年の終わりのお蔵出し3本~北海道はそれ自体がドラマだ~

年の最後のHDDの在庫整理。
なにしろ毎年大晦日の「笑ってはいけない」が6時間、それ以外にも深夜の映画を録画するのでかなり多めに空けないと見たい番組が録画できない。

まず随分前に録画した「プラトーン」。
話題作だがこれまで見た事はなかった。

1967年、エリートのクリス・テイラー(チャーリー・シーン)は両親の反対を押し切り大学を中退、自ら志願して歩兵隊に入隊してベトナムの最前線に派遣されていた。
だたクリスは、入隊一週間で自分の行動を後悔する事になる。
ジャングルに潜むベトコンに米軍は苦戦、全滅する部隊も少なくなかった。
過酷な状況の中、誰もが自分の事で精一杯で、やっかい事や危険な任務はすべて新兵に押しつけられていた。

心が折れ掛けていたクリスも少しずつ最前線の状況に慣れ、所属する部隊の状況が少しずつわかってくる。
小隊長は自分と同じエリートのためあまり場数を踏んでおらず、事実上部隊を指揮しているのはいくつもの死線をかいくぐって来た軍曹のバーンズと、同じく軍曹のエイリアスだった。

バーンズの信条は生き残ることだった。
そのためには非戦闘員を無残に殺す事もある。
一方エイリアスは、戦場でも人間としての心を忘れていなかった。
二人は事あるごとに対立し、殴り合いになる事さえあった。
最前線に投入される歩兵の多くはまともに学校にも行けず、除隊しても職があるかどうかわからない連中ばかりなので、バーンズに傾倒する者も少なくない。
だがクリスはエイリアスに従う事にする。

やがて部隊は敵部隊と正面衝突する。
激しい戦闘の中、エイリアスはバーンズに狙い撃たれてしまう。
バーンズはエイリアスを待たずに救出部隊にヘリを出発するように命ずる。
しかしヘリの上から兵士たちは、負傷しながら逃げ回るエイリアスを発見。
クリスはエイリアス救出のために戻るように叫ぶが、皆の目前でエイリアスはベトコンに撃ち殺されてしまう。

ズバリ言って、いかにもアメリカ人が好きな題材である。
それまで「世界の警察」として負け知らずだったアメリカが、ベトナムで初めて敗北を知る。
そして物質的な損失以上に、アメリカ国民が負った心の傷は計り知れないものだった。

とは言え日本人からすると、「戦争映画」と言う括りになってしまうのでアメリカ人ほどの重みを感じる事ができない。
太平洋戦争の日本軍が題材なら感情移入できるが、ベトナム戦争も第二次大戦中のヨーロッパ戦線も、おそらく大きな違いを感じる日本人は少ないだろう。
まあ、それも無理はない話であり、アメリカではいまだに映画史に残る名作かもしれないが、日本では名作の「One of them」になってしまう。

続いて「探偵はBARにいる」の1、2だ。
この作品は、どちらも本当に良くできている。
札幌が舞台のシリーズであるが、北海道と言う土地自体がドラマであるとも言える。

1は、「近藤京子」と名乗る女からの依頼を探偵(大泉洋)が受けるところから始まる。
女は先にカネを振込み、電話で依頼内容を連絡してくる。
探偵は捜査を進めるうちに、「近藤京子」が2年前の放火事件の巻き添えを食って、すでに死んでいる事を突き止めた。
「近藤京子」を巡って、カギを握る沙織(小雪)と探偵の駆け引きが、この映画のキモである。

一方2は、探偵の仲間だったオカマのマサコちゃん(ゴリ)が殺されたところから、ストーリーがスタートする。
ちょうどその頃探偵は女に入れあげていたため、マサコちゃん殺しの捜査にまったく関わっていなかった。
さらに、証拠が少なく警察の捜査もなかなか進まない。
そんなところに、大阪を拠点とする美人バイオリニストである河島弓子(尾野真千子)が、マサコちゃん殺しの捜査を探偵に依頼する。
マサコちゃんは河島弓子の大ファンで、コンサートにも足しげく通い河島弓子からも自分を応援してくれるファンとして認められていたのだ。
ちょうど女にフラれた探偵は、マサコちゃん殺しの捜査を始める。

マサコちゃんはマジックコンテストで優勝してTVにも出演したのだが、若い頃に国会議員の橡脇孝一郎(渡部篤郎)と付き合っていたことがあった。
橡脇は反原発を旗印にする新進気鋭の若手代議士で、かつてオカマと付き合っていた事がバレればスキャンダルに発展する。
探偵たちは、橡脇陣営の誰かがマサコちゃんを殺したと狙いを付けた。

どちらの作品も、北海道という哀愁の大地を巧くストーリーに取り入れて、ドラマティックに仕上げている。
1では被害者に感情移入し過ぎてしまった探偵が依頼者を護ることできず、探偵の無念がよく表現されていた。
そして2では探偵は体を張って依頼者を護り、ラストの河島弓子のコンサートを立ったまま聞く姿はカッコいいの一言だ。

全体的にはスタイリッシュなテイストの作品だが、非常にタイミング良く笑いも埋め込まれている。
監督と脚本の非凡なセンスを感じる作品だ。
すでに3の制作も発表されているが、大泉洋が出演できるかぎり、寅さん並みに何十作品も作ってほしいシリーズである。


132.プラトーン
133.探偵はBARにいる(再)
134.探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点(再)


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-31 21:40 | 映画 | Comments(0)

