<   2014年 01月 ( 29 )   > この月の画像一覧

「オンリー・ゴッド」

私は観ていないが「ドライブ」でその名を高めたニコラス・ウィンディング・レフン監督作品である。
「ドライブ」の評判が良かっただけにそこそこ期待して観に行ったのだが、ちょっと私には理解しがたい作品であった。

ジュリアンは兄のビリーとともにタイでボクシングジムを経営している。
しかしそれは表の家業で、裏では麻薬の密売を行っていた。
ある日粗暴でロリコンの兄ビリーが、16歳の少女をレイプして殺してしまう。
それを見た元警官で今は裏社会のボスであるチャンは、少女の父親にビリーを殺すよう指示する。
酒とドラッグでグダグダになっていたビリーは、少女の父に撲殺されてしまう。
ビリーの死を聞いた母のジェナは、ビリーの復讐のために急遽タイに来るのだが、復讐を躊躇するジュリアンを罵倒し、独自に殺し屋を雇って少女の父とチャンを殺そうとする。

R15+指定なので、過激な暴力シーンが繰り広げられる映画なのかと思っていた。
実際チャンが無表情に人間を切り刻むなど、残酷なシーンもかなりある。
しかし、単純に暴力的とは言えない独特の雰囲気を持った映画だ。
母のジェナ以外の主要キャストは、常にゆっくりとしゃべり、行動する。
そもそも歩く速度もゆっくりなのだが、さらにそれをスローで映し出す。
長く暗い廊下を赤いライトで映し出し、画面全体の奥行きを演出している。
冷酷無比なチャンにはかわいい一人娘がいて、彼が残虐なだけの男ではなく、人間らしい部分も持ち合わせている事も表現されていた。
なんとも言えない雰囲気でストーリーが展開する中、ジェナだけが傍若無人に周りに指示するコントラストも巧いと思う。

ただ、いかんせんストーリー展開が難解だ。
主役であるジュリアンの心情変化がよくわからない。
そもそも事件を起こしてアメリカに居られなくなり、ビリーと二人でタイに来たようなのだが、暴力的なビリーや母のジェナと比べるとかなり内気に見える。
起こした事件によって内気になったのか、あるいは元々内気な人間なのか。
ジュリアンのバックグラウンドがわからないので、行動も理解できない。
そしてジュリアンの彼女についても、どういう役割なのか意味不明である。

ニコラス・ウィンディング・レフンは、「ドライブ」では監督だけで脚本を担当していなかった。
彼のその他の作品も観た訳ではないが、この作品を観た限りではちょっと脚本家としては評価できない。

原題は「Only God Forgives」で、直訳すると「神だけが許す」。
なんとなく意味がわかりそうでやっぱりよくわからない、観終わった後になんともモヤモヤした感じの残った作品であった。


27.オンリー・ゴッド


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by ksato1 | 2014-01-31 07:08 | 映画 | Comments(0)

「小さいおうち」

原作は中島京子で第143回直木三十五賞受賞作である。
そしてやっぱり未読だ。

物語はタキの火葬から始まる。
生涯結婚をしなかったタキは、甥である軍治(小林稔侍)、軍治の親とは異なる兄弟の孫の健史(妻夫木聡)と康子(夏川結衣)に見送られた(健史と康子は軍治の子どもではなく軍事の甥と姪)。
生前も電気器具の交換など、日常生活の不自由な事は主に大学生の健史が面倒を見ていたのだが、その健史のすすめでタキは自叙伝を書き始めた。

昭和の初期、主人公のタキは山形から女中奉公のため上京する。
最初に小説家の小中(橋爪功)の家に入るが、やがて小中の姪、時子(松たか子)が嫁いだ平井家に行く事になる。
それが昭和11年であった。
平井家は主人が若くして玩具会社の常務という事もあり、近所からもうらやましがられるようなモダンな小さい家を建てていた。
年が近い事もあり、タキは時子からかわいがられ、おさがりの着ものをもらったりする。
国全体が戦争に向かって突き進む時代であったが、タキはモダンな平井家で働く事を嬉しく思っていた。

