<   2012年 01月 ( 31 )   > この月の画像一覧

西島秀俊が情熱にあふれた映画監督役と聞いたので観に行った。
でもたしかに映画に対する情熱は感じるけど、ハッキリいって大空回りの映画である。

監督はアミール・ナデリと言うイラン人で、ヨーロッパでは高い評価を得ているそうだが、なんでこの映画を日本人で撮ったのかもわからない。
共同脚本が青山真治という事もあるのだろうが、日本ではあり得ない設定なのでリアリティがまったくない。

秀二(西島秀俊)は自主制作映画を撮り続けているが、興行的な成功はない。
と言うか、劇場公開されたのかもわからない。
ハッキリ言ってアマチュアに限りなく近い監督だ。
その秀二に映画を撮らせたいがために、兄はヤクザな稼業に足を染めて借金を重ね、その結果金銭トラブルで殺されてしまう。
兄は1200万円もの借金を残したが、秀二には返すあてもない。
兄の親分筋にあたる人の弟分から、拳銃を口にくわえて引き金を弾いたらカネをやると言われ、実践するが弾は入っていなかった。
そこから秀二は、ヤクザに殴られてカネを稼ぐ事を思いつく。

もうとにかく設定が無茶苦茶だ。
1発殴られると5000円から始まり、最後は1発1万円まで行くが、それで1200万円もの借金を払おうとしている。
最後の最後はそれでも足りずに、100発殴っても立っていられるかどうかという賭けで帳尻を合わせるのだが、このご時世でそんな事にカネを払うチンピラがそんなにいるとは思えない。
何人で殴っているのかはわからないが、期間はわずか2週間だ。
その期間で1200万円のカネが動いているのだから、一人20万円払ったとしても600人の人が必要だ。

そして秀二が殴られても立ち続けるためのモチベーションが、映画に対する情熱。
「シネコンの映画はクソだ」とか叫びながら、ボコボコに殴られている。
「兄が死んだこのトイレでしか、オレは殴られる気にならない」というのもおかしな話だが、もうその程度は気にならないくらいとんでもない設定が続く。
最後に100発殴られる時、秀二が本当の映画と認めている100作品がカウントダウンのように表示される。
でも、「映画はかつて芸術であり娯楽であった」とエラそうなお題目を掲げている割には、その100作品がどこかで聞いたような100作品だったりする。

西島秀俊がやたら熱演している分、脚本や設定の無茶苦茶な部分が浮き彫りになってしまったような気もする。制作者たちがこの映画に満足しているならば、それでいいんじゃないですか、という作品。
私には判断不能だった。


15.CUT
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「チェイサー」のナ・ホンジン監督と主演の二人、キム・ユンソク、ハ・ジョンウが出演しているとなれば、やっぱり観に行く。
前作も強引な展開が多く、ハッキリ言って力技の作品だったが、今回も同様だった。

前作で猟奇殺人犯だったハ・ジョンウが、今回は主役のグナムを演じている。
グナムは中国の延辺に住む朝鮮族だ。
そこでタクシードライバーをしているが、生活は決して楽ではなく妻が韓国に出稼ぎに行っている。
しかしその妻からの連絡がなくなってしまった。
妻の渡航費用6万元という借金を背負って二進も三進も行かなくなった所に、雀荘で出会ったミョンから「韓国で人殺しをしてくれればカネをやる」と誘われる。
このミョンがキム・ユンソクで、前作から主役と悪役が入れ替わった形になっている。

グナムは幼い娘を母親に預け、ミョンの言う通りに韓国に潜入し、標的を監視して殺害実行の計画を練っていた。
しかしいざ実行しようとする直前に、別の犯人が標的を狙って殺害してしまった。
とまどうグナムは、とりあえず言われた通り標的の親指を証拠として切り取って逃げようとする。
しかし通報で駆け付けた警察に取り囲まれてしまう。
なんとか警察から逃れたグナムは、帰りの船に乗るべく指定された場所へ行くのだが、そこには何もなかった。
すでに韓国中に指名手配され、延辺のミョンとも連絡が取れなくなったグナムの逃亡劇が始まる。

