宝塚記念

上半期最後のG1。
雨も昨日のうちに止んで、パンパンに乾いた馬場にはならないだろうが、午後には良まで回復しそうだ。

そうなると、やはりゴールドシップの優位は動かない。
全成績13.3.2.7だが、阪神競馬場に限れば6.1.0.0と大得意としている。
そして菊花賞と今年の天皇賞春を勝ち、阪神大賞典も3連覇しているものの、4着以下に沈んだ7戦のうち実に6戦が2400m以上のレースで、実はこの馬はそもそも長距離はあまり得意としていない。
その馬が、春の天皇賞を勝った。
気ムラが激しい馬だけに取りこぼしも考えられるが、普通に考えればやはりここは本命となる。

では、もしゴールドシップが負けるとしたらどういう展開か。
ほとんどの馬はゴールドシップを目標にレースを進めるが、1頭だけ自分のレースに徹する馬がいる。
天皇賞でも先行して3着に逃げ粘ったカレンミロティックだ。
この馬は昨年春の休み明けの中山記念こそ14着と惨敗したが、それ以降はこの1年以上、かなり骨っぽい相手に好走を繰り返し掲示板を外したことがない。
昨年のこのレースも2着に粘っており、コース、距離も得意としている。
父ハーツクライが有馬記念でディープインパクトを破ったように、断然の本命馬に土を付ける可能性も十分ある。

三番手はヌーヴォレコルトだ。
4着以下に沈んだのは新馬戦と前走のみ、安定度で言えばこの馬が一番信頼できる。
前走は適距離ではないマイルでかつ息の入らない展開だっただけに、度外視していいだろう。
本来であればゴールドシップの対抗1番手だが、目標とされやすい事もあって意外と取りこぼしも多く、今回は三番手評価とした。

四番手はラキシスだ。
この馬も昨年秋以降に本格化、エリザベス女王杯ではヌーヴォレコルトを破った。
暮れの有馬記念は6着だが、3着だったゴールドシップとは0.1秒差しかなかった。
前走も道悪で評価が難しいとは言え、キズナを破っている。
前走から3か月近く開いている点がやや気になるが、今回も好勝負必至だろう。

五番手以下は非常に迷う。

牝馬3頭出しの角居厩舎の残りの2頭も、追い切りの動きが良かった。
しかしデニムアンドルビーは連対時の斤量が54kgまで。
56kgを背負ってこのメンバーだと、やはり割り引きが必要だ。
ディアデラマドレはここ2走とも7着だが、両レースとも上がり最速を記録している。
馬場が乾いただけに末脚が炸裂する可能性もあるが、このメンバー相手に後方一気ではやはり苦しいだろう。

昨年のダービー馬と菊花賞馬なら、やはり今回はワンアンドオンリーの方が上か。
トーホウジャッカルはレースレコードで菊花賞を勝ったが、その反動か復帰時期がここまでズレ込んだ。
陣営は乗り込み量も豊富で順調をアピールしているが、やはり休み明けでいきなりこのメンバーと言うのは、荷が重いだろう。

ワンアンドオンリーは前走ドバイで3着、復調してきたと思われるが、海外遠征帰り初戦だけに全幅の信頼は置けない。
五番手評価が妥当か。

最後は池江厩舎の2頭で迷った。
ラブリーデイは、今年すでに重賞を3勝。
しかし中山金杯と鳴尾記念は戦った相手がそれほど強くない。
京都記念ではキズナとハープスターを降しているが、両頭とも休み明けで展開に恵まれた感もある。
それならばPOGで指名したトーセンスターダムを狙いたい。
昨年の三冠レースはいずれも惨敗したが、暮れの朝日チャレンジカップを快勝。
その後、オーストラリアのG1を2着している。
前走もオーストラリアのG1で5着だったが、この時は馬場が緩んでいた。
今回内枠に入り人気もないので、無欲の一発で着内に食い込んでくる可能性もある。


◎ゴールドシップ
○カレンミロティック
▲ヌーヴォレコルト
△ラキシス
×ワンアンドオンリー
×トーセンスターダム

馬券はいつも通り三連単フォーメーションで、1着◎○、2着◎○▲△、3着は◎○▲△×の24点で勝負。

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by ksato1 | 2015-06-28 11:15 | 競馬 | Comments(0)

