「バイオハザードV リトリビューション」(再)<自由部門>

新作の復習のため、地上波放送されたものを録画して見る。

世界観とアクション、CGなどは素晴らしいこのシリーズだが、ハッキリ言ってストーリーはかなりトンデモな部分が多い。
しかし、とにかくアクションシーンがきちんと作り込まれているので、ストーリーの部分をあまり考えずに映画にのめり込んでしまう。

本作品のスタート時の設定は、前作で盟友だったジルに敗れたアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は捕らえられ、人工知能のレッド・クイーンに操られたジルに監視されていた。
場所はアリューシャン列島近くの海底の実験場。
その実験場のメインコンピュータにアリスが倒したはずのウェスカーがハッキングし、工作員として送り込まれたエイダの助けを借りて脱出する。
アリスとエイダは東京、NY、モスクワなど、各都市を模した実験ドームを通過し、別途送り込まれたアリス救出部隊と合流。
途中で実験場にいたクローンの少女も救出する。

ジルとともにアリスたちを追う兵士がかなり弱かったり、逆に強化されたアリスはともかく一般人のはずのアリス救出部隊の面々が異常に強かったりと、「ご都合主義」な展開が最初から最後まで延々と続く。
しかし前述した通り、とにかくアクションシーンが素晴らしいので、それを見るだけでも価値はある。
元々ゲームから派生したシリーズなので、あまりいろいろと期待してはいけないのだろう。

現在公開中のラストも、それほど期待しないで観に行く事にしよう。



115.バイオハザードV リトリビューション(再)



※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9


第一回プラチナブロガーコンテスト
[PR]

by ksato1 | 2016-12-29 20:41 | 映画 | Comments(0)

「ガリレオ」劇場版×2<自由部門>

HDDレコーダーの在庫整理で、春に地上波で放送された「ガリレオ」劇場版×2作を今頃見る。

2作を連続で見て気付いたのだが、根本的な設定はどちらも同じである。
娘が衝動的に殺人を犯し、その母親を思う男が罪を被った(被ろうとした)、である。

ただ、「容疑者Xの献身」では石神(堤真一)が見事なアリバイを作り上げるものの、友人の湯川(福山雅治)に見破られてしまい失敗に終わる。
一方「真夏の方程式」では、最初の事件が16年前という事もあり身代わりの仙波(白竜)がすでに服役も終了、仙波の作戦は見事に成功していた。
ただし担当した刑事がその事に気付き、定年後に真実を知ろうと調査を始めたがため、新たなる悲劇が発生してしまうのだった。
両作とも過去を断ち切ろうとした娘が犯罪を犯してしまい、かつ、献身的にその身代わりになろうとする者が現れる。
どちらも深い愛情がベースとなっているが、罪は罪として決して消えることがないため、どちらの作品もラストシーンはあまり救いがない。

ストーリーとしては、「真夏の方程式」の方が深みがあって個人的には好きだ。
単純に事件を追うだけではなく、恭平というキャラクターが大きなカギとなっている。
事件の大枠に気付いた湯川が「慎重に捜査を進めないと、一人の人生を捻じ曲げる可能性がある」と言うのだが、最初はそれは成美を指していると思った。
しかしラスト近く、自首しようとする成美を湯川が諭すシーンで、湯川が本当に気遣っているのが恭平であることがわかる。
子供嫌いと公言して憚らない湯川だが、無邪気にまとわりついてくる恭平の純粋さに引っ張られて思わず行動を起こしてしまい、かつ彼が事件にかかわっている事に気付いた後は、湯川もどう行動するか迷っている節がある。
湯川の人間的な部分がクローズアップされている。
そして成美の父親の川畑重治(前田吟)に湯川が面会に行くシーンは、何度見ても重治の愛情の深さに思わず涙してしまう。
登場人物の設定と序盤のシーンのすべてが伏線となっており、真相が少しずつ明らかになるにつれ、どんどんストーリーに引き込まれていく。
脚本、演出、役者の演技力、すべてが揃った素晴らしい作品だ。

一方「容疑者Xの献身」は、堤真一の演技に尽きる。
松雪泰子の花岡靖子も良かったが、天才でありながら世間に認められない石神の屈託、忸怩たる思い、絶望、そしてその先にあった物が、堤真一の演技で物語全体の感動を生みだしている。
ただ事件の発端、殺人の動機の部分がやや軽く描かれているため、やはり全体の感動としては「真夏の方程式」の方が深いと思う。
ラストシーン、川の捜索で凶器のスノードームが見つかるのも、ちょっと悲しすぎる気がした。

とは言え、TVシリーズも全話見ているが、劇場版2作品の方がはるかに面白い。
個人的にはかなり好きなシリーズだ。
原作はもうほぼすべて映像化されてしまっているようだが、なんとか劇場版の次回作を作成してもらいたいものだ。