物語のキモは、この殺人事件である。
なぜ、グナム以外に標的を狙う者がいたか、そしてグナムに殺人の指示を出したのは誰だったのか。
発想としては面白いのだが、ストーリー展開はちょっとぎこちない。
重要人物の多くが物語の途中から登場し、しかも説明が少ない。
もちろんその後で相関関係がわかるようになるのだが、冒頭部分でその相関関係がわかるような伏線が貼られていないため、人物が追加されるたびに「これって誰?」と言う疑問が出てしまい、ストーリーがスムーズに流れない。
事件の後で種明かしされても「えっ、そういう話だったの?」という唐突感が強かった。

ただ、作品のパワーは相変わらずだ。
カーアクションと暴力シーンは本当にスゴイ。
コリアン・ノワールの真髄を行っている。
韓国警察のあり得ない間抜けっぷりも前作同様だが、これがこの監督の持ち味なんだろうね。
そう思えばそれほど気にもならない。
グナムはともかく、ミョンはちょっとあり得ないくらい頑丈で「ターミネーターかよ」と突っ込みたくもなるが、それもこの監督ならではだろう。
妻の現在をサブエピソードに組み込み、逃亡するグナムの絶望につなげている部分も巧いと思う。

荒削りな部分は非常に多いが、まだ監督として2作品しか撮ってない事を考えると、この監督には今後も注目してみたい。

14.哀しき獣/黄海
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本年2回目のギンレイは、「モールス」と「ウィンターズ・ボーン」だった。

まずは「モールス」。
作品は「ぼくのエリ 200歳の少女」のリメイクで、「ぼくのエリ 200歳の少女」の方は予告編でビビって観ていなかった。
「モールス」は予告編を観ていなかったが、ギンレイで上映されると言う事はそれほどでもないかと思い観ることにした。

物語は、事故で運ばれてきた重症患者が病室の窓から飛び降りるところから始まる。
この重症患者は犯罪に関与していた可能性が高く、上半身を酸で焼いていた。
そこから話は2週間前にさかのぼる。
学校でいじめられている主人公のオーウェンの隣家に、ある日謎の父娘が越してきた。
アパートの中庭で時折会う少女アビーは、最初はオーウェンに「友達にはなれない」と言うのだが、次第に二人は仲良くなっていく。

内容はほぼ想像通りだが、カメラアングルなどの見せ方がなかなか新鮮だ。
例えば、事故で崖下に落ちる車を車内からの視点で表現している。
車外の景色が目まぐるしく変わり、どうなっとるんじゃと思った瞬間、画面には崖下に落ちた車が映し出される。
ヴァンパイアの設定も丁寧にストーリーに組み込んでおり、12歳と言う微妙な年頃の感情も細かく表現されている。
唯一ヴァンパイアの動きだけが、全体のテイストから見るとちょっと違和感があったかな。

原作のタイトルも「モールス」だったらしいが、ストーリーの中ではあまり機能していない。
映画化によって端折られたのか、そもそも原作通りなのかはわからないが、二人の交流の部分でもうちょっとモールス信号を入れて伏線にしてもよかったんじゃないかと思う。


続いて「ウィンターズ・ボーン」。
てっきり原題は「Winter's Born」だと思っていたら、「Winter's Bone」だった。

ミズーリ州の田舎町に住む17歳のリーは、幼い弟妹と心の病の母を抱えている。
父親はドラッグを作ってさばいているヤクザ者で、そもそも周辺に住む一族がそういう生業で生計を立てていた。
そんな事情もあり家に居つかない父の代わりに、リーは軍に入隊して生活費を得ようと考えていた。

しかしある日保安官がやってきて、係争中の父親の行方がつかめず、来週の裁判に出頭しないと保釈金の担保となっている家と森が没収されると告げた。
リーは家族のために、あらくれ者たちを相手に父親捜しを始める。

印象としては「フローズン・リバー」に近い。
家族を顧みないダメ親父の責任を、妻ではなく娘が背負うという図式だ。
ただ、「フローズン・リバー」は車もあってカネを作るあてもすぐになんとかなりそうであった分(もちろん違法ではあるが)、観ていて若干安心感があった。
しかし今回は、リーは未成年で車も持たず、最初は頼りの伯父も「この事件を探りまわるな、家でじっとしていろ」と協力してくれない。
八方ふさがりで解決の糸口がまるで見えないうえ、話の途中でリーはフルボッコにされてしまう。