そんなある日、主人の玩具会社に若いデザイナー板倉正治(吉岡秀隆)が入社する。
線が細く芸術的なセンスを持ち合わせた板倉に、時子とタキは胸をときめかせた。
しかし時子の思いは次第に強くなり、近所からもあらぬ評判を立てられしまう。
やがて体が弱く丙種合格だった板倉にも召集令状が来た。
板倉が出征する前日、時子はこっそり板倉に逢いに行こうとするが、タキがそれを止める。
やむなく時子は、渡したい物があるので家に立ち寄ってくださいと言う手紙を書き、タキに託して板倉の部屋まで届けさせる。
しかし板倉は平井家を訪れることなく出征して行くのであった。

前回の「東京家族」の時もそうであったが、セリフ回しにややゴツゴツした部分が多い。
それが山田洋次作品の特徴かもしれないが、どうしても観ていて違和感を感じてしまう。
ただ時代設定が昭和初期という事もあり、「東京家族」の時よりも違和感はかなり少なかった。
そして「東京家族」よりも、作品としてきちんとまとまっている。

タキの自叙伝を読みその内容に健史がとやかく言う現代と、タキが奉公していた昭和初期の時間軸の交差が巧妙である。
昭和初期のモダンな空気の作り方も完ぺきだ。
劇中の健史もそうであったが、現代人はとかく戦前というと暗いイメージを持っている。
しかしかつて小林信彦が何かの小説で書いていたのだが、戦争という重苦しく暗いイメージ、そして当時の世相を物語るモノクロ写真という二つのイメージから、現代人は戦前に対して必要以上に暗いイメージを持ち過ぎているのではないだろうか。
実際に大正期にはモボ、モガがハイカラな格好で歩き、街は活気であふれていたはずだ。
ひょっとすると21世紀のこの時代よりも、人々は明るい未来を思い描いていたかもしれない。

この作品では時子のファッション、立ち居振る舞いにそのあたりが見て取れる。
山田洋次の演出と松たか子の演技力によるものだろう。
ただ、それ以上に黒木華の熱演がいい。
右も左もわからない東京に出てきて、何もかもが新しく見える新鮮な日々。
そんな中で、毎日を一生懸命に生きるタキ。
おそらく当時の人たちは、タキのような日常を過ごしていたのだろう。

小さいおうちのモダンな雰囲気もいい。
表札の「平井」の文字も、平野甲賀のタイポグラフィのようで、細かい部分まで心配りがされている。

昭和初期にお受験の話題があったのかとか、新年会が社長の家ではなく常務の家で開催されその後もやたらと社長が部下の家に飲みに来ているとか、本土空襲が始まる前に家の窓ガラスにテープを貼っていたのかとか、表札が横組みなら当時は右から始まるのが普通ではなかったのかとか、細かい違和感もなくはない。
中でも一番大きな違和感は、タキが板倉の存在に気付いていなかった事である。
タキの死後に健史とその恋人が板倉の存在に気付くのであれば、タキが生前に板倉の存在に気付かなかったはずがない。
しかしその痕跡がまったくない。
タキの遺品の中に、作品展のポストカードなどそれらしきものが大切にしまわれていたと言う布石があれば、もっとエピソードに深みが増したんじゃないかとも思う。

昭和初期の、当時の憧れの家庭に小さなさざ波が立ったと言うスキャンダラスな話は、若いタキにとっては非常に印象に残るエピソードだっただろう。
しかもその後タキは戦争の影響で、平井家の家族と今生の別れをする事になる。
タキが自叙伝を書きすすめるが、その段になると泣き崩れてしまうという展開も感動的だ。


内容的にはかなり渋い作品ではあるが、松たか子と黒木華の演技によって、若い世代にとっても見応えのある作品となっている。


26.小さいおうち


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by ksato1 | 2014-01-30 07:21 | 映画 | Comments(0)