「ヴィヨンの妻」

年末恒例、HDDの大掃除で遠い昔に録画した作品を見る。
原作は太宰治。
太宰作品に傾倒しているわけではないが、いかにも太宰作品らしい文学的な映画になっていた。

時代は戦争直後、佐知(松たか子)は詩人の大谷穣治(浅野忠信)と東京郊外で暮らしていた。
大谷は放蕩の限りを尽くし、年端の行かぬ子どもがいるものの、何日も家を空けて帰宅しない事もよくあった。
とある年末、大谷が家に駆け込んでくると、後から二人の男女が追いかけてきた。
二人は大谷が通う居酒屋を経営する夫婦で、大谷が店から5000円を盗んだと言う。
5000円を返せば警察沙汰にはしないと夫婦は言うが、大谷はシラを切りとおしてどこかに逃げてしまった。
困った佐知は、大谷がカネを持ってくるまで自分が人質となって店で働くと言う。
大谷はなんとかクラブ経営をしている女に無心をしてカネを用立てて、事なきを得る。
だが佐知は、そのまま店を手伝ってこれまでの大谷の飲み代を返済すると言いだした。
器量良しの佐知は看板娘となり、店は繁盛しだした。

そうなると、佐知目当ての客も増える。
工場で働く青年岡田(妻夫木聡)もその一人だった。
だが、岡田の事を知り大谷は嫉妬に狂う。
また、かつて佐知が好意を寄せていた辻(堤真一)も店に来るようになった。

辻は現在こそ弁護士となっているが、司法試験浪人中は貧乏だった。
そんな辻に好意を寄せた佐知は、辻のために自分が働いていた店のマフラーを万引きしてしまう。
佐知は交番にひったてられるのだが、どうしていいかわからない辻はその場を立ち去る。
だが、そんな佐知を救ったのが大谷だった。
大谷はマフラーの金額の倍を支払い、交番から佐知の身元を引き受ける。
二人が夫婦になったのは、そんなエピソードが理由だった。

とある深夜、大谷に引きずられて岡田が家にやってくる。
岡田は大谷と一緒に寝ていたが、深夜に起きだして佐知に自分の想いを告げてしまう。
しかしそれを、大谷が聞いていた。
大谷はショックを受けて出奔、バーの女で大谷の愛人(広末涼子)と心中を図る。
だが大谷は死にきれず、殺人罪で警察に捕まってしまった。

大谷は太宰自身と言われている。
太宰には詳しくない私でも、作品を見ていてそれがひしひしと伝わってくる。

キャスティング、脚本、演技で、戦後の昭和文学を見事に映像化している。
ともすれば20世紀の昼メロ的なドロドロの愛憎劇になりそうな題材ではあるが、佐知に文学的なセリフを多く喋らせることにより格調が高められていた。

松たか子がこの作品で、日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞したのも頷ける。
翌年「告白」で最優秀主演女優賞を逃した時には納得が行かなかったが、前年この演技を見せていただけに、「告白」でどれだけいい演技をしても2年連続受賞には自らかなりハードルを上げてしまっていたと言えるだろう。
奇しくもこの作品に出演していた広末涼子が、「ゼロの焦点」でかなりいい演技を見せ最優秀主演女優賞を争ったが、やはり松たか子の佐知の方が上だったと言わざるを得ない。
広末涼子は大谷の愛人で体当たりな演技を見せていただけに、自ら松たか子をアシストしてしまったと言えるかもしれない。

ただ最優秀脚本賞はまだしも、最優秀作品賞と最優秀監督賞を逃している部分はいただけない。
最優秀作品賞の「沈まぬ太陽」と最優秀監督賞の木村大作(劒岳 点の記)よりも、こちらの作品と監督の方がはるかに上だったと個人的には思う。


131.ヴィヨンの妻

※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-29 17:13 | 映画 | Comments(0)

有馬記念

本命馬不在のかなり難解な有馬記念だ。
JC馬のショウナンパンドラが回避したが、もし出走していたとしても絶対の本命馬にはなり得ていなかったと思われる。
それほど、今年の各馬の実力は拮抗している。
10回走ったら10回勝ち馬が変わるかもしれない。
なので今回は、データよりもこのレースにピークを持ってこれたかどうかを重視したい。

まず、秋の天皇賞馬のラブリーデイはちょっと厳しいだろう。
今年重賞6勝でG1を2勝、実績的にはメンバー中でも1、2を争う。
ただ、JCの負け方がいただけない。
実力で負けたと言うよりは、直線で気持ちが切れて負けたように見えた。
賢い馬は、自分が負けたことを認識していると言う。
そしてラブリーデイはかなり賢い馬だ。
元々が中距離血統で、府中の2400mよりは中山の2500mの方が合っているとはいえ、今回はもうオツリがないと思われる。

一方、ローテーション的に狙いたいのはルージュバックとマリアライトの牝馬2騎だ。
どちらも前走がエリザベス女王杯で休み明け2戦目と3戦目。
マリアライトが出走したオールカマーはレベルが高く、勝ったショウナンパンドラがJC馬となっている。
ただ、大外枠はやはりハンデが大きい。
また、ディープ産駒は昨年のジェンティルドンナ以外、まだ有馬記念の勝ち馬がいない。
直線が短くて坂がある中山は、脚の回転数で勝負するディープ産駒にはやや苦手なコースである。
今回は不利な要素が重なったので無印だ。

ルージュバックはなマンハッタンカフェ産駒だが、好走しているのは府中、京都、新潟と広いコースである。
中山に似た阪神では、桜花賞で9着に惨敗している。
前走は休み明けで出遅れたのに直線だけで追い込んで4着、斤量53kgも魅力的ではあるが、今回は試金石と見て無印とする。

5枠に入ったアドマイヤドン産駒2騎も気になる。
アドマイヤデウスは今年日経新春杯、日経賞とG2を連勝、その後の3戦は大外枠ばかりで涙を飲んでいる。
今回絶好の枠を引いたので見直したいところではあるが、負けた3戦はすべて二桁着順。
3戦が5~7着くらいであれば狙いたいところだが、敗因が枠順だけではないと見て無印とする。

そして今回、最大の惑星馬がアルバートだ。
夏以降、4連勝でステイヤーズSを勝利、しかも圧勝だった。
ビッグレッドファームの岡田総帥が、体型的には長距離型でありながら早い上がりも使えて運動能力は高く、このメンバーで勝っても不思議ではないと評価している。
非常に悩んだのだが、夏前から使い詰めで今回が7戦目、ムーアからアッゼニに鞍上が戻った事もマイナスと考えて無印とした。