この映画の見所は、そういうまったく光の見えない状況でも、リーは家族のためにくじけることなく頑張り、健気な弟と妹が彼女を信頼して待っていると言う、家族の絆の部分である。
そして最初から好意的だった隣人に加え、途中から見かねた伯父が協力者となってくれる。

リーを演じたジェニファー・ローレンスがとてもよかった。
弱い部分を決して見せず、終始家族を守る強い少女を演じ続けた。

個人的には割合好きな作品だ。


12.モールス
13.ウィンターズ・ボーン
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今、巷で話題の「ゲーセンで出会った不思議な子の話」。
2ちゃんにアップされた感動的な話と言う事で、形式は「電車男」にちょっと似ている。
ただ「電車男」が現在進行形でスレが進んだのに対し、この「ゲーセン」は過去に起きた話を少しずつ綴る形でスレが伸びて行った。
話の内容は、ゲーセンで偶然出会った年上の女の子が余命いくばくもない病気で、筆者(って言うのか?2ちゃんでも)の生まれ故郷に連れて行き、最後は「永遠の愛」を誓って彼女は永遠の眠りにつく、という話だ。
個人的には読んでいて「セカチュー」に近いかな、とも思った。

で、1月の半ばにこのスレが起ち上がってからは、ネットの中ではかなり話題になっていたようだ。
この話が実話なのか、創作なのか。
すでに「おまとめサイト」もいくつも制作されているので、ネットで検索すれば(「ググる」なんて安っぽい言葉は使わない)いくつも引っかかってくる。

まとめサイトなのでサイトによって若干構成が異なるが、以下のサイトは割合オリジナルに近そうだ。

・ゲーセンで出会った不思議な子の話【その1】
http://blog.livedoor.jp/apple_komati/archives/51733413.html

・ゲーセンで出会った不思議な子の話【その2】
http://blog.livedoor.jp/apple_komati/archives/51733431.html

・ゲーセンで出会った不思議な子の話【その3】
http://blog.livedoor.jp/apple_komati/archives/51733612.html

・ゲーセンで出会った不思議な子の話【その4】
http://blog.livedoor.jp/apple_komati/archives/51733617.html


有名人がこのスレについてなんて反応したのか、なんてまとめサイトもあるのだが、それを見ると北川悦吏子が「えと…これは。TBS東宝系の映画…なの?それとも、ガチなの?そっと教えて。ガチだったら失礼に聞こえたらすみません。」(原文ママ)とつぶやいている。


●2ch「ゲーセンで出会った不思議な子の話」への著名人の反応
http://matome.naver.jp/odai/2132693631739892801



ここ数日の様子では、どうやら創作話だったようだ。
まあそれはそれで、ある意味よかったな、とも思う。

ただ、これが実話なのか創作なのかは、私にはあまり興味がない。
ちょっと面白いなと思ったのは、この筆者がかなり文章センスを持ち合わせた人だな、と言う事。
もちろん、文章そのものが卓越した構成だ、という話ではない。
筆者が伝えたい内容を、スレを読んでいる多数の人に的確に伝えるセンスが素晴らしいと思う。

私は編集者やライターに取って一番必要な能力が、この「自分が思い描いている内容をできる限りそのまま読者に伝える」能力であると思っている。
文章の長さやレトリックを調節し、身近な比喩を用いてできる限り誰にでも理解しやすい内容にできる人が、能力のある編集者、ライターだと思っている。
自分の知識をひけらかすように難しい言葉ばかりを使っても、見る人に内容が伝わらないのでは、能力がないと評価されても仕方がないだろう。

この筆者が、作家を目指している人なのかどうかは、わからない。
創作であるならば、その可能性は高いだろう。
ただ、レトリックという点では稚拙な部分も多いので、作家の卵かもしれないが、少なくとも現在プロとして活躍している人ではないのではないか。
でも才能はあると思う。
1回の書き込みの量など、計算されているのかどうかわからないが、ハッキリ言ってとても見やすい分量だ。
そしてもしこれが実話で、筆者は素人で気持ちのままに書き込みをしているだけだったとしたら、文章の才能の塊りではないかとも思う。
実際このスレを読んでいる人たちは、みるみる話に引き込まれている。