113.容疑者Xの献身(再)
114.真夏の方程式(再)


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9



第一回プラチナブロガーコンテスト
[PR]

by ksato1 | 2016-12-28 22:40 | 映画 | Comments(0)

有馬記念<自由部門>

3強の様相を呈している今年の有馬記念。
何やらいままでの有馬とイメージが被ってきて迷う部分が多い。
宝塚と有馬のGPを2勝したメジロパーマー、有馬を連破して底力を見せつけたグラスワンダー、1番人気ディープインパクトの武豊をハーツクライで破ったルメール・・・。

有馬名物の世相馬券で言えばクリスマスだから白、赤、緑とか、今年の漢字が「金」、日ハム大谷の背番号11で11番もしくは枠連で1-1、今回が61回だから枠連1-6、有馬記念アンバサダーの田中将大の誕生日が1月11日で馬連1-11などなど。
このあたりで見ると、3強で決まりそうな雰囲気がプンプンする。
とは言え、世相馬券はあくまでもこじつけだ。

まともに予想すれば、やはりキタサンブラックが本命となる。
母父がサクラバクシンオーという事で、昨年は評価を下げて何度も痛い目にあった。
しかし昨秋以降からの成長力は目覚ましく、今年は完全に本格化。
今年初戦の産経大阪杯は休み明け、宝塚記念はドゥラメンテとお互いを意識してレースを進めた結果、マリアライトに足元を救われた。
不安点は二つ、一つ目は逃げ馬にうるさい馬がいる事。
逃げ宣言のマルターズアポジーが絶好調と伝えられ、おそらく軽快に逃げを打つだろう。
さらに先行が予想されるサムソンズプライドは、クセ者のノリが騎乗している。
ペース配分が非常に難しくなりそうだが、武豊も現在は絶好調なので問題はないと思うが、ペースが異常に早くなった場合は、後続に差される可能性もある。
もう一つの不安点は、JC後にやや疲れが残り調整が少し緩かった事。
今週の栗東が霧に包まれて状態が良くわからない。
しかし一番人気で出走するのだから、今回もオツリを残さずに仕上げたと見て本命にする。

キタサンブラックを負かす可能性が一番高い馬は、まだ未対戦の3歳馬サトノダイヤモンドだ。
7戦して5.1.1.0の成績で、皐月賞は直線で不利を受けて伸びきれず3着、ダービーは落鉄でハナ差の2着だ。
菊花賞は楽に抜け出して上がり最速の脚を使い完勝。
JCをスキップしてここ1本に絞ったローテーションも好感が持て、キタサンを負かしても不思議はない。

3番手はゴールドアクターだ。
この馬の場合、勝つ時はほぼ好位から抜け出して上がり最速の脚を使っている。
ただ、2500m前後を中心に使われているが、持ちタイムは昨年の有馬記念の2.33.0が最高だ。
スクリーンヒーロー産駒であるものの、春の天皇賞の負け方を観ると2500mが距離の限界ではないかと思っている。
今回ハイペースになった場合、好位から最速の脚が使えるかと言うと、ちょっと難しいのではないかと思われる。
JCからかなり絞って仕上げてきているらしいが、どんなペースでも上位2頭をまとめて負かすのは少し難しく、かつ吉田隼の先週のケガも気になるので3番手とした。

4番手はサウンズオブアース。
G1常連馬のこの馬も、実はまだ2勝しかしていない。
基本的に直線に掛ける競馬で、自分でレースを作ることができない事が最大の要因である。
また菊花賞で2着しているものの、2年連続で天皇賞春で惨敗している部分を見ると、明らかにネオユニヴァース産駒特有の距離の壁がある。
名手デムーロがペース配分を読み、ハイペースで後方待機ができれば直線で弾けてくると思うが、やっぱりゴール前届かず、と言うパターンになりそうで連下にした。

5番手以下は非常に迷った。
グランプリだけにどの馬も3着なら十分ありそうな気配だからだ。
しかし候補としては、やはり最高で勝利までありそうな4頭を候補としたい。
シュヴァルグラン、マリアライト、デニムアンドルビー、ミッキークイーンの4頭だ。

ここで注目したいのは、上がりの脚である。
ペースが速くなった場合、直線で脚を使える馬にチャンスが生まれる。
デニムアンドルビーは前走1年5カ月の休み明けで上がり最速の脚を使った。
休む前の宝塚記念も上がり最速で2着に突っ込んでいる。
ただし前走はややメンバーが劣り、休養の理由が屈腱炎であった事を考えると信頼を置きづらい。

