「天空の城ラピュタ」(再)

9月に放送された「天空の城ラピュタ」を録画して見る。
TVでの放送もすでに16回目だが、たぶんそのうち半分は録画をして見ている。
個人的には、宮崎駿作品は「カリオストロ」「ナウシカ」「ラピュタ」の初期3作品が群を抜いて面白いと思っている。

もう何回も見ている作品だが、今回見ていて気づいた点がある。
「ラピュタ」のストーリー展開は、ドラクエやFFに似ているのだ。

前半は、パズーが働く炭鉱の谷にシータが現れる。
谷の世界観は19世紀後半、産業革命後のヨーロッパの片田舎のようだ。
人々の格好も古めかしいし、ドーラが乗ってくるオートモービルも、クラシックカーの様相を呈している。
文化や技術的には、現在よりも以前の年代をイメージさせている。
そこで単線の機関車とオートモービルを使った、パズーとシータの逃走劇が描かれている。
唯一、シータを追ってきた装甲列車だけが、第二次大戦中のドイツの装甲車を連想させるが、それとて現代よりも前の時代のイメージだ。
その後二人は地下に逃れるが、つかまって要塞に連れて行かれる。
この要塞も石造りも、せいぜいが第二次大戦中の要塞といった外観である。

しかしパズーとドーラが邂逅してから、世界観は一変する。
フラップターやゴリアテという空想の乗り物が活躍し、とんでもない破壊力を持つロボット兵が登場する。
そして舞台は天空へと移る。
その後は、かつてのラピュタ王国の技術力をこれでもかと見せつけられる展開だ。

最後にドラクエをプレイしたのは、たぶん20年以上前だ。
そのためその時の記憶ではあるのだが、ドラクエやFFなどのRPGも、最初はヨーロッパ風ののどかな世界がスタート地点である。
そこから少しずつレベルアップして行動できるエリアが広がり、やがて天空などの伝説の空間へと展開していく。
この新しい空間が広がったとき、ワクワク感がマックスになる。

最初は身近な世界に感じさせておいて、途中から一気にギアをあげてワクワクさせるという部分で、「ラピュタ」とRPGはよく似ていると思う。
そして映画を見る者、ゲームをプレイする者は、そこで完全に物語の世界観に引きずり込まれてしまうのだ。
能力のあるクリエイターは表現するフィールドが異なっていても、「ワクワクさせる」方法をわかっているのだろう。

ところで何度も見ている「ラピュタ」だが、今回ちょっと整合性が取れないシーンを発見してしまった。
一つ目は、冒頭の炭鉱のシーンで、地下で採掘をしていた工夫たちが地上に戻ってきた直後。
パズーがエレベータを操作していたときには、地上には親方とパズーしかいないのだが、工夫たちが手押し車を押してエレベータから出てくると、研究者風の男が「どうだった?」と言いながら突然画面に登場する。
いったいこの男は、パズーがエレベータを上げている時にどこにいたのだろうか?

二つ目は、パズーとシータが単線の機関車に乗った後のシーン。
オートモービルで追いかけてくるドーラたちを「あいつらドーラ一家だ」と、機関車の運転士に説明する。
それ以前、シータがパズーに「あの人たち海賊なの」と説明するシーンがある。
逃げている途中でシータが「海賊のドーラ一家よ」と説明していた可能性もあるが、そもそもシータはドーラ一家に突然襲われた後、ドーラたちが誰だかわからないうちに飛行船から落下している。
この時代、海賊はドーラ一家しかいなくて、海賊=ドーラ一家の代名詞だった可能性もあるが、ちょっと違和感を感じた。

まあ、こんなこと考えながら「ラピュタ」を見ている自分に、一番違和感を感じるんだけど。



116.天空の城ラピュタ(再)


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by ksato1 | 2017-10-16 06:13 | 映画 | Comments(0)