いろいろと考えたが、本命はリアファルとする。
今年すでに8戦を消化しているが、7月以降はゆったりしたペースで3戦のみ、菊花賞からの直行は昨年のトゥザワールドを含め好成績をあげている馬が多い。
その菊花賞は、ペースが安定しない消耗の激しいレースであったにもかかわらず、先行して粘って3着だった。
そもそも今年の3歳馬はドゥラメンテが異常に強く、順調であればここも1番人気で勝ち上がっていただろう。
そのドゥラメンテと春に好勝負したキタサンブラック、リアルスティールが連対したのだから、菊花賞はレベルが高かったと考えられる。
中でも、このリアファルが一番強い競馬をしていた。
血統的にも問題はなく、鞍上のルメールはかつてハーツクライでディープインパクトを撃破して実績を持つ。
ここを勝ってリアファルが、来年以降の主役に躍り出る。

対抗はゴールドシップだ。
この馬は圧勝か惨敗かどちらかのような気がするが、過去の有馬記念1、3、3着と言う実績を見ると、コース適性が異常に高いと考えられる。
とにかくゲートを出てみないとわからないし、ゲートを出ても何があるかわからない馬だが、コース適性で少なくとも3着以内には食い込んでくるように思える。
鞍上の内田との相性も、左回りだったJC以外は掲示板を外したことがない。
引退レースを見事に勝って、結局ゴールドシップだったか、と言う可能性も十分考えられる。

三番手はサウンズオブアースだ。
ネオユニヴァース産駒なので本来は中距離血統だが、昨年の菊花賞を2着しており問題はないだろう。
京都大賞典では絶好調のラブリーデイの2着、前走JCは1コーナーでぶつけられて道中掛かったものの5着と好走した。
鞍上も乗れているデムーロで、消せる要素が少なくこの馬が勝っても不思議ではない。

四番手はキタサンブラックにする。
春の皐月賞は逃げ粘って3着、秋はサクラバクシンオーの血を引きながら菊花賞を勝つと言う快挙を遂げた。
もう距離を心配する必要がなく、週初めまでは本命にする予定だった。
しかし今週の追い切りの動きが今ひとつ。
中山でもサブちゃんの「祭」を聞きたいところだが、今回はやや割り引いて評価を下げた。

五番手はゴールドアクターだ。
アルバートの影に隠れているが、この馬も3連勝でアルゼンチン共和国杯を制覇している。
ローテーション的にはアルバートより好感が持てるし、何より父のスクリーンヒーローが、アルゼンチン共和国杯を勝った後にJC制覇していることが魅力だ。
唯一の不安点は鞍上の吉田隼の経験だが、昨年の菊花賞を3着しており馬自体の底力は侮れない。

最後はワンアンドオンリーにする。
昨年のダービー馬も、その後は神戸新聞杯の1勝のみ。
復活は遠いかと思っていたが、前走のJCは直線詰まっての7着だった。
闘争心が戻って、順調であれば今回本命にする予定だったが、この馬も追い切りの動きが今ひとつだった。
とは言え、父が有馬記念を勝ったハーツクライで、血の一発も期待できる。


◎リアファル
○ゴールドシップ
▲サウンズオブアース
△キタサンブラック
×ゴールドアクター
×ワンアンドオンリー

馬券は◎○1着固定、◎○▲△2着固定、◎○▲△×3着固定の3連単24点で勝負。


なお、お楽しみ馬券は以下の通り。

・外国人騎手の馬連ボックス
・トリプルスリーの二人の背番号2、3、9の三連複
・サンスポに掲載された有馬記念の広告の文字が金色だったので、ゴールドアクターとゴールドシップのゴールド馬連
・有馬のTVCMルパン三世ver.に出ていた黄色い車のナンバープレート「01-13」の馬連
・POGで指名したダービーフィズの単複


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-27 12:19 | 競馬 | Comments(0)

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」【超長文ネタバレあり、覚悟しやがれ!】

封切り日の12/18は18:30からの上映しかないのかと思ったら、その後も上映があることがわかり急遽会社帰りに観て帰ることにした。
配給会社が20世紀FOXからディズニーに代わったため、お馴染みの20世紀FOXのジングル→一瞬の静寂→「ジャーン」の音とともに画面いっぱいの「STAR WARS」、ではなくなった。
この部分はちょっと違和感があったものの、ズバリ言ってこれまでのファンも、初めてスター・ウォーズを観る人にも満足できる出来だった。
回を重ねるごとに尻すぼみになるシリーズもあるが、スター・ウォーズはあらかじめ全9作品として構想されているだけあって、どんどん面白くなっていく。
もう、ラストのエピソード9を観るまでは死ねない。

エピソード6で反乱軍が第2デス・スターを破壊し、ルークがシスとダース・ベイダーを倒してから約30年後の世界。
帝国軍の残党がファースト・オーダーと言う軍勢となり、反乱軍との攻勢を繰り広げていた。
共和国軍は中立を護る立場だった。
反乱軍の希望は最後のジェダイの騎士、ルーク・スカイウォーカーだが、ルークはとある理由で数年前から行方不明となっていた。
勝敗のカギを握るルークの居所は、反乱軍はもとよりファースト・オーダーも血眼になって捜していた。

そんな時、レイアは砂の惑星ジャグーにルークの居場所を記した地図があることを知り、反乱軍一のパイロット、ボーを探索に向かわせる。
ボーは相棒のBB-8とジャグーに急行、首尾よく地図のデータを手に入れたが、その時にファースト・オーダー軍の急襲を受けてしまう。
ボーはストーム・トゥルーパーに捕らわれる前に、BB-8に地図を託して逃がした。
BB-8は宛てもなく砂漠を彷徨っていたところで、砂漠の嫌われ者に捕獲される寸前レイに救出される。
レイはかつての戦争で撃墜されたスター・デストロイヤーから廃品を改修して糊口を凌いでいた。