残り3頭は本当に迷ったが、マリアライトを落とすことにした。
マリアライトは昨年夏にマーメイドSを勝ってから一気に本格化した。
しかし実はそのレースでは10戦中7回上がり最速の脚を使っているのに対し、マーメイドS以降は上がり最速を使った事は一度もない。
好位から早めに抜け出して押し切る戦法がこの馬の勝ちパターンだが、今回このメンバーではちょっと通用しないのではないかと思う。
今回はラストランで、完全にメイチで仕上がっているようであるが、大外枠と言う事もあり切る事にした。

5番手はシュヴァルグラン。
この馬はいかにもハーツクライ産駒と言う感じで、メキメキと実力を付けてきた。
この先無事に行けば大きなレースを勝つ事は間違いないと思うが、今回は中山初体験、かつ福永が骨折休養明けという事で評価を少し下げた。

ラストのミッキークイーンは、最大の惑星馬だ。
この馬はこれまで、2歳時の未勝利戦と昨年のJCしか牡馬と戦った事がない。
しかし全11戦中6回レース最速の上がりを記録し、4回は2位の上がりだった。
戦績は4.5.1.1、唯一8着に沈んだJCも、勝ち馬とは0.3差と大きく負けていない。
浜中が無欲で直線勝負に掛ければよもやの一発もあり得る。


◎キタサンブラック
○サトノダイヤモンド
▲ゴールドアクター
△サウンズオブアーズ
×シュヴァルグラン
×ミッキークイーン


◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。
お楽しみ馬券は、外国人騎手の馬連ボックスと3連複ボックス。

※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9



第一回プラチナブロガーコンテスト
[PR]

by ksato1 | 2016-12-25 13:12 | 映画 | Comments(0)

朝日杯FS

重賞2勝馬のブレスジャーニーが不在で、どの馬にもチャンスがありそうなレースだ。
正直予想すればすれほど迷ってしまう。

一番人気は牝馬のミスエルテ。
先週阪神JFを勝ったソウルスターリングと同じフランケル産駒だ。
前走のファンタジーSは出遅れたのに直線ゴボウ抜きで差し切った。
さらにこのレースでは斤量差を1kgもらっているので、1番人気というのも頷ける。
しかしいかんせん牝馬、かつ出遅れ癖があり、全幅の信頼は置きづらい。

そこで本命はレッドアンシェルにした。
札幌の新馬戦は、重馬場でありながら好位から楽に抜け出して上がり最速の脚を使い、2着馬に4馬身差を付けた。
前走のもみじSも好位から抜け出して、33.6の脚を使って完勝、センスを感じさせるレースだった。
鞍上はケガで休養中の福永に代わり、短期免許で来日中のシュミノー。
今回が初来日だがすでに2勝をあげ、昨日のリゲルSでもサトノラーゼンで追い込んで2着だった。
前に行く馬が多く展開が早くなりそうな点も、この馬には有利に働くだろう。

対抗はミスエルテだ。
イメージとしては大外回って追い込んで届かず2着、になりそうな気がしてならない。

3番手はダンビュライトにする。
前走のサウジアラビアRCはスローペースを巧く抜けた出したものの、ブレスジャーニーに切れ負けして2着。
しかし3着馬を3馬身離しており、レースのレベルの高さを感じさせる。
重賞勝ちのあるモンドキャンノではなくル、メールがこちらを選んでいる点も魅力だ。

4番手はトラストだ。
ビッグレッドファームの岡田総帥が見込んだ馬で、札幌2Sを勝った後川崎から中央に転厩。
転厩初戦の前走は休み明けと言う事もありブレスジャーニーの5着だったが、タイム差は0.4で大負けではない。
勢いのあるスクリーンヒーロー産駒であり、人気を落としている今回は思い切った競馬で上位に食い込む可能性大だ。

五番手はモンドキャンノ。
前走の京王杯は、先週の阪神JF3着だったレーヌミノルに勝っている。
キンシャサノキセキに母父サクラバクシンオーだけに、マイルはやや長いような気もするが、仕掛けどころ次第ではこの馬も勝ち負けまである。

ラストはタガノアシュラにする。
ペースが早くなり先行馬には厳し流れになりそうだが、その中ではこのタガノアシュラが残りそうだ。
近親にステイゴールドがおり底力は十分。
鞍上の武豊も頼もしい。
直線逃げ粘っての3着なら十分あり得る。


◎レッドアンシェル
○ミスエルテ
▲ダンビュライト
△トラスト
×モンドキャンノ
×タガノアシュラ

◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。




※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2016-12-18 14:59 | 競馬 | Comments(0)

「海賊とよばれた男」

「永遠の0」はいい映画だとは思うが、やや反戦という部分で教条的な面があり、個人的にはそこが気になっていた。
「海賊とよばれた男」も、原作、制作者とも同じ顔ぶれなので、やっぱり反戦という部分はそのように描かれるのかなと思って観に行ったが、意外とそうではなかった。