そしてもう一つ思ったのは、2ちゃんってこういう使われ方をすると面白いんだな、という事。

2ちゃんがいつできたのかはよく知らないが、たしか東芝のクレーマー事件の頃から盛り上がったような気がする。
酒鬼薔薇事件の頃から、あめぞーや阿修羅板など第一世代のアングラ掲示板が流行り出したが、ネットが普及してそれらの掲示板が取り締まりだので次々閉鎖されたため、2ちゃんが一気に人気になったように記憶している。
その頃は私も、専用ブラウザを使って2ちゃんをよく見ていた。
当時は絶対に関係者じゃなきゃ知らない情報なんかも結構書き込みされていて参考になったのだが、いつの頃からかガセ情報も多くなり、かつ情報の内容の真偽で醜いののしり合いも増えたりしたので、もうずーっとアクセスしていなかった。
そもそも「厨房」とか「くれくれ」と言う言葉も、こういうアングラ掲示板の使い方を知らない人たちが「教えて、教えて」と情報をしつこくせがむようになり、そして聞きかじりの情報だけで自分もその世界の仲間入りしたかのように勘違いしたりする事から、発生した言葉だ。
もちろん、実際にそういう中学生が多かったという事ではなく、やっている事が中学生レベルという意味で。

さらに、つまらない「揚げ足取り」の文化も流行るようになった。
お笑いの影響もあるのかもしれないが、人の小さなミスを面白おかしく揚げ足取りして喜ぶと言う、下衆な文化が浸透してしまった。
ニコ動なんかでも、ミュージシャンの真面目なPVにツッコミの字幕を入れていたりするが、何が面白いんだろうと思う。
もちろん、笑える動画にツッコミ入れるんだったら全然OKだと思うけどね。

話はそれてしまったが、2ちゃんも創設当初と随分カラーが変わってきており、おそらく自分はもうアクセスする事はないだろうなと思っていた。
こういうアングラサイトは犯罪ギリギリのラインが面白いのに、最近ではドラッグ販売など完全に犯罪の温床にもなっているようだしね。

でも、今回のような使われ方をするのは、ちょっと面白いと思う。
なぜなら、この「ゲーセンで出会った不思議な子の話」も、一緒にスレを読んでいる人がいい感じで合の手を入れているからだ。
話の本筋の面白さだけではなく、このその他の書き込みが入る事によって、ある意味「作品」になったようにも思う。

まとめサイトではあまり意味のない書き込みは取捨選択されているので、さらにこの聴衆からの書き込みがいい感じでアクセントとなっている。
中でも私が気に入っているのは、最初のスレの245と246の書き込みだ。


245:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 18:11:27.85 ID:xVZv7HQd0

自分が無駄にした1日は
他の人にとっては大事な1日でも
あるんだよな

246:名も無き被検体774号+:2012/01/15(日) 18:13:14.71 ID:3npXYNxz0

>>245
そうだよね…
そういう言葉を聴くとちゃんとしなくちゃなって思う


この二つの書き込みは、心に沁みた。
今でこそ50歳が見えてきてこの言葉の意味がわかるようになったが、なかなか20歳前後でこういう書き込みはできない。
少なくとも自分が20歳の頃には、こんな考えは持てなかった。
そう考えると、2ちゃんも使われ方次第ではそれほど悪くないじゃん、とも思う。

まあ、物事って万事がそうなんだろうね。
どんな事物でも、使い方しだいによって良い物になったり悪い物になったりするんだろう。

話を戻すが、この「ゲーセンで出会った不思議な子の話」は、たぶんいつかどこかで誰かが映像化するだろう。
「実話だと思ってだまされたー!」って怒っている人もいるので、直近は無理かもしれないけど。
でも、もし直近で映像化されるなら、吹石役はAKBの高みなあたりがいいんじゃないかな。
一生懸命具合が、ちょうど合っているように思う。


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毎朝読んでいるサンスポの競馬欄に、ドクターコパが風水のコラム連載を持っている。
基本は運気を高める風水の話なのだが、ドクターコパはJRAで何頭か馬も持っているので、なかなか面白い連載となっている。