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

メル・ギブソンの前3作は1本も観ておらず、予告編も見ていなかったので最初はまったく興味がなかったのだが、主演がトム・ハーディという事で観に行く事した。

世界は核戦争の影響で荒廃していた。
元警官のマックス(トム・ハーディ)は改造車で一人さまよっていたが、イモータン・ジョーの軍団に捕らえられてしまう。
イモータン・ジョーは汚染されていない地下水を押さえ、それにより民衆を支配、さらにウォーボーイズと言う武装集団に自分を崇拝させ、警護させていた。

フェリオサ(シャーリーズ・セロン)はウォーボーイズの大隊長で、ガソリン運搬のためウォータンクに乗り砦を出発した。
しかし彼女はイモータン・ジョーを裏切り、ジョーの妻を引き連れ脱走を図るのだった。
フェリオサと妻たちの裏切りに気付いたジョーは激怒、大軍を率いてフェリオサの後を追う。
その中に、ウォーボーイズのニュークスがいた。
捕らわれたマックスはウォーボーイズへ血液を提供する「輸血袋」としてとらえられていたが、ちょうどニュークスに血液を提供していた。
輸血管に繋がれたまま、マックスはニュークスと一緒に出動することになる。

映画全体は120分だが、おそらく3/4はカーアクションシーンである。
しかもそのカーアクションがハンパなくド迫力だ。
そもそも2作目が核戦争後と言う設定で、「北斗の拳」の世界感もこの映画に影響されている。
そしてこの作品でも、期待は裏切られていない。
イモータン・ジョー以下、ウォーボーイズたちも「いかにも」という出で立ちで登場する。
ウォーボーイズの追走軍団には、意味のよくわからないドラムとギタリストを乗せた車も登場する。
弾を射出する兵器よりも火炎放射器系の兵器の方が多い。
なぜジョーの妻たちが砦から逃げ出すのか、なぜフェリオサが彼女たちに手を貸すのか、そのあたりの整合性も説得力がある。

見終わった後冷静に考えると、人から人に輸血なんかできるのかとか、いくらなんでもウォータンク頑丈すぎだろう、とか突っ込みどころはいくらでもある。
しかし映画を観ている間にはそんな事考える余裕もないほど、圧倒的な迫力のカーアクションが繰り広げられる。

すでに3部作構想が発表されてもいるが、今回マックスの事はほとんど語られない。
ストーリー中何度かマックスが幻覚に襲われるのだが、その事は次回作以降で語られるのだろう。

暴力シーンがほとんどなので好き嫌いは分かれるとは思うが、「北斗の拳」が好きな人なら満足できる作品である。


58.マッドマックス 怒りのデス・ロード


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by ksato1 | 2015-06-27 22:26 | 映画 | Comments(0)

「海街diary」

今年前半一番期待していた作品だ。
原作は少女漫画と言う事もあり内容はまったく知らなかったが、是枝裕和が今をときめく4人の女優で映画を撮ると聞けば、期待しない訳にはいかない。
そして、期待通りの作品だった。

幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の3姉妹は、鎌倉の古い家で暮らしていた。
ある日、家族を捨てて出て行った父親の訃報が入る。
3人が父の葬儀に参加すると、そこには腹違いの妹浅野すず(広瀬すず)がいた。
すずの母も既に亡くなっており、すずはその後父が結婚した3人目の女性と、彼女の連れ子の弟と暮らしていた。
姉妹はすずに見送られて鎌倉に戻るが、その時に幸がすずに一緒に暮らさないかと提案する。

予告編を見た時は、母が3姉妹から父を奪った事を気に病み、すずがなかなか家族になじめないという話かと思った。
予告編では、3姉妹の大叔母(樹木希林)の「妹は妹でもあの子はあなたたちの父親を奪った人の娘なのよ」と言うセリフから、千佳の「私小さかったからお父さんの事良く覚えてないんだよね、今度教えてね」となり、すずの「ごめんさい、他の人の旦那さん奪っちゃうなんて、お母さん良くないよね」とつながり、最後は幸の「すずはここにいていいんだよ」となるのだが、実際の劇中ではこのセリフは順番が少し異なる。