国岡鐵造(岡田准一)は60歳の時に終戦を迎えた。
焼け野原となった東京で、彼が店主となっている国岡商会本社奇跡的に焼け残り、鐵造は従業員とともに戦前から取り扱っていた石油の商売を再開しようとする。
しかし石油統制会社は、以前から勝手な振る舞いをしていた国岡商会を目の敵にしており、戦後の石油事業から締め出そうと考えていた。

国岡鐵造は大正時代、門司で機械油の販売会社を立ち上げようとしていた。
しかし新参者が食い込むのはなかなか厳しい業界で、どこに売り込みに行っても門前払いを食らっていた。
そこで鐵造が考えたのが、余っている軽油を灯油の代わりに売る商売である。
しかも船に軽油を載せて、海上で漁船に安く販売をしたのだ。
その結果、門司だけではなく下関の業者からも顰蹙を買い敵視されるのだが、国岡商会は着実に商売を大きくして行った。

鐵造の商売は、強気に押しまくる、である。
その結果、戦前、戦中と、大陸、南方で大きな商売を手がける事になる。
だがそのために敵も多く、戦後に石油統制会社からにらまれる事になったのだ。
鐵造は石油の商売が行えない間は、ラジオの修理をして会社を運営する事にした。

石油統制会社は、GHQに石油の輸入の交渉を始めた。
しかしGHQは、旧海軍の残りの石油が残っており、それを消化しないと輸入を認めないと言う。
旧海軍の石油は、横須賀の基地のタンク内に残っていたのだが、泥と水が混じりポンプでは揚引できない状態であった。
現場の社員も一度は音を上げそうになるのだが、鐵造への忠誠心で危険な作業を顧みず、残りの石油の引き上げを行う。
それを見ていたGHQの幹部は、国岡商会に石油販売権を与えようと考えるのであった。

舞台は戦前から戦後の復興期にかけてなので、どうしても戦争のエピソードが入ってくる。
しかしこの映画は、反戦をテーマにしていない。
自分の利益よりも日本の発展を考えた、国岡鐵造という一人の男の業績にスポットを当てている。
損得を超えたその鐵造の考えに賛同して人が集まり、社員や出資者、協力者となってくれる。
やや強引ではあるが、ピュアな鐵造を演じる岡田准一の演技は素晴らしく、脇を固める小林薫、野間口徹、染谷将太、國村隼の演技は言わずもがなである。
重厚なテーマで、かつ上映時間も長いのだが、観終わった後は非常にさわやかな気分にさせてくれた。
冒頭の焼夷弾の落下シーンをはじめとしてVFX、20~90代を演じた岡田准一の特殊メイクなども完璧だった。

ただ、一人の男の人生をすべて追うと、どうしても大河的な物語になってしまう。
フラッシュバックを巧く使い、原作からもかなり削ぎ落して綺麗につなげているとは思うのだが、ラストのタンカーのシーンは、鐵造があまり登場しない事もありちょっと全体からは浮いてしまったかな、という感じもした。
日本の経済、石油事情を考えると、イランとの取引開始については非常に重要なメルクマールである事はわかるが、もっと鐵造視線で展開した方が良かったかな、と言う気もした。

日本がどうして戦争に向かう事になってしまったのか、そして戦後の復興に何が必要だったのかなど、学校ではあまり教えられない現代史を知る上でも、非常にいい作品であった。


112.海賊とよばれた男


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2016-12-17 10:20 | 映画 | Comments(0)

「CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第2章&第3章」

ハナからそれほど期待していなかったが、率直な感想は、小学生のお楽しみ会の紙芝居レベルのこの作品でよく劇場公開したな、こんな作品作っておいて「クリエイターです」なんて恥ずかし気もなく名乗れるなんて、アニメ業界ってよっぽど甘い世界なんだな、と思った。
先に付け加えておくが、CGを含めた作画のレベルは非常に高いと思う。
人物の表情だけがやたらべったりした2Dなのはやや違和感があったが、それでもクオリティは標準以上のレベルだ。
だがストーリー展開は、小学生の紙芝居レベルだ。
ひょっとしたら総監督が途中で面倒くさくなって、小学生の息子にプロット作らせたんじゃないかと思うほど、酷い作品である。

