックス」。
そのDCコミックスの「Trinity」と言われている「ワンダーウーマン」だ。
すでに2016年春に公開された「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」にも出演済みである。
今回は、「ジャスティス誕生」の時にバットマンことブルース・ウェインが入手した、ワンダーウーマンの写真のエピソードとなる。

博物館に勤務するダイアナ(ワンダーウーマン/ガル・ガドット)の元に、写真が届いた。
送り主はブルース・ウェインで、第一次世界大戦時の写真である。
そこには今と変わらぬダイアナが映っていた。

第一次大戦時、ダイアナは生まれ故郷のセミッシラ島にいた。
そこに暮らすのはアマゾン族、女性しかいない種族だ。
アマゾン族の戦士は史上最強と呼ばれ、女王ヒッポリタの妹アンティオペ将軍の指導の元、日々訓練を行っていた。
アマゾン族はゼウスの子である軍神アレスの復活に備えて、世界の平和を護る事が使命であった。

ある日セミッシラ島にドイツ兵が流れてきた。
スティーブ・トレバー(クリス・パイン)はイギリス軍の諜報部員でドイツ軍に潜入していたのだが、スパイである事がバレて追われていたのだ。
アマゾン軍はスティーブを助けてドイツ兵の追手を撃退するが、アマゾン軍にも多大な被害が及び、アンティオペ将軍も倒れてしまった。
島の外で大きな戦争が行われている事を知ったダイアナは、その原因がアレスにあると考え、スティーブとともに戦場に赴く事にする。

ダイアナとスティーブがロンドンに着いた時、連合軍とドイツの間で休戦協定が結ばれそうになっていた。
しかしスティーブの調査では、ドクター・ポイズンことイザベル・マル博士が強力な毒ガスを開発していて、その事がドイツ皇帝の耳に入ればそくざに休戦協定が破棄され、両軍に大量の死者が出る事が予測された。
すぐにドイツの秘密研究所の破壊を提案するスティーブだが、イギリス首脳は休戦協定を急ごうとする。
そのためスティーブは、戦場の前線に必ずアレスがいるというダイアナとともに戦場の前線へ向かう事にした。
前線に向かうに当たり、スティーブはかつての仲間で他言語を操るサミーアと、スナイパーのチャーリーを仲間に引き入れる。
さらに現地で武器業者のネイティブ・アメリカン、酋長も仲間にした。

5人は最前線に進むが、戦況は膠着して2年間ほとんど前進が出来ていない状態だった。
そこでダイアナがワンダーウーマンの姿に代わり、鬼神のごとく敵陣を突き進む。
あっという間に中間地にあった街も占領し、5人はドイツ軍の秘密基地の目の前まで迫る事ができた。

この作品の秀逸な部分は、ダイアナをはじめ各キャラクターの設定がきちんと決まっている部分である。
ダイアナ以外は通常の人間で当然弱い部分も持っているのだが、それを乗り越えて勇気を持ってミッション遂行のために邁進する。
特に、クリス・パインのスティーブが素晴らしい。
最初からダイアナに恋心を抱いていると言う理由もあるのだが、無理とわかっていてもダイアナが望む平和のために最大限の努力をする。
若干ネタバレになってしまうが、強力な敵キャラがダイアナを自分の仲間に引き込もうとするなど、ストーリーはヒーロー物の王道となっている。
それでも各キャラ設定と構成が素晴らしく、アクションシーンも迫力があるので最後までまったく飽きる事はない。

マーベルのキャラで例えるなら、ワンダーウーマンは性格と戦闘スタイルはキャプテン・アメリカで、戦闘能力はマイティ・ソーだ。
真っ直ぐな心で突き進むと言う部分も、個人的にはかなりハマってしまった。
これも個人的な感想だが、シリーズですでに公開されている「マン・オブ・スティール」「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」よりかなり面白かった。
この秋公開の「ジャスティス・リーグ」にも、当然期待したい。


100.ワンダーウーマン


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原案が岩井俊二、脚本が大根仁、制作総指揮が河村元気、と聞けばかなり期待してしまう。
だが、期待したほどの出来ではなかった。

