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「伊藤くん A to E」

木村文乃、佐々木希、志田未来、池田エライザ、夏帆というなかかの女優ラインナップの作品だ。
主役は木村文乃だが、それ以外の4人のパラレルストーリーを2話ずつとりあげたTVドラマが昨夏に放送されている。
原作は面白いのだろうが、映像化するにあたりこのTVドラマのパラレルストーリーを作ったことで、映画の立ち位置がわかりづらくなってしまった。

脚本家の矢崎莉桜(木村文乃)は、かつてコンクールで賞を取りヒットドラマを担当していたが、最近はいい作品が書けないでいた。
そこに、かつての恋人でありTV局のプロデューサー田村(田中圭)から、次期クールに穴が開きそうなのでなんとかならないかと相談され、新作を書くことを考える。
先日莉桜が開いたセミナーに来た女性の中から4人をピックアップ、彼女たちの恋愛相談に乗り、それを新作に役立てようとした。

まず最初は「A」の女、島原智美(佐々木希)。
ブランドショップの店員をしていたのだが、好きな彼と知り合ってから5年も経つのに一線を越えられないでいる。
かと言って、新しい恋に進むこともできない。
続いて「B」の女、野瀬修子(志田未来)。
美術館、博物館の学芸員を目指しているが職に恵まれず、学習塾でアルバイトをしていた。
そしてそのアルバイト先の同僚に、ストーカーとして付きまとわれている
「C」の女は相田聡子(池田エライザ)。
ナイスバディで男からもモテるが、本当の恋愛ができない。
そして親友が憧れている先輩と、寝てしまったりする。
最後は、親友の聡子に先輩を取られてしまった「D」の神保実希(夏帆)。
これまで男と付き合ったことがなく、憧れの先輩に処女をささげようとしているイタイ女だ。

この4人からそれぞれ恋愛相談を受けていた莉桜は、彼女たちを冷静に分析、かつ突き放すようなアドバイスをする。
だがその一方で、着々と新作のプロットを考えていた。

そこに、莉桜が講師をする脚本教室の生徒、伊藤(岡田将生)が現れた。
伊藤は自信過剰で、かなりイタイ男である。
そしてなんと伊藤は、偶然にも莉桜が考えていた脚本の女性A~Dすべてと関連を持ち、かつ莉桜と同じように彼女たちを題材にして脚本を書こうとしていた。
伊藤はその脚本のプロットを田村に持ち込むのだが、田村は莉桜よりも伊藤のプロットの方が面白いという。
なぜならそこには、「E」の女が存在していたからだ。
伊藤のプロットでは、「E」の女は脚本家、つまり莉桜が設定されていた。

A~Dの4人の女性の悩みを聞きながら、莉桜自信が自分のダメな部分に気付いていくというストーリーである。
話としては面白そうなのだが、TVドラマとパラレルストーリーにしたことで、映画が面白くなくなってしまった。
TVドラマを先に見ると、結末がほぼわかっているうえに4人のエピソードがダイジェストのように思えてしまう。
逆にTVドラマを見ずに映画を観ると、話がかなり飛んでしまうので雑に見えるだろう。
ドラマは4人×2話ずつで計8話だったのだが、これは面白かった。
だが映画を成立させるためには、この4人のエピソードを完結させずに、映画に持ち越した方が面白かったようにも思う。
ただ、それだとドラマが中途半端になってしまい、何が何だかわからなくなってしまった可能性もある。

いずれにしろ、映画としてはちょっと破綻した感じになってしまった。
旬の女優を5人も集めたうえ、岡田将生、田中圭、中村倫也の役どころもかなりいいと思った。
単純に12話くらいの連続ドラマにしていたら、非常にまとまりのいい作品になったんじゃないかと言う気もする。


10.伊藤くん A to E

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by ksato1 | 2018-01-17 00:00 | 映画 | Comments(0)