まず始めに言いたいのは、敵の設定が「SPEC」の丸パクリだと言う事である。
第一章で敵が、太古から地球に存在した超能力を持つ存在だとわかったときにも、「SPEC」のパクリじゃないかとやや思ったが、まあ似たような設定の物語は他にもあるし、あまり気にしなかった。
しかし敵の大ボスの能力が、他のブレスド(能力者)の能力をコピーするという能力で、しかも記憶を消しさると言う能力も使っている。
「これで『SPEC』のパクリではありません」と言われても、「バカじゃないの?」としか言えない。
さらに、他の作品からのパクリ部分は多い。
宇宙ステーションにいたブレイドが培養液の中の脳だけ、という設定も、「ルパン三世 vsクローン人間」に酷似している。
ただし原作のヨミ編において、敵が培養された3つの脳という設定もあったので、この部分は「009」シリーズのオマージュと言えるかもしれない。
しかし、ジョーが極限まで加速して次元を超えると言うのは、どことなく「ジョジョ」の空条承太郎のスタンド「スタープラチナ」に似ている。
さらにジョーが敵を殴る時のセリフが「これはハインリヒの分だ」だ。
きっと孫悟空とクリリンもビックリしているに違いない。

脚本も、きちんと校閲しているとは思えない。
第2章の冒頭、ブレイドたちの会話の中で、「イワンは我々と同等以上の力を持つ者かもしれない」というセリフの直後に「我々の中で一番能力を持つ者なのか」と言っており、イワンがブレイドなのかブレイドではないのか、まったく会話がかみ合っていない。
その後も、ピョートルはブレイドではなく超進化した人間だとわかった後なのに、五十嵐は「ピョートル以外にもブレイドが(ガーディアンズの中に)いる」とつぶやいている。

第2章でジェットが超進化のナノウィルスに侵され、その対策としてわざわざ特殊な細胞を持つGBがイワン捜索に向かっているのに、第3章では「オレたちは機械だからウィルスに侵されない」とかすごい事を言ってたりもする。
宇宙ステーションのブレイドは培養液の中の脳なのになぜ酸素を送る必要があるのか、長老のブレイドに会いに行った時、ジェロニモは着ているスーツで弾丸を弾き返したのに、なぜフランソワーズのスーツは弾丸を通してしまったのか(長老のブレイドの能力で普通の人間になっていたとしても、それによりスーツが弱体化するのはおかしい)など、もう、商業映画としてはあり得ないオソマツさである。
河野悦子が台本を校閲していたら、もう大騒ぎだっただろう。

さらに、最後の戦いがブレイドの大ボスとイワンの超能力による戦いだ。
一応そこに、ジョーが加速装置で乱入してくるが、こういう小学生が満足するレベルの戦いを、恥ずかし気もなくいい大人に見せるという精神構造が理解できない。

内容紹介をするまでもなく、愚作中の愚作。
各話2週間限定公開で、TOHOシネマズデーで1100円だったこともあり、私が観た日は小さいスクリーンながらほぼ満席だった。
しかし上映終了後、お客さんのほぼ全員がガッカリして肩を落としていた。
おそらくみんな、「009は死んだ」と思って劇場を後にした事だろう。

石森プロが、今後二度とこの制作者たちに制作権を与えない事を、祈ってやまない今日この頃だ。


110.CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第2章
111.CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第3章


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2016-12-16 07:14 | 映画 | Comments(0)

「RANMARU 神の舌を持つ男 鬼灯デスロード編」

2016年夏期にTBSで放送されたドラマ「神の舌を持つ男」の映画版である。
このドラマを木村文乃目当てでうっかり見てしまったのだが、ハッキリ言って大して面白くなかった。
木村文乃が結婚を発表した今、無理に映画を観に行く理由は何もないのだが、なんとなく観に行ってしまった。

朝永蘭丸(向井理)は伝説の三助である朝永平助(火野正平)の孫で、祖父からその神業とも言える背中流し、肩揉みの技術を伝授していた。
さらに研究者である父(宅麻伸)により、子どもの頃からさまざまな薬草などを食べさせられた結果、舌で味わえばすべての成分を分析できると言う神の舌の持ち主でもあった。
そのため女性とキスをしたときに、相手の口内の成分で吐き気を催してしまうのだった。
しかし蘭丸は、祖父の葬儀で温泉芸者みやびとキスをするが、その時彼女の口になんの成分も感じなかった。
みやびを運命の人と考え、みやびを探すため全国の温泉を巡る旅を始める。
そこに加わるのが、古物商の甕棺墓光(かめかんぼひかる、木村文乃)と、蘭丸の父に世話になったと言う宮沢寛治(佐藤二朗)であった。

と、ここまでがドラマの設定である。
ドラマ版では最終回でみやびと再びキスをするものの、蘭丸は吐き気を催してしまう。
祖父の葬儀の際になんの成分も感じなかったのは、みやびがその時に服用していた薬で口内が殺菌されたためだった。
落胆した蘭丸は故郷の岐阜に帰り、光と寛治もそれぞれ別々の道を行く事にした。

映画版では、米原までヒッチハイクしようとした蘭丸が、ボードの文字が汚れて米沢に見えてしまい、山形で行き倒れたところから始まる。
GPSで蘭丸を追ってきた光と、同じくGPSで光を追ってきた寛治と合流、そこで温泉地を巡る殺人事件に巻き込まれる。

