「スノーデン」<自由部門>

2013年6月、NSA(アメリカ国家安全保障局)に所属していたエドワード・スノーデンが英国ガーディアン紙に、米国政府が違法な手段で世界中の通話やメールなどを傍受収集していた事を暴露した。
この映画はそのスノーデンが暴露に至るまでを描いた作品であるが、この映画を観て大騒ぎする「知ったかぶりの勘違いさん」がまた増えるんだろうな、と言うのが正直な感想である。

スノーデンは米軍の特殊部隊を目指していたが、体が弱いために訓練中に除隊となってしまう。
その後彼CIAの契約職員に申し込み、語学が堪能な事とプログラミングの才能を認められて採用される。
CIAの訓練センターでセキュリティに関する講義を受けるスノーデンは、そこで非凡な才能を発揮、教官にも認められた。
その後スノーデンはジュネーブへ派遣され、重要なデータの管理セクションにも入室を許された。
そこで先輩のプログラマーと知り合い、米国が世界中の通話、メール、SNSの更新記録を傍受収集しており、極秘システムにアクセスすればそれらをすべて閲覧可能である事を教えてもらう。
スノーデンは上司の指令でアラブ人の銀行家と接触、銀行家をハメるために彼の娘の恋人家族を不法侵入で取り締まり、かつ銀行家自身を飲酒運転で逮捕させるよう命じられた。
だがスノーデンはこれを拒否し、CIAを辞めてしまう。

スノーデンはその後民間のIT会社に入社するが、そこからNSAに出向する事となった。
勤務地は日本の横田基地で、名目は在中東の大使館、米軍基地が破壊された場合でもデータ消失にならないような、バックアップシステムの構築であった。
また同時に、日本がアメリカとの同盟を破棄した場合に、日本のダム、送電システムなどを破壊するプログラムを仕込んでいた。
スノーデンは日本でも仕事に忙殺され、一緒に暮らしていた恋人のリンゼイとの仲も壊れてしまう。
その後リンゼイはアメリカに帰国、スノーデンも日本を離れ、再びアメリカでリンゼイと暮らし始めた。

NSAはスノーデンが日本語だけでなく中国語も堪能である事に着目し、彼をハワイにある対中国サイバーチームに配属しようとした。
当初リンゼイは難色を示すものの、スノーデンの持病のてんかんの治療にもなるのであれば、と言う条件で二人はハワイに移る。
元々米国政府のサイバー上の諜報活動に疑問を感じていたスノーデンだが、ハワイで、かつて自分が日本で開発したバックアップシステムが、中東でテロの疑いがある者へ攻撃するシステムに転用されている事を知る。
通信記録で疑わしい反応がある者は、きちんとした確認をせずに攻撃の対象となっていた。
スノーデンは大きなショックを受ける。
さらに、米国がかつてより大きな範囲で、世界中の通信情報を収集している事を知った。
スノーデンはこの事を暴露するために香港に渡り、イギリスのガーディアン電子版の記者にすべてを告白、ガーディアンが決定的な証拠をネットにアップする事で、真実が世界中に公表される事となった。

エシュロンなど、アメリカの違法な情報収集は周知の事実となっている。
だが個人的には、「それがどうしたの?」と思う。
平平凡凡に暮らしている私の私生活など、アメリカに収集されても全然平気である。
直接の知り合いに知られたくない秘密はたくさんあるが、それとて犯罪でも犯さない限りは白日のもとにさらされる事はないだろう。
アドラー流に言えば「あなたの顔を気にしているのは、あなただけ」、つまり自分が気にしているほど他人は自分に注目などしていないのだ。

昨今、意味もなく個人情報の流出が過剰に報道されているが、金銭をはじめとしたダイレクトの損害がない限り、個人情報などいくら流出しても怖くない。
もし本当に個人情報の流出が危険だと言うのであれば、高校野球や高校サッカーも、選手名を全部匿名にして顔にモザイクを掛けて放送すべきである。
実際、致命的なエラーなどで負けた場合、その個人と家族が地域住民から攻撃を受ける事もあるそうなのだから。
そして映画の中でも、恋人のリンゼイは個人情報が収集される事を意に介していない。
彼女はネット上での個人情報の意味を、ある程度きちんと理解しているのだ。

ただこの映画を観る限り、アメリカの違法な情報収集にはそれ以外の問題点がある。
ジュネーブのアラブ人の銀行家のエピソードのように、「アメリカの利益」と言う名のもとに個人が脅されたりトラップにはめられる可能性があるのだ。
スノーデンがリンゼイのPCのカメラにテープを貼るシーンがある。
これは、リンゼイの私生活の情報をネタに、スノーデンが脅しを受ける可能性があるからだ。

単純にテロリストの活動の監視や、犯罪防止のために監視をするのは私も賛成である。
しかし一方で収集された情報が、謀略のための材料にされる可能性も十分ある。
そして、スノーデン自身が日本のインフラシステムにトラップを仕掛けている。
これ自体、発動はしていないものの、アメリカのサイバーテロと言っても過言ではない。
一番重要なのはスノーデンが機密を暴露しようと思った動機、アメリカの情報収集活動のどの部分が一番危険だと思ったのか、という部分である。
しかしこの映画では、その部分がハッキリ描かれていない。
単純にスノーデンの暴露に対して、大騒ぎしているだけになってしまっている。

この映画の公開劇場が少なかったり、あるいはこの前に公開されているドキュメンタリー映画「シチズンフォー スノーデンの暴露」があまり日本で話題にならないのも、「政府が圧力を掛けている」とか「配給会社も暴露されては困る事があるからだ」などと言い出す人がいるかもしれない。
どんだけ陰謀好きなんだ、と突っ込みたくなるが、原因はやはりスノーデンの真意がどこにあったのかが分かりづらい点にあるのだと思う(スノーデン自身もいろいろな事象が重なり過ぎて、どの部分がトリガーになっているのかわからくなっているのかもしれないが)。

個人的には、あくまでも国が勝手に公開および悪用をしないと言う前提で、個人はすべての情報を国に開示すべきだと考えている。
監禁など自由を奪われるのはご免こうむるが、監視されているだけなら別に痛くもかゆくもない。
このご時世、くだらない個人情報の保護で大騒ぎするよりも、情報開示による安全の確保を、私なら優先する。

作品の内容も、もう少し何が危険なのかをはっきり描くべきだったのではないかと思う。

14.スノーデン



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by ksato1 | 2017-01-31 23:20 | 映画 | Comments(0)

「マグニフィセント・セブン」<自由部門>

名作「荒野の7人」のリメイクだ。
久しぶりに見るデンゼル・ワシントンのガン捌き、そしてやはり久しぶりに見るイ・ビョンホンの切れのあるアクションなど、オッサンにはなかなかこたえられない作品になっている。

