2017年 11月 03日 ( 1 )

フジテレビ制作だが、他局にもガッキーが番宣出まくりでゴリゴリに押していた作品だ。
これだけゴリ押しだと逆に中味が薄いのではないかと思ったが、きっちり笑って泣かせる作品に仕上がっていた。

富田多満子(新垣結衣)は母親のスパルタ教育の元、幼少時は天才卓球少女と呼ばれるほどの腕前を誇っていた。
しかし母親があまりにも厳しすぎたため、本心は卓球をやめたくて仕方なく思い続け、中学時に母親が他界したことをきっかけに、卓球から離れて普通の生活を送ろうとしていた。
卓球を忘れて普通に就職し、やがて30歳になろうとしていたのだが、そこに多満子の王子様江島(瀬戸康史)が現れる。
多満子が所属する会社が卓球に力を入れ、全日本クラスの江島と契約したのだ。
多満子は自分が卓球経験者であることを隠していたが、ひょんなことから江島と交際を始めることになる。
だが翌年、女子選手として小笠原(永野芽郁)が入社すると、あっという間に小笠原に江島を取られてしまった。
目の前で抱き合う二人を見てショックを受けた多満子は、そのまま会社を辞めて実家に戻るのであった。

多満子の父親は実家でタクシー運転手をしていたが、それと並行して、かつて多満子の母親が運営していた卓球クラブもそのまま残されていた。
実家に戻っても何もすることがなかった多満子だが、道で偶然出会ったかつてのクラブ仲間の弥生(広末涼子)に誘われ、卓球クラブでコーチをすることになった。
現在の卓球クラブのメンバーは、登校拒否の高校生佐々木(佐野勇斗)、プチトマト農家の落合(遠藤憲一)とその妻(田中美佐子)、そして最近参加し始めた工事現場労働者の萩原(瑛太)だった。
卓球クラブは社交場のようにユルい雰囲気で、15年のブランクがあったとはいえ多満子が一番の実力者である。

ある朝多満子がテレビを見ていると、そこには江島と小笠原が映っていた。
二人に激しい嫉妬心を燃やした多満子は、全日本選手権にミックス(男女混合ダブルス)でエントリーをし、二人を打ち負かそうと考える。
多満子はかつての卓球仲間に声を掛けてペアを組もうとするが、相手が怪我をしたため萩原とペアを組むことになった。
だが多満子と弥生以外はまったくの素人のため、神奈川予選で全員惨敗してしまう。
全員気落ちしてやる気をなくすが、卓球の練習の後に通っていた中華料理店の店主夫婦が、かつて中国の強化選手であったことを知り、二人にコーチを頼む。
コーチのスパルタ練習でメキメキと実力を上げるクラブのメンバーたち。
特に萩原は、かつてプロボクサーだったこともあり、運動神経もよく多満子といいペアになっていた。

だが萩原には秘密があった。
萩原が卓球を始めたきっかけは、前妻の連れ子だった娘が中学で卓球を始めたからだと聞いたからだった。
酔っぱらって帰宅し、妻が浮気していたと勘違いした萩原は、その相手を殴ったことで離婚していたのだ。
だが、血のつながりのない娘が、萩原にとてもなついていた。
そして2回目の全日本選手権の予選が翌週に迫ったとき、萩原の前妻が娘と現れる。
萩原を許して、取引先に就職させたいと言ってきたのだ。
面接の日は、ちょうど予選の日であった。

ストーリーは非常にわかりやすい。
ただ脚本の構成、監督の演出、役者の演技により、わかっていても笑って泣けてしまった。
前半にいくつもの伏線が貼られていて、それが後半できっちり機能している。
かつて卓球の天才少女と言われた多満子と卓球選手江島が付き合うというのも、あまりにも偶然すぎると思ったが、そこにも軽い伏線が貼られていた。
ラストの選手権の予選でも落合夫婦が軽く泣かせてくれるのだが、そこにもちゃんと伏線が貼られている。
建設現場の主任だったトレンディエンジェル斎藤が、首からカメラをぶら下げているなど、非常に細かい部分まで気を配られている作品だ。

監督石川淳一、脚本古沢良太は「エイプリルフールズ」のコンビで、さらにTVドラマの「リーガル・ハイ」もこのコンビだった。
私は「リーガル・ハイ」は見ていないが評判も良く、鉄板コンビと言っていいかもしれない。

そもそも、出演者が豪華だ。
拗ねるシーンが多い新垣結衣ももちろんいいが、自分の過去と向き合う瑛太の屈託も良かった。
広末涼子は、多満子を気遣うときの弥生の表情の素晴らしさだけでなく、卓球クラブと教授夫人のメリハリをきっちり演じ分けていて、改めて力量を感じさせた。
蒼井優の中華料理店の店員は、もはや反則と言っていいかもしれない。
その他の脇役陣ももちろん素晴らしく、多満子の父親役の小日向文世に至っては、出番が少なすぎてもったいない気がした。

フジテレビがこれだけゴリゴリに押していると、それだけで難癖をつけたくなるへそ曲がりも多いだろう。
しかし個人的に「努力、友情、勝利」の少年ジャンプ系スポ根ストーリーが好きだという事もあるが、細かい部分のこだわりにも共感でき、非常に満足した作品であった。


122.ミックス。


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