一方、捕獲されたボーはスター・デストロイヤー内で拷問されていたが、口を割らずにいた。
しかしカイロ・レンのフォースによって、BB-8が地図を持っていることを悟られてしまう。
カイロ・レンは、BB-8の捕獲部隊をジャグーに向かわせた。
ボーはそのままスター・デストロイヤーにいたが、ストーム・トゥルーパーから脱走を試みる兵に救われる。
二人はタイ・ファイターを奪って脱出、ボーは名前のなかった脱走兵にフィンという名前を付けた。
だがタイ・ファイターは撃墜されジャグーに墜落、フィンはパラシュートで脱出できたがボーは行方不明になってしまう。

歩いて集落までたどり着いたフィンは、怪しげな男たちに襲われているレイとBB-8を目にする。
BB-8はボーの相棒で、怪しい男たちはファースト・オーダーの息が掛かっている連中に間違いない。
さらに、タイ・ファイターが襲いかかって来た。
レイの手を取って逃げるフィン。
二人とBB-8は、砂漠に長年置き去られていた宇宙船で逃亡を試みた。
それはかつてハン・ソロが愛用していたミレニアム・ファルコン号だった。

フィンはレイに、自分は反乱軍のパイロットで、BB-8を反乱軍基地に届けなければならないとウソをつく。
レイは納得するものの、自分はジャグーに戻らなければならないと言う。
そんな時、ミレニアム・ファルコン号は輸送船にロックされて捕獲されてしまった。
その輸送船に乗っていたのは、ハン・ソロとチューバッカだった。
二人は反乱軍として戦わず、相変わらず密輸屋として行動していた。

レイたちがなぜミレニアム・ファルコン号を手に入れたかの話をしている時に、輸送船に大きな衝撃が走る。
ハン・ソロは相も変わらずほうぼうで借金を重ね、その取り立て屋が追いかけてきたのだ。
ミレニアム・ファルコンで脱出した4人は、反乱軍にBB-8を届けるため惑星タコダナに向かう。
ハン・ソロはここの酒場の主であるマズ・カナタなら、反乱軍に届ける宇宙船を調達できるだろうと言うのだ。
だがマズ・カナタはハン・ソロに、自分で届けるようにと協力を拒否した。
それと並行して、レイはマズ・カナタの酒場にあったルークのライト・セイバーに引き寄せられる。
レイはライト・セーバーに触れた途端、いろいろな幻覚を見てしまう。
マズ・カナタはレイにライト・セイバーを持って行くように言うが、レイは拒否する。

その頃、ファースト・オーダー軍はデス・スターの何倍もの威力を持つスターキラーを完成。
強力なエネルギー砲で共和国の元老院がある惑星を破壊した。
さらに酒場に来ていた荒くれ者がファースト・オーダーに連絡、タイ・ファイターがタコダナを襲い始めた。
ライト・セイバーはフィンが手にするが、彼はフォースの持ち主でライト・セイバーで戦い始めた。
しかし圧倒的な武力に押され、あっという間にハン・ソロたちは制圧されてしまう。
そこに反乱軍のX-Wing軍が襲来、ファースト・オーダー軍を蹴散らした。
しかしレイはカイロ・レンの手に落ちてしまう。
カイロ・レンはハン・ソロとレイアの子どもで、ルークの下で修行をしていたのだが、ダークサイドに堕ちていた。
ルークはその事にショックを受けて、身を隠したのだ。

反乱軍の基地に戻ったハン・ソロたちは、BB-8の持っていた地図を解読する。
しかし地図は不完全で、ルークの居場所は依然わからなかった。
それとは別に、反乱軍はレイの持つスターキラーの情報を重視した。
フィンの案内でスターキラーに潜入してシールドを解除し、X-Wing部隊がスターキラーを破壊する計画を立てたのだ。
フィンはレイを救出してスターキラーを破壊することを提案、反乱軍の部隊はスターキラーに向かった。

ここまででも見応え充分なのだが、実はここまではある意味前段で、この映画の本当のキモはこの後訪れる。
ハン・ソロとカイロ・レンが対峙し、レイがルークの娘ではないかと思わせるシーンで終了するのだ。

脚本、演技、映像の美しさ、音楽、どれをとっても超S級のエンターテイメント作品だ。
各シリーズがすべて砂の惑星からスタートすると言う点も、繰り返されるスカイウォーカー家の歴史の演出となっている。
スターキラーを破壊すると言う展開も、デス・スター攻略を彷彿させてくれる。

さらに、ラストシリーズの1本目としては「謎の出し加減」が絶妙。
まず、映画封切り段階ではレイがハン・ソロとレイアの娘と思わせておいて、実はカイロ・レンの方が息子だった。

その部分は、すでに私も予想しておりある程度当たっていた。

●「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」超大胆予測
http://ksato.exblog.jp/21814100/


ただ問題は、この後の展開である。

レイがルークの娘のように思わせていたが、本当にそうなのだろうか。

ポイントは、カイロ・レンとレイ、フィンが戦った時のカイロ・レンのセリフ。
二人に向かって「裏切り者!」と叫んだ。
ぼーっと見ていると、この言葉はストーム・トゥルーパーを脱走したフィンに向けられたようにも見える。
だが一兵卒、しかも最初の戦闘でチビって逃げ出した兵に、「裏切り者」なんて怒号を浴びせるだろうか。

可能性としては以下の通り。

・フィンは子どもの頃ジャグーでさらわれてストーム・トゥルーパーになったが、元々「フォースを持つ者」としてさらわれた
→それにしてはフィンのストーム・トゥルーパー内での扱いが酷く、期待されていたとは思えない

・「裏切り者」とはレイに向けられた言葉で、本来レイはファースト・オーダー側で「フォースを持つ者」として戦士になるべき立場だった。
→タコダナでカイロ・マズと会話をした時も頑なにフォースを拒否しており、全体を通じてもジェダイの騎士とフォースに対して疑問を持っている、それは過去に何かを経験している事が理由の可能性が高い