「ゲノムハザード ある天才科学者の5日間」

原作はサントリーミステリー大賞読者賞を受賞しているらしいが未読。
原作にどこまで忠実なのかわからないが、ミステリーとしてはかなり強引なストーリー展開だった。

デザイナーの石神武人(西島秀俊)は誕生日に会社に届いたプレゼントを受け取る。
送り主は不明、プレゼントにはハングル語のメッセージが書かれたロウソクのポラロイド写真が付いてた。
そして石神は、なぜかこのハングル語が読めてしまう。
その日退社後、石神は妻と待ち合わせて親友がマスターのバーに立ち寄ろうとするが、妻とは連絡が取れず、なぜか店もその日は閉まっていた。
仕方なく帰宅する石神だが、部屋にはポラロイド写真のようにロウソクが並べられている。
そしてリビングには妻(中村ゆり)の死体があった。
石神が驚いている時に玄関のチャイムが鳴って、二人の男が部屋に入って来る。
二人が自分たちは近所で起きた事件の聞き込みをしている刑事だと言うので、石神は奥の部屋で妻が死んでいると告げる。
しかし3人がリビングに戻ると、妻の死体はなくなっていた。
怪しい言動を取る石神を、刑事たちは車に乗せて連行する。
だが車内で刑事たちはハングル語で「オ・ジヌを知らないか?」と尋ねてくる。
危険を感じた石神は車から逃げ出し、ちょうど通りかかった韓国人ジャーナリストのカン・ジウォン(キム・ヒョジン)に助けられた。

日韓共同製作の映画だが、監督・脚本を韓国人が担当しているためか、良い意味で雑だが勢いのある映画である。

石神は元々韓国人の天才物理学者なのだが、彼がなぜ日本人のデザイナー石神となっているのか、そして妻を殺したのは誰なのか。
その謎の中心となるのは、記憶遺伝子に関する研究データである。
ただ、このデータの科学的根拠がかなりトンデモだ。

記憶の塩基配合を閉じ込め、それを本人、あるいは他人の体内に入れると、閉じ込めた記憶がよみがえると言う設定である。
しかも、その塩基配合を閉じ込める媒体がウイルスだ。
ウイルスなら一つ一つの個体は単体の塩基配合の保持しかできないと思うので、記憶すべてをウイルスに閉じ込めるのは不可能ではないだろうか。
もちろん無数のウイルスを使って記憶を閉じ込める事はできるかもしれないが、その配列はすべて元となる記憶と同じ配列にならなければならない。
無数のウイルスが同じ順番に並ぶと言うのはどう考えても無理があるだろう。

その他にも、序盤で石神はファミレスから逃げ出すのだが、入口にバーのある駐車場からそのまま飛び出していく。
出口はハッキリと映っていないが、入口にバーがあるのなら出口にも必ずバーがあるはずで、本来ならそのバーに足止めされて追手に捕まっているはずである。
また同じ序盤で、石神が家の場所を思い出して帰宅するのだが、これが直前まで住んでいた家なのかそれ以前の記憶の家なのか、非常にわかりづらい。
そのため妻が殺された部屋に戻った時、「あれ?この家は半年前から別の夫婦が住んでいる部屋だったんじゃないの?」と混乱してしまう。
序盤は謎が深まっていく段階なので、このあたりは一目見て別の部屋である事がわかるような工夫が欲しかった。

おそらく、日本でカーチェイス撮影の許可が取れなかった事により、カーチェイスの撮影のためだけにソウルのシーンをいれたのだと思うが、その結果ストーリーもややぎこちなくなってしまう。
直後に、パスポートを持たない石神がどうやって日本に戻ってきたのか説明がない。

ただ、こう言った雑な部分もスピードと勢いで押し切ってしまう。
石神が自分は誰なのか、少ない手掛かりから謎を追い続け、すべての謎が解き明かされると今度は激しいカーチェイスが始まる。
「シュリ」や「チェイサー」に似ているかもしれない。
そしてこのスリリングな展開をさらに面白くしているのは、西島秀俊の演技に他ならない。
韓国の俳優の日本語はややたどたどしいのだが、西島秀俊はいい演技を見せてくれる。

雑な部分が目立つので好き嫌いはかなりハッキリ分かれると思うが、韓国のアクション映画が好きな人ならば満足する作品だと思う。


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by ksato1 | 2014-01-29 07:02 | 映画 | Comments(0)

「トリック劇場版 ラストステージ」

シリーズ最終作と銘打たれた「トリック劇場版 ラストステージ」である。

ストーリーはいつも通り、上田(阿部寛)に調査の依頼が来て、山田奈緒子(仲間由紀恵)を伴って事件を解決しに行く。
今回の舞台は東南アジアの赤道スンガイ共和国である。