さて、今朝このコラムで紹介されていたのが、来週の節分の話。
まだまだこのクソ寒さは続くらしいが、暦の上では来週の金曜日が節分で、土曜日は立春だ。
立春の土曜日からは、新しいものを使い始めると縁起がいいらしい。
学問ならペンとかノート、金運なら財布を新調するとか。

で、さらに今年の節分は、初午にも当たるらしい。
初午って言葉は聞いた事があるけど、どんな行事かと思ったら、全国の稲荷社の本社である京都の伏見稲荷神社に初めて神様が降りた日で、五穀豊穣を祈る農業の祭事との事。
ただ、そもそもが稲荷神社なので、今年の節分は恵方巻にプラスしておいなりさんも食べるのがいいらしい。

そうか、今年の節分は助六セットか。
ちょっと寒そうだけど悪くないかもね。

ちなみに先週の連載では、先週土曜日が大寒だったので、この日に汲んだ水やこの日に生まれた玉子を食べると運気が上がるそうだ。
たぶん土曜日に生まれた玉子は今週あたり出回っていると思うけど、今週はあまり玉子食べなかったな・・・。
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10月の頭に一挙再放送される事がネットでニュースになっており、そんなに話題の作品ならばちょっと見てみるかと録画しておいた。
正直あんまり期待してなかったし、最初の数話を見た段階では「なんだかなぁ~」という感じで、忙しいし見ないで消しちゃおうかとさえ思った。
しかし途中から俄然面白くなり、残りは一気に見終わってしまった。

ある日引きこもりの高校生仁太のところに、女の子の幽霊が現れる。
幼馴染のめんま(芽衣子)だ。
小学生のころ、仁太、芽衣子、鳴子、集、知利子、鉄道の6人は仲良しで、山に秘密基地を作り「超平和バスターズ」と名乗っていた。
しかし事故で芽衣子が死んでしまう。
その後、仁太は母親も死んだ事もあり高校受験に失敗、滑り止めの高校に進むがなじむ事ができずに引きこもりに。
鳴子も同じ高校に通い、集と知利子は地元の進学校に進み、それぞれ学年2位と4位のエリートとなる。
鉄道は高校に進学せず、バイトでお金を溜めては海外をバックパックで旅していた。

芽衣子の姿は仁太以外には見えず、声も聞こえない。
なので仁太は芽衣子の姿は自分の妄想だと思いこもうとする。
しかしいろいろな偶然も重なり、5人は昔遊んだ秘密基地に集まる事になる。

最初はこの6人の距離感がまったくわからない。
しかも鳴子は、安城鳴子(あんじょうなるこ)という名前から「あなる」というあだ名を付けられていたりする。
芽衣子が仁太にやたらまとわりついて甘えるのも、四捨五入すると50歳と言うヒゲ面のオッサンには「今風のアニメ」過ぎて、少々ゲンナリしてしまった。

だが集の女装あたりから物語は一気に展開し、面白くなる。
芽衣子を除く5人のそれぞれの思いが少しずつ明らかになる、と言うか、本人たちが封印していた気持ちを自覚し始めるのだ。
そしてそのすべてにきちんと伏線が張られており、それぞれの感情の押さえ方、ぶつけ方もリアルだ。
恋とも言えぬ子ども時代の儚い思いと、自分の感情を上手くコントロールできない高校時代。
ある意味、主人公たちは子ども時代を引きずり過ぎており「イマドキこんなピュアなヤツらいねーよ」とも見えるかもしれない。
しかし芽衣子が事故死した日から、5人全員がいろいろな形で自分の感情を閉じ込めてしまい、そのまま成長できずにいる。
その部分がしっかり描かれているので、とても説得力がある。
そして、子どもの頃の嫉妬、憧れなどをそのまま抱えてしまっている愛憎の描き方も巧い。

さらに途中から、少しだが残された芽衣子の家族の苦悩にも触れられる。
重苦しくならないようにギリギリのラインでかつ舌足らずでもない絶妙のバランスなので、家族の苦悩が5人に与える影響もうまく描かれている。
細部にわたりプロットが作り込まれているので、見ていると次々「これも伏線だったのか!」と思わされてしまう。