とても賢くとても素直でとても真面目なすずは、誰からも愛され鎌倉での新しい生活にもすぐになじむ。
そして彼女を受け入れる3姉妹も、普通ならあれこれ気を使いそうだが、特別な事はしない。
なぜなら3姉妹も、父が家を出た後母も家を出るという、かなり複雑な経験をしているからだ。
両親の愛をあまり受けられず、教師だった厳格な母方の祖母に育てられた3姉妹も、自分達のアイデンティティを護りながら成長していた。
その結果3姉妹は、それぞれ個性が異なり、時には意見も食い違うのだが、根底では深く深くつながる事となった。
お互い自由に生き、口では批判するものの、それぞれの生き方を否定するどころか応援をしているのだ。
そんな3姉妹だから、ごく自然にすずを受け入れる事となる。
そしてすずは、それまで自分の居場所を確保するためにいろいろと心の中で封印していたものを、3姉妹に迎えられる事によって解放することができた。

普通に暮らしていた3姉妹が、どのようにすずを受け入れるのかという部分にドラマが生まれそうだが、この映画はそういう映画ではない。
映画全体から見れば、すずが鎌倉に来ることは大きな事件ではない。
海猫亭のおばちゃん(風吹ジュン)の相続と病気、3姉妹の母(大竹しのぶ)が突然家を売ろうと言いだすなど、すずが鎌倉に来なくても発生したと思われる事件の方が、映画全体において重要なエピソードとなっている。

では、何がこの映画の素晴らしさなのかと言うと、映画全編に流れるゆったりとした自然な空間が、観ていてとても心地良いのである。
「親の不倫で置き去りにされた子ども」と言う、ともすれば重くて説教臭くなりそうなテーマだが、この映画にはそういう雰囲気はみじんも感じられない。
3姉妹は互いを気遣うものの、踏み込んではいけない領域には決して踏みこまない。
幸は自分達を捨てた母を許せず、祖母の死後も祖母のように妹二人に口うるさくしている。
妹たちはそれが母へのあてつけに近い事はわかっているが、反発してケンカになったりしない。
幸も佳乃が男と酒にだらしないことをわかっているが、それを厳しく叱責したりもしない。
この3姉妹の距離感が、非常に心地いいのだ。
さらにそこに、誰からも愛されるすずが加わるため心地よさが加速する。
昔ながらの旧家という設定も、観ている者の気持ちをより和らげてくれる。

また、鎌倉が舞台となっているのだが、普通に映画を撮ると江ノ島や大仏、鶴岡八幡宮などのシーンも入れたくなる。
しかし、そういうベタな観光地の風景は画面に一切登場しない。
出てくるのは海岸と江ノ電だけだ。
そういう、無駄なシーンを一切排除している点も、観ている者が映画に引き込まれていく要因となっている。
菅野よう子の音楽も、この映画にとてもマッチしている。

おそらく制作者は、できればずっとこの映画を撮り続けたいと思ったのではないだろうか。
桜のトンネルを走る時のすずの表情など、制作者が気持ちよく映画を撮っていると言う感覚が、スクリーンから伝わってくる。

また、出演女優の中でも手足が長くて一番スタイルのいい長澤まさみの肌の露出を多くし、序盤にはちょっときわどいアングルがあったりする。
山猫亭のマスターのリリー・フランキーのセリフも、必要最低限に抑えられている。
広瀬すずのサッカーセンスも非凡だった。
そういう制作者の細かい部分へのこだわりも、この映画の完成度を高めていると言えるだろう。

行き詰った時や心が疲れた時にはピッタリの映画だ。
観ていて心が癒され、ずっとずっとこの映画を観続けていたいと思わせる。
フジテレビがバンバン番宣をする映画はあまり評価されない場合が多いが、この映画に関してはそういうくだらない先入観抜きに、きちんと評価されるべきだと思う。


57.海街diary


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by ksato1 | 2015-06-26 07:17 | 映画 | Comments(0)

