2014年 12月 31日 ( 1 )

年の最後はHDDの在庫整理で「インファナル・アフェア」3部作である。

言わずと知れた、香港ノワールの傑作だ。
ただ、1作目の「インファナル・アフェア」が傑作すぎて、2、3作品目はその後に無理に作った感がどうしても残ってしまう。

ヤン(トニー・レオン)は麻薬を取り扱うサムの組織に、身分を隠して潜入する捜査官である。
一方ラウ(アンディ・ラウ)は、サムに育てられながら警察組織に潜入して捜査情報をサムに流していた。

サムがベトナムの組織と大きな取引をする日、ヤンはその情報を自分の上司であるウォン警視に流そうとする。
しかしサムも組織内に潜入捜査官がいることを感づいており、ラウを使って警察の捜査の裏をかこうとする。
リアルタイムで二人が情報を流し、ウォンとサムはその情報に基づいて駆け引きを行う。
この緊迫感が、「インファナル・アフェア」シリーズ最大の見どころである。

日本でも、ヤン→西島秀俊、ラウ→香川照之で「ダブルフェイス」というリメイクドラマが作られ、作品全体もほぼほぼそのままオリジナル作品を踏襲しているが、この駆け引きのシーンは完コピと言ってもいいだろう。

その後も二人はお互いに内通者を探すミッションを与えられるのだが、自分が本来警察官であることをウォン警視以外知らないヤンの方が、精神的に追い詰めらる事になる。
そして、ヤンとウォン警視がとあるビルの屋上で密会している情報をラウに知られ、サムの手下たちに現場を囲まれてしまう。
逃げ場のなくなるヤンとウォン警視。
ヤンはその場をなんとか切り抜けるが、ウォン警視はサムの手下に殺されてしまった。

さらにヤンは、ラウに潜入捜査官である事を見破られてしまう。
しかしラウは、お互い同じ身の上であるヤンに親近感を感じ取引をしようとする。
交渉がうまくまとまりかけたと思えた瞬間、ラウも知らなかった密通者の仲間がヤンを殺してしまった。

ここまでが第1作である。

巧妙に立ち回って警察上層部の信頼を得て行くラウに対し、ヤンはサムから潜入捜査官である事を疑われてしまい、常に身の危険に気を配らなければならない。
そのため、ドクター・リー(ケリー・チャン)のカウンセリングを受けており、彼女だけが唯一心を許せる存在になっていた。
この、冷静なラウと追い詰められたヤンの対比が非常に巧い。

ただ、2作目と3作目は設定がちょっと苦しい。

2作目は前日譚で、なぜヤンが潜入捜査官になったか、という話である。
この作品で初めて、ヤンが以前香港を仕切っていた組織のボスの息子であることがあかされる。
しかもサムは、ヤンの父から命を狙われたため逆にヤンの家族を皆殺しにしている。
単体の話としては面白いのだが、その後時間が流れて1作目の時代になったとき、サムはヤンの家族を殺しているのにヤンを手下にしている。
いつ復讐で寝首をかかれてもおかしくないのに、1作目でサムはかなりヤンを信頼しておりつながりにちょっと無理がある。

さらに3作目は、ヤンが殺された翌年までを描いている。
ラウは1作目でヤンを殺した仲間の密通者を殺した後も、次々組織からの密通者を殺していた。
だがそれでも、冷酷なエリート警察官ヨンがラウの正体を暴こうとしていた。
その一方で、ラウもヨンが組織からの密通者である事を突き止める。
お互いが密通者である事の証拠を探すため、ラウとヨンは対決する。

この3作目のオチは、ヨンがダブルスパイになっている点である。
組織からの内通者を装って、実は潜入捜査官としてヤンともお互いの存在を確認していたのである。
ただそのために、1作目で描かれていなかったもう一つの取引が差しこまれた。
この取引が、時間軸では1作目と同時進行している事になるのだが、やはりどうしても設定に無理が生じてしまう。

日本でもドラマでリメイクされ、アメリカでもレオナルド・ディカプリオとマット・デイモンで「ディパーテッド」が作られたくらいの名作である。
もう一度すべてを整理し、再構成して3部作を作ったら面白いんじゃないかとも思った。


171.インファナル・アフェア
172.インファナル・アフェア 無間序曲
173.インファナル・アフェアIII 終極無間


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