上田のもとに来た依頼は、レアアース採掘事業に伴う現地住民の立ち退きを妨害する、ボノイズンミと言う呪術師の呪いを調査することである。
上田が話を聞きに依頼主の村上商事本社に行くと、この呪術師に呪いを掛けられたと言う事業部長が上田の目の前で怪死してしまった。
上田は山田を連れて、依頼人の加賀美(東山紀之)と共に赤道スンガイ共和国へ飛ぶ。
空港では採掘を請け負う会社の社長である川島が、オカマの医師谷岡(北村一輝)とともに待っており、5人は村上商事の支社に向かった
だが支社長はすでにボノイズンミの呪術を信じきっていて、社命であっても現地に赴こうとしない。
仕方なく5人は、現地の作業員とともにボートで川をさかのぼって採掘場のあるムッシュム・ラー村に行く事にした。
そしてそこにはなぜか、バカンスで来ていた矢部(生瀬勝久)と秋葉(池田鉄洋)がいた。

ここから先はいつも通りの「トリック」だ。
呪術師の呪いにより主要人物が怪死する。
上田、山田、矢部、秋葉が繰り広げるボケ&ツッコミの中に、今回はオカマ役の谷岡が加わる。

ただちょっと違うのは、ストーリー全体が「最終作」ありきで構成されている事である。
事件はクライマックス直前に犯人もわかってしまい、あっけなく解決する。
そしてシリーズラストの結末が、事実上のクライマックスとなっている。
だから、いつも通り上田が窮地に陥るものの、山田はいつも以上に上田の身を案じたりしている。
上田も山田がいなくなって、彼女が自分に与えていた物が何かを実感する。
映画のキャッチコピーは「泣けるトリック」で、実際には泣けはしないのだが、ラストは少しホロっとさせられた。

長く続いた人気シリーズだし、どこかで終止符を打つ作品があった方がいいとは思う。
だからこれはこれでアリなのかもしれないが、最終作としての印象が強すぎて、単体の映画としての面白味はやや弱くなってしまった。

おそらく、阿部寛、仲間由紀恵、そして生瀬勝久の全員を揃える事が今後は難しいのだろう。
ただ、各人だけが出るスピンオフ作品は作れると思うし、実際「矢部謙三」シリーズは作られているので、今後もスピンオフ作品には期待したい。


24.トリック劇場版 ラストステージ


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by ksato1 | 2014-01-28 07:12 | 映画 | Comments(0)

「マダガスカル2」と「ゲド戦記」

昨日に続いて、年末年始にTV放送された2作品。

まず「マダガスカル2」。

「マダガスカル」と2週連続で放送されたのだが、「1」の方はすでに見ていたし、年末年始はそうでなくてもHDDがパンパンになるから「2」だけ録画して見る事にした。
しかし内容をザックリとしか覚えていなかったため、導入部分がどういう状況なのかよくわからなかった。

たしか、主人公のライオンのアレックスはN.Y.の動物園の人気者だったはずだが、何かの理由で仲間と一緒にアフリカに行く事になり、船が難破してマダガスカルにたどり着く。
そこで新たな生活が始まるのだが、4頭とも馴染めずにN.Y.に帰るべくいろいろと手を尽くす。
「1」はたしかこんな話だったと記憶しているが、ラストがどうなったかも記憶があやふやだった。

「2」ではN.Y.行きの飛行機が完成し、離陸するところから始まる。
しかし離陸に失敗、飛行機はサバンナのど真ん中に不時着する。
そしてそこはアレックスの生まれ故郷でもあった。
アレックスは元々群れのリーダーの子どもであり、リーダーの後継者が帰ってきたと大喜びで迎えられる。
しかし動物園で育ったアレックスは、群れのリーダーとなるべく掟を守る事ができずに両親とともに追放されてしまう。
一方その他の動物たちは、意外とサバンナの仲間に馴染んでいた。
群れを追放されてしまうアレックスとは大違いである。
アレックスは動物園の仲間とも意識のズレが生じ、窮地に立たされてしまう。

感想から言うと、いかにもアメリカ的なストーリーである。
N.Y.生まれのアレックスはライオンなのに、闘いよりもダンスの方が得意という部分もアメリカ的だ。
ただし、日本人に理解できないかと言うと、そうでもない。
シマウマのマーティのボケっぷりは楽しい。