「極道大戦争」

監督は三池崇史、上ブレと下ブレが激しい監督だが、残念ながら今回は下ブレ、しかもかなりの下ブレだった。

神浦組の組長神浦(リリー・フランキー)は男気のある男で、毘沙門通りの誰からも慕われていた。
そんな神浦に心酔しているのが、過敏肌で刺青を背負えない影山(市原隼人)だった。
だが実は正体はヤクザ・ヴァンパイアで、時折、足を洗って堅気を目指す元ヤクザの血を吸っていた。
そんなある日、神浦のもとに追手が現れる。
追手は神浦に組織に戻るよう勧めるが、神浦は断ってしまう。
すると影山の目の前で、狂犬(ヤヤン・ルヒアン)と呼ばれる格闘技の達人に神浦は倒されてしまった。
死の直前、神浦は影山に噛み付き、ヤクザ・ヴァンパイアの能力を彼に託すのだった。
影山は飲み屋の大将(でんでん)の指導の元、ヤクザ・ヴァンパイアとして覚醒を始める。
だが神浦を追っていた組織は、ヤクザ・ヴァンパイアをせん滅すべく最強の刺客を送りこんで来た。
さらに、神浦組の若頭膳場(高島礼子)が、毘沙門通りを乗っ取ろうと画策していた。

途中までは、一応ストーリーものがある。
だが、最強の刺客「カエルくん」が登場した後は、ストーリーは完全に消滅してしまう。
ヤクザ・ヴァンパイアというテーマがあり、予告編でも「噛まれるとみんなヤクザ」という触れ込みだったので、ヤクザ・ヴァンパイアが異常に繁殖して大暴れする映画なのかと思ったが、後半はヤクザ・ヴァンパイアがみんなどこかに行ってしまう。
膳場に至っては、全体を通してなんのために出演しているのかまったくわからない役どこになってしまっている。

ズバリ言って、商業映画として公開してはいけないレベルの映画である。
それでも三池崇史は上ブレの時は本当に素晴らしい映画を撮るので、次回以降もリスク覚悟で観に行かざるを得ないだろう。


56.極道大戦争


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by ksato1 | 2015-06-25 22:42 | 映画 | Comments(0)

「ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス」

人気シリーズ最終章の前編にあたる。
しかしTVCMはおろか、劇場内の予告編もかからなかった。
公開される事は知っていたが、「あれ? もう始まってたんだ」という位静かな公開で、そして初日から2週間くらいで上映回数も一気に縮小されている。

なんでこんな事になっているんだろう、と思ったが、その理由は映画を観てわかった。

前作でレジスタンスに命を救われたカットニス(ジェニファー・ローレンス)は、旧第13地区にある地下基地にいた。
レジスタンスの首相(ジュリアン・ムーア)は、カットニスを反乱のシンボル「マネシカケスの少女」として祭り上げ、一気に現政権を倒すべく画策していた。
参謀のプルターク(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、カットニスを使ったプロパガンダの映像を作ろうとするが、カットニスは気が進まない。
囚われてキャピトルに残っているピータの事を心配しているのだ。

やがてキャピトルから、ピータのインタビュー映像が配信され始めた。
ピータはカットニスに戦いをやめるよう呼び掛けるのだが、その映像を観てカットニスはピータが脅されていると読み取り、彼の身をさらに案じるようになる。

上映時間は120分を超えるがそのうち3/4は、ピータの身を案じてプロパガンダ映像出演に気が進まないカットニスと、彼女をなんとかその気にさせようとする大人たちの努力が延々と続く。
正直、観ていてかなり飽きる。

ラストはキャピトルに囚われたピータたちの救出作戦になり、その部分はやや見どころはあるのだが、ラストもなんだかよくわからないまま終了してしまう。
これで次の「レボリューション」で話がきちんと完結するのか不安になった。

そもそも、レジスタンスと旧第13地区の地下基地の位置付けがかなり不明瞭だ。
相当の戦力がありながら「キャピトルと戦うのは容易ではない」と言っているのだが、実際にキャピトルから飛んでくる爆撃機はそれほどたいした物には見えない。
戦力的に圧倒されているようには、どうしても見えない。
さらに、他の地区のレジスタンスがどう動いているのかも、よくわからない。
第12地区は全滅しているようだが、その他の地区が今どうなっているのか、その部分がほとんど語られていない。
だから旧第13地区のレジスタンスが、他の地区に与えている影響もわからない。
そうなると、カットニスがプロパガンダ映像に出演することがどの程度戦況に影響するのかも、まったく見えてこない。
とにかく「ないない尽くし」で全容がまったく掴めず、映画を観ていて非常にフラストレーションが溜まる。
地下基地の世界感も、なんだか「マトリックス」のザイオンそっくりでやや興醒めだ。

