蝉しぐれ
当然、次のモンツァに照準を合わせてくるだろうと思っていたのだが、読みが甘かったか・・・。
それでF1観ないでナニ観てたのかというと、直前に録画した「蝉しぐれ」。
とある事情で、今まで撮り溜めっぱなしのビデオを早急に観てしまわなければならなくなったのだ。
主役の牧文四郎は市川染五郎、要するに松たか子の兄ちゃん。
先週撮ったままの「出口のない海」に出ていた市川海老蔵ばかりが下半身のだらしなさをクローズアップされているが、どちらも同じように隠し子をこさえている。
梨園では当たり前のことかもしれないが、一般的にみれば困った従兄弟である。
そして映画の中では、この市川染五郎の存在感があまりない。
ふく役の木村佳乃も同様。
濡れ衣を着せられた父の無念を忸怩たる思いで受け止める少年時代の文四郎と、ふくがどれだけ文四郎の事を慕っていたかがこの物語の核となるのだが、あまり台詞のないふくの子供時代を演じた佐津川愛美が存在感を示してる。
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」でもいい演技してたが、佐津川愛美って、結構いいかも。
ちなみに、牧文四郎の子供時代とその友人を演じた若者たちは演技が下手で、今ひとつ・・・。
途中で犬飼兵馬との決闘シーンがあるのだが、これもなぜ犬飼を倒せたのかが、今ひとつわかりづらい。
今田耕司とふかわりょうも、せっかくのキャラを生かせていない。
これなら特にこの二人が出演する必要は、なかったのではないか。
父の無念を感じながら、それが仇討ちなどではなく、一時の感情を殺してお家の復興を目指す事だと頑張る文四郎に共感を覚えたが、全体を通して、佐津川愛美以外は今ひとつ感がぬぐえない作品だった。
やっぱりトルコGPを観るべきだったか・・・。
89.蝉しぐれ