「パッセンジャー」

民間会社の宇宙移民船アヴァロン号は、120年かけて「ホームステッド2」へ移民5000人を移送していた。
その中にはエンジニアのジム(クリス・プラット)もいた。
ある日ジムは人工冬眠から目が覚めるのだが、船内はガランとしていた。
ホームステッド2到着より90年も早く、彼だけ目が覚めてしまったのだ。
地球へ問い合わせの送信をするものの返信は早くて55年後、船内をくまなく探してみるものの、人工冬眠に戻る術はなかった。

ID認証用のリストバンドを使えば食事など生活に不自由する事はなく、かつ船内のアトラクションを利用する事もできた。
バーカウンターにはアンドロイドのバーテンダーがいて、日常会話の相手にもなってくれた。
しかしジムは絶望的な孤独感に襲われ、自ら命を断とうとする。
すんでのところで思いとどまったジムは、偶然、人工冬眠中の女性を目にする。
その女性の名はオーロラ(ジェニファー・ローレンス)、NY出身のジャーナリストだった。
オーロラのプロフィールを調べるうちに、どんどん彼女に恋をしてしまうジム。
孤独に耐えきれなくなったジムは、葛藤した末にオーロラの人工冬眠を解除してしまう。

人工冬眠から目覚めたオーロラは、ジム同様パニックに陥った。
しかしジムと一緒に時間を過ごすうちに落ち着き、やがてジムに恋するようになった。
オーロラが目覚めてから1年後、ジムはオーロラにプロポーズしようとする。
だがその時、オーロラは自分の人工冬眠を解除したのがジムである事を知ってしまった。
そして同時期に、二人はアヴァロン号に重大な危機が迫っている事も知る。

全体的に設定はなかなか素晴らしい。
移民船と宇宙開拓プログラム、船内の環境などは、なかなかのリアリティだ。
特に、ジムは一番リーズナブル、オーロラはアッパークラスの乗船者で、二人の待遇に大きな差がある点は説得力がある。

オーロラが、自分の人工冬眠を解除したのがジムである事を知る部分までは、かなりいい出来と言えるだろう。
だが、そこから先がやや安直だ。
若干ネタバレになってしまうが、アヴァロン号に危機が迫っている事を知らせる「第三者」が登場する。
この「第三者」はワイルドカードを持っていて、ジムが1年以上かけてわからなかった事も含めて、船内の隅から隅まで、今何が起こっているのかなんでもわかってしまう。
そして「第三者」は、ワイルドカードをジムたちに託して去ってしまう。
ストーリー展開上仕方ない部分もあるのだが、「第三者」の出現と去り方があまりにも都合が良すぎるので、ちょっと興醒めしてしまった。
であるならば「第三者」を登場させず、ジムが2年かけて中枢部分のアクセスキーを解析し、危機が迫っている事に気付いた、という流れの方が良かったんじゃないかと思う。

また、アヴァロン号に迫る危機がかなり酷くて、今の今は対処的になんとか切り抜けてもエンジン部分がそこまで破損したら残り90年間持たないんじゃないの、と思わせてしまう。

ジムとオーロラのラブストリー部分を際立たせるための演出だと思うが、逆にちょっとブレてもったいない感じになってしまった。


35.パッセンジャー



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by ksato1 | 2017-04-03 23:30 | 映画 | Comments(0)