ハッキリ言って、この映画を観なくても前作の「2」から次の「レボリューション」に話がつながるような気もする。
かなり期待していたのだが正直ガッカリで、時間とカネの無駄としか言えない作品だった。



55.ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス


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by ksato1 | 2015-06-22 06:03 | 映画 | Comments(0)

子役フィーチャリングのギンレイの2本

先週観たギンレイの2本。
今回は子役の演技が光る2本だった。

1本目は「ANNIE/アニー」
大方のあら筋は知っていたものの、元となるミュージカルのストーリーはよく知らなかった。
映画を観て「あれ、こんな話だったんだ」と思ったのだが、後で調べたら現代風にアレンジされているらしい。

里親の元で4人の女の子と暮らすアニー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、交通事故に遭いそうなところをウィリアム・スタックス(ジェイミー・フォックス)に救われる。
スタックスは携帯会社の社長で市長選に立候補していたのだが、現職の市長との争いに遅れをとりつつあった。
彼の選挙参謀は、アニーを支持率アップの切り札にしようと提案する。

一方アニーは10歳になるものの、まだ実の親が迎えに来ることを信じて自分が捨てられていたレストランに毎週通っていた。
信じれば必ず素敵な明日が来ると、ポジティブに考えるアニーだが、スタックスの選挙戦に協力すれば実の親が名乗り出てくるのではないかと考える。
そんな二人の奇妙な共同生活が始まった。

ストーリーとしては、特筆すべきものはない。
カネ目当ての里親に育てられていた少女が、あるきっかけで幸せを掴む話である。
最後は悪役は退治され、里親(キャメロン・ディアス)も実はいい人だったと言うハッピーエンドになっている。
老若男女が安心して観られる作品ではあるが、映画としてはかなりありきたりな話とも言える。

ただ、出演者の演技が素晴らしい。
ジェイミー・フォックス、キャメロン・ディアスあたりは当たり前と言えるが、主役のクヮヴェンジャネ・ウォレスがこの映画を面白くしている。
「ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜」ではアカデミー賞主演女優賞に史上最年少でノミネート、その他にもさまざまな賞を受賞した天才だ。
今回もいい演技を見せているのだが、元々がミュージカルという部分を意識してかやや過剰な演技となっている。
おそらくそれは制作者側の演出だと思うのだが、彼女はキッチリその要望にこたえている。
この後どんあ女優になるかわからないが、非常に楽しみな存在だ。


2本目は「天才スピヴェット」。

スピヴェットはモンタナの田舎で、両親、姉、双子の弟ともに暮らしていた。
父は身も心もカウボーイで、スピヴェットより運動神経がいい弟に期待を寄せていた。
母は昆虫学者で、家族同様かそれ以上に昆虫に興味を持って生きている。
姉は典型的なティーンエイジャーで、都会に憧れていた。

スピヴェットはわずか10歳だが、天才的な頭脳を持っていた。
しかし田舎ではなかなかその才能が認められない。
ある日、自分が書いた論文を父親の名前で応募したところ、スミソニアン学術協会から電話があり、最も優れた発明家に授けられるベアード賞を授与したいので受賞式に来てほしいと言われた。
スピヴェットは両親に内緒で、単身ワシントンを目指すのだった。

監督は「アメリ」「ロング・エンゲージメント」のジャン=ピエール・ジュネ。
「アメリ」では不思議なテンポで楽しい映画を見せてくれたが、「ロング・エンゲージメント」では一転、ロマンティックで切ないストーリーを展開した。

今回の映画は前編は「アメリ」のような色遣い、テンポで始まる。
天才ゆえの発想を持つスピヴェットと、ちょっと異色な両親の生き方を面白く見せてくる。
しかし、弟の事故死の話からトーンがだんだん変わってくる。
スピヴェットがなぜ一人で旅だったのか、彼の内面が少しずつ明らかにされ、最後はちょっと泣かされそうになった。