家族で見るには悪くない作品だ。


続いて「ゲド戦記」。

再放送された際にネットで「『ゲド戦記』は駄作か?」と言うコラムがあった。
ズバリ言ってしまうと「駄作」である。

見返してみるとわかるのだが、詳細部分の雑さがかなり目立つ。
ファンタジーと言う見せ方ばかりが先行してしまい、時間経過、人の動きに整合性がない。
例えば、クモの手先であるウサギたちがテナーの家を襲い、ハイタカを誘い込むために彼女を拉致してしまう。
その時テルーは生垣に縛り付けられるのだが、だいぶ時間が経ったと思われる夕方近くに、いともあっさり縛られた縄を外してしまう。
それだけ簡単に外れるのに、なぜ夕方までの長い間生垣に縛られたままになっていたのか、まったく理解できない。
また、途中でアレンを追いかけてくるアレンの「光」が、なぜ「闇」に追いつけないのかもよくわからない。
アレンが「闇」に捕らわれて父を殺してしまった、という設定はわかるのだが、なぜ「闇」に捕らわれてしまったのか、きっかけが良く分からないため「光」が追いつけないと言う部分の説得力に欠ける。
父である国王に対するプレッシャーでジワジワ「闇」に捕らわれたとしても、「光」が追い出されるきっかけが何かあったんじゃないかと思う。

ジブリ作品はそういう、見ている時に具体的に認識しなくても、後から「そう言えば」と思う感覚的な詳細部分にもこだわった作品が多い。
「ゲド戦記」ではファンタジーの世界観ばかりに気を取られ、そういう映画として重要な詳細部分がおろそかになってしまったように思う。

また、この映画のどのシーンを見ても、「カリオストロの城」「ナウシカ」「ラピュタ」「もののけ姫」などこれまでのジブリ作品の、どこかで使われたようなシーンばかりが続く。
そのため既視感が強く、ファンタジー映画を見ているワクワク感があまりしないのである。

ハッキリ言って「ゲド戦記」は駄作である。
キャッチコピーの「父さえいなければ、生きられると思った。」から、これは宮崎悟朗から宮崎駿への挑戦である的な誤解をしている人もいるようだが、そもそもアレンが父を殺すというアイディアは、宮崎悟朗ではなくプロデューサーの鈴木敏夫が出した案である。
宮崎悟朗自身も、その事は否定している。

ただ、この作品が初監督作品である事を考えると、宮崎悟朗の監督としての手腕を否定することはできない。
実際2作目の「コクリコ坂から」は、なんとも言えない爽快感を感じる映画に仕上がっている。
淡々としたストーリーだけに好き嫌いはあると思うが、個人的には何度も見たい映画だ。

父である宮崎駿を超えるとか超えないとかそんなつまらない事にこだわらず、宮崎悟朗には自分が面白い、作りたいと思った作品を、こだわりながら作り続けて欲しい。
そうすればきっと、宮崎駿とは違った名作を世に送り出せるんじゃないかと思う。


20.マダガスカル2
21.ゲド戦記(再)


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by ksato1 | 2014-01-27 07:13 | 映画 | Comments(1)

トリックシリーズ

フリーパスポートのおかげで今月の日記はほぼ映画ネタで埋め尽くされそうだが、それ以外にも年末年始にTVで放送された映画も録画して見ている。
映画の「トリック劇場版 ラストステージ」の番宣で放送された「トリック劇場版2」と「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」も見た。

ただこのトリックシリーズ、そもそもTVシリーズも長く、たいていが山奥の閑村か離島が舞台となりかつトリックのネタも似たような物が多いため、記憶の中でストーリーがかなりごちゃごちゃになっている。
「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」は比較的新しく、夏帆が出ている事もありほぼ内容を覚えていたが、それ以外は劇場版だったかTVシリーズだったかまったく覚えていない。、
TVシリーズも年末年始の深夜に制作者が選んだベストのお話を数話ずつ再放送していたので、それも録画して少しずつ見ているのだが、「あれ?これって劇場版じゃなかったっけ?」という感じである。

ズバリ言ってその程度の作品と言ってしまえばそれまでだが、これまでかなり見通してきた作品だし、今回の劇場版がラストで山田奈緒子の秘密も明かされるとの事なので、予習として見る事にした。