花火大会の日、中学1年の典道(菅田将暉)は祐介(宮野真守)とプールの掃除当番であった。
プールに行くとそこには同級生のなずな(広瀬すず)がいる。
典道と祐介は、なずなにほのかな恋心を抱いていた。
祐介が典道にレースを持ちかけ、勝ったらなずなに告白すると言いだした。
それを聞いた典道が慌てている所に、プールサイドの向こうからなずなが来て、レースをするなら自分も入れてくれと言う。
3人で泳ぎ始めるが、1位でゴールしたのはなずな、典道はターンに失敗して足をケガして最下位だった。
先にプールから上がっていたなずなは、祐介がゴールするのを待って、一緒に花火大会に行こうと持ちかける。
なずなは、夕方祐介の家に行くので必ず自宅にいるように言った。
祐介はその話を典道にも内緒にしていた。

なずなは母親が再婚するため、夏休み後に転校する事になっていた。
しかしその事を受けいれられず、典道と祐介、レースで勝った方と駆け落ちする事を考えていたのだ。

典道と祐介が教室に戻ると仲間たちが、打ち上げ花火を横から見ると丸く見えるか、平べったく見えるかで言い争いをしていた。
ちょうど花火大会の日なので、みんなで灯台に登って横から見ようと言う話でまとまる。
行きがかり上、典道と祐介も参加する事になった。

典道が学校から戻ると、無人の自宅に祐介が忍び込んで、典道の部屋でゲームをしていた。
みんなとの待ち合わせ時間の5時が迫った時、祐介は典道の足のケガを見て、医者である自分の父に診てもらうように勧め、自分は先にみんなとの待ち合わせ場所に行くと告げた。
祐介の言うとおり、典道の自宅の病院に行く典道。
治療を受けて待合室に戻ると、そこには荷物を持ったなずながいた。
祐介を待っているなずなに典道が、祐介はみんなと灯台に行ったと告げると、なずなは淋しそうに病院を出て行った。
気になった典道がなずなを追いかけると、なずなの母親がなずなを追いかけ始めた。
荷物は散乱し、無理矢理連れ戻されてしまうなずな。
そこに祐介が仲間と一緒に典道の様子を見に来た。
典道は祐介がなずなとの約束を破った事に怒って、祐介に殴りかかる。
みんなが典道を止めるが、収まらない典道はなずなの荷物にあった球をみんなに投げつける。
その球がみんなの後ろの掲示板に当たろうとした瞬間、時間が巻き戻り、典道と祐介はプールサイドにいた。

岩井俊二版は未見なのだが、元々が「If もしも」というテーマで放送された単発のTVドラマシリーズの1話だそうだ。
そのため、典道が球を投げるたびに時間が撒き戻り、違う選択肢のストーリーが展開する。
ちょっと前にバカリズムが脚本を担当したドラマ「素敵な選TAXI」に近いかもしれない。

設定としては面白いのだが、個人的には全体的にちょっと間延びしているかな、と感じた。
元々が45分の作品だった物を、90分にしているので仕方ないかもしれない。
ただそれ以外にも、絵柄的になずなが中学1年生に見えなかったり、典道と祐介以外のクラスメートのキャラがイマイチ見えて来なかったりと、違和感を感じる部分が多かった。

岩井俊二版は、典道、祐介、なずなが小学6年生の設定だったようだ。
親の言う事を聞かなければならない、と言う部分がより強調されるので、なずなが背伸びして駆け落ちをする、と言う部分にも説得力が出てくる。
一方このアニメ版ではなずなが大人っぽく見えるため、逆に駆け落ちの部分の説得力が薄くなってしまっている。
だったら年齢設定を高校生に上げて、菅田将暉と広瀬すずの実写版を見てみたかった気もする。

期待して観に行っただけに、ちょっと中途半端な感じでモヤモヤ感が残ってしまった。



99.打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?