事件は造り酒屋の一人息子の真(永瀬匡)が殺され、村に伝わる言い伝えから女医の竜胆(木村多江)にその嫌疑が掛けられてしまうという設定。
そこに、竜胆の恋人で温泉宿の一人息子の野々村龍之介(市原隼人)と、その母花乃(財前直見)が絡んでくる。

監督は堤幸彦で、ハッキリ言ってストーリー、演出的にはこれまでの堤作品、特に「TRICK」の焼き直しである。
宿の名前が「菩辺美庵(ぼへみあん)」で、宿中に葛城ユキの写真が貼ってあるなど、ここそこに笑いを散りばめながら、村に伝わる伝承を軸にミステリーを構築している。
ディープな「TRICK」ファンなら楽しめるのかもしれないが、「TRICK」もいくつもシリーズがあるため、個人的にはもうお腹一杯である。

ドラマシリーズも含め、温泉を巡るという設定は堤幸彦が20年来温めていた構想らしいが、その要素のほとんどをこれまでの作品で使ってしまっているような気がする。
蘭丸、光、寛治の3人は、役者の演技力もありキャラクターとして非常に魅力的だったので、「TRICK」のように山村を舞台にせず、都会を舞台にしたストーリーにした方が、新鮮味もあってまだ良かったんじゃないかと思った。


109.RANMARU 神の舌を持つ男 鬼灯デスロード編


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2016-12-13 06:48 | 映画 | Comments(0)

阪神JF

素質馬が揃った今年の阪神JF。
同日に香港でG1が4レース開催されるため、トップジョッキーが不在になる点もカギである。
ただ、上位人気とそれ以下の差が大きそうなので、人気サイドで決まる事はしかたなさそうだ。

本命はPOG指名馬でもあるソウルスターリングだ。
両親併せて10冠の超良血馬、父は世界に名をとどろかせるフランケルである。
社台グループ総帥の吉田照也氏、藤沢和調教師の両名が驚くほどの素材である。
これまで2戦2勝だが、どちらも垢抜けたレースをした。
初の多頭数の内枠で揉まれた場合の不安は残るが、他の有力馬がすべて乗り変わっているのに比べ、この馬はルメールを確保。
すでに伝説は始まっているのかもしれない。

対抗はやはり無敗馬のジューヌエコールだ。
これまで3戦し、重、稍重、良馬場、すべてで上がり最速を記録し3勝。
強い馬は、どんな条件でもきっちり勝ち上がる。
クロフネにアグネスタキオンという配合も魅力。
バルザローナも日本の競馬に慣れており、乗り替わりも問題ないだろう。

三番手はレーヌミノルにする。
前走のデイリー杯は、来週の朝日杯FSに出走するモンドキャンノの2着。
好位抜け出しで勝ちに行ったところをモンドキャンノに強襲された形で、有力牡馬とも互角の力があるところを見せた。
鞍上蛯名は牝馬も得意なので、こちらも乗り替わりの影響は少ないだろう。

四番手はディーパワンサだ。
休み明けの前走デイリー杯は、上がり最速の脚で追い込んで4着。
この馬もかこ3戦すべてで上がり最速の脚を使っている。
前走は久しぶりでやや反応が鈍かったことを考えると、一叩きされた今回は上昇必至である。

五番手はリスグラシューにする。
2戦目の未勝利戦でレースレコードを叩き出し、前走のアルテミスSもスローペースを折り合って快勝した。
ただし牡馬混合の重賞、オープンは初めてで、上記4頭と比べるとやや見劣る感じがする。

最後はヴゼットジョリーだ。
この馬も2戦2勝で、夏に新潟のチャンピオンである。
ただ実力はあると思うが、さすがに4カ月の休み明けで順調に来た他場をまとめて負かすと言うのはやや荷が重そうだ。
上位に食い込む可能性は高いが、今回はやや評価を下げた。


◎ソウルスターリング
○ジューヌエコール
▲レーヌミノル
△ディーパワンサ
×リスグラシュー
×ヴゼットジョリー

◎○1着、◎○▲△2着、◎○▲△×3着の、3連単24点で勝負。


それと、有力馬が大挙して参戦した香港の4レースも日本馬を中心に購入。
香港Cはモーリスから馬連4点流し、その他のレースは日本馬の馬連ボックス。




※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2016-12-11 12:44 | 競馬 | Comments(0)

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

2016年春に公開された岩井俊二の最新作、上映劇場が少なかったため見逃していたが、ギンレイで捕まえる事ができた。
岩井俊二作品なのに上映劇場が少なかった理由はおそらく、上映時間が3時間だったため。
個人的には映画の上映時間の限界は2時間半だと思っており、3時間にする意味があったのかという部分でも興味深く観た。
ちなみに併映の「海よりもまだ深く」はロードショウ時に観ているのでスルーした。