資本家のボーグは乱暴な手法でさまざまな土地を買い占め、金鉱山の採掘をしていた。
ローズ・クリークの村の近くでも金の採掘を始めたが、そこから流れる汚水で村の土地は汚染され始めていた。
村人は教会に集まり対応を協議していたが、そこにボーグ自身が用心棒を伴って現れる。
1家族20ドルで土地を売れと強要したのだ。
ボーグは帰り際に教会に火を付け、あまりの酷い態度に抗議しようとした村人を撃ち殺した。

その時ボーグに夫を殺されたエマ(ヘイリー・ベネット)とテディQの2人は、村を離れてボーグに対抗してくれる用心棒を捜しに行く。
そして、街でお尋ね者を追う執行委任管のチザム(デンゼル・ワシントン)と出会った。
チザムはエマの願いを聞き入れ、まずその場にいたギャンブラーのファラデー(クリス・プラット)をスカウト、そしてちょうど追っていた賞金首のヴァスケスに、罪はチャラにならないが以降自分はヴァスケスを追いかけない事を条件に仲間に引き入れた。
また同時にファラデーに、かつて南北戦争時に知り合った伝説のスナイパー、グッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク)を仲間に引き入れるよう指示、ロビショーとコンビを組んでいたナイフ使いのビリー・ロックス(イ・ビョンホン)も仲間に加わった。
一行がローズ・クリークに向かう途中、かつてネイティブ・アメリカンたちからも恐れられたスゴ腕猟師のジャック・ホーンと、はぐれネイティブ・アメリカンのレッド・ハーベストも仲間に加わる。

7人は村に到達してすぐに村にいた用心棒22人を倒し、ボーグに雇われた保安官に、ボーグの元に行くように伝えた。
チザムは、ボーグは4日で村に兵を連れて戻ってくると想定。
その間に村人を鍛え、守りを固める必要があった。
しかし村人の中にはボーグを恐れて村を離れる者もいて、かつ残った者も基本的に戦闘能力が高い者はいなかった。
到底ボーグの兵に勝てるとは思えない状況の中、ボーグたちが村に現れた。

「荒野の七人」も「七人の侍」も観たはずだが、どちらも30年くらい前なのであまり記憶に残っていない。
ただ、そのどちらもほとんど知らなくとも十分楽しめる作品だ。

ズバリ言って、7人が集まる過程はやや安易である。
西部にその名をとどろかせる悪党ボーグと戦うのに、スカウトされた6人は尻込みする事もなくメンバーに加わって行く。
ただでさえ、南北戦争の経緯やネイティブ・アメリカンの立場など、日本人にはわかりづらい設定が前提となっているうえに、7人のモチベーションがどこにあるのかがわかりづらい。
かすかな記憶では、「荒野の七人」では村人と恋仲になる者がいたが、この映画ではそういうエピソードもなく、用心棒としての報酬も具体的には示されていないので、村を守るためになぜ6人が命を掛けるのか、その部分に若干の違和感を感じる(一人は明確な理由が説明される)。
全員がかつてボーグに痛い目にあった事がある、という設定なら分かりやすかったような気もした。

とは言え、クライマックスのアクションシーンを観れば、そんな小さい事はどうでもよくなってしまう。
SFXやCGで、物理的にあり得ないとんでもない超兵器がスクリーンに次々登場してくる昨今だが、この映画はガンアクションやナイフの格闘だけで観る者をしびれさせてくれる。
そもそも、明確な理由がなくとも命を掛けて村を守るからこそ「Magnificent 7」なのかもしれない。
そう考えると、7人の活躍がさらに痛快に思える。
アクション活劇が好きな、オッサン達にはたまらない作品である。


13.マグニフィセント・セブン


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by ksato1 | 2017-01-30 23:42 | 映画 | Comments(0)

ジブリ4作品一気見<自由部門>

近所のTOHOシネマズのMX4Dで、「カリオストロの城」が上映されている。
アクションシーンも多いので面白いかと思って迷ったが、たぶん3Dではないので思いとどまった。
で、年明けにジブリ作品が2本地上波で放送された事もあり、昨年録画したままになっているジブリ作品2本と合わせて4本を一気見した。

まず「カリオストロの城」。
デジタルリマスターになったとは言え、やはり色彩はやや古臭く感じる。
しかしこの作品が、今から40年近く前に作られたとは到底思えない。
エンターテイメントがギッシリ詰まっていて、これこそが映画だと言いたい。
宮崎駿の名はすでに世界中で有名だが、「カリオストロ」の評価どうなのかな、とも思った。
この映画こそ、ハリウッドで実写化されてもいいんじゃないかと思う。

ちなみに「カリオストロの城」「ナウシカ」「ラピュタ」の3作品が地上波、BS問わず放送された場合、どんな事があっても録画して見る事を信条としている(BSで放送されたのを見た事はないが)。
もう何回見たかわからないが、これだけ見ているとつまらない粗も目に付いてしまう。
冒頭のカーチェイスシーンでは、ルパンの車、追手の車、そしてすれ違うバスに至っても、カットごとに車のナンバーが変わっていたりする。
またルパンがカリオストロ城に忍び込む時間が午後10時前後だが、城内ではまさにパーティーが活況だ。
そこからクラリスの部屋に忍び込むまでの時間経過も、ややおかしい。
時計台の針の美しさからこういう状況になったのかもしれないが、このくらいは御愛嬌と言ったところか。

続いて「紅の豚」。
この作品も何度も書いているが、豚が飛行機を直して島に戻るまでは、非常に大人っぽい雰囲気でカッコいい作品だ。
加藤登紀子の歌声は、いつ聞いても心に沁みる。
しかし豚とフィオが島に戻ってからが、一気にドタバタ喜劇になってしまう。
フィオの無邪気さが、映画全体の雰囲気を壊してしまっている。
最後の殴り合いは、往年のハンナ・バーバラ作品のようなチープさだ。

次は「風の谷のナウシカ」。
私の中で「カリオストロの城」「ナウシカ」「ラピュタ」がジブリ作品のベスト3だが、この3作品の中での順位付けは非常に難しい。
見るたびに順位が変わる。
ナウシカで言えば、ナウシカのピュアでまっすぐな青臭さが、10代の頃から30年以上変わらず心をアツくしてくれる。
そして王蟲の幼虫を救うために中州に降りるシーンでは、ナウシカを案じるテトの動きが非常に精密だ。
王蟲の群れに立ち向かう際のテトの表情もいい。
エンディングロールも、本編の後の世界が描かれていて非常に完成度が高い。
「ナウシカ」は原作で言えば話の途中である。
原作の中での謎の部分が解き明かされていないので、ある意味未完の作品と言えるかもしれないが、それでもやはり何度見ても万足感は高い。