劇場で観たと時にも思ったが、この2作品は矢部と秋葉がほとんど出ていない。
出演シーンも二人だけのシーンが多く、「劇場版2」ではおそらく仲間由紀恵、阿部寛とは別撮影したのではないかと思われる。
生瀬勝久と二人の日程が調整できなかったため、わざとわかりやすい構成にしたのだと思うが、仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久のボケと突っ込みがこのシリーズの人気の要因の一つでもあるから、ファンとしてはちょっと興醒めだった。
そのファンのガッカリ感を逆手に取ったのか、「霊能力者バトルロイヤル」ではきちんと3人揃っていたのではないかと思われるのに、わざと「劇場版2」同様別撮影かのような構成にしていた。
それはそれで面白かったが、やっぱり3人の軽妙なボケと突っ込みをもっと見せて欲しかった。

シリーズスタート時から比べると、生瀬勝久もかなりの人気者になってしまったので仕方ないかもしれないが、今回の劇場版はラストとの事なので、この3人には思う存分ボケて突っ込んでもらいたい。


20.トリック劇場版2(再)
21.劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル(再)


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by ksato1 | 2014-01-26 10:25 | 映画 | Comments(0)

「バイロケーション【表】」

相変わらず原作は読んでいないのだが、角川ホラー文庫という事でスルーしようかと思ったら、ストーリー説明を見たらホラーというレベルではなさそうなので観に行った。
実際の内容もホラーというレベルではなく、かなりライトな作品であった。

画家を目指す桐村忍(水川あさみ)は、マンションの下の部屋に引っ越してきた高村勝(浅利陽介)と知り合い結婚する。
結婚後も主婦業の傍らコンクールを目指して絵を描き続けているのだが、ある日買い物途中に偽札を使用した疑いで捕まってしまう。
しかし偽札を使用したのは忍ではなく、忍の思念が実体化したもう一人の自分「バイロケーション」であった。

忍を捕まえに来た刑事である加納(滝藤賢一)自身もバイロケーションの存在に悩んでおり、忍を仲間の会に連れていく。
そこには病気の子どもを持つ主婦の門倉(酒井若菜)、学生の御手洗(千賀健永)、そしてリーダーの飯塚(豊原功補)がいた。
飯塚自身はバイロケーションが発生していなかったが、それ以外のメンバーはバイロケーションに大なり小なりの被害を受けていた。
中でも一番の被害者は加納なのだが、彼のバイロケーションは非常に攻撃的なため、他のメンバーに攻撃を加える可能性があった。
そしてその後忍は、実際に加納のバイロケーションに暴行を受けてしまう。
そのため飯塚は、やはりバイロケーションを持たない高校生の加賀美(高田翔)に忍の護衛をするよう指示する。

やや作りが粗い部分もあるが、全体の構成はそれほど悪くない。
ラストへ向けての伏線も張られており、きちんと活用されている。
ただ、細かい部分はかなり雑だ。

忍以外のキャラ設定は原作とかなり異なっているようだが、門倉、御手洗あたりは映画の中でほとんど機能していない。
加納のバイロケーションが忍を攻撃する理由も、後からよくよく考えると整合性が取れていない。
そもそも忍のバイロケーションの行動とその動機も、ネタバレ後に再度ストーリーをたどるとかなり無理がある。

しかしストーリー展開のテンポも良く、画面全体のトーンをやや暗めにしてホラーとしての世界観はきちんと作られていた。
そのため整合性が取れていない部分も、いい意味で勢いで押し切っている感もある。
もう少し脚本の練り込みがされていれば、さらに作品の評価は上がっただろう。

ただしこの作品、映画では【表】バージョンと【裏】バージョンがありエンディングが異なっているらしい。
今回観たのは【表】だが、もし【裏】を観ればすべての謎が解けるというシナリオなら、かなり出来がいい作品と言える。
【裏】の方はあまり観るつもりはなかったのだが、【表】を観たら【裏】も観てみたいなとちょっと思った。


19.バイロケーション【表】


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by ksato1 | 2014-01-25 10:00 | 映画 | Comments(0)