皆川七海(黒木華)は派遣で臨時採用教員をしていた。
特に出会いがある訳でもなく、SNSで知り合った大学の講師の鉄也(地曵豪)と、「ネットでモノを買うようにあっさりと」付き合うようになった。
やがて鉄也と結婚するのだが、七海は両親が離婚している事もあり、親戚が少ないため披露宴の出席者の釣り合いが取れない。
そこでやはりSNSで知り合った役者兼なんでも屋の安室行舛(アムロゆきます、綾野剛)に、披露宴の代理出席を頼む事にする。
同時期、七海は声が小さく生徒にからかわれた事が理由で教職をクビになっていた。
七海は周りにその事を言い出せず、寿退社と言う事にした。

新婚生活が始まった後、七海は鉄也が浮気をしているんじゃないかと思い、安室に浮気調査を依頼する。
すると、新居に鉄也の浮気相手の彼氏という男が乗り込んできた。
動揺する七海。
さらにその男から呼び出されて都内のホテルに行くと、彼女を取られた腹いせに鉄也の職場に不倫しているというビラを撒く、それが嫌ならオレと寝ろ、と迫られた。
七海は拒否するも、男は腕力で迫ってこようとする。
必死でトイレに逃げ込んで安室に連絡を取ると、すぐにホテルに来てくれた。
しかし実は、すべては安室がしくんだワナだった。
その場面はすべて動画で撮影され、鉄也の母親(原日出子)に送られていた。
後日法事の時に七海は、その動画を見せられ鉄也の母に浮気しているだろうとなじられる。
夜中のうち部屋に戻り、電話で鉄也から離婚を迫られた七海は荷物をまとめて部屋を出た。

どこをどう歩いたかもわからず蒲田の安宿にたどり着いた七海は、そこに滞留しながらホテルキーパーとして働き始める。
そこに安室が登場し、七海はハメられたんだと言う。
鉄也の母親は子離れが出来ておらず、七海と離婚させたいがために別れさせ屋に依頼をしたに違いないと、七海に告げた。
七海はショックを受けるが、職も失い他に頼る者もいなかったため、安室を信じる事にした。

その後七海は、安室からの紹介で披露宴の代理出席のバイトをした。
自らも頼んだバイトである。
そこで同じ代理出席の家族と知り合い、姉役の里中真白(Cocco)と親しくなった。
SNSのID交換をすると、真白は「リップヴァンウィンクル」と名乗っていた。
だが披露宴後の飲み会が終了すると、七海が連絡しても真白は返信をしてくれなかった。

さらに数日後、またまた安室が現れて新しい仕事をしないかと告げる。
内容は、郊外の元レストランを改造した屋敷でメイドをするというものだった。
主人はずっと外国におり、七海は荒れた屋敷を片づけながらそこで留守番をすればよく、それだけで100万円の月給がもらえた。
七海は最初戸惑っていたが、安室に強引に屋敷に連れられてくる。
そこにもう一人のメイドがいると教わるのだが、そのメイドは真白だった。
そこから、七海と真白の不思議なメイド生活が始まる。

上記までが、ストーリーの役2/3くらいか。
ただこの映画のポイントは、ここからの終盤1/3である。
なぜ3時間と言う長い作品になったのかも、ここから1/3でわかった。
ネタバレになってしまうのであまり詳しく書けないが、七海と真白がウェディングドレス姿で踊るシーンがある。
ストーリー的にはこのシーンこそ短くしても話はつながるが、それでも岩井監督は長く見せたかったのだろう。
たしかに、私も良いシーンだと思った。
しかしここを長くして他のどのシーンを切るかと考えた時、かなり監督も迷ったんじゃないかと思う。
だったらもう無理に短くせず、必要と思われるシーンはすべて残そうと開き直ったんじゃないだろうか。

とは言え、個人的にはやはり長いと思った。
序盤で七海が学生時代の友人と会うのだが、そのシーンはこの映画全体から見るとあまり意味がなさそうに思える。
だが後からWikiで調べたら、原作ではきちんと非常に重要なシーンとして描かれているようだった。
この友人と会うシーンを中途半端に残すのなら、このシーンをバッサリ切ってもいいような気がする。
逆にこのシーンをきちんと描いていないので、映画では全体を通じた安室の位置付けが中途半端になってしまった。
安室と七海の出会いの必然性が、抜け落ちてしまっているのだ。
終盤、安室が焼酎を飲みながら号泣するシーンがあるのだが、安室の位置付けが中途半端な分、このとてもいシーンの意味もやや薄らいでしまっている。