最後は「千と千尋の神隠し」。
たぶん、ロードショウで観て以来、初めて最初から最後まで見た。
この作品は日本のアニメの歴代興行収入NO.1作品だが、私の中では「ハウル」と同程度に評価が低い。
絵柄、色彩は確かに見事なのだが、ストーリーが散漫で何を描きたいのか今一つよくわからない。
千尋が元々そこそこ大人びていただけに、千尋の成長の物語と言うのもなんだかしっくりこないし、湯屋の人々を変えたと言うには、元々湯屋の人たちがどういうキャラだったのかがわかりづらい。
ハクは自分の名前を取り戻して変わるのだろうが、湯婆婆が心を入れ替えるかどうかもわからないし、「油屋」がこの後変わるのかどうかもわからない。
八百万の神や銭湯など、日本文化を非常に美しく神秘的に描いているので外国人受けはいいとは思うが、個人的にはそれほど完成度の高い作品だとは思えなかった。


9.ルパン三世 カリオストロの城(再)
10.紅の豚(再)
11.風の谷のナウシカ(再)
12.千と千尋の神隠し(再)



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by ksato1 | 2017-01-28 00:01 | 映画 | Comments(0)

「沈黙 -サイレンス-」<自由部門>

テーマが江戸初期に弾圧されたキリスト教徒の話で、上映時間は160分。
かなり「重そうな映画」と思い、1カ月くらい前までは観に行こうかどうか、かなり迷っていた。
しかし年末にBSで放送された本作のドキュメンタリーを見て非常に興味がわき、優先順位を上げて観に行く事にした。

ロドリゲス神父とガルペ神父はポルトガルでヴァリニャーノ神父から、日本で布教をしていたかつての恩師フェレイラ神父が棄教したと聞く。
にわかに信じられない二人は、すでにキリシタン追放令が発令していた日本へ向かう事を決意する。
マカオで出会ったキチジロー(窪塚洋介)に水先案内を頼み、二人は隠れキリシタンが住むトモギ村に入った。

すでに神父が日本からほとんどいなくなり、信徒たちは独自の方法で信仰を続けていた。
しかしそれは本来の信仰の姿ではなく、信徒たちもそれはわかっていた。
神父の出現によりトモギ村の信徒たちは喜ぶものの、キリシタン弾圧は非常に厳しく行われており、二人はトモギ村から動く事ができなかった。
そんなある日、五島から来たと言う信徒が二人を訪ねてくる。
五島はキチジローの生まれ故郷で、彼から神父の話を聞いたと言うのだ。
ぜひ五島にも来てほしいと請われ、ロドリゲスが五島に行く事となった。
五島でも来訪を喜ばれたが、ロドリゲスが一番気になったのはキチジローの心の闇だった。
彼もかつては隠れキリシタンであったが、拷問に恐れをなして棄教していた。
しかし彼以外の彼の家族は全員信教を貫き、生きたまま焼かれると言う責め苦を受けていた。
目の前で家族が焼かれる姿が記憶から消えず、キチジローは自分を責めていた。
彼の告悔を聞きながら、自分が日本にやってきた意味があったとロドリゲスは再認識する。

ロドリゲスがトモギ村に戻ると、統治している役人が検知に来ていた。
役人は村長であるイチゾウ(笈田ヨシ)をキリシタンと決めつけ、数日後までにその他の者が名乗りでるか密告がなければ、イチゾウを含む4人を処刑すると通達した。
村人は誰を差し出すか揉め、やがて神父に村を出て行ってもらおうという話にまでなる。
苦しむ村人たちを見て、ロドリゲスはなぜ信徒が苦しまなければならないのかを疑問に感じ始める。

選ばれた4人のうちキチジローは、十字架に唾を吐いて放免となる。
それ以外の3人は処刑されるのだが、ロドリゲスとガルペはその一部始終を影から見守っていた。
その後ロドリゲスはキチジローの裏切りを受け役人に捕まってしまう。
目の前で何人も責め苦で処刑されるのを見て、ロドリゲスは神に慈悲を求めるが、神は常に沈黙したままだった。

社会科の教員免許を持ちながら、キリシタンの弾圧については本当に教科書レベルの事しか知らなかったが、この映画でいろいろな事を初めて知った。
例えばフェレイラ神父の棄教は、日本ではキリスト教信者でも知っている人は少ないだろう。
しかし歴史的見地で言えば、欧米ではフェレイラ神父の棄教は日本での布教のターニングポイントとして、大きな意味を持っているらしい。
その事を、BSの特番で初めて知った。
キリシタンの弾圧についても、追放令が出てから明治維新まで常に厳しい弾圧が続いていたのかと思っていたが、どうやらそうではないようだ。
役人自身もやりたい仕事ではなく、形だけ踏み絵を踏んだら放免と言うパターンも多かったようである。
そもそもキリシタン追放令の元となったのは、一向一揆のように信徒が結束して幕府に反乱を起こす、と言う懸念から出あった。
しかし宣教する神父さえいなくなれば結束する事もないので、神父がいなくなった後は形だけの踏み絵さえクリアすれば、抜き打ちで家の中まで厳しく詮索されるような事もほとんどなかったようだ。
日本でキリシタンに厳しい責め苦が行われていたのは、日本に神父が存在した時までのようである。
役人もできれば拷問や処刑などは避けたいので、作品中でも形だけ踏めばよい、と言うセリフもあった。
ただ、神父が神の与えた試練に耐える事が信教だと教えていたので、踏み絵すら行えなかった信徒も多かったようだ。
これが宗教革命以降で、日本に布教に来た宣教師がカトリックの神父ではなく、プロテスタントの牧師であれば話は違ったのかもしれない。
命を落としても信心を守る、そうすれば永遠の天国が約束される、そういう教えを受けていたからこそ、キリシタンの弾圧は起きたのではないだろうか。
考え方としては、今のイスラム教徒のジハードに近いかもしれない。

役人の長である井上筑後守(イッセー尾形)は、この映画では説明はなかったが遠藤周作の原作ではかつて彼自身がキリシタンであったそうである。
その井上が4人の妾の話をもって、キリシタン追放令を説明するシーンは、なかなか説得力がある。
そしてフェレイラとロドリゲスが棄教した理由も、彼らが信徒を救おうとした事からなのだが、その部分も非常に説得力があった。

神は常に沈黙を守り、信じる者の信仰心に判断をゆだねている。
それはある意味、どの宗教でも同じなのかもしれない。
クライマックで、ロドリゲスが踏み絵のキリストと対話するシーンはとても印象深かった。
宗教とは本来厳格な教えを守る事が目的ではなく、どうすれば救われるかを考えるべきなのだろう。
しかし人間は弱い生き物なので、キチジローのように一度教えを破ればどんどん楽な方に逃げてしまう。
イスラム教のように、厳しい環境で広まった宗教の方が厳格である事を見ても、その事がわかる。

キリスト教を禁じた秀吉、家康の施策の背景やカトリックの布教の歴史など、新たにいろいろな事が知りたくなる映画だった。
そして篠田正浩版の「沈黙 -サイレンス-」も観てみたいと思った。


8.沈黙 -サイレンス-


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by ksato1 | 2017-01-27 23:56 | 映画 | Comments(2)