となると、レイの出自が単純にルークの娘、とはならないような気もする。
場合によってはファースト・オーダーの指導者の関係者の可能性もある。
あるいはルークの娘であったとしても、カイロ・レンがダークサイドに堕ちた際に何か彼女が関与しているのではないか。
カイロ・レンとレイが双子という線も、まだまだ捨てきれない。

そもそも、ジェダイの騎士はルークのみとなっていたのに、なぜいきなりファースト・オーダーの指導者が現れたり、フィンが「フォースを持つ者」として覚醒したのだろうか。

エピソード6と7の間に何があったのか、だが、そうなるとエピソード3と4の間の謎も一緒に解き明かされるのかもしれない。

オビワンはなぜ、ルークをタトウィーンのアナキンの種違いの弟に託し、さらに「スカイウォーカー」の名前まで名乗らせたのかと言うのが、3と4の間の最大の謎だ。
普通に考えれば、ダース・ベイダーは自分の弟がジェダイの騎士として覚醒する事を恐れるだろう。
だから調査をして、場合によっては覚醒しないかどうか、常に見張りを付けそうなものだ。
もちろん、その子どもについても。
だがダース・ベイダーはそれをしていない。
なぜだろうか。

整合性のある答えとしては、ダース・ベイダーはルークがいずれジェダイの騎士として覚醒する事をわかっていた。
いや、そう願っていたのだ。
そしてダース・ベイダーがルークの存在に気づいていることを、オビワンもわかっていたのだ。
しかしシスに気付かれないように、わざとタトウィーンに目を向けないでいた。
家族を何よりも愛したアナキンならば、その可能性はある。
さらに、レイアが娘であることにも気づいていたかもしれない。
そして、いずれ二人が自分を倒すことを願って、二人にシスの手が伸びないように気を配っていたのかもしれない。

その、祖父ダース・ベイダーの深い考えを知ったカイロ・レンは、ファースト・オーダー軍の指導者が現れた時、あえてダークサイドに堕ちた振りをして指導者に近づいたのかもしれない。
ファースト・オーダー軍の指導者を、自分が倒すべく。
そして一緒に修行をしていたレイも誘ったが、彼女は拒否をした。
だから「裏切り者」と言うセリフが出たのではないか。

カイロ・レンにとっては、ファースト・オーダー軍の指導者を倒すことが最大の命題である。
指導者からの絶大な信頼を得なければならず、そのためには父であるハン・ソロを倒すことも辞さない。
ダークサイド側の者を倒すためには、自分や家族さえも犠牲にしなけれればならない、それがジェダイの騎士の崇高な考えだ。

と、まあ、あくまでも妄想の域を出ない。
ただ、カイロ・レンがただの「ダークサイドに堕ちた弱い者」というオチだとちょっと悲しいので、いろいろと深い裏事情の展開があることを期待したい。

いずれにしろ、今回の「謎の出し加減」が絶妙なので、ラストのエピソード9を観るまでは死ねない。

スピンオフでエピソード3と4の間の作品が2本用意されているようなので、そちらにも期待したい。


130.スター・ウォーズ/フォースの覚醒



※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-21 00:00 | 映画 | Comments(0)

朝日杯FS

昨年から阪神開催に変わった朝日杯FS。
なんで阪神開催に変えたのかよくわからないが、牡馬クラシック戦線は朝日杯(阪神1600m)→皐月賞(中山2000m)→ダービー(東京2400m)→菊花賞(京都3000m)になるので、メイン4場で少しずつ距離を伸ばすという図式を作りたかったのかもしれない。
いずれにしろ、まだ2年目なのでデータがまったくわからないが、そもそもデータから予測してもここ2年間まったく馬券が獲れてないのだから、あんまり気にする事はないか。

1番人気はエアスピネル。
前走が圧勝、今朝のサンスポでもビッグレッドファームの岡田総帥イチオシであり、死角はないようにも思える。
しかし、前走はやや重とは言え1.36.5のタイムは同日の新馬戦とも同じタイムで、ちょっと遅すぎるような気もする。
母はG1を2勝しているが、兄弟にまだ活躍馬が出ておらず、絶対の信頼は置けない。

そこで、中間の気配が抜群だった馬を本命にする。
タイセイサミットだ。
今週の追い切りでは、重賞の常連ダイワマッジョーレを煽るほどの勢いだった。
前走の東スポ杯は6着だったが、レース中2回も不利を受けており、むしろよく6着に入ったと言えるだろう。
阪神もすでに2回経験があり、勢いのあるダイワメジャー産駒というのも心強い。
あんまり人気は無いが、狙い撃ちの本命とする。

対抗はエアスピネルだ。
武豊は朝日杯を勝っていないが、そもそも中山コースを得意としていない。
G1を100勝しているが、中山では皐月賞3勝、スプリンターズS2勝、有馬記念2勝のみである。
対して阪神は、1600mの桜花賞だけでも5勝、今年達成できなくともJRAの平地G1全制覇は目前だろう。

三番手はやはりダイワメジャー産駒のボールライトにングにする。
前走のは、スローペースを好位から抜け出して勝利。
距離の不安もささやかれているが、血統的には十分対応できると見た。

四番手もダイワメジャー産駒のショウナンライズだ。
前走は500万特別だったが、1.22.1というなかなかのタイムで走破している。
好意から抜け出して上がり最速の脚を使っている部分でもセンスを感じるし、内枠に入った事で今回も好位でレースを進められるのは有利である。

五番手はハレルヤボーイだ。
府中のデビュー戦は、先週阪神JFを制したメジャーエンブレムの3着。
その後は未勝利勝ち上がりが中山で、それ以外はすべて府中で5着だが、勝った中山のレースは後方から直線で脚を伸ばして勝ち上がっている。
今回レースが流れてハイペースになった時には、この馬の末脚が怖い。

最後はリオンディーズにする。
超良血馬で、先々は世代を代表する馬になるだろう。
しかし、いかんせんまだ1勝馬。
気性が勝っている部分があり、前走も勝ったものの道中は掛かり気味だった。
デムーロへの手変わりがいい方に出るか悪い方に出るか、現段階では微妙な感じなので評価をあやや下げた。