「黒執事」

海外でも人気であるマンガの実写映画、出演は水嶋ヒロ、剛力彩芽と聞いて、正直「どんなもんだろう」とあまり期待しないで観に行った。
だが、少なくともアクション部分はきちんと作りこまれており、個人的には結構好きな映画である。

原作は私には珍しくマンガなのに未読だ。
ただ、原作と映画はかなり設定が異なるようである。

世界は大きく西側諸国と東側諸国に分かれ、西側諸国は独裁者である女王の支配下にあった。
女王は東側諸国にスパイを送りこんでおり、彼らは「女王の番犬」と呼ばれている。

東側のある国でファントムという玩具会社を経営する幻蜂(げんぽう)一族は、西側から移住した「女王の番犬」であった。
しかし3代目の幻蜂有人とその妻が、何者かによって殺害されてしまう。
一人娘もその直後に行方不明になったのだが、1年後、セバスチャンという執事と共に、幻蜂有人の隠し子の清玄(きよはる)が現れた。
その後は清玄と清玄の叔母である若槻華恵(優香)がファントムグループを運営していた。
清玄はもちろん消えた一人娘の汐璃(しおり)なのだが、悪魔のセバスチャン(水嶋ヒロ)と契約をして、両親を殺した犯人を追っていた。

ある日清玄がいる東側の国で、大使館員がミイラ化して死亡した。
ミイラ化事件はその後も次々と発生し、清玄(剛力彩芽)は駐在員のサトウ(城田優)から、この事件を調査すると言う女王からの指令を受ける。
清玄とセバスチャンは調査を続けるうちに、この事件の黒幕が清玄の両親を殺した犯人に結び付いている事に気付く。

ストーリー展開は、ハッキリ言ってありきたりだ。
ミイラ化死体の原因となる薬品も、科学的根拠は薄く子供だましと言ってもいいかもしれない。
だが、作品全体の雰囲気と言うか、世界観はいい。
CGを使った架空の都市、ゴシック様式の幻蜂家の屋敷、登場する車など、細部まできちんと気配りされている。
セバスチャンの執事としての身のこなし方も悪くない。
そして何より良かったのはアクションシーンだ。
テンポ、カット割り、殺陣、すべてにおいて見応えがある。
リン役の山本美月と言う女優は、正直大した女優ではないと思っていたが、これだけアクションができるなら今後も期待である。
もちろん水嶋ヒロのアクションも素晴らしい。
アクションはほとんどないが、優香の演技もかなり良かった。

ただこの映画の中では、剛力彩芽はちょっと浮いていた気がする。
本当は女性なのに男性を装っているという演技はかなり難しいと思うが、ズバリ言って剛力彩芽一人だけ見どころがなかった。
「清須会議」も良かったし、「未来日記」も「八重の桜」悪くなく、放送が始まったばかりの「私の嫌いな探偵」でもかなり笑わせてくれている。
だから剛力彩芽が演技が下手だという事ではなく、そもそもショートヘアでボーイッシュな剛力彩芽に清玄をキャスティングした事自体が、やや無理があったんじゃないかと思う。

水嶋ヒロがかかわっているせいか、原作がこれだけの話題作なのにTV局系の制作者が付いてない。
そのため、時間も予算かなり厳しい中で制作したのかもしれない。
アクションシーンがすべて同じような倉庫や機械室という部分に、なんとなくその苦労が見え隠れもする。
しかし、続編を意識した作りになっているので、おそらく次回作も作る予定なのだろう。
その時はもうちょっとストーリーを作り込めば、もっと見応えのある作品になると思う。


18.黒執事



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by ksato1 | 2014-01-24 07:13 | 日記 | Comments(0)

「ウォーキングwithダイナソー」

「ウォーキングwithダイナソー」というタイトルだから、生息する場所を求めて長距離移動する恐竜たちのサバイバルの話かと思った。
だが実際には、パキリノサウルスのパッチの成長の話である。

正直、今年観た映画の中では群を抜いてレベルが低かった。
そもそもが子ども向けという以前に、脚本が日本人に合わない。
いわゆる「アメリカン・ジョーク」の連発なのだが、日本人には理解しずらいジョークのうえテンポがかなり早いので、聞いていて一つも笑えない。
私が観た回には子どもも多数いたが、ウンコネタ以外は子どももほとんど笑っていなかった。