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毎回それほど面白いわけでもないのに、大人気の「ミニオン」シリーズ。
特に前作の「ミニオンズ」はまったく中身がなかったと思うのだが、USJの看板を背負うほどの人気者になってしまった。
今回もそれほど期待しないで観に行ったのだが、それなりの出来であった。

ルーシーと結婚したグルーは、悪党から足を洗って反悪党同盟のエージェントになっていた。
その日もバルタザール・ブラットが、ダイヤを盗もうとしているところにルーシーと駆けつける。
バルタザールは1980年代に悪い子役として人気だったものの、大人になるにつれ落ちぶれ本当の悪党になってしまった。
さらに自分を捨てたハリウッドヘの復讐を誓っている。
グルーとルーシーはなんとかダイヤを死守するも、バルタザールを逃がしてしまった。
その事で二人は反悪党同盟をクビになってしまう。

グルーが反悪党同盟を辞めたことで喜んだのはミニオンズたちだった。
グルーがまた悪党に戻ってくれると期待したのだ。
しかしグルーは悪党には戻らないと宣言、怒ったミニオンズは二人を残してグルーの元を去ってしまった。

そんな時、グルーのところにドルーの使いの者が現れた。
ドルーはグルーの双子の弟だが、二人が生まれた直後に両親が離婚していたため、グルーはこれまで弟の存在を知らなかった。
家族でドルーに会いに行くグルー。
ドルーが二人だけで話をしたいというので聞いてみると、二人の父も大悪党だったがドルーはその才能がなく、父親を悲しませてしまった、だからグルーに悪党の訓練をしてほしい、というものだった。
最初は拒否していたグルーだが、ドルーとスーパーカーでドライブしているうちに少しずつその気になり、ドルーに訓練をすることを約束する。
その訓練として、cが盗んだダイヤを取り返しに行くことを提案した。
二人は内緒で出かけようとするのだが、ルーシーに見つかってしまう。
さらに、ダイヤを盗んだ後でバルタザールの住むタワーから落ちそうになったところをルーシーに助けられてしまった。
ルーシーは怒ったが、グルーはダイヤを戻せば反悪党同盟に戻れるとルーシーを説得。
ルーシーは納得するものの、今度はその話を聞いたドルーと揉めることになってしまった。

一方グルーの元を去ったミニオンズたちは、空腹のためにピザの配達バイクを追いかけていた。
たどり着いたのは撮影現場だが、そこでミニオンズたちは大暴れ、刑務所に送られることになってしまった。
刑務所内でも我が物顔にふるまっていたミニオンズたちだが、日に日にグルーの事が恋しくなってくる。
そこで刑務所内の備品を使って脱走を企てる。

タイトルは「ミニオン大脱走」だが、ミニオンが脱走を企てて実行するのはせいぜい10分程度だ。
ドルーはこの後のシリーズでフィーチャリングされそうではあるが、この作品ではあまり出番も多くなく、ストーリーのメインはバルタザールとの争いである。
そう割り切って観ればそこそこ面白い。
バルタザールは子役として人気だった80年代にこだわり、BGMも80年代のヒットナンバーが何曲も流れる。
バルタザールが操る巨大ロボットのCGの動きも70~80年代っぽくて、アラフィフの私にはかなりのツボだった。

元々は無邪気な3人姉妹に振り回される悪党グルーという話だったが、このシリーズも回を追うごとに設定が大きく変化している。
ただ、今回登場したドルーが一気にそれを引き戻してくれそうなので、次回作は期待できるかもしれない。


98.怪盗グルーのミニオン大脱走



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「カーズ」のシリーズ3作品目である。
前作は「カーズ2」というタイトルながら、内容はメーターが主役のスパイ映画であった。
今作は主役がマックイーンに戻って、かつスポーツ物の王道を行くストーリーであった。

マックィーンはもはや、ピストン・カップでレジェンドの域に達しようとしていた。
2016年シーズンも好調に優勝を重ねていたが、ある日突然ルーキーのジャクソン・ストームが優勝をさらっていく。
当初マックィーンはストームの事をあまり気に留めていなかった。
しかしストームは空力やコース取りなどレースを科学的に徹底解析し、その後も連勝を重ねそのままシーズンチャンピオンとなってしまった。
さらにストームをまねる新人が次々現れ、マックィーンたちはオールドタイプとしてどんどん引退に追いやられてしまう。
2016年最終戦でストームに強引に勝負を挑んだマックィーンはクラッシュし、2017年シーズン参戦も危ぶまれるようになっていた。

ラジエーター・スプリングスでシーズンオフを過ごしていたマックィーンは、2017年シーズンをどうするか悩んでいた。
しかし仲間たちが支えてくれていることを知り、レースに参戦することを決意する。