そして背景の描き込みだ。
エヴァが箱根の街並み(と言っても近未来で新東京市だが)を描き込んで共感を得たように、この作品も秩父の街をしっかり描き込んでいる。
正直、キャラデザインは今風なのでちょっとヒゲ面のオッサンには馴染めない部分もあったのだが、背景は見ていてとても心が和まされた。

エンディングの「secret base ~君がくれたもの~」も良かった。
ひょっとしたら構成を練る上で、この歌も意識されたのかもしれないね。
それくらいハマっていた。

いずれにしろ、何から何まで丁寧に作られた作品だ。
放送終了後にイベントも行われたそうだが、アツいファンが増えてもおかしくない出来である。
アニメなので好き嫌いはあるだろうが、おそらくこの後もファンは増える続けるだろうし、高い評価を受けて当然の作品だと思う。
まあアニメだし、わざわざDVD借りて見るほどではないかもしれないけど。
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年末年始に放送された作品2本を見る。

まずは年末に放送された「インディ・ジョーンズ-最後の聖戦-」。
これも前2作品と同じブルーレイに落とすために録画して見た。
この作品も、何年ぶりに見たかわからないが、結構細かいところを忘れていた。
「インディ・ジョーンズ-クリスタル・スカルの王国-」を観た時に、「インディとヘンリーは、『最後の聖戦』で聖杯から水を飲んで不死になったはずなのに、なんでヘンリーが死んでるんだ?」と思ったが、今回よく見たら十字軍の三兄弟が「聖水の効力はこの中でしか効かない。不死でいたければここに残るしかない」みたいな事を言っていた。
だからヘンリーの傷は治ったけど、外に出ちゃったから不死ではなくなっていたんだね。


続いて正月に放送された「音符と昆布」。
エピックレコードが展開しているプロジェクト「CineMusica」の第4弾との事だ。
最近では昨夏に公開された、桐谷美玲の「乱反射/スノーフレーク」なんかもこのプロジェクトによる制作だそうだ。
「音符と昆布」の監督は井上春生だが、元々このプロジェクトはこの人とエピックレコードが始めたもので、最初の1~4作品はこの井上春生が監督をしていたが、その後の作品は監督が変わっている。

さて「音符と昆布」のストーリーだが、作曲家(宇崎竜童)の父と暮らすもも(市川由衣)は、嗅覚がマヒしているにも関わらずフードコーディネイターをしている。
住んでいるのはどうも以前アパートだった建物を1棟借りきっているようで、そこの1室にももの恋人も同居中だ。
ある日父が海外に出かけている時に、謎の女性が押し掛けてくる。
実の姉のかりん(池脇千鶴)である。
かりんはアスペルガー症候群で、ももが物心つかない時分に母親と一緒に家を出ていた。
そして久しぶり、というか初めてに見る姉は、ももにとっては火星人のようだった。
破天荒な行為をするかりんにももはいら立ちを隠せない。
だがそんなかりんの行為から、ももは自分達家族の過去の秘密を知ることとなる。

上映時間は75分と、かなり短かめだ。
要点を端的にまとめているが、脚本が悪い意味で淡泊過ぎて、予算も少なかったのか映像に奥行きがない。
ただ、役者の演技はいい。

特に池脇千鶴のアスペルガー症候群の演技は素晴らしい。
本当のアスペルガー症候群の症状を知るわけではないが、人とコミュニケーションが取れない事へのいら立ちや努力という部分が、スクリーンからビンビンに伝わってくる。
またそんな池脇の演技に対し、少しずつ考え方を変える市川由衣の演技もまた素晴らしい。
嗅覚がないと言う事で、ある意味達観していて本来はとても落ち着いた人物なのだが、それをかりんのために乱されてしまう。
そこからの心情の変化を、押し殺した演技で表現している。

役者を揃えるのに予算を使い切ってしまった感もあるが、実験的作品と考えれば悪くない作品だ。
独立UHF局5局が制作に連なっているのも面白い。

この「CineMusica」シリーズは「乱反射/スノーフレーク」まで9作品発表されているらしいが、他の作品もちょっと見てみたくなった。


10.インディ・ジョーンズ-最後の聖戦-(再)
11.音符と昆布
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なかなか興味深いニュースが二つ並んだ。