前半の大自然のモンタナでの暮らしから、中盤はロードムービーとなり、ラストは家族愛が語られる。
色々な要素が詰め込まれているのだが、話がきちんと整理されているので観ていて飽きも来ないし混乱もしない。
監督の力量が存分に発揮された作品だ。

非常に完成度が高く、個人的にはかなりおススメの作品。
機会があったら観ておいて損はない。


53.ANNIE/アニー
54.天才スピヴェット


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by ksato1 | 2015-06-21 11:03 | 映画 | Comments(0)

「予告犯」

予告編がかなり面白そうなので観に行ったが、もう一息かな、という感想だった。

ネットの動画サイトに、新聞紙を被った男の犯行予告がアップされた。
食中毒騒動を起こしながらきちんと謝罪をしない食品加工会社に制裁を加える、という内容だった。
そして翌日、食品加工会社の工場が放火された。

警視庁サイバー犯罪対策課が調べたところ、新聞紙の男はそれ以前にも犯行を予告し、実行していた。
ターゲットになったのは、バイト先の厨房でゴキブリを素揚げにしている動画をアップした男、強姦された女性に対してTwitterで侮辱的な発言をした学生である。
新聞紙を被った男はネットで話題となり、その風貌から「シンブンシ」と呼ばれていた。
サイバー犯罪対策課は犯人を「新聞男」と命名し、動画をアップしたIPアドレスからネットカフェを探索する。
だが、なかなか「新聞男」の正体を掴むことができない。
やがて捜査の過程で「新聞男」は4人のグループであることが判明する。

新聞男のリーダー(生田斗真)はゲイツと呼ばれていた。
元々はプログラマーで、派遣社員から正社員になるべく必死に働いていたが、その努力は社長と正社員たちに無残に踏みにじられてしまう。
ショックを受けた彼は病気となり社会からスピンアウトし、その後まともな仕事に就く事ができなくなってしまった。
仕方なく産業廃棄物を取り扱うタコ部屋で働くのだが、そこでカンサイ(鈴木亮平)、ノビタ(濱田岳)、メタボ(荒川良々)と知り合うのだった。

4人がなぜ新聞紙を被って社会悪に制裁を行う事になったのか、ストーリーのキモはそこにある。
だがこの部分のモチベーションが、やや甘い。
原作がヤングジャンプで連載されたようで、マンガとしては悪くないストーリーだったのだと思うが、実写の映画としては説得力が薄い。
脚本的に、4人のバックグラウンドと彼らの絆の強さをもっともっと強く表現する必要があっただろう。
途中、ノビタの心がややくじけそうになる。
行きつけのラーメン店の店員に心を惹かれるからだ。
その部分もかなりあっさりしており、あの程度で心が揺れてしまうのなら最初から計画に参加しなかったんじゃないかとも思う。

ただ、それでもそこそこまとまった作品になっていたのは、役者の演技力と監督の力量だろう。
特に、中盤でサイバー犯罪対策課長の吉野(戸田恵梨香)がゲイツを追い掛けるシーンは圧巻だ。
シーンとしてはおそらく10分程度の長さだと思うが、このシーンが映画全体をグッと引き締めている。
鈴木亮平、濱田岳、荒川良々ももちろん芸達者なのだが、彼らのバックグラウンドの掘り下げ方が足りないから、非常にもったいない感じになってしまった。
できるだけ原作の世界観を崩さないように作られたのだとは思うが、逆に実写映画としての面白味が足りなくなってしまった感じだ。


52.予告犯


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by ksato1 | 2015-06-20 20:49 | 映画 | Comments(0)

「トゥモローランド」

予告編に「トゥモローランドの秘密はここにある」的なセリフがあったので、世界各地のディズニーランドのトゥモローランドにつながる話かと思いきや、そうではなかった。

1964年のニューヨーク、田舎から出てきた少年フランク・ウォーカーの目的は、博覧会の発明コンテストだ。
フランクはロケットマンのように背中に背負って空を飛ぶボンベを発明コンテストに出品するが、受付審査で落選してしまう。
しかしそんなフランクの姿を見ていた少女アテナ(ラフィー・キャシディ)が、フランクに謎のピンバッジを渡した。
フランクはアテナから「自分の後を付いてくるように」と言われ、その通りイッツァ・スモールワールドに乗り込むアテナを追う。
すると、アトラクションの中でピンバッジが何かに反応し、フランクは謎の未来世界に入り込んでしまった。

