「22年目の告白 -私が殺人犯です-」

韓国映画のリバイバルと言う事でそれほど期待していなかったが、構成の巧さと役者の演技力でかなりいい作品に仕上がっていた。

刑事の牧村(伊藤英明)は22年前、ある連続殺人事件を追っていた。
犯人は被害者を後ろからロープなどで絞殺、その姿を必ず被害者の近しい人に見せると言う猟奇的な殺人だった。
警察が張った罠に対して犯人は姿を見せるが、逮捕まで至らず逆に牧村は口を鋭利な刃物で切られてしまう。
さらに犯人は逆に牧村の住んでいた部屋に爆発物のトラップを仕掛け、当時の牧村の上司である滝(平田満)を殺害した。
その15年後、日本は刑法を改正して死刑が予測される犯罪に関しては時効を廃止する。
しかし一連の事件は、15年前に滝が殺害された最後の日が改正の1日前だったため、時効を迎えてしまった。

その時効から7年後のある日、この一連の事件の犯人を名乗る男が現れた。
男の名は曽根崎雅人(藤原竜也)。
彼は事件関係者しか知り得ない事実を含んで、事件のすべてを本にして出版した。
当然、残された事件の被害者家族たちは怒りを隠しきれない。
さらに曽根崎は、牧村や被害者家族達に会って挑発をしようとする。
世間は曽根崎に翻弄された。

そんな中、22年前にこの事件をジャーナリストして追い、現在はニュースキャスターとなっていた仙堂(仲村トオル)が、事件を自分の番組内でセンセーショナルに取り上げようとする。
仙堂は曽根崎を自分の番組に呼び、彼が本当の犯人かどうかを暴こうとした。
仙堂は番組内で、この事件には3人の被害者と刑事の滝の計4人のほかに、知られざる5人目の被害者がいたのではないか、しかし曽根崎は本の中でその事に触れていない、と告げる。
一瞬、曽根崎の顔色が変わる。
さらに仙堂は、番組開始前にネットにアップされた動画を紹介、それは遠景で撮られた牧村の部屋で、滝が殺害された爆発が映っていた。
そしてその動画には、牧村の妹里香(石橋杏奈)も映っていた。
牧村は妹が事件以降行方不明である事は、近しい者以外には教えていなかった。
放送された動画を見て驚愕する牧村。

妹の里香は、かつて神戸で看護師をしていたが、阪神淡路大震災で住むところを失い、当時一緒に暮らしていた小野寺拓巳(野村周平)とともに兄を頼って上京していた。
そんな折、爆発事件が起きる。
拓巳と里香は上京後に婚約をしていたのだが、里香が行方不明となり事件が時効を迎えた7年前、絶望した拓巳は牧村の目の前でビルの屋上から飛び降りてしまった。

その後、仙堂が番組内でさらなる挑発をした結果、ネットに動画をアップした真犯人が番組に生出演すると連絡をしてきた。
その条件は、曽根崎と牧村を一緒に番組に出演させる事だった。
牧村は退職願を上司に預け、曽根崎、そして真犯人を名乗る男と番組に出演する。
真犯人を名乗る男は最後にスタジオ入りするが、その際に、犯人が撮影したと思われる殺人現場のDVDを持参していた。

ここまでで、おおよそ上映時間の2/3くらいである。
そしてそこから、ストーリーは大きく展開する。
この番組までのストーリーの組み立て方が非常に巧みだ。
伏線が巧妙に張られ、全体のからくりが明らかになった時には、その意外な展開にかなり驚かされた。
映画を観終わった後、思わず劇場に貼られていたポスターを見返してしまったほどだ。
ただ逆に言えば、ここまでの構成があまりにも素晴らしすぎるので、最後の真犯人にたどりつくまでの展開がやや稚拙に感じられてしまった。
落とし所としてはこの結末になるのだろうが、ちょっと強引過ぎる感じもした。

それでも藤原竜也、伊藤英明をはじめ、石橋杏奈と野村周平、仲村トオル、さらに被害者家族の夏帆、岩城滉一、岩松了ら役者陣の演技も素晴らしいため、見応えのある作品になっている。
特に、生放送までの藤原竜也の抑えた演技は秀逸だ。
藤原竜也が主役なのか脇役なのかわからないが、映画賞の候補になる事は間違いないだろう。


73.22年目の告白 -私が殺人犯です-



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by ksato1 | 2017-06-15 23:57 | 映画 | Comments(0)