2017年 11月 15日 ( 1 )

予告編を観た限りでは、幻の料理人が残したレシピの料理を再現する過程において、そのレシピが作られた意味が分かる、という内容かと思っていたが、少し異なっていた。

施設で育った佐々木充(二宮和也)は、一度食べた物の味を忘れないという絶対味覚「麒麟の舌」の持ち主で、料理人としても最高の腕を持っていた。
最高の料理を提供する充の店はすぐに評判になったが、料理に傾倒するあまり他の料理人はおろか客すらも置き去りにしてしまい、店は潰れてしまった。
その後は、依頼人に対して高額で「最期に食べたい料理」を提供するフリーの料理人となっていた。
充と一緒に施設で育ち、一時は一緒に店を切り盛りしていた柳澤健(綾野剛)は、そんな充の状況を案じていたが、世話になった施設のオーナーが亡くなった時も、充は健からの連絡にまともに受け答えをしなかった。

ある日充は、北京からの依頼を受ける。
楊晴明という老人から、かつて自分が作った幻のレシピを再現してほしいと言われる。
なぜ自分が作ったレシピを再現しろ言うのか。
とりあえず充は帰国して、楊と一緒にレシピを作った山形直太朗という人物を調べ始める。
すると、彼と一緒に満州に渡った、助手の鎌田という人物に行き当たった。
鎌田に会いに行くと、当時の事を語ってくれた。

1933年、山形直太朗(西島秀俊)は、妻の千鶴(宮崎あおい)、助手の鎌田と3人で満州を訪れていた。
彼のミッションは、満州に天皇陛下が訪れた時に出す、最高の料理のレシピを作ることであった。
現地の料理人であった楊も加わり、4人は究極のレシピ作りを始める。
だがその途中で、娘を出産した千鶴はこの世を去ってしまった。

千鶴の死で、3人は決意をさらに強くしてレシピを作り上げる。
そのレシピは山形の上司であった関東軍の三宅少佐(竹野内豊)を喜ばせた。
しかしレシピは現存していない、なぜか。
鎌田はここから先は、ハルピンのホテルのオーナーに聞くように、と告げた。
充はハルピンに飛び、ホテルのオーナーと会うことにする。

ホテルのオーナーは、彼の父である先代が山形直太郎と親しかったと言う。
彼自身も直太郎の娘の幸とよく遊んだそうだ。
そして満州事変が起きる直前、直太郎が先代オーナーにレシピを託したが、今はここにレシピはないと言った。
レシピはどこに行ったのか。
充は話自体に違和感を感じ、再度楊晴明に会いに行く。

冒頭でも書いたが、究極のレシピに残された料理を再現するうえで謎が残り、その謎を解明する話かと思った。
しかし実際にはレシピ自体が行方不明で、その謎を追うストーリーとなっている。
そしてストーリー構成が、なかなか巧く組み立てられている。
前半の充の現状が一気にセリフで説明されるなど、脚本は今一つな部分もある。
しかし、細かい布石が貼られていて、後半それが機能している。
直太郎の娘の幸のエピソードについてはやや物足りなく感じ、もう少し掘り下げて描くべきだったんじゃないかとも思う。
だが上映時間を考えて、ギリギリまでカットしたのかもしれない。

ストーリー全体がご都合主義という見方もできなくはないが、個人的にはまずまず満足した作品だった。


127.ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~



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