時代は移って現代。
エディ・ニュートンは旧NASAのロケット打ち上げ施設の解体作業をしていた。
しかしエディの娘ケイシー(ブリット・ロバートソン)は宇宙に憧れており、夜な夜なこっそり解体現場に忍び込んで作業を妨害する。
ある日ケイシーの妨害作業が警備員に見つかってしまい彼女は警察に連行されてしまうのだが、保釈された時の荷物に謎のピンバッジがある事に気付いた。
ケイシーがそのピンバッジに触れると、不思議な世界が目の前に広がった。

ケイシーがピンバッジについてネットで調べると、映画のコレクターズショップが検索に引っかかってきた。
彼女がその店に訪れると、店員が「少女はどこにいるか」としつこく尋ねてくる。
ケイシーが不審に思って店を出ようとすると、店員が襲いかかってきた。
その瞬間、扉を破って少女が店内に侵入し、ケイシーを助け出した。
少女はアテナで、彼女はケイシーをフランクのもとに案内するのだった。

フランクとケイシーがトゥモローランドの謎を解明し、我々が住む世界の危機を救う物語だ。
トゥモローランドの世界観、フランクの発明品などが楽しく、観ていてワクワクさせられてしまう。
ストーリー中盤からの緊迫感もいい。
ただ、登場人物間の人間関係がちょっと希薄なような気もした。
そもそも登場人物の少ない映画ではあるが、せめてケイシーと父親、弟の人間関係くらいはもうちょっと深堀した方が、中盤の緊迫感もさらに盛り上がったんじゃないかと思う。

とは言え、近未来を語る映画としては、手堅くまとまった佳作である。


51.トゥモローランド


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by ksato1 | 2015-06-17 06:10 | 映画 | Comments(0)

安田記念

先週のダービーは、本命にしたリアルスティールがレース中に骨折していて直線伸びを欠く。
さらに、速いタイムの決着になると予想したまでは良かったが、そうなると持ち時計も切れる脚もないサトノラーゼンは不利と考え切ったところ、おそらく生涯最高のレースをして2着。
競馬は本当に難しい・・・。

今週の安田記念は絶対的な存在が不在でさらに難しい。
どの馬にもチャンスがありそうなので、本命はPOG指名馬のレッドアリオンとする。
前走のマイラーズCは好位抜け出しで完勝。
ただし開幕週にしてはタイムがイマイチで、展開と相手に恵まれた感もある。
とは言え、現在2連勝中でマイルは一番あっている距離である。
人気もないので、無欲で前走のように好位抜け出しができれば、一発もあり得る。

対抗はヴァンセンヌだ。
昨年秋の休養明けから6戦して4勝2着2回。
6歳にして完全に本格化した。
長期の休養があったためまだ12戦しか経験もなく、能力も底を見せていない。
東京芝も3戦2勝2着1回でパーフェクト連対、鞍上福永も先週の借りをここで返しておきたいところだ。

三番手はリアルインパクトだ。
去年の春はやや低迷していたが、昨秋復帰後復調し、オーストラリアでG1を1勝2着1回。
帰国初戦という部分がやや気になるものの、調教の動きは人気のモーリスよりも上回っていた。
元々3歳時にこのレースを制しており、復活した今なら勝ち負けまであるだろう。

四番手はケイアイエレガント。
前走ヴィクトリアマイルで2着したのに今回は気持ちが悪いほど人気を落としている。
キングカメハメハ産駒はダービー、目黒記念、鳴尾記念と現在2週で重賞3連勝中。
クッションの効いたこの時期の馬場は得意と思われ、今回も好走して不思議ではない。

五番手はミッキーアイルにする。
昨年のNHKマイルCを制した後は、1400m以下の方が戦績がいい。
しかしそもそもがディープインパクト産駒であり、本質的にマイルが長いと言う事はないだろう。
好位差しに脚質転換をしており、今回も上位争いしてくると思われる。

最後はクラレントだ。
昨年夏に重賞を連勝したが、その後は低迷。
しかし今週の調教では弟のレッドアリオンよりいい動きを見せていた。
この馬も展開次第でうまく好位差しができれば、上位に食い込んでくる可能性がある。