【アンナミラーズが1店舗のみに 横浜ランドマークプラザ店が閉店】
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20120124/Itmedia_nl_20120124018.html


アンミラと言えば、やっぱりあの極端に胸を強調して極端にスカート丈を短くした制服だ。
学生時代から噂には聞いていたが、実際にアンミラに行ったのはひとつ前の会社の時で、すでに結婚どころか長男も生まれていた。
仕事でMSの本社に行く時、同行していた同僚に誘われてオペラシティのアンミラに行ったのだが、その時に例の制服を見て軽い衝撃を受けた。
アルバイトの女の子たちは、この制服に抵抗感はないのか?
そしたら同僚にも帰宅した後のカミサンにも「あの制服を着たいから、アンミラでバイトをするんでしょ」と言われた。

ガーン、そんなものですか。

まあ、胸の大きさや足のラインが自慢のナイスバディな女の子なら、そうなのかもしれない。

が、しかし、そのアンミラも残り1店との事。
てっきりフーターズに客も店員も全部持って行かれたのかと思ったが、丸っきりそれだけが原因ではなさそうだ。

それがこのニュース。

【800円で夢の3分間 アイドルがカップ麺にお湯を注いでくれる「NOODOL CAFE」に潜入してみた】
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20120123/Itmedia_nl_20120123090.html


すごいねー、カップ麺が一つ800円だって。
ディスカウントストアで買えば、1/10近くの値段で買えるよ。
もちろん、アイドルと3分間触れあえると言う付加価値が800円なんだろうけど、これこそがアンミラに変わるサービスなんだろうね。

まあ、アンミラの制服がサービスと言っていいかどうかわからないけど、ファミレスにしてはちょっと価格が高めのアンミラを選択する場合、やっぱり女の子の制服という付加価値部分に対価を払っていた人もいたはずだ。
しかしその付加価値も、ナイスバディを見て楽しむよりも実際に触れあえる方にシフトしたわけだ、今の時代は。

アキバのメイドカフェの誕生で、制服のステイタスはファミレスやファーストフードのチェーン店から解放され、さらにそのメイドカフェの店員にアイドル的存在が生まれた。
その延長線上に「会いに行けるアイドルAKB48」がいて、さらにその延長線上にNOODOL CAFEがあるのだろう。
そう考えるとアンミラ→NOODOL CAFEは、時代の変遷を表す象徴なのかもしれない。

以前、今の同僚から盛んにメイドカフェに行こうと誘われた事がある。
たまたま機会がなかったのでまだ行った事はないが、アキバあたりのメイドカフェは価格がメチャ高い訳ではないようなので、いつかは行ってみたいと思う。
でもNOODOL CAFEは、ちょっとなぁ・・・。
興味はあるけど、カップ麺に800円は出したくないよなぁ。
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昨日の日記に続いて今日もロボット物だが、この作品も痛快だった。

矢口史靖(「やぐちしのぶ」と読む事を今回初めて知った、ずっと「やぐちふみやす」だと思ってた・・・)作品で言えば、「ウォーターボーイズ」と「スウィングガールズ」で大爆笑し、「ハッピーフライト」でちょっとガッカリしたが、今回は思い切り笑わせてくれる。

ストーリーのメインは、ロボット製作が間に合わずに急遽中に爺さんに入ってもらったら、その動きがマスコミで話題となって、本当の事を言いだす機会を逸して話がどんどん大きくなる、という物。
基本はいつバレるかのハラハラ感なのだが、この部分に無理がない。
と言うか、「どう考えてもバレるでしょ、フツー」と言うエピソードを全部笑いのオチに使っているので、ある意味「もう、なんでもアリ」状態なのだが、脚本がよく練り込まれているため話の流れがスムーズだ。

五十嵐信次郎名義のミッキー・カーチスがロボットの中に入る鈴木さんを演じているのだが、まずこの鈴木さんの偏屈ジジイっぷりが最高にハマっている。
最後までこの鈴木さんのキャラにまったくブレがないのが、この映画の成功の要因の一つでもある。
後から冷静に考えるとこんな爺さんが金属の着ぐるみ着てまともに動ける訳ないとも思うが、最初の登場が小うるさく、変に元気で暇を持て余している爺さんなので、ロボット着て軽快に動いても違和感をまったく感じなかった。
また、木村電器の3人組の言う事を全く聞かず、好き勝手に行動すると言う部分でも頷けてしまう。