イモータルもやや食指が動いたが、主戦の戸崎からの乗り替わりがあったので無印。
またシュウジは、戦績からスプリンターの逃げ馬だと思うので、現段階では1600mは苦しいと見てやはり無印とした。

◎タイセイサミット
○エアスピネル
▲ボールライトにング
△ショウナンライズ
×ハレルヤボーイ
×リオンディーズ


馬券は◎○1着固定、◎○▲△2着固定、◎○▲△×3着固定の3連単24点で勝負。

※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-20 15:08 | 競馬 | Comments(0)

「007 スペクター」

ダニエル・クレイグ版ボンドの集大成的作品と言ってもいいだろう。
ただ、ちょっとダニエル・クレイグのシリーズを引っ張り過ぎた感もあった。

ボンドはメキシコでスキアラと言う男を追っていた。
大騒動の末スキアラを倒し、彼の手から指輪を奪うのだが、そこにはタコのような紋章が刻まれていた。

ロンドンに戻ったボンドは、メキシコの一件を新「M」に咎められ謹慎を言い渡される。
謹慎を聞きいれMI6を出ようととしたボンドに、前作で内勤に代わった元エージェントのマネーペニーが、前作で焼失したスカイフォールから見つかった箱を渡そうとする。
夜、ボンドの自宅で箱を開けると、そこには燃え残った写真が入っていた。
そこでボンドはマネーペニーに、メキシコの一件は前「M」の遺言を実行したのだと告げる。
前「M」の遺言をさらに遂行するために、ボンドはローマに向かった。

ローマに行った理由は、スキアラの未亡人に会うためである。
感女から指輪のタコの紋章の手掛かりを掴んだボンドは、秘密組織の会議場に潜入する。
そこで組織の首領がフランツ・オーベルハウザーであることを知るのだが、同時に潜入が組織にバレてしまう。

なんとか組織の追撃を振り切ったボンドは、前々作で対決したホワイトが、この組織の関係者であることを知る。
ボンドはホワイトに会いに行くが、彼はオーベルハウザーの手にかかって残りの命がわずかの状態にあった。
ホワイトは娘のマドレーヌの警護をボンドに依頼し、同時にマドレーヌが組織に近づくカギを握っていると告げ、自ら命を絶った。

ボンドはマドレーヌに会いに行くのだが、彼女に拒否をされてしまう。
そうこうするうちに、組織がマドレーヌを拉致した。
ボンドはマドレーヌを追い、救出する。
そこでマドレーヌから、組織の名前が「スペクター」であることを知る。

上記の話と並行して、新「M」は「00」セクション廃止の危機に立ち向かっていた。
MI5の責任者「C」が、MI5とMI6の統合および「00」セクション廃止を企んでいたからだ。
さらに「C」は、世界9カ国の諜報部員が集めた情報を一括管理する提案をしていた。
東京会議では一度否決されたものの、「C」は着々と根回しをして9カ国の合意を得てしまう。
だがこの「C」の背後には、スペクターが暗躍していた。

ボンド、「00」セクション、そしてMI6自体の存続を掛けた作品である。
前作で若き「Q」が登場したが、これまでのダニエル・クレイグ版ボンドの総括作品である。
名前だけではあるが、前作で対決したシルヴァもスペクターの一員だった、と言う設定だ。
それはそれでアリだとは思うのだが、ちょっと話を広げ過ぎた感が強い。
前作の「スカイフォール」が3年前、前々作の「慰めの報酬」に至っては8年前で、もう細かい設定は忘れてしまっている。
「スカイフォール」は地上波TV放送で復習していたが、さすがに「慰めの報酬」はぼんやりとしか覚えていなかった。
かなりコアで1作品を何度も見返している人以外は、「えーっと、この人誰だっけ?」と言う感じになってしまうだろう。

ラストも、ここで終わるとも続くとも取れる終わり方になっているが、それが逆に中途半端に見えた。

今回は前作よりもアクションシーンが派手でその部分はとても満足できたのだが、ストーリーを追うのが大変でかなり集中しながら観る事になった。
個人的には007シリーズは、もう少しシンプルでアクションを楽しむ映画であって欲しかった。


129.007 スペクター

※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-19 13:30 | 映画 | Comments(0)

「杉原千畝 スギハラチウネ」

「日本のシンドラー」と呼ばれた杉原千畝の人生を綴った映画だ。
「シンドラーのリスト」のような感動巨編にしたかったのかもしれないが、ちょっと焦点の甘い作品になってしまった。

満州の学校でロシア語を学んだ杉原千畝(唐沢寿明)は、満洲国外交部の一員として諜報活動に暗躍していた。
杉原の希望は、明治維新以降の日本の脅威であったソ連(ロシア)の心臓部、モスクワで諜報活動を行う事であった。
だが満州国でソ連と北満州鉄道の譲渡交渉をするにあたり、関東軍の横暴で杉原は自分が立てた計画を潰されてしまう。
杉原は満州国での活動に限界を感じ、帰国するのであった。
帰国した杉原はモスクワの日本大使館勤務を命じられるが、北満州鉄道でのソ連とのいざこざが元で入国を拒否されてしまう。
日本で失意の日々を送る杉原を救ったのは、親友の菊池の妹幸子(小雪)だった。

昭和14年、ヒトラーが東欧に手を伸ばし始め、ヨーロッパ戦線は大戦直前の状態に陥っていた。
そんな中、杉原はリトアニアの領事館勤務を命じられる。
リトアニアでソ連の動きを探ると言う任務だった。
杉原はポーランド人スパイペシュを相棒とし、対ソ連の諜報活動を始めるのだった。