今年初のギンレイの2本<自由部門>

昨年はあまり通えなかったので、今年は頑張ってギンレイに通おうと思う。
で、今年最初の2本。
今回は2本ともある人物の栄光と影を綴った作品だったが、どちらもかなりの「当たり」だった。

まず「疑惑のチャンピオン」。

睾丸ガンをわずらったもののそこから復活し、ツール・ド・フランスで前人未到の7連覇を達成したランス・アームストロングの話である。
アームストロングについては、7連覇後に引退していた事までは知っていたが、その後ドーピングが発覚した事は知らなかった。
本作ではアームストロングの栄光と影が綴られている。

約1カ月掛けてフランスを1週する自転車競技ツール・ド・フランス。
日本では自転車競技はマイナースポーツだがヨーロッパでは絶大な人気を誇り、区間1位のみが着用できる黄色のジャージ「マイヨジョンヌ」はヒーローの証しとなっている。

アメリカ人のランス・アームストロングは、21歳の時最年少でツール・ド・フランスに参加した。
しかしその数年後、進行性の精巣ガン(睾丸ガン)で病気休養を強いられてしまう。
ランスはなんとか病気から復帰するものの、もはや一線級の選手として活躍する体力は残されていなかった。
その時彼が選んだ選択は、ドーピングだった。

当時の自転車競技界では、ドーピングもかなり広く行われていたらしい。
ランスやチームメイトもなんの迷いもなくドーピングを行っていた。
特にランスは、ガンから立ち直ったアスリートとしてガン患者の希望となっており、負ける事は許されないと考えていたのだ。
ランスはチーム全体に支えられ、7連覇の偉業を成し遂げた後引退する。
しかしランスは引退後の生活に満足感を得られず、復活を決意した。
だがさすがにドーピングの力を借りても往年の力は出せず、優勝する事はできない。
その間、ランスの成績に疑問を抱いた記者が、ランスのドーピングを探っていた。
やがて記者は、ドーピングの元締めであったイタリア人医師が逮捕された事を知り、その医師のオフィスの近隣にランスが立ち寄っていた事も掴む。
さらにかつてのランスの同僚が、ランスのドーピングを告白。
ランスは自らのドーピングを認めざるを得なかった。

ランスのドーピング疑惑を追った記者のノンフィクションが原作となっている。
しかし細かい部分では、映画としてかなり脚色されていると思う。
とは言え、一人の人間がこれだけドラマティックな人生を送ったと言う事に、やや驚きを感じた。
この映画の前までは、ランスがドーピングをしていた事を知らなかったので、私にとってランス・アームストロングは病気から立ち直った偉人であった。
なので真実を知って少なからずショックを受けた。
ドーピングの過程やガン患者の期待を背負ったランスの葛藤がかなりリアルに表現されており、あまりにもドラマティックでこれが真実を元にした物語かと言う点でも、衝撃を受けた。

自転車競技だけではなく、スポーツ全般が好きな人にはオススメの映画である。


続いて「トランボ」。

かつて「栄光なき天才たち」というマンガがあり、そこで「ドルトン・トランボ」の回があった。
私が最初にダルトン・トランボの事を知ったのはその時である。

トランボは1940年代に、すでに脚本家として名声を集めていた。
しかし彼は第二次世界大戦中にアメリカ共産党に入党しており、戦後アメリカでマッカーシズムが激化すると、その他の仲間たちともに非米活動委員会からの招集を受けるようになった。
トランボ自身、元々が頑固な性格であり、かつ仲間たちの信念もあり彼らは招集を拒否した。
いわゆる「ハリウッドテン」である。
すると彼らは議会侮辱罪で訴追され有罪となり、上告も認められずトランボは収監されてしまう。
さらにこの時、非米活動委員会がハリウッドで共産党を支持している者たちをリスティングした。
それが「ハリウッド・ブラックリスト」だった。
当時ハリウッドでは、役者、裏方とも、ブラックリストに載ったという噂がたつと仕事がなくなる状況で、仲間を裏切る者も少なくなかった。
トランボも仲間に裏切られていたのだ。

出所後、オフィシャルな仕事がなくなったトランボは、B級映画の制作会社に自らを売り込む。
そこで名前を隠し、安い仕事を大量にこなすのだった。
やがて彼はかつての仲間を集めて、集団で脚本を大量生産する事を思い立つ。
トランボ自身、いくつものペンネームを駆使して脚本を書き続けた。

やがて、トランボがペンネームで書いた脚本が、アカデミー賞の候補にあがるようになる。
「ローマの休日」は実在する友人の名前を借りていたので大きな問題にはならなかったが、その後の「黒い牡牛」はペンネームのロバート・リッチ名義で作成したため、受賞者が公の場に現れる事はなかった。
しかしだんだんと、トランボがペンネームで活動している事がハリウッドでも周知の事実として知れ渡るようになる。
非米活動委員会に協力していた「アメリカの理想を守る映画連盟」からいろいろな妨害を受けるものの、トランボの才能を認め、トランボに仕事を依頼する者も多くなってきた。
そしてケネディ大統領が「黒い牡牛」を評価する事で、事実上「ハリウッド・ブラックリスト」も有名無実化するのであった。

決して間違ってはいないのだが、頑固すぎて周囲とも溝を作ってしまうトランボ。
この映画では、そのトランボの人となりが非常によく描かれている。
出所後、家族を護るために脚本を大量生産するものの、あまりにも仕事に夢中になり過ぎて家族を顧りみなくなってしまう。
反発する長女のニコラを迎えに行くシーンも、短いが彼と家族の関係を表現する上で重要なシーンになっている。
また、トランボを裏切った俳優の言い分ももっともだが、トランボは彼を許す事ができない。
さらに、途中からトランボに手を差し伸べてくれるB級映画会社の社長もただの守銭奴と思いきや、トランボを護るためにおどしをかけてきた記者をバットを振り回して追い返す、そんなシーンもトランボの性格を表すために機能している。

トランボは実名でハリウッド復帰後も「パピヨン」「ダラスの熱い日」などの作品を世に送り出している。
しかしこの映画では、「黒い牡牛」と「ローマの休日」のオスカーを受け取るエピソードしか語られない。
またトランボは、晩年自らメガホンを取って「ジョニーは戦場へ行った」を制作する。
前述の「栄光なき天才たち」では、この映画はアメリカ以外で称賛を得るもののアメリカ国内ではまったく評価されなかったと伝えているが、この映画ではその部分も語られなかった。
その話を知っていただけにラストはやや物足りなさを感じてしまった。
だがそれでも、十分満足した作品だった事は間違いない。

もうすでにギンレイでの上映は終了してしまったが、映画好きならばこの2作品はぜひ押さえておきたい。


6.疑惑のチャンピオン
7.トランボ ハリウッドに最も嫌われた男


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第一回プラチナブロガーコンテスト
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by ksato1 | 2017-01-22 11:14 | 映画 | Comments(0)