木村電器の3人組で言えば、キーパーソンはやっぱり濱田岳だ。
濱田岳が爺さんを制止しまくる役なのかと思ったら、そうではなく制止役はチャンカワイだった。
ここがこの監督の巧いところだ。
芸達者な濱田岳が全体のバランスをコントロールして、爺さんにキレて突っ込むのはすべてチャンカワイが担当している。
チャンカワイは演技は初めてのようだが、元々芸人という事もあってか、キレキャラとしてはかなりいい演技をしていた。
そしてそのチャンカワイのキレキャラを際立たせているのも、濱田岳の絶妙なボケと突っ込みのバランスである。

クライマックスは「ニュー潮風の中には人が入っている!」疑惑をどう乗り切るか、だが、これについても巧く伏線を張っている。
途中、爺さんの娘家族に対する思いが表現されている部分も良かったしね。

学生に専門的な質問をされて3人組が困るシーンがあるのだが、ロボットの専門知識がないのでその部分の表現の仕方が良かったのか悪かったかについては、ちょっと判断できない。
ただ、それ以外は完璧な完成度だ。

予告編を見てかなり期待して観に行ったが、期待以上の満足度だった。
老若男女誰にでもおススメの映画、落ち込んだ時にはぜひ観てもらいたい。


9.ロボジー


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●放射能ヒステリックビジネス

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ロボット版「ロッキー」と言うか「チャンプ」と言うか、とにかく面白い映画だった。

舞台は2014年、人間による格闘技は廃れており、人々はロボットによる格闘ショウに夢中になっていた。
若い頃は自らボクシングのチャンピオンだったチャーリーも、今ではロボットを操作して戦わせている。
しかしこれがなかなか上手く行かず、次々とロボットを壊してしまい金策に追われる毎日だ。

そんな時、離婚した元妻が死んだと裁判所から連絡を受ける。
もう10年も会っていない一人息子マックスの親権について確認を受けるが、チャーリーは元妻の妹夫妻にマックスの親権を売り飛ばしてしまう。
ただし妹夫妻がマックスを迎えに来るのは夏休み明けだ。
それまで、チャーリーはマックスの面倒を見る事になった。

二人は最初はお互いを受け入れずに牽制しており、廃棄場で偶然ATOMを見つけた時も、チャーリーが一切手伝わなかったためマックスが朝までかけて一人で掘り出す。
メカに強いマックスはATOMが強いロボットだと信じているが、チャーリーはそんな旧型、しかもスパーリング用ロボットで勝負になるかと鼻からバカにしている。
場末の闘技場でも、最初はマックスは意地を張って一人で戦うのだが、チャーリーの助言により見事勝利を収める。
チャーリーもATOMが意外と動ける事を知り、ちょっと興味を覚える。
そこから親子で、ATOMを強いロボットにする共同作業が始まる。

簡単に言えば親子の再生ストーリーだが、プロットが細部までしっかりしており脚本もよく練られている。
まずマックスの年齢とキャラ設定。
11歳で日本流の「中2病」にはやや年は足らないが、そこそこ知識もあるので大人相手に小生意気な理論展開をする。
一方チャーリーは、元ボクシングのチャンプだけあって格闘に関する知識と感覚は鋭いが、理論的な事はからっきしダメ。
そんな二人がタッグを組むことによって、お互いを補いあう事になる。
ATOMには認識した動きを学習する機能が付いていて、ボクシングの動きをチャーリーが教える。
そしてコントローラで操作するより早く、音声認識でパンチが出るようにマックスがプログラムする。

ローカルで連勝を重ね、チャンピオンにチャレンジするのは「ロッキー」そのままだ。
起承転結がはっきりしているのでとてもわかりやすいストーリーではあるんだけど、見終わった後は何やら爽快感がある。
ロボット同士の戦いだから、派手なバトルだけどグロいシーンもないしね。
カミサンと観に行ったんだけど、家族で観に行っても良かったかもしれない。

8.リアル・スティール
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