翌昭和15年、ソ連がバルト三国への進軍を開始した。
ソ連とドイツは東欧を2カ国で分ける密約を行っていたのだ。
ドイツ軍はポーランド、ルーマニア、オーストリアなどを占領、迫害されたユダヤ人が多数、杉原のいるリトアニアにも難民として流れ着いてた。
だが、ドイツと不可侵条約を結ぶソ連に占領をされた事で、リトアニアでもユダヤ人の迫害が起こる可能性が高い。
ユダヤ人たちは国外脱出のためのビザを求め、各国の大使館に詰め寄せる。
その一つ、オランダ領事館にもユダヤ人が押し寄せたが、すでにドイツの手に落ちていたオランダのビザを発行しても、ユダヤ人が出国できる見通しは無い。
だが領事代理のヤンは、オランダ領キュラソー島へ出国するためのビザを発給する。
キュラソー島に行くためのルートは、ソ連→日本→アメリカだ。

金品さえあればソ連を通過できる事を知ったユダヤ人たちは、今度は杉原のいる日本領事館に押しかけた。
その頃杉原は、駐ドイツ大使の大島(小日向文世)にドイツと手を組むことの危険性を、何度も説明しに行った。
しかし大島は、本国の意向を無視するわけにはいかないとの一点張りで、杉原の意見が聞き入れられる事はなかった。
リトアニアに帰国した杉原は、自分の無力さを感じずにはいられなかった。
そんな時、大使館前に詰め寄せるユダヤ人難民とオランダ領事代理のヤンの話を聞き、杉原はせめて自分のできる事がユダヤ人へのビザ発行であると考える。
杉原は少々問題のありそうなパスポートを持った親子にさえもビザを発行し、大量のユダヤ人がシベリア鉄道でウラジオストックに脱出できる事になった。
そして、ソ連軍が杉原にリトアニアからの退去命令を出したため杉原はリトアニアを離れるのだが、彼はビザ用の日本語の印を現地に残して、できるだけ多くの人にビザを発行するように告げた。

杉原はその後、東プロイセンに赴任を命じられる。
そこでも杉原はペシュとともに諜報活動を展開、ドイツ軍の動きからソ連への侵攻がある事を予測する。
その事を再び大島に告げるも、やはり大島は取り合わなかった。
やがて独ソが開戦、杉原の行動を監視していたゲシュタポは、杉原がソ連にドイツ軍の動きを漏らしたして国外退去を命じてきた。
杉原はドイツも追われ、ルーマニアに赴任する事になった。

かなり歴史を忠実に追った作品だ。
第二次世界大戦のきっかけは、明治維新以降の日本の対ロシア(ソ連)戦略が大きく起因している事、杉原の人生になぞらえて説明している。
杉原は諜報活動によりソ連およびドイツの暴走を的確に把握するものの、日本の指導者の判断ミスにより、日米開戦は避けられなくなってしまう。
ユダヤ人を救ったのは杉原だけではなく、本国の拒否を無視して、ウラジオストックで日本行きの船に難民を乗せた人たちがいた事を表現している部分も、評価できる。

ただ、杉原がドイツを去るクライマックスシーンが少々いただけない。
杉原の唐沢寿明は過剰とも言えるアツい演技を見せるが、台詞の重さがそれに伴っていない。
脚本がありふれた教条的な言葉の羅列のため、唐沢寿明の演技が空回りしているようにも見える。
必死に逃れようとするユダヤ人たちを見てきた杉原の、もっと心の底から湧き出るような台詞にしてもらいたかった。
杉原が連行される前の難民を救済しているのに対し、「シンドラーのリスト」が強制収容所の悲惨な状況をストレートに表現している。
映画として考えると、インパクトはどうしてもこの映画の方が弱くなるだろう。
その部分を補えるのは、戦争による難民の苦しみを実際に目の当たりにした杉原の言葉以外ないのだ。

史実に映画としての要素を付け加えるのは加減が難しいとは思うが、もう少し映画としてドラマティックに仕上げてもよかったんじゃないかと思う。


128.杉原千畝 スギハラチウネ


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-17 22:02 | 映画 | Comments(0)

阪神JF

無敗馬は1頭のみで重賞どころかオープンの出走すらない。
確たる主役が不在でどの馬が勝ってもおかしくないレースだ。
ただコースが改修されてからは、能力が発揮しやすいレースとなっている。
特に、末脚勝負の切れる馬が上位に来る傾向が強い。
今回も、末の鋭い馬を中心に考えたい。

前哨戦を見ると、アルテミスSのレベルが高そうだ。
勝ったデンコウアンジュはスローペースを後方一気に差し切った。
タイムの1.34.1、上がりの33.3とも優秀で、フロックとは思えない。
新馬戦は不利があったため度外視、残りの2戦ともレース最速の上がりを記録しておりここでも着実に脚を伸ばすだろう。
外枠に回ったことがやや不安だが、どちらにしろ外差しの馬なのであまり影響は無いはずだ。
ここは本命に推す。

対抗は、やはりアルテミスSで2着だったメジャーエンブレム。
前走は本命馬にキッチリ差し切られてしまったが、今回は内枠に入った分有利になるだろう。
ルメールもかなりの自信を持っており、本命との差は大きくない。

三番手はペプチドサプルだ。
新馬戦を勝って挑んだ前走のアルテミスSは4着。
しかし直線で落鉄しており、もしまともに走っていたら勝ち負けしていた可能性もあった。
まだ3戦目で乗り替わりと不安点も多いが、能力的には上位に来てもおかしくないので印を重くした。

四番手はメイショウスイヅキだ。
4戦して2勝、6着2回と成績が安定していないが、4戦中3戦でレースの上がり最速を記録し、残りの1戦である前走のファンタジーSもレースの上がり2位を記録している。
いつでも着実に末脚を伸ばしてくるので、この馬も上位に食い込んでくる可能性大だ。

五番手はアットザシーサイドにする。
今回唯一の無敗馬で、2戦して2レースとも上がり最速を記録。
このレースが試金石となり、ひょっとすると一気に突き抜ける可能性もあるが、経験が浅い事もありここは五番手評価とした。