マックィーンがチームオーナーのラスティの元を訪れると、ラスティは新しいトレーニング施設を建設するため、チームをスターリングに売却したという。
泥除けで一儲けしたスターリングはずっとマックィーンのファンだったと言うが、マックィーンの現在の能力ではなく知名度と商品価値の方を評価していた。
そして若手のトレーナー、クルーズ・ラミレスに従うように言う。

クルーズの指導を受けるマックィーンだが、彼女のやり方を受け入れることができない。
そこでかつてのレースの聖地、砂浜コースのファイヤー・ボール・ビーチでトレーニングをすることを思い立つ。
だが今度は、クルーズが外でトレーニングしたことがないと言い出し、マックィーンが砂浜での走りをクルーズにコーチすることになってしまった。
トレーニングがうまく進まずいら立つマックィーン。
さらにマックィーンは、草レースへの出場を思い立つ。
名前を隠してレースに参加しようとしたが、そのレースは通常のレースではなく、車同士が壊しあうという異色なレースであった。
そこで優勝したのは意外なことにクルーズであった。
だがレース中にマックィーンは素性がバレてしまい、「マックィーンがとんでもないレースに参加している」と、マスコミが騒ぎ出してしまった。

若手に場所を奪われたベテランが奮闘するストーリーである。
大枠では日本人好みの、努力、友情、勝利のジャンプの方程式になっているのだが、細かい部分では日本人にはやや違和感の感じるラストになっている。

そもそも、毎回ストーリーのテイストがまったく異なることで違和感を感じるのだが、今回はラストもモヤモヤした感じになってしまっているので、なおさら違和感の感じる結末になってしまった。


98.カーズ/クロスロード



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今回のギンレイは「ラビング 愛という名前のふたり」と「ムーンライト」の2本立て。
「ムーンライト」はロードショウで観ているのでパスした。

舞台は1958年アメリカのバージニア州。
レンガ職人のリチャードは白人でありながら、黒人のミルドレッドと結婚を考えていた。
だが当時バージニア州では異人種間の結婚は禁止されていた。
ミルドレッドがすでに妊娠をしていたこともあり、二人は州を越えてワシントンDCでこっそり結婚をする。
しかしそれが州警察にバレ、二人は逮捕され25年間の州外追放となってしまった。

それぞれの家族と別れ、二人はワシントンDCで家庭を築く。
3人の子供たちにも恵まれ、一見幸せそうなリチャードとミルドレッドであったが、ミルドレッドは望郷の念を強めていた。
時代は流れ、ケネディ司法長官時代に公民権運動が盛んになった。
ミルドレッドは知人に勧められて、自分たちの窮状を手紙にしたため司法長官へと送った。
するとその手紙はアメリカ自由人権協会(ACLU)へと転送され、夫妻のもとに弁護士のコーエンが訪れた。
コーエンが初めに、連邦の最高裁で争う案件で、そのためには夫妻が逮捕されることが早いと言ったため、夫妻は最初気乗りがしなかった。
しかし子どもたちの教育環境を考え、二人はひそかにバージニア州に戻って生活を始める。
そこから、二人の復権運動が始まる。

実話をもとにした作品である。
そのためか、ストーリーにあまりメリハリがなく、クライマックスと呼べるシーンがない。
夫妻の強い絆は表現されているが、あまりにも淡々とストーリーが展開していく。
映画というよりは、ノンフィクションのドキュメンタリーを見ているような作品であった。


97.ラビング 愛という名前のふたり



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「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ第3部、「ダイヤモンドは砕けない」編の実写映画である。
映画用に細かい部分の変更はなされているようだが、大枠では原作通りのストーリーとなっていた。

広瀬康一(神木隆之介)はM県S市の森王町に引っ越し、ぶどうヶ丘高校に転校をしていた。
ある朝不良に絡まれているところに同級生の東方仗助(山﨑賢人)が現れ、不思議な力で不良を倒してくれた。
仗助は男気があり後輩の女子からもモテるのだが、髪型を馬鹿にされた時だけ手がつけられないほどキレてしまう。

