「王様のためのホログラム」

トム・ハンクスがリストラされかけている中年営業マンを演じていると聞き、かなり共感が持てるかと思って観に行ったが、実際には思っていたのとはやや違った内容の映画であった。

家族も車も家も無くした男クレイ(トム・ハンクス)は、再就職したIT会社のミッションでサウジアラビアに行く事になった。
若いころに王子と知り合いだった伝手を使って、国王に3Dホログラムシステムを売り込むのが目的だった。
向かったのは新たにIT都市として計画されている海岸の街だったが、まだ開発はほとんど進んでおらず、ポツンポツンと建物が見える程度だった。
クレイと彼のチームに与えられたスペースは砂漠に張られたテント、空調もすぐ壊れWi-Fiの電波もかなり弱かった。
待遇改善も含めて、クレイは責任者にアポを取ろうとするが、受付の女性は担当者は不在で明日にならないと来ない、代わりに話ができる者はいないと断られる。
翌日も受付嬢から突然予定が変わって担当者は不在と門前払いを食らいそうになるが、クレイが受付を強行突破して担当セクションを訪ねると、そこには担当者の代理の女性でクレイの話を聞いている者がちゃんといた。
その日以外も、代理の女性を訪ねて行くと不在だが、今度は長期不在のはずの担当者がいるなど、いい加減な仕事の進め方にクレイは振り回されてしまう。

そんな状況であっても、アメリカ本社は国王への売り込みの進捗状況を厳しく確認してくる。
クレイは最善を尽くそうとするが、適応障害になりつつあった。
そして以前から彼の背中にあるコブを見て、このコブが悪の元凶で切り取れば物事は好転すると思いこむ。
シャワー中にナイフでコブを切り取ろうとするが、出血するだけで巧く行かない。
翌日もクレイは通常通りに仕事をしようとするが、出血を見かねたタクシー運転手から病院に行く事を薦められる。
やむなくクレイが病院に行くと、そこにはアラブ社会には珍しい女医がいた。
女医の診断では、コブは脂肪によるものでその病院で切断する事も可能との事だった。
なんとなく女医が気になったクレイは、その場で切除出術の申込をした。

映画を観る前は、習慣の違いに加え、人によって言っている事が異なるためにクレイが振り回されるコメディかと思っていた。
実際映画の2/3位はその通りの展開なのだが、残り1/3くらいからクレイの恋愛エピソードの方が主題になってしまう。
途中までのクレイの振り回され部分の出来が良く、ラストに期待をするところで恋愛エピソードになってしまうので、観終わった後はやや肩透かし感を感じてしまった。

クレイはかつて大手自転車会社の取締役であったが、彼自身が行ったリストラが裏目に出て会社を追われてしまう過去を持っている。
そしてその結果、娘の学費すら払えない状態になっていた。
愛する娘とのメールが彼の心の支えで、それをモチベーションにして仕事を成し遂げ、家族が再生されるのかと思いきや、そうではない。
そしてクレイの相手となる女性が、ハッキリ言って日本人から見てそれほど魅力的な女性に見えない。
だから娘→恋人へのクレイの切り替わりに対して、「えっ、娘よりそっち?」と言う半端ない唐突感を感じてしまった。

テンポ良くまとめられ途中までは非常に面白かっただけに、やや残念な感じになってしまった。


23.王様のためのホログラム



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by ksato1 | 2017-02-15 23:17 | 映画 | Comments(0)