最後はクロコスミア。
アルテミスSは3着だが、その後の赤松賞はキッチリ勝利した。
デビューからすでに7戦と言う部分はやや使い過ぎなような気もするが、一度も掲示板を外したことがない堅実性は評価できる。


◎デンコウアンジュ
○メジャーエンブレム
▲ペプチドサプル
△メイショウスイヅキ
×アットザシーサイド
×クロコスミア


馬券は◎○1着固定、◎○▲△2着固定、◎○▲△×3着固定の3連単24点で勝負。


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-13 15:02 | 競馬 | Comments(0)

「007 スカイフォール(再)」

007の新作の予習としてTVで放送された「007 スカイフォール」を見る。

ミッションに失敗したボンドたちは、NATO加盟国のスパイリストを奪われてしまう。
ボンドは負傷して行方不明、Mは退官を2カ月繰り上げられる事になるのだが、そんな折にMI6のネットワークがハッキングされ、さらにはオフィスが爆破されてしまう。
ボンドは負傷から復帰するものの、スパイとしての能力に疑問を持たれてしまう。
しかしMはそんなボンドに、名誉挽回のためにスパイリスト奪還の命をくだす。
ボンドは上海、次いでマカオに飛ぶのだが、そこで犯人であるシルヴァの真の目的がMへの復讐である事を知る。
シルヴァを捕獲してロンドンに戻るボンドたちだが、実はシルヴァの真の目的は、連行されてMI6に潜り込みMに直接復讐をする事であった。
その事に気付き、Mが襲撃される現場に駆け付けたボンドは、Mを連れて自分の生まれ故郷であるスカイフォールに身を隠した。

劇場公開時もよくわからなかったのだが、なぜ映画のタイトルがスカイフォールなのか、今回もよくわからなかった。
ボンドの生まれ故郷で、ボンドが幼少の頃に両親を亡くしているという事は語られるのだが、ストーリーを追っているだけでは、シルヴァの襲撃を迎え撃つために自分の生まれ故郷を選んだだけのように見える。
なぜ襲撃を迎え撃つために自分の生まれ故郷を選んだのか、その理由こそが「スカイフォール」と言うタイトルになった理由だと思うのだが、どうもそのあたりがよくわからない。

また、冒頭のトルコのアクションシーンが素晴らしいのに比べ、中盤の上海、マカオのアクションシーンがイマイチな感じである。
ストーリーの根幹を人間関係の部分に置いたため、あえてアクションシーンを抑えたのだと思うが、「007」シリーズであればアクションシーンも全開フルスロットルで展開して欲しかった。


127.007 スカイフォール(再)


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-08 06:19 | 映画 | Comments(0)

「黄金のアデーレ 名画の帰還」

この映画も予告編を観ていなかったのでスルーしようと思ったが、TVの紹介で面白そうだったので観に行く事にした。
そして、絵画を取り戻すための法廷劇かと思ったのだが、実際には第二次世界大戦中、さらにその後のユダヤ人の苦悩と葛藤をも描いた作品であった。
ちょっと前に「ミケランジェロ・プロジェクト」を観た事もあり、非常に楽しめた作品だった。

マリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は元々はオーストリアの名家に生まれたのだが、第二次世界大戦中に迫害を受けて夫ともにアメリカに亡命、その後はロスで姉と暮らしていたが、その姉が死去したため一人暮らしとなっていた。
洋品店を営みながら静かに暮らすマリアだが、大戦中にナチスに持ち去られた絵画返還のニュースを知り、知人の息子の弁護士、ランディ・シェーンベルク(ライアン・レイノルズ)に相談をする。
しかしその絵画は、クリムト作の「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」、オーストリアの至宝と呼ばれる逸品だった。

ランディは父が高名な検事であり本人も優秀であったが、独立に失敗して法律事務所に就職したばかりだった。
無理と知りながら、事務所を説得してマリアと共にオーストリアに赴くランディ。
しかしオーストリア政府はこの絵画がナチスにより持ち去られたものではなく、そもそもの所有者であったアデーレからの寄贈であると主張、話し合いは物別れに終わった。

アデーレはマリアたちの叔母にあたった。
美しい彼女はクリムトのモデルとなり、名画は誕生した。
アデーレは子どもに恵まれなかったため、マリアと姉を実の子のように可愛がってくれていた。
その思いがあり、マリアはどうしても絵画を取り戻したかったのだが、オーストリアで裁判を起こすためには多額の保証金が必要となるため断念した。

しかしオーストリアからの帰国後、数カ月してランディがマリアの元を訪れる。
ランディはオーストリア政府がアメリカ国内で美術の作品集を出版しており、アメリカ国内で訴訟が起こせる事に気付いたのだ。
ロスの地裁で裁判の決定が下り、二人はオーストリア政府に対して正式に訴訟を起こす。
だが、裁判を専門にしている新聞記者からも「あなたたちは必ず負ける」と言われてしまう。
過去の戦争における美術品の持ち去りに対しては、有史以降どこでも行われていた事であり、この返還を認めてしまうと世界中が大混乱になるためだ。
ランディは妻にも告げずに弁護士事務所を辞めて、この訴訟を続けるのであった。

ストーリーの軸は、返還に関する法廷劇である。
しかし、華やかなマリアの幼少時代や、マリアたちが亡命するエピソードをサスペンスタッチで描くなど、ともすれば退屈になりそうなストーリーに巧くメリハリが付けられている。
さらにそのメリハリが、マリア、さらにはランディの、ルーツがユダヤ人である事への思いをも描いている。
もちろん映画なので脚色されている部分もあるのだろう。
オーストリアで協力してくれる雑誌記者のエピソードなどは、やや作られた感もないではない。
しかし実際の話をベースにした上で、エンターテイメントとしての要素を埋め込み、さらにホロコーストの悲劇も描いているという部分で、非常に完成度の高い作品であると言える。

歴史や絵画に興味のある人には、ぜひ観てもらいたい作品だ。


126.黄金のアデーレ 名画の帰還


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]

by ksato1 | 2015-12-07 21:07 | 映画 | Comments(0)