オレ的日本アカデミー賞最優秀賞予測<自由部門>

第一回プラチナブロガーコンテスト

第40回日本アカデミー賞の各賞が発表された。
個人的な印象で言えば、「永い言い訳」が助演男優のみと言うのは少なすぎるし、逆に「怒り」が多すぎるような気がする。

それも踏まえて、今年もオレ的最優秀賞を予想してみる。

まず作品賞。

 「怒り」
 「家族はつらいよ」
○「シン・ゴジラ」
◎「湯を沸かすほどの熱い愛」
 「64-ロクヨン-前編」

この部門は「家族はつらいよ」は観ていない。
が、「家族はつらいよ」は評判から考えてもないだろう。
また「怒り」もないと思う。
「怒り」は重厚な作品ではあったが、中盤の盛り上がりに比べると、最後は「そこでしたか」という感じであっさり終わってしまう。
沖縄編の二人や東京編の妻夫木聡は、もう少し余韻を残す終わり方もあったんじゃないかと思う。

一方、「シン・ゴジラ」と「湯を沸かすほどの熱い愛」は、どちらが取ってもおかしくない。
今までの映画とはまったく異なる手法の「シン・ゴジラ」と正攻法の「湯を沸かすほどの熱い愛」、最後はどちらを好きか、という選択になるだろう。
「64」に関して言えば、なぜ「前編」なのかという疑問も残る。
個人的にはラストを原作と変えた「後編」の方がよかった。

続いてアニメーション作品賞

○「君の名は。」
 「聲の形」
◎「この世界の片隅に」
 「ルドルフとイッパイアッテナ」
 「ONEPIECEFILMGOLD」

この部門は「この世界の片隅に」と「君の名は。」しか観ていない。
ただ評判を聞いても、この作品のどちらかだろう。
そしてこの部門も、最後はどちらの映画が好きかと言う選択になるのだろうが、アカデミー賞会員が選ぶとなるとわかりやすい大ヒット作の「君の名は。」より、作品の完成度でじわじわと話題になった「この世界の片隅に」の方が賞を取りそうな気がする。
「聲の形」もテーマは良かったと聞いているが、上記2作品と同じ年に公開されたのが、ちょっと不運だったかもしれない。


次は監督賞

◎庵野秀明(総監督)/樋口真嗣(監督)「シン・ゴジラ」
 新海誠「君の名は。」
 瀬々敬久「64-ロクヨン-前編」
○中野量太「湯を沸かすほどの熱い愛」
 李相日「怒り」

この部門はすべての作品を観ている。
中でもカット割り、洪水のようなセリフ、そして圧倒的なCGという部分で考えると、やはり「シン・ゴジラ」の二人が順当だろう。
これまでの日本映画の概念を大きく変えた作品だ。
ただ、初監督作品で非常に完成度の高い作品を撮った中野量太も侮れない。
今回受賞できなかったとしても、いずれ必ず日本の映画界を背負う監督になるだろう。
新海誠は、投票するアカデミー賞会員がアニメを軽視しそうなので無印。

続いて脚本賞。

○新海誠「君の名は。」
◎中野量太「湯を沸かすほどの熱い愛」」
 久松真一/瀬々敬久「64-ロクヨン-前編」
 山田洋次/平松恵美子「家族はつらいよ」
 李相日「怒り」


この部門は、新海誠と中野量太のどちらに取らせるかだろう。
そもそもこの部門こそ「シン・ゴジラ」じゃないかと思うのだが、ノミネートされていないのなら上記2人のうちどちらかだ。
中野量太の方がアカデミー賞会員受けしそうなので、本命とした。


次は優秀主演男優賞。

 綾野剛「日本で一番悪い奴ら」
 岡田准一「海賊とよばれた男」
 佐藤浩市「64-ロクヨン-前編」
◎長谷川博己「シン・ゴジラ」
○松山ケンイチ「聖の青春」

この部門は「日本で一番悪い奴ら」は見逃してしまった。
オレ的2016年映画総括の時にも書いたが、この部門は激戦だ。
「海賊とよばれた男」がギリギリ今年の作品に入っていると言うのは気付かなかったが、この中に入ると岡田准一はないと思う。
難しい役と言う点では長谷川博己か松山ケンイチだが、将棋と言うテーマがマニアックな分、松山ケンイチはやや不利になりそうだ。


続いて優秀主演女優賞。

 大竹しのぶ「後妻業の女」
 黒木華「リップヴァンウィンクルの花嫁」
 広瀬すず「ちはやふる-上の句-」
 宮崎あおい「怒り」
◎宮沢りえ「湯を沸かすほどの熱い愛」

この部門もすべての作品を観たが、前提として宮崎あおいが主演なのかという疑問を持つ。
ただいずれにしろ、ここは宮沢りえで鉄板だろう。
予想上は対抗もなしにする。
ちなみにこの部門は、10~50代まですべての女優が揃っているとの事。


次は優秀助演男優。

 竹原ピストル「永い言い訳」
 妻夫木聡「怒り」
◎東出昌大「聖の青春」
 森山未來「怒り」
○リリー・フランキー「SCOOP!」

この部門もすべての作品を観ているが、「怒り」の二人はないだろう。
ただ、残る3人は激戦だ。
竹原ピストルは本当にいい演技をしていたが、まだ役者としての歴史が浅い分軽く見られてしまいそうな気がする。
東出昌大の羽生善治はかなり実物に近く、作品の中でも彼の演技が非常に効果的だった。
「SCOOP!」のリリー・フランキーもなかなか強烈なキャラだったので、受賞の可能性も十分ある。
ただリリー・フランキーの場合、あまりにも演技がうま過ぎて今後は逆によっぽどの演技じゃなければ賞は取らせてもらえないかもしれない。
現段階ですでに、日本映画には欠かせない役者だと言ってもいいだろう。


最後は優秀助演女優賞。

○石原さとみ「シン・ゴジラ」
 市川実日子「シン・ゴジラ」
◎杉咲花「湯を沸かすほどの熱い愛」
 広瀬すず「怒り」
 宮崎あおい「バースデーカード」

この部門は「バースデーカード」は観ていない。
その他の3作品で比較すると、やっぱり杉咲花が本命だ。
「とと姉ちゃん」のよっちゃん役も良かったが、「湯を沸かすほどの熱い愛」の前半部では杉咲花の演技がかなり効果的に機能している。
「シン・ゴジラ」の二人で言えば、やはり石原さとみだろう。
石原さとみは「進撃の巨人」で黒歴史を作ってしまったが、ここで見事に挽回している。


新人俳優賞は最優秀賞がないため、以下の8人がそのまま受賞する。

杉咲花「湯を沸かすほどの熱い愛」
高畑充希「植物図鑑運命の恋、ひろいました」
橋本環奈「セーラー服と機関銃-卒業-」
岩田剛典「植物図鑑運命の恋、ひろいました」
坂口健太郎「64-前編-」「64-後編-」
佐久本宝「怒り」
千葉雄大「殿、利息でござる!」
真剣佑「ちはやふる-上の句-」「ちはやふる-下の句-」