仗助は母の朋子(観月ありさ)、祖父の良平(國村隼)と暮らしていた。
良平は実直な警察官で、常に森王町の平穏を願っていた。
しかしある日、良平が目を掛けていたかつての不良がコンビニ強盗を起こしてしまう。
偶然現場に居合わせた仗助は彼のスタンド「クレージー・ダイヤモンド」で応戦するが、強盗はクレージー・ダイヤモンドの攻撃とは無関係に死亡してしまった。
強盗は、連続殺人犯でかつ脱獄犯の片桐安十郎(山田孝之)、通称アンジェロのスタンドに取り憑かれていたのだ。
仗助に強盗を邪魔されたアンジェロは、仗助に復讐しようと近づく。
その結果、祖父の良平が殺されてしまった。

仗助はアンジェロのスタンドを見て、空条承太郎(伊勢谷友介)に連絡を入れた。
承太郎は年上ながら仗助の甥にあたり、年老いた承太郎の祖父の子どもである仗助に会いに来ていたのだ。
二人は協力してアンジェロを撃退、その時になぜスタンドになったかを聞き出した。
アンジェロによると、ある夜に矢で射ぬかれてからスタンドの能力が発動したと言う。
仗助は良平の葬儀に居合わせた男が怪しいと思い、彼の後を康一とともに追った。

原作ファンなら、かなり納得の出来である。
タイトルに「第一章」と銘打たれているので、この後は岸辺露伴たちが登場し、吉良吉影との戦いになるのだろう。
ちなみに第一章までで登場している主要キャストは、虹村形兆(岡田将生)、虹村億泰(新田真剣佑)の虹村兄弟と山岸由花子(小松菜奈)である。
少々ネタバレになってしまうが、この作品では山岸由花子のスタンドは登場しない。
原作ではこの後のストーリーに音石明、重ちー、ジョセフ・ジョースターなどが登場するが、シリーズ全体が何作になるかによって、これらの主要キャストも登場しない可能性もある。
宇宙人と名乗っていた支倉未起隆や鉄塔の男などもなかなかいいキャラであるが、おそらく登場はしないだろう。
杉本鈴美に関しては、良平がスクラップしていた事件記事中に記載があったので、VS吉良吉影編を中心にもう1~2作品制作する予定と思われる。

クレージー・ダイヤモンドをはじめ、スタンドのCGとそのバトルは原作のイメージを損なわない出来であった。
唯一、形兆のスタンド「バッド・カンパニー」だけが、実際の兵器や兵士のミニチュア版ではなく、プラモデルのように見えてしまっていたが、難点と言えばそれくらいだろう。
外れも少なくない三池作品だが、この作品に関して言えば世界観が三池色にマッチしている。
ただし、原作に興味がない人にはちんぷんかんぷんな作品に見えるかもしれない。

岸辺露伴、吉良吉影に誰がキャスティングされるかも含めて、次回作が楽しみである。



96.ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章



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スパイダーマンは過去2度実写映画でシリーズ化され、ゴブリン、ドクター・オクトパス、サンドマンなど原作に登場したヴィランが敵役であった。
しかし今回のスパイダーマンは、完全にアヴェンジャーズの一員として描かれており、原作とは異なるストーリーで展開されている。

N.Y.でアヴェンジャーズとチタウリが戦った(「アヴェンジャーズ」)後、エイドリアン(マイケル・キートン)は後片付けの解体工事を請け負っていた。
新たにトラックを購入するなど張り切っていたエイドリアンだが、政府とスターク社が作った合弁会社ダメージコントロールに仕事を奪われてしまう。
エイドリアンは仕方なく、チタウリが残した物質を利用して強力な武器を開発、それを売りさばいて巨額の富を得る事となった。

時代は流れて8年後、トニー・スターク( ロバート・ダウニー・Jr)はN.Y.で見つけた新たな戦力スパイダーマンをアベンジャーズに召集、国連管理下に置かれる事が発端でアヴェンジャーズ同士の仲間割れとなった戦いに(「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ})、スパイダーマンも参戦させた。
その後トニーは、スパイダーマンであるピーター・パーカー(トム・ホランド)のお目付役を、運転手であったハッピー(ジョン・ファヴロー)に任せる。
ピーターはまだ15歳で若く、アベンジャーズに正式に加盟させるのは時期尚早と考えたからだ。
トニーから命を受けたハッピーはピーターが無茶しないように見張るのだが、アベンジャーズに選ばれたピーターは張り切って街の治安を護ろうとする。
そして功績を認めてもらおうと、逐一ハッピーに報告した。

