「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」

良くも悪くもティム・バートンワールド全開の作品だった。

フロリダの高校生ジェイクは、バイト先に父から連絡が入ったため祖父の家に向かっていた。
ジェイクが到着した時には祖父のエイブは、両方の目玉がくりぬかれた状態で倒れていた。
エイブは最後に「島へ行き、1943年9月3日のループに入れ。鳥が全てを教えてくれる」と伝えて死んでしまった。
ジェイクはエイブからとてもかわいがられており、強いショックを受け精神科に通う事になった。
そして祖父の荷物を処理している時、ある絵葉書を発見する。
その絵葉書は、幼少の頃エイブから聞いた冒険譚に出てくるミス・ペレグリンから送られた物だった。

エイブの話に良く出てくるのは、エイブが第二次大戦中に疎開したウェールズの小さい島の話だった。
そこにはミス・ペレグリンと子どもたちが住む施設があり、子どもたちはみな不思議な能力を持っていた。
ジェイクは祖父の話を信じていたが、両親をはじめ誰もが祖父の作り話と真に受けてくれなかった。
ジェイクは絵葉書が発送された島に、行ってみたいと両親に告げる。
両親は渋ったものの、精神科の医師が治療に効果があるかもしれないと言ったため、ジェイクは父とともに島に行く事となった。

島は非常に小さく、住民は100人にも満たなかった。
ジェイクと父は島に1軒のホテルに泊まる。
父が野鳥観察に行っている間に、ジェイクはペレグリンたちが住む施設を訪れた。
しかし施設は、ナチスが行った1943年9月3日の夜間空襲で焼けてしまい、廃墟となっていた。
ジェイクが廃墟の中を回っていると、そこに少女が現れた。
少女はエマと言い、空気よりも軽い体で鉛の靴を履いていないと宙に浮いてしまう。
エイブの話に出てきたエマその人だった。
驚いたジェイクは走って宿に戻るが、ジェイクが宿を出た時と様子が異なっていた。
時間を遡り1943年に来てしまっていたのだ。

施設の子どもたちに連れられ再び施設に戻ったジェイクは、そこでミス・ペレグリンと会う。
ペレグリンは「インブリン」と呼ばれ、時間を閉じ込める特殊な能力を持っていた。
インブリンたちはループする空間を作り、そこで異能な能力を持った子どもたちを世話しており、ペレグリンも1943年9月3日をループする空間を作っていた。
閉ざされた空間では誰も年を取らないのだと言う。
しかしある時ペレグリンたちと同じように異能な能力を持つ科学者のうち何人かが、インブリンの特殊能力を利用して自らを不死の体にしようと言う実験を行った。
実験は失敗、科学者たちはホローガストと呼ばれる異形のモンスターになってしまった。
だが科学者のリーダーだったバロンは、能力を持つ子どもたちの目玉を食べれば人間に戻れる事を発見、何人もの子供たちが犠牲になってしまった。
残されたインブリンは、ホローガストから子どもたちを護るため戦っていた。
実はエイブも、インブリンに協力をしてホローガスト狩りをしていたのだ。
しかしバロンと戦って破れ、ホローガストに目玉を取られてしまった。

ペレグリンと子どもたちは、ジェイクに施設に残って欲しいと頼むのだが、ループの中に入ってしまうとそう簡単には元の世界には戻れないので、ジェイクは両親の事を想って逡巡していた。
そんな時、バロンがホローガストを連れて現れた。
再びインブリンを集め、不死の体を作ろうと企んでおり、エイブを監視しジェイクを尾行してペレグリンのループにまんまと忍び込んだのだ。
油断していたジェイクは人質となってしまい、その身代わりにペレグリンは捕らわれてしまう。
バロンはペレグリンを連れその場を立ち去り、代わりに子どもたちの目を狙ってホローガストが現れた。

この映画の見所は、後半のバロンたちとのバトルである。
子どもたちが奇妙な能力を使い、力を合わせてバロンとホローガストに立ち向かう。
その他にもガイコツ軍団が登場するなど、ティム・バートンならではのファンタジックなバトルになっている。
前半はこのバトルのための設定説明的な役割になっているのだが、映画の予告編やCMなどでは前半部の映像しか流れない。
そのため「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」のように、不思議な世界を映像美で見せるだけの単調な作品のように思えてしまった。

目玉や心臓など、やや悪趣味な部分はある。
だがダーク・ファンタジーと言うほどダークではなく、ティム・バートン作品の中ではライトな感じである。
子どもが力を合わせて戦うという部分を考えても、ティム・バートン的にはむしろ子ども向けに作った作品なのかな、とも思った。
であるのならば、前半のエイブがジェイクに冒険譚を語るシーンを明るくし、バロン達が現れた後の緊迫したシーンとのメリハリを付ければもっとわかりやすくなったんじゃないかとも思う。
だが、それをしないのもまた、ティム・バートンなのだろう。


24.ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち


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by ksato1 | 2017-02-16 23:22 | 映画 | Comments(0)