新人俳優賞で言えば、もうすでに何本もの映画に出演している杉咲花、高畑充希、橋本環奈が受賞しているのに、この部門を竹原ピストルが受賞していない点も、やや納得がいかない。
奇しくも竹原ピストルも出演していた「さや侍」で、野見隆明が新人賞を受賞していたのだから年齢は関係ないと思うのだが。


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by ksato1 | 2017-01-20 06:42 | 映画 | Comments(0)

「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」<自由部門>

やっと「ローグ・ワン」を観た。
なぜこれほど遅くなったかと言うと、MX4Dで観ようと思ったからだ。
諸般の事情で、近所のMX4Dの映画館に行く機会が延び延びになってしまっていた。

で、まず初のMX4Dの感想だが、映画を観ると言うよりテーマパークのアトラクションと考えた方が近いだろう。
その価値を感じてもらうためか、それほど大きなアクションではない所でも座席が動くので、慣れないうちは集中力を欠いてしまった。
この「ローグ・ワン」で言えば、3Dの迫力もあまり伝わってこなかったので、画面さえ大きければ通常の上映でも良かったかな、とも思った。
同時期に上映されている「バイオ・ハザード」だったらもっと過激に座席が動いたと思うので、そちらは意味があったかもしれない。
ただ、座席が動き過ぎで酔いそうな気もするが。

それはそれとして映画の感想だ。
ズバリ言って、今回は「荒野の七人」である。
映画の制作が発表された段階で「エピソードIVの10分前までのストーリー」と聞いていたので、だいたいの予測はついていたが、ほぼそのままのストーリーであった。
ただ予測はしてたものの、見せ方の巧さで感動させられた。

デス・スターの主要開発者だったゲイレン・アーソは、帝国軍から逃げ出して辺境地に家族と隠れ住んでいた。
しかし開発責任者のクレニックに居場所を発見されてしまう。
妻と娘のジンを逃してクレニックと対峙するゲイレンだが、妻が戻ってきてクレニックに発砲してしまう。
妻は倒れ、ゲイレンは失意のままクレニックと共に帝国軍へと戻る事になった。
隠れていたジンは、その後彼女を救出しに来たゲイレンの親友ソウ・ゲレラに助け出された。
そして長い年月が流れた。

ジェダイの騎士ゆかりの惑星ジェダに、帝国軍の貨物パイロットが逃亡してきたと言う噂が流れる。
彼の名はボーディー、ゲイレンのホログラムを預かり、独自にレジスタンスを指揮するソウに渡そうとしたのだ。
だがソウはボーディーを簡単には信じずに尋問に掛けてしまう。

一方、反帝国勢力として同盟を結んだ反乱軍は、ソウと接触するためにジンを捜していた。
ジンは帝国軍との抗争の最中にソウとはぐれ、その後は偽名を使っていたのだが、帝国軍の捕虜となっていた。
帝国軍からジンを救い出した同盟軍は、ジンにアンドー船長とソウの元に行くように伝える。
ジンはあまり気が進まなかったが、その後は自由の身になれるという条件を聞き、ソウとの橋渡し役を引き受ける。

アンドーとジンがジェダに到着した頃、ちょうど帝国軍もジェダに飛来していた。
ジェダの寺院から、デス・スターの動力源となるクリスタルを徴収しようとしていたのだ。
聖都はただならぬ緊張感が漂い、一触即発の雰囲気だった。
その中で、アンドーとジンはソウの情報を得ようとするが、ついにソウの反乱軍が帝国軍の兵士に攻撃を始めてしまう。
二人は小競り合いに巻き込まれるが、その場にいた寺院を護っていたチアルートとベイズの助けもあり、帝国軍兵士を倒して反乱軍にソウへの面会を申し込む。
しかし反乱軍は4人を捕らえ隠れ家の牢に入れてしまった。
牢から出たジンはソウと再会する。
そこで父ゲイレンのホログラムを見て、父がデス・スターの開発にあたり、ジェネレータ部分にわざと弱点を仕込んだ事を知る。

時を同じくして、クレニックはターキン総督にその威力を確認してもらおうとしていた。
聖都ジェダに、スーパーレーザー砲を発射したのだ。
ジン、アンドー、チアルート、ベイズ、そしてパイロットのボーディーたちは脱出してなんとか難を逃れるが、義足のソウはそのまま隠れ家に残った。

その後一行は、ゲイレンに会うために研究施設のある惑星イードゥーに向かう。
ただしアンドーは、デス・スターを完成させないように反乱軍からゲイレン抹殺の指令を受けていた。
さらに宇宙船が故障して連絡が取れなくなったため、反乱軍はイードゥーに攻撃軍を送りこむ。
アンドーはゲイレン狙撃を躊躇するものの、飛来した反乱軍との交戦中にゲイレンは命を落としてしまう。
反乱軍基地に帰還後、ジンはデス・スターに致命的な欠陥がある事を指導者たちに告げる。
しかし帝国軍の開発者として働いていたゲイレンの言葉を信じない者も多く、かつデス・スターの威力に恐れをなして降伏を唱える者すら出てきた。
反乱軍はバラバラになり、意見が集約出来ない状態になる。

それでもジンは、惑星スカリフにデス・スターの設計図があるという父の言葉を信じて、設計図を奪取しに行こうとする。
アンドー、チアルート、ベイズ、ボーディー、元帝国軍のドロイドK-2も加わり、チームは「ローグ・ワン」を名乗って許可なしに反乱軍の基地を飛び立った。

脇役のキャラをきちんとカッコよく描けば映画が面白くなると言う、お手本のような作品だ。
小説やマンガでは、キャラ設定をキッチリ行えば自然にキャラが動いてくれる、という作家が多い。
映画についても同様なのだろう。
ジェダイを崇拝するチアルートのキャラは強烈だし、C3POよりも人間に近いK-2も味があっていい感じだ。
この作品でライトサーベルを持つのはダースベーダーだけ、つまりフォースを持つ者は一人だけしか登場しない。
一人いればすべての問題を解決してしまう究極の戦力、ジェダイの騎士はいないのだが、それでも普通の人間とドロイド1体が巨大な帝国軍に挑むのだ。
そのストレートな「努力、友情、勝利」に、感動せずにはいられない。
「七人の侍」同様次々とメンバーが倒れて行くのだが、すべて見せ場が作られて倒れて行く。
その最期のシーンも、それぞれ感動させてくれる。
スピンオフ作品としては、究極の完成度だ。

ルーカスはエピソードIIIの制作後、エピソードIIIとIVをつなぐ作品をいくつか作るつもりだと言っていた。
今回はその作品のうちの一つだとは思うが、シリーズ最大の謎である、なぜオビ=ワンはアナキンの弟にルークを預けたか、という部分は明らかにされなかった。
TVシリーズでもアニメでもレゴでもいいから、ぜひその部分を明らかにしてもらいたい。