そんな時、ピーターは街のATMを襲う強盗と遭遇する。
彼らはこれまでに見た事のない破壊力の武器を所有しており、ピーターが仲良くしていたサンドイッチ店があっという間に破壊されてしまった。
武器はエイドリアンが開発した物であった。
その翌日、ピーターは親友のネッドとともに、リズのホームパーティに参加していた。
リズは1歳年上の先輩で、学力コンテスト部の部長をしており、ピーターはリズに想いを寄せていた。
そのホームパーティ中にピーターは、前日見た武器の光と同じ光を目撃する。
現場に駆け付けると、エイドリアンの部下の武器商人が武器を売買していた。
売買を中止させたピーターは、武器から落ちたチタウリの物質を拾う。
ネッドとともに物質の解析をするが、何が武器となっているのかはわからなかった。

その後ピーターは、リズたちと一緒に全米学力コンテストに出場する。
ピーターは学力優秀で、学力コンテスト出場の有力メンバーとして期待されていた。
ただ、ピーターの本当の目的は、武器商人たちの後を追う事だった。
武器商人たちが、学力コンテスト決勝戦が行われるワシントンDCにいる事を付きとめていたのだ。
コンテストの決勝前夜、ピーターは仲間と離れて武器商人たちを追いかける。
武器商人たちはダメージコントロール社のトラックを狙っていた。
ピーターは武器商人の襲撃を防御するが、その勢いでトラックの中に閉じ込められてしまう。
倉庫まで連れて行かれたピーターは、翌朝まで倉庫内に拘束されてしまった。
その間仲間たちは、見事学力コンテストで優勝していた。
そしてご褒美に、ワシントン記念塔を登る事になる。
だが記念塔に入場する際、ネッドが持っていたチタウリの物質がX線検査機に反応、周りのものを破壊し始めた。
塔を登るエレベータは途中で停止、ピーターがスパイダーマンとして駆け付けた時には、エレベータは搭乗者ごと落下する寸前であった。

ここまでで、ストーリーの半分強くらいである。
この後もピーターはトニーとハッピーの制止を聞かずに武器商人たちを追いかけ、予告編やTVCMで流れるフェリー真っ二つのシーンなどが展開する。
起承転結がわかりやすく、スピーディーでアクションシーンも迫力がある。
スパイダーマンも高い建物がないと歩いて移動するしかないなど、ところどころに散りばめられたお笑いシーンも日本人にもわかりやすかった。

個人的にはこれまでスパイダーマンはあまり好きではなかった。
ヴィラン(敵役)がいかにもアメリカっぽい大味なキャラばかりだし、スパイダーマンは地道な活動で困った人を救うものの、誰にも認められず仲間もいなくて疲弊するという設定が、ちょっと湿っぽくて好きになれなかったからだ。
ただ、このスパイダーマンは違う。
性格はポジティブで、ヴィランもオリジナルとは異なる。
スパイダーマンになるまでのエピソードもほぼ端折られているが、両親が亡くなったなどの暗い話が少ない分気軽に観る事ができた。

アヴェンジャーズで一番好きなキャラはキャプテン・アメリカだが、このスパイダーマンはその次くらいに好きになれそうである。


95.スパイダーマン:ホームカミング


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仕事関係で試写会に潜り込んで観る事ができた。
単純なゾンビのパニックホラーではなく、細部まで非常に作り込まれた作品である。

ソウルの郊外が立ち入り禁止区域になっていた。
出入りする車などは厳重に消毒をされている。
それは口帝疫などではなく、新たなる病原体のためだった。

ファンドマネージャーのソクは忙しい生活を送っていた。
妻は家を出て別居、娘のスアン、母親と3人で生活をしていた。
ソクはスアンの誕生日プレゼントにゲーム機を買ってくるが、それはすでに子どもの日にプレゼントしたものと同じであった。
ソクは仕事の事ばかり考え、スアンの事をまったく理解していなかったのだ。
妻はスアンの誕生日に、自分のいる釜山に来るように伝えていた。
スアンからも釜山行きを懇願されるが、ソクは仕事が忙しい事を理由に説得しようとする。
しかしスアンは聞き入れない。
やむを得ずソクは、始発のKTXで釜山に向かい、自分は午前中にソウルに戻る事にした。

