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「ちょっと今から仕事やめてくる」

監督が「八日目の蝉」、「ソロモンの偽証」の成島出という事でかなり期待して観に行ったのだが、期待ほどの作品ではなかった。

青山隆(工藤阿須加)は就職活動がうまくいかず、とりあえず内定が出た小さな広告製作会社に就職する。
しかしそこは、完全なブラック企業だった。
部長の山上(吉田鋼太郎)は部下を人間と思っておらず、常に業績を上げるために怒声を上げている。
毎朝人権を無視した標語を唱和させられ、オフィス内は重苦しい雰囲気に包まれていた。
それでも隆はなんとか成績を上げようとするが、まったくうまく行かない。
精神的に追い詰められた隆は発作的に電車に飛び込もうとするが、その瞬間をヤマモト(福士蒼汰)に助けられた。

隆はヤマモトの事をまったく覚えていなかったが、途中で転校したと言われ、なんとなくその存在を思い出した。
その後もヤマモトは何度も隆を誘い出し、一緒に行動するようになった。
だがそのうち、隆が記憶していたヤマモトはまったくの別人だと言う事がわかる。
隆はヤマモトに誰なのかと問いかけるが、ヤマモトはしれっと、隆の友達とは赤の他人だと言う。
最初に出会って飲みに行った時にその事に気付いていたが、その時は言いだしづらくなってしまった、そしてこれから友だちになればいいじゃないか、とヤマモトは言った。
隆はヤマモトの言葉に納得し、その後もヤマモトと友人関係を続けようと思う。

しかしその一方で、ヤマモトが誰なのかという部分も気になった。
そしてネットでヤマモトを検索すると、3年前に激務で自殺した男のニュースがヒットした。
その自殺した男がヤマモトだった。

ブラック企業で悩みながら働く若者をテーマにしている。
原作はKADOKAWAの電撃小説メディワークス文庫賞を受賞しているとの事なので、カテゴリーとしてはライトノベルなのだろう。
そのためか、ストーリーにやや深みが欠ける。
ヤマモトがいったい誰なのか、そしてなぜ隆を救ったのか、このあたりの疑問は想像していた通りであった。
まあ普通に考えれば、この結末に行きつくだろうな、という結末である。
全体的に爽やかな作りになっており、ラストの舞台をバヌアツにしている点なども好感が持てる。
役者の演技も悪くない。
しかし予想通りの展開が予想通りに淡々と続くだけなので、個人的にはあまり評価できない作品であった。

71.ちょっと今から仕事やめてくる


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by ksato1 | 2017-06-10 08:47 | 映画 | Comments(0)