また基本的にこの作品は完全にスピンオフで、エピソードIVにつながる部分以外は本編からは完全に独立しているらしい。
しかしながらチアルートはここで終わりにするには非常に惜しいキャラで、聖都ジェダの寺院とチアルートの流れを汲む僧については、この後のVIII、IXにぜひ組み込んでもらいたい。


5.ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー



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第一回プラチナブロガーコンテスト
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by ksato1 | 2017-01-19 08:20 | 映画 | Comments(0)

「NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」<自由部門>

ヴィー(エマ・ロバーツ)は進学に悩む高校生だ。
兄は大学入学前日に他界し、今は母と二人暮らしでN.Y.に隣接する島に暮らしている。
本当はカリフォルニアの美術大学に進学を希望しており、入学許可も下りているのだが、母親は自宅から通える大学への進学を希望、経済的にもカリフォルニアに行く余裕はなかった。
親友のシド(エミリー・ミード)は高校生ながらナイスバディを持ち、チア・リーダーに所属していた。
そのため、地味なヴィーとは異なり男子からもモテモテだった。
そしてシドは、ネットゲームの「NERVE」にプレイヤーとして参加していた。

「NERVE」は文字通り「度胸」を試すオンラインゲームだ。
参加者は視聴者かプレイヤーを選択する。
視聴者は24時間$19.99を支払い、プレイヤーに課題を出す。
プレイヤーは出された課題をクリアすれば、提示された賞金をゲットできる。

シドは「NERVE」でも人気のプレイヤーで、チアリーディングにノーパンで参加し、お尻を丸出しにしたりしていた。
その結果停学になるのだが、彼女は「NERVE」への参加を辞めない。
それどころか、ヴィーにも参加するように勧めてきた。

シドと少し揉めた後、ヴィーはなんとなく「NERVE」に参加してしまう。
最初の課題は、ダイニングに来ている男性客と5秒キスをする、だった。
一緒に卒業アルバムを制作しているトミー(マイルズ・ハイザー)は止めるが、ヴィーは自分が好きな「灯台」という本を読んでいた男に話しかけ、キスをする。
課題をクリアして、ヴィーの口座には$100が振り込まれた。

ヴィーがキスをした男はイアン(デイヴ・フランコ)と言い、彼も「NERVE」の参加者だった。
イアンはヴィーに、二人で課題をクリアして高い賞金をゲットしようと持ちかける。
最初は及び腰だったヴィーだが、イアンとともにどんどん難しい課題をクリアして高額賞金を得ていった。
だが、リアルタイムでヴィーの挑戦を視聴していたシドは、それを面白く思っていなかった。
ヴィーはイアンに誘われてシドのホームパーティに行くのだが、そこで二人はケンカになってしまう。
やがてヴィーは、自分がこれまでのすべてがイアンの課題に乗せられていた事に気付き、路上のパトカーに「NERVE」の事を訴えようとする。
その瞬間、ヴィーはプレイヤーではなく「囚人」のカテゴリーとなってしまう。

スポンサーから無理な課題を出され、それをクリアすると賞金がもらえると言うテーマは、2006年にタイで制作された「レベル・サーティーン」に似ている。
「レベル~」は、ハーフのためにいじめられ続けた男が一発逆転するために、13の課題をクリアするのだが、途中で大便を食べ、ラストの課題が実の父親を殺すことだったりする。
この作品では、課題の連絡が電話やメモだったが、今回の「NERVE」はスマホ上でリアルタイムで表示される。
しかも「NERVE」のようなグロい課題はなく、しかし危険度は高そうな課題になっている。
一言で言って、かなり一般受けするテーマだ。

ストーリーとしては、キモとなるリタイアのペナルティの部分で辻褄が合わない部分もある。
イアンがヴィーに、途中でリタイアするとこれまで獲得した賞金もチャラになる、と言っているが、そもそもどの段階で課題がすべて完了になるかの設定が描かれていない。
時間、あるいはクリアした課題の数なのか。
完了の設定がなければ無限に課題を課せられてしまい、事実上何度課題をクリアしても次の課題でリタイアすると賞金を得られない事になる。
そんな挑戦誰もしないだろう。
また、「NERVE」のプログラムの設定があまりにもご都合主義で、いい加減である。

ただ、そういう細かい部分を抜きにすれば、なかなか面白い映画だった。
特にヴィーが「NERVE」に参加してからのスピード感が良い。
N.Y.の夜景の中で、今どれだけの人数が「NERVE」に参加しているか、HNによる表現の仕方も今風だ。
元々は生真面目であるヴィーのキャラを崩さず、途中で悪乗りし過ぎの自分に気付く部分や、イアンの本当の姿の隠し方などもまずまずだと思った。

制作者の二人は、「パノラーマル・アクティビティ」の3と4を制作しているようだ。
どちらも観た事はないが、実験的な作風が評価されている。
二人ともまだ30代半ばとの事なので、この後の作品に期待したいと思う。

それと、主演のエマ・ロバーツの美しさも特筆モノだ。
彼女の次回作にも期待したい。



4.NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム



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by ksato1 | 2017-01-18 07:29 | 映画 | Comments(0)

「バイオハザード: ザ・ファイナル」<自由部門>

年末年始の興行では、「ローグ・ワン」を押さえて1位になった。
どれほどの作品かと思って期待して観に行ったが、アクションとしてはたしかに素晴らしい作品であった。

前作のラストでアリスは、エスカーや仲間たちとワシントンD.C.にたどり着いた。
そこにはホワイトハウスを囲むおびただしい数のアンデッドたちがいた。
本作のスタートは、まずそもそものT-ウィルスの成り立ちの説明から始まる。

細胞がどんどん老化し、25才で一般人の90才並みの体になってしまう奇病におかされた娘。
ジェームズ・マーカス博士は娘を奇病から救う研究を行う過程で、T-ウィルスを発見した。
T-ウィルスは娘のアリシア・マーカスの異常な細胞のみを駆逐、彼女は寛解したかのように見えた。
しかしその副作用で、T-ウィルス投与者はアンデッドとなる事がわかった。
マーカス博士はT-ウィルスの恐ろしさから廃棄を提案するが、共同開発者のアイザックス博士はそれを拒否、マーカス博士をエスカーに殺させるのだった。
またマーカス博士は生前、娘のアリシアの行動パターンなどをすべて記録し、それを人工知能に移植してレッドクイーンを立ち上げていた。

舞台は一転して静寂のワシントンD.C.にうつる。
隠れていたアンデッドや謎のモンスターと戦いながら生存者を探すアリスは、レッドクイーンからのコンタクトを受けた。
レッドクイーンは、ラクーンシティの地下にT-ウィルスを無効にする抗体が存在し、それを48時間以内に空気中に撒かないと人類はすべて絶滅すると告げる。
アリスはレッドクイーンの説明を信じ、ラクーンシティへと向かう。