個人的には前半の哲也との出会いから離婚まで、それとラストシーンももっと大胆にカットできたんじゃないかと思うし、やはり上映時間の長さがこの映画の評価を下げる一因になっていると感じる。
おそらくこういう評価が出る事も理解した上で、岩井俊二があえてこの長さで作品を発表したのだとは思うが、ちょっと観る者を突き放し過ぎかな、という感も否めない。
劇場公開時はもっと短くして、DVD発売時にディレクターズカット版でこの形を発表すれば、ちょうど良かったような気がする。


108.リップヴァンウィンクルの花嫁


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2016-12-08 06:59 | 映画 | Comments(0)

「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」

私は全く知らなかったが、実在したフローレンス・フォスター・ジェンキンスを題材にした作品である。
予告編を観た段階では、音痴の妻が最期にカーネギー・ホールでリサイタルを開きたいと言う夢を持ち、献身的な夫がそれを実現させるという感動ストーリーかと思った。
しかし内容は大きく違っていた。

フローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)は、資産家の娘で音楽家を目指していた。
親に反対されたため一度は家を飛び出したが、医師と結婚して音楽家の夢は諦めた。
しかしその後医師とは離婚、両親の死後莫大な遺産を受け継いだため、「ヴェルディ・クラブ」と言うサロン的な交流会を主宰し、そこでリサイタルを開いていた。
しかしフローレンスは致命的な音痴だった。
「ヴェルディ・クラブ」のメンバーは温厚な人たちばかりで、かつフローレンスがいろいろな音楽活動にパトロンとして出資していた事もあり、誰もフローレンスが音痴である事を指摘しなかった。

そしてフローレンスには内縁の夫がいた。
名前はシンクレア(ヒュー・グラント)と言い、元々はイギリスの伯爵家の末裔だったが、庶子であったためアメリカに渡り俳優をしていた。
シンクレアはもう25年もフローレンスの身の回りの世話とマネージャー的な仕事をしていたが、彼には別に愛人のキャサリン(レベッカ・ファーガソン)がいて彼女と暮らしていた。
フローレンスは元夫から梅毒をうつされ長年病気に苦しんでおりホテル暮らし、シンクレアは彼女をベッドに送り届けてから愛人の待つアパートに帰ると言う生活だった。

ある日フローレンスは、新しいピアニストを雇いたいと言い出した。
シンクレアが募集を掛け、温厚そうなマクムーン(サイモン・ヘルバーグ)が採用された。
最初は何も知らなかったマクムーンだが、当然すぐにフローレンスの音痴に気付く。
そしてシンクレアから、リサイタルは既知の「ヴェルディ・クラブ」のメンバーしか参加しないし、レビューを書く専門誌の記者は全員買収しているから彼女が気付く事はないと聞かされた。
時折新しいメンバーが加わると、リサイタル中にフローレンスの音痴を爆笑したりもするのだが、そのたびにシンクレアが機転を利かせてフローレンスに気付かれないようにしていた。

そんな折、愛人キャサリンのご機嫌取りのため、シンクレアは休暇を取ってゴルフ旅行に出かける。
しかしそのタイミングで突然、フローレンスは「ヴェルディ・クラブ」の会員にクリスマスプレゼントとして自分の歌のレコードを送る事を思いつく。
シンクレアはいなかったが、自分でスタジオを借りてレコーディングをしてしまうフローレンス。
そしてそのレコードが、なぜかラジオ局にも渡ってしまい流されてしまった。
ところが、その曲が軍の病院でかなりの評判となった。
その事に気を良くしたフローレンスは、カーネギー・ホールに退役軍人を呼んでリサイタルを開く事を思いつく。

ほぼ事実に近い物語らしいが、よくわからない部分が多い映画だ。
一番わからなかったのは、なぜラジオから流れたフローレンスの歌声が軍の病院で好評だったのか、という事だ。
戦争で心を病んだ軍人たちにとって、音痴でも臆することなく歌うフローレンスに勇気づけられたのだろうか。
私の理解力不足かもしれないが、そのあたりがよくわからなかった。
だからカーネギー・ホールに軍人たちが殺到したのも、何が目的なのかがわからなかった。

ややネタバレになるが、予告編で流されていた通り、フローレンスの歌は新聞で酷評される。
しかし劇場であれだけ喝采を受けていたのだから、1回の新聞の酷評にあれだけショックを受けなくてもいいような気がする。

いずれにしろ、シンクレアが献身的な夫ではないという事がわかった時点で、個人的にはやや興醒めしてしまった。
この映画をそういう見方をする人間は少ないかもしれないが、シンクレアの行動を見ているとフローレンスが気の毒でならず、笑いの場面でもあまりおかしいと思わなかった。

事実を元にしているとは言うものの、場合によっては気分を害する人もいるんじゃないかと思った。



107.マダム・フローレンス! 夢見るふたり


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2016-12-05 06:43 | 映画 | Comments(0)