翌早朝、KTXの始発には多くの乗客が登場していた。
高校生の野球チームや、途中まで乗車する老姉妹、高速バス会社の重役などである。
乗客を乗せ、KTXはソウル駅を発車しようとする。
しかし発車間際に、一人の少女が飛び乗ってきた。

KTXの車内放送では、韓国各地で暴動が起きている事伝えていた。
ソクの携帯にもキム代理から、出資した会社で暴動が起きていると連絡が入った。
しかしこれはただの暴動ではなく、病原体が原因によるものだった。
KTX内でも最後に乗車した少女が病気を発症、ゾンビと化し次々と乗客に襲いかかった。

まず、ゾンビ映画としての迫力が見事である。
途中、大量のゾンビが降ってくるシーンがあるのだが、このシーンも特撮ではなくワイヤーアクションなどで撮影しているそうだ。
列車内で津波のように襲いかかるゾンビたちにも圧倒される。

さらにストーリー構成が巧みである。
レスラーのようなヒゲ男と彼の妊婦の妻が乗車しているのだが、この二人がキーとなる。
ヒゲ男は一見粗暴のように見えるが実は非常に情に厚く理性的な男で、自分の事しか考えていないソクとたびたび対立する。
そしてさらに情の深い彼の妻が、母親のようにソアンに付き添ってくれる。
ヒゲ男たちと一緒にゾンビと戦っているうちに、次第にソクに人を思いやる心が大きくなり、ソアンとも分かりあえるようになってくる。
主要メンバーが次々と離脱して行くというのはこの手の映画のお約束ではあるが、この構成が非常に巧い。
高速バス会社の重役を最後まで悪役に仕立てている点も、巧く機能している。

ゾンビ映画と馬鹿にするなかれ、非常に完成度の高い作品だ。
ボン・ジュノの「グエムル-漢江の怪物-」レベルの作品と言っていいだろう。


94.新感染 ファイナル・エクスプレス


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今回のギンレイは「愚行録」と「しゃぼん玉」の2本。
「愚行録」はすでに観ているので、今回は「しゃぼん玉」だけ観る事にした。

原作は乃南アサで、まったく知らなかったが2017年春にシネスイッチ銀座でロードショウされた作品だ。
そこそこ期待できるかなと思って観に行ったが、なかなかの完成度の作品であった。

両親に見捨てられた伊豆見(林遣都)は、大阪でひったくりをして生計を立てていた。
しかしある晩、女性をナイフで脅そうとした拍子に相手を傷つけてしまう。
伊豆見は通りがかりのトラックに乗り込み運転手を脅し、最果ての地まで流れ着いた。

伊豆見がたどり着いたのは、宮崎県の山間の村だった。
明け方、道路に横たわっていた50ccバイクを発見し、それに乗って逃走をしようとしたところ、茂みから女性の声が聞こえた。
バイクの持ち主スマ(市原悦子)である。
伊豆見はケガをしたスマを見捨てず、なんとか彼女をバイクに乗せ自宅まで届けた。
隙を見てカネを盗んで逃げようとした伊豆見だが、スマを心配した近所の老婆たちが駆け付け、伊豆見に御馳走をすると、伊豆見は居心地がよくなりしばらく滞在する事になる。

日がな1日何もせずに数カ月過ごすと、ささくれていた伊豆見の心が穏やかになってきた。
そんなある日シゲ爺(綿引勝彦)がやってきた。
10日後に椎葉平家まつりが行われるので、その祭りで売る物を山で採るから手伝えとの事だった。
最初はあまり気が進まなかった伊豆見だが、シゲ爺に従って山に入る事にする。

やがて祭りの日がやってくる。
伊豆見は祭りの数日前から、シゲ爺とともに会場の準備を手伝っていた。
そこで美知(藤井美菜)と出会う。
美知は伊豆見に好感を持ってくれ、伊豆見も悪い気はしなかった。
祭りの準備の間に二人は距離を縮めて行くのだが、美知が半年前に大阪で通り魔の被害にあい、そのショックで椎葉村に戻ってきている事を伊豆見が知る事となる。

