2017年 09月 05日 ( 1 )

これまでの原田眞人作品は個人的にはそれほど面白いとは思えなかったが、この作品は原作が司馬遼太郎と言う事もあってかかなり面白かった。
上映時間は相変わらず2時間半と長いが、テンポがよいため飽きる事もなかった。

老齢の秀吉(滝藤賢一)に世継ぎができたため、時の関白秀次は嫌疑を掛けられ自害させられた。
秀吉はその後の遺恨を残さぬよう、秀次の妻子も打ち首の刑にしろと命ずる。
石田三成(岡田准一)は幼い駒姫の助命を嘆願するものの聞き入れられず、やむなく三条河原の処刑に参列した。
処刑が始まる直前、駒姫と一緒に引き立てられた侍女が短刀を奪って暴れ始める。
侍女は取り押さえられるものの、三成の命で命を助けられた。
侍女は元々伊賀のくのいちで名を初芽(有村架純)と言い、その後は三成に仕える事となった。

処刑の現場で一部始終を見ていた観衆の中に、三成は島左近(平岳大)を見つける。
浪人であった左近は三成に三顧の礼で迎え入れられ、その後も三成の右腕として活躍した。

やがて秀吉が没し、家康(役所広司)が七将などを利用して勢力拡大しようと画策する。
さらに前田利家(西岡徳馬)が没すると、その行為はあからさまになってきた。
その後も三成と家康がさまざまな駆け引きを行うが、秀吉の死後2年後に関ヶ原を迎える事になる。

日本人なら誰もが知っている関ヶ原をモチーフにした作品である。
だが大河ドラマなどでも、秀吉の死後から関ヶ原までは、かなり端折られる事が多い。
フィーチャリングされるのは、七将による石田三成襲撃事件、小山評定で届いた山内一豊の妻からの手紙(功名が辻)、細川ガラシャのエピソードくらいだろう。

だがこの作品では、この2年間にスポットを当て各武将の細かい心情を見事に描いている。
もちろんどこまで史実に近いかはわからないが、三成と対立する武断派の七将、間に挟まり苦悩する小早川秀秋、風見鶏を決め込む島津の一族など、これが真実ではないかと思わせるほどの説得力だ。
特に大谷吉継(大場泰正)の描き方が素晴らしかった。
個人的には、島左近とともに大谷吉継の活躍がなければ三成の出世はなかったと思っている。
しかしながら、病であまり表にでなかったせいなのか、大谷吉継にスポットがあてられる事はあまりない。
この作品では、病を押して出兵する大谷吉継の豊臣家と三成への忠誠心が、ひしひしと伝わってくる。
ワンシーンしか出番のない直江兼続に松山ケンイチを配するなど、キャスティングもずばりハマっている感がある。

また、三成と初芽の恋愛のエピソードを入れた点も秀逸だ。
緊迫感ある内容において、この二人のエピソードがうまくメリハリとなっている。

唯一の難点は、戦国時代の歴史の下地がないと、ややわかりにくと言う部分か。
歴史ファンから見れば常識ではあるのだが、最低限、大納言=前田利家、大府=徳川家康、治部=石田三成、刑部=大谷吉継、と言う呼び名くらいは理解していなければならない。

予告編を見た時には、カネと豪華な俳優陣を使ったありきたりの戦国絵巻か、と思ったがさにあらず。
これまでの関ヶ原とは違う視点の作品であり、非常に興味深かった。



102.関ヶ原


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