◎レッドアリオン
○ヴァンセンヌ
▲リアルインパクト
△ケイアイエレガント
×ミッキーアイル
×クラレント


馬券はいつも通り三連単フォーメーションで、1着◎○、2着◎○▲△、3着は◎○▲△×の24点で勝負。


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by ksato1 | 2015-06-07 12:29 | 競馬 | Comments(0)

「新宿スワン」

原作は未読だが人気漫画で、脚本は鈴木おさむ、監督は園子温、主演は綾野剛で脇を伊勢谷友介と山田孝之が固めている。
それでなんでこんな映画が出来てしまったのか。
ズバリ言って、ダラダラ長いだけで、何にフォーカスを当てたかったのかまったくわからない。

文無しで歌舞伎町に現れた白鳥龍彦(綾野剛)は、ケンカしている所をスカウト会社の幹部真虎(伊勢谷友介)に拾われた。
真虎にスカウトの才能を見いだされた龍彦は、そのままスカウト会社バーストで働く事にする。
歌舞伎町にはもう一つのスカウト会社ハーレムがあって、バーストと激しく火花を散らしていた。
そしてハーレムの幹部葉山(金子ノブアキ)と秀吉(山田孝之)が、自分たちで歌舞伎町を支配する事を目論んでいた。

直情径行の龍彦が、歌舞伎町でスカウトとしてのし上がって行く話だ。
その間、歌舞伎町のスカウトの利権をめぐって二つのスカウト会社の抗争が起きる。
また、龍彦は自分がスカウトした栄子(真野恵里菜)の死、助けようとしたアゲハ(沢尻エリカ)が再び堕ちて行くさまなどを経験する。

原作者は実際にスカウトを実践していたと言うが、少なくとも映画にはほとんどリアリティが感じられなかった。
例えば冒頭、真虎と龍彦がスカウトした女をヘルスに連れて行く。
その際、かなり汚く細い通路を通るのだが、その途中にヘルスで働く女達が何人もいる。
外国のスラム街をイメージしたのかもしれないが、あんな通路に「たちんぼ」のような無愛想な嬢が立っている店など日本にはあり得ない。
嬢はたいてい店の奥の控室にいる。
また店の中で、スカウト同士の乱闘が平気で行われる。
あんな事があったら、即座に警察に踏み込まれてあっという間に営業停止だ。
ああいう風俗店は必ずケツモチの暴力団が秩序を守っているから店で暴れたらタダじゃすまないし、そもそも店が営業停止になったらスカウトも商売あがったりだ。
普通に風俗の仕組みを知っている人間が見ると、あまりにも現実離れした茶番にしか見えず興醒めである。
歌舞伎町のような、外国人もいてアングラ部分が多く残る繁華街には、必ず暗黙の秩序が存在しているはずだ。
その秩序が表現されず、スカウトたちがまるで暴力団組員のように自由気ままにふるまい過ぎている。

ストーリーの構成も、前半のスカウトの抗争部分と後半の秀吉大暴れ部分がくっきり分かれてしまっている。
展開上いた仕方ない部分もあるのかもしれないが、せめて冒頭から栄子やアゲハを登場させるべきだっただろう。
二人とも途中からいきなり登場し、栄子が死ななければならなかった直接の原因、そしてアゲハが再度堕ちて行ってしまった原因が、まったく描かれていない。
二人とも心が弱かったという事なのかもしれないが、二人が龍彦を成長させる要因で本来は重要な役どころなのに、なんだかあっという間に通り過ぎて終わってしまった。
山田優の涼子も、最後まで位置付けがよくわからないままだ。

映画は原作の途中で終わっている雰囲気で、続編を作る構想もあるのかもしれないが、このままではいくらなんでもちょっとお粗末過ぎる。
誰が悪いのかと問われれば、脚本と監督の相性、キャストのキャラ設定も含めて、おそらくプロデューサーがきちんと考えずにやらかしちゃった、という感じだろう。
唯一の救いは、ラストに流れたMAN WITH A MISSIONの「Dive」だけである。


50.新宿スワン


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by ksato1 | 2015-06-03 06:45 | 映画 | Comments(0)