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映画週間

今週は映画週間。

まずは「イキガミ」
原作は「ヤングサンデー」で連載していたが、読んでいなかった。
だが「ヤングサンデー」が休刊にする事により毎週買っている「スピリッツ」に連載が移籍、これまでのダイジェストも紹介され、連載再開後の1エピソードを読んでいたので、だいたいの世界観は理解していた。

星新一作品の盗作騒動でもちょっと話題になっていたが、こちらは私には判断できない。
ただ、1年ほど前に放送されていたドラマ「ロスタイム・ライフ」も、非常によく似た設定ではないかと思った。
自然死か国家による殺人かの違いだけで、「イキガミ」と「ロスタイム・ライフ」は、ほぼ同じ設定と言ってもいいだろう。
その中では死亡するのは若者のみという点が、「イキガミ」を面白くしているような気がする。

さて映画だが、異なる3つのエピソードをうまくつなぎ合わせて1つの作品に仕上がっていた。
メインとなるのは成海璃子と山田孝之の3話目となるエピソードなのだが、そこに行きつくまでの2つのエピソードが上手く使われている。

全体を通じて話の核となるのは、突然イキガミが届いた本人と家族の動揺、および志望予定時刻までのドラマと残された家族の国家繁栄法への疑問、である。
これらを見ることにより、配達人の藤本も疑問を感じる事になるのだが、この部分は次回作への布石となっているようだ。
原作はさらに進んでいるようだけどね。

やや難があるとすれば、3つのエピソードのうち2つが、母一人子一人と、両親に先立たれた施設育ちの兄妹という設定。
この家族にイキガミが届くと言うだけで、かなり「お涙ちょうだい」の話になってしまい、ややわざとらしさが残った。
二つとも原作から選ばれたエピソードなのかもしれないが、例えばなんの変哲もない、文字通り普通に幸せに暮らしている家族にイキガミが届き、その家族が1日してメチャクチャにされてしまう、というエピソードがあってもよかったように思う。


続いて「イーグル・アイ」
予告編を観て面白そうだなー、と思っていたのだが、それほど話題になっていないようだ。
新聞などでの紹介でもあまり取り上げられていない。
イマイチの内容かと、期待もほどほどで観に行ったら、この作品面白かったよ!

インターネット、携帯電話、防犯カメラ、現代社会での生活は、いつどこで盗聴、盗撮されていてもおかしくない。
そんな情報社会のおそろしさをテーマに取り上げた作品だ。

今までもこのテの映画は結構あったように思う。
ただこの作品は、なぜ主人公の二人が事件に巻き込まれたか、黒幕は誰でその目的は何なのか、これらの謎の設定に無理がない。
もちろん映画だから、ある程度の偶然は重なるのだが、それでも「なるほど」と思わせる説得力があった。

映画全体の流れも王道そのもの。
冒頭は謎に包まれたままアクションシーンの連続、一段落して少しずつ謎が解け、ラスト30分ですべての謎が解ける。
そのあとは「急げ、急げ~!」のアクションシーン。
アクションシーン自体と全体のメリハリもきちんと作りこまれいているので、物語が進むごとにどんどんのめり込んでいった。

ズバリ言って、今映画を観に行くなら「イーグル・アイ」じゃないかと思う。



107.イキガミ
108.イーグル・アイ
by ksato1 | 2008-10-30 00:45 | 映画 | Comments(0)