2017年 09月 16日 ( 1 )

是枝裕和監督作品で、フジテレビがこの秋ゴリゴリに押している作品だ。
役者も豪華なので期待をして観に行ったのだが、ちょっと想像とは違う作品に仕上がっていた。

重盛(福山雅治)は弁護士だが、仕事には非常にクールな姿勢を見せており、大切なのは真実ではなく依頼者の利益であり、弁護人を理解する事なども不要だと公言していた。
司法同期生の摂津(吉田鋼太郎)から持ち込まれた殺人事件の容疑者にも、同様に接するつもりであった。
しかしこの容疑者三隅(役所広司)は、重盛のこれまでの概念を超越した容疑者だった。
殺人容疑自体は本人も認めていた。
しかし、過去にも殺人事件を起こしている事でもう観念しているのかもしれないが、自分が助かりたいと言う意欲がまったく感じられない。
記憶が定かではなく、接見のたびに供述もころころと変わった。
重盛は接見を重ねた後、カネ目的の強盗殺人ではなく怨恨による殺人の後、思い立って財布を盗んだ、殺人プラス窃盗という枠組みで減刑しようと考えた。

しかし三隅はある日突然、週刊誌の記者に被害者の妻の美津江(斉藤由貴)から殺人を依頼された、その報酬として50万円を受け取ったと告げてしまう。
重盛たちが慌てて接見すると、三隅は証拠のメールも残っていると言う。
すでに検察が三隅の単独犯として公判を始めているため、美津江の共謀で再捜査となる可能性は低いが、重盛たちは三隅の証言通り美津江の共謀のための資料を集め始める。
だが美津江は当然その証言を否定、報酬として振り込んだ50万円は別の仕事の依頼で、メールは夫が美津江の携帯から勝手に送信したものだと証言した。

この間、重盛が三隅の身辺を再度調査したところ、被害者の娘の咲江(広瀬すず)が三隅の部屋を頻繁に訪れていた事を付きとめる。
重盛がその事を咲江に確かめると、咲江は自分のために三隅が殺人を犯したと言い始める。

ここまでの展開を見た段階では、主役が福山雅治と言う事もあり「ガリレオ」と一緒かよ、と思ってしまった。
少女の罪を被る容疑者と言う展開は、映画版「ガリレオ」の2作品に共通する結末である。

だがこの映画はそれほど単純な構成ではなかった。
映画のテーマは「誰が犯人であったかを突き止める」と言うミステリーではないのだ。
テーマはあくまでも、「供述を変える容疑者に翻弄される弁護士」なのである。
少々ネタバレになってしまうが、その部分を押さえておかないと、ラストシーンで非常にモヤモヤした感じに捕らわれてしまう。
さらにネタバレになってしまうかもしれないが、やや難解な終わり方になっているものの、私は素直に受け止めていいのではないかと思う。

ただこの構成であれば、どうしても賛否両論評価は別れるだろう。
時間が経つごとに「賛」の評価が多くなるとは思うが、公開直後は「否」の評価が多くなっても仕方ないかもしれない。


105.三度目の殺人


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