その道すがら、アリスはアンブレラ社の残党と遭遇。
捕らえられてしまうのだが、そこには以前倒したはずのアイザックス博士がいた。
アイザックス博士はアンデッドをかき集め、ラクーンシティにわずかに残る人類を襲わせようとしたのだ。

アリスはなんとか脱出し、アイザックス博士よりも早くラクーンシティに到着。
タワーに立て篭もるクレアと合流し、ラクーンシティ最深部にあるT-ウィルスの抗体を目指して出発した。

とにかくストーリー展開はメチャクチャの一言で、映画としては破綻している。
前作のラストシーンから本作にどのようにつながるか、「エスカーの裏切り」程度でしか説明がなく、アリスとエスカー以外の登場人物はすべて説明もなくいなくなっている。
Wikiで調べたところ、小説版にはそのブリッジとなるエピソードが描かれているようなので、ひょっとしたら脚本はできあがっていたが、スケジュールや制作費の関係で撮影されなかったのかもしれない。
それにしても、セリフやアリスの回想シーンでつなぐ事はできたと思うのだが、それも一切なしだ。
さらに前作からの回想シーンがあってしかるべき冒頭に、シリーズ全体の発端であるエピソードを挿しこんでいる。
それも、今作で終わらせるためのメチャメチャご都合主義なエピソードである。
一度倒れたキャラも、「あれはクローンだった」で何回も復活してくる。
もう、「なんでもアリの世界」もここまで極めれば見事という他ない、ストーリー構成である。

ただ、世界観、アクション・シーンは本当に素晴らしい。
冷静に観れば辻褄が合わないトンデモな話の連続なのだが、展開のスピードと勢いで観る者を圧倒しまくってくる。
元々がゲームから派生した映画なのだが、ゲームシナリオ特有の緊張と緩和のメリハリ、そしてスピード感が、映画にもきちんとつけられている。
だから観ていてどんどん話に引き込まれてしまう。

個人的には映画としては評価できないと思うが、シリーズ6作品を通じて、15年以上も常にクオリティの高い世界観と緊張感を保ち続けている点は評価したい。
わざわざミラ・ジョヴォヴィッチの産休明けを待って制作されているのだが、その意味は十分あったと思う。


3.バイオハザード: ザ・ファイナル


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by ksato1 | 2017-01-17 06:57 | 映画 | Comments(0)

「本能寺ホテル」<自由部門>

題材から原作は万城目学かと思っていたのだが、どうやらオリジナルストーリーのようだ。
そのためいい意味でも悪い意味でも、ストーリーの中盤までに過度な期待を抱かせず、ほぼ想像通りの展開だった。

倉本繭子(綾瀬はるか)は恋人の吉岡恭一(平山浩行)の両親と会うため、彼の生まれた京都に来ていた。
やや天然の入った繭子だが、ホテルの予約を1カ月間違えたため泊るところがなくなってしまう。
あてもなく歩いていると、目の前に「本能寺ホテル」が現れた。
ダメもとでフロントの支配人(風間杜夫)に尋ねてみると、部屋は空いていると言う。
鍵を受け取り繭子はエレベータに乗りこむのだが、上昇したエレベータのドアが開くと、そこには寺のような空間が開けていた。
時空を超えて、本能寺の変前日の本能寺に来てしまった繭子は、事態がよくわからないまま、目の前の織田信長(堤真一)に説教をしてしまう。
信長は怒り、繭子を手打ちにしようとするが、その瞬間繭子は本能寺ホテルのエレベータに戻った。

現代と戦国時代を何度か行き来するうちに、繭子はだんだん状況を把握して行く。
繭子の話を信じない支配人だが、もし本能寺の変を事前に信長に伝えてしまえば歴史が変わってしまいますよ、と繭子に告げる。
繭子は躊躇するものの、信長に明智光秀が謀反を起こす事を伝えてしまう。

フジテレビ作品で言えば、「信長協奏曲」に続く信長題材の作品だ。
この作品の公開に合わせてドラマを再放送し、劇場版も地上波で放送した。
個人的には「信長協奏曲」も好きだが、この2作品を見て、今までの信長感がちょっと変わった。

子どもの頃は、若い頃のうつけ者と「殺してしまえホトトギス」の逸話から、かなり雑で粗暴な人間のイメージが強かった。
その後日本史を学習をしてからは、雑ではなく逆にかなり綿密な人間で、崇高な理想と大観を持ちながらも計算高く、目的のためには手段を選ばない冷徹な人間、ある意味非常に優秀な経営者的なイメージを持っていた。
具体的にはビル・ゲイツやホリエモンあたりだ。

ただよくよく考えると、何度も裏切った柴田勝家や、農民出身の秀吉を重用するなど、秀吉以上に人の心を重んじて、人の使い方が巧かったのではないかと思うようになった。
光秀に関しても、他の家臣の前で何度も恥をかかせたと言うが、裏を返せば嫌っていたのではなく本当に信頼を寄せていたからこそ、光秀にだけ常に本音をぶつけていたんじゃないかとも思う。
そういう人柄のため、織田信長への忠誠心は単純な恐怖心によるものではなく、この人に付いていけばきっと誰もが安心できる太平の世になる、と皆が信じていたような気がする。
清州会議の段階では家臣たちも、自らが天下を取ろうなどとは思っておらず、誰が家督を継ぐ事が織田家、ひいては世のために最善かを考えたんじゃないか、とも思うようになった。

この映画では、秀吉の中国大返しがなぜ可能だったか、その部分について説得力のあるストーリーを展開している。
本能寺の変に関してはそれ以外にも、光秀のはっきりした動機がわからなかったり、信長の死体が見つかっていないなど、まだまだ謎の部分が多い。
ただこの映画を観ると、ひょっとすると本能寺の変自体が信長の仕組んだ策略で、秀吉と光秀を戦わせて勝った方をさらに重用するつもりだったのではないか、とも思ってしまった。
元々信長は本能寺からの逃げ道を用意していたが、何かの事故で逃げる途中に信忠ともども死亡してしまった、そうであれば二人の死体が本能寺で見つからなかった事も説明が付く。

実際にはそんな事はないのだろうが、この映画の生き生きとした信長の描き方は、いろいろな事を想像させてくれた。
堤真一と、森蘭丸役の濱田岳の演技も素晴らしかった。

映画としては、正直普通といった感想だ。
現代のシーンでは吉岡の父役だった近藤正臣が非常によかったが、吉岡本人の描き方が中途半端だった事もあり、繭子が現代でいろいろと迷っている、という部分がきちんと描き切れていなかった。
せっかく平山浩行を起用したのにもったいない感じだ。

しかしながら歴史ファンならば、信長の描き方に興味を持つのではないだろうか。
楽しそうに振り振り毬杖(ぎっちょう)をする信長に、個人的には非常に好感を持った。



2.本能寺ホテル


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by ksato1 | 2017-01-16 23:19 | 映画 | Comments(0)