まず、林遣都と市原悦子のキャスティングが絶妙だ。
世を拗ねて犯罪に及んだ伊豆見が、スマの大きな心によって次第に心を溶かして行く。
二人の会話のテンポも絶妙である。
前半、伊豆見がスマの家でごろごろし続けるシーンが長いため、観ていてやや飽きてしまうのだが、その後の展開が早く、そのための布石ともなっている。
想いを寄せている美知が犯罪の被害者である事を知った後の、伊豆見の葛藤の描き方も良い。

作品の出来も良く、舞台、ストーリー展開、役者などが玄人受けしそうな感じなので、一般的にはあまり話題になってはいないものの、何かの映画賞を取っても不思議はない作品だった。


93.しゃぼん玉


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忙しかったり、上映されるのがすでに観た映画だったり、あまり興味のわかない映画だったりしたため、すっかり足が遠のいてしまったギンレイだが、今回はカンヌで賞を取った2本と言う事で観に行く事にした。

まず、コンペ部門で審査員特別グランプリを受賞した「たかが世界の終わり」。
人気作家のルイは12年前に家を出て、それ以来家族と音信不通だった。
だが余命宣告を受けたため、その事を家族に打ち明けるべく帰郷をした。

母と妹はルイを歓迎、初めて会う兄嫁もルイを温かく迎えようとした。
しかし兄のアントワーヌはなぜかイラだっており、家族の一挙手一頭足に難癖を付けてきた。
家族はオードブルや食事中に会話をするが、必ず兄がその会話を台無しにした。
ルイはその間妹、兄嫁、母と個別に話をし、最後に兄とも話をするが、どうしても兄とは話がかみ合わなかった。
そして兄は、デザートの最中にルイを強引に帰宅させようとする。
母と妹は横暴だと怒り始め、兄はさらに反発を強める。
家族が争っている中、ルイは静かに実家を出るのであった。

ハッキリ言って、何が言いたいのかよくわからない作品だ。
まず、なぜ兄がそんなにいら立っているのかがわからない。
弟に嫉妬しているのか、あるいは元々怒りっぽい性格なのか。
いずれにしろ尋常ではない怒り方なので、観ている方はかなり引いてしまう。
ルイが自分が病気である事を家族に言い出せない、と言う部分が作品の主題なのだと思うのだが、兄があれだけ怒っていれば、誰だってどんな話も言い出せないだろう。
そういう部分で、本来の主題がかすんでしまっている。
この作品が審査員特別グランプリを取ったのかと、やや疑問を感じてしまった。

続いて「エリザのために」。
こちらは監督賞を受賞している。

舞台はルーマニア。
医師のロメオには成績優秀な娘エリザがいた。
エリザは学期末のテストの成績次第でケンブリッジに留学するチャンスがあり、普通に受験すれば合格する可能性も十分あった。
しかし受験が始まる前日の朝、ロメオがエリザを車で高校に送る際、学校の少し手前でエリザを降ろすと、わずか数分の間にエリザは暴漢に襲われてしまった。
エリザが抵抗したためレイプ未遂で終わったものの、精神的ショックは大きく、初日のルーマニア語は合格点9点に対し8点しか取れなかった。
警察に被害届を出しながら、なんとか娘を留学させようと奔走するロメオ。

ロメオは、かつて彼の患者であったエリザの高校の女教師と不倫関係である事を利用し、高校の校長に再試験を掛けあったが断られてしまう。
そこで旧知の間柄の警察署長に相談すると、副市長に話を通してくれた。
副市長から校長に話が通り、なんとかエリザを救えそうになる。
しかしそのためには、エリザの答案用紙とわかるように細工をしなければならない。
その事をエリザに告げると、エリザは反発をした。
さらにロメオが不倫している事がエリザにバレてしまい、エリザはロメオの言う事全く聞かなくなる。
その上、副市長のかつての不正がばれ、検察の捜査が入る事になってしまった。
検察官はここ数日の副市長の通話履歴を把握しており、ロメオの事もすべて知っているのだった。

ロメオが少しずつ追い詰められていく様子がうまく描かれ、かなりわかりやすいストーリーである。
ルーマニアの現状や、そこから娘を救いたいというロメオの焦りも伝わってくる。
ラストは解決する部分と語られない部分があり、やや消化不良な面もあるが、現実的な着地点になっている部分も良かったと思う。
こちらの作品は監督賞を受賞していると言うのも納得できた。


91.たかが世界の終わり
92.エリザのために


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