兄弟の中でも体の小さいパッチが、偉大なる父のように群れのリーダーとなる話である。
群れが南へ移動する際に天敵のゴルゴサウルスに襲われ、父が倒されてしまう。
新しいリーダーに群れを追われるパッチだが、体の大きな兄が新しいリーダーを倒して群れに戻る。
しかし兄がリーダーとなった後、またしてもゴルゴサウルスの襲撃に遭い群れはピンチを迎える。
その窮地をパッチの機転により巧く切り抜け、彼が新しい群れのリーダーとなった。

子ども向けなのでストーリーも単純明快、それはそれでいいのだが、全体におふざけの部分が多すぎる。
「ウォーキングwithダイナソー」と言うタイトルだし、オープニングは現代の実写で恐竜の化石を探しに行く所からスタートするので、もっと正当に作られたアカデミックな臭いのする映画かと思っていた。
しかし全体の語り部となる始祖鳥のアレクソルニスのセリフが茶化し過ぎ、主人公のパッチのセリフもボケ過ぎ、どのセリフもダダ滑り状態だ。
デーブ・スペクターが脚本を考えたのではないかと疑うくらいのダダ滑りである。

ただし映像は美しい。
実写にCGを重ねているのだと思うが、恐竜の動きも滑らかで、どこまでが実写でどこまでがCGなのか見分けがつかない。
これだけ美しい映像を作るのだったら、脚本ももう少し真面目にして完成度を高めた方がよかったんじゃないかと思う。


17.ウォーキングwithダイナソー



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by ksato1 | 2014-01-23 07:18 | 映画 | Comments(0)

「エンダーのゲーム」

正直に言ってしまうと、かなりバランスの悪い映画だ。
映像は素晴らしいのだが、原作が少年向けなのか、意味がよくわからないストーリー構成になっている。

かなり遠い未来、地球は一度フォーミックという虫型エイリアンの襲撃を受けるがこれを撃退、さらなる攻撃を受けても対抗できるように、戦闘に適した子どもたちを集めて訓練していた。
その中でも抜群の成績を残したのがエンダーだ。
彼は訓練中のバトルスクールでもその能力を発揮し、すぐに上位クラスに編入される。
だが仲間を傷つけた事にショックを受け、エンダーは一度地球に戻ってしまった。
地球に戻った際、姉のバレンタインと会う。
エンダーの夢にはたびたびバレンタインが登場し、何かを暗示しているかのようであった。

やがて地球から戻ったエンダーは、バトルスクールではなくかつてのフォーミックの前線基地に連れて行かれる。
そこでバトルスクールの仲間たちと、フォーミックの母星を攻撃する訓練を始めた
訓練は過酷でほとんど睡眠時間もない。
そんな極限状態が続き、ついに最後のシミュレーション訓練の日がやってきた。

ストーリーは途中まで、原作にかなり忠実に進んでいるようである。
ただ、設定の説明がほとんどないため、よくわからない部分が多い。
エンダーは第三子で「サード」と呼ばれているが、なぜ「サード」が特別な子どもなのかわからない。
また、「エンダー」=「戦争を終わらせる者」という事らしいのだが、バトルスクールに入る前から「エンダー」と呼ばれている。
そもそも、なぜ子どもが訓練のために集められているのかもわからない。
エンダーが「特別な子ども」だから全軍の司令官になるという点はわかるが、彼と一緒に戦うのがバトルスクールの仲間である必然性がまったくない。
最後のシミュレーション訓練は何人もの軍の提督が見学にくるが、みんないい大人である。
と言う事は、軍にはそれ相応の年の大人もいるはずであり、その大人を差し置いて、エンダー以外の子どもが戦う理由がまるでない。
原作が少年向けという事で仕方ないのかもしれないが、映画になると戦闘のメンバーが全員少年という設定にかなり無理がある。

エンダーがやたら姉のバレンタインを想い続けるシスコンという部分も、正直ちょっと気持ち悪い。
エンダーの性格も、優しいのか攻撃的なのかわからずブレまくっている。

非常に美しいCGを多用しているのに、脚本がズブズブに甘いため、とても残念な作品になってしまった。


16.エンダーのゲーム



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by ksato1 | 2014-01-22 09:54 | 映画 | Comments(0)