「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」

ルパンシリーズの新作と言う事で取りあえず観に行ったが、よくわからない部分が多かった。
後から調べたのだが、深夜に放送されていた「LUPIN the Third -峰不二子という女-」の流れを汲む作品で、間に「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」という作品があるらしい。
TVシリーズの方はすべて見ていたが、「次元大介の墓標」の方は公開されていた事も知らなかった。

鉄竜会の用心棒としてワラジを脱いでいた五エ門は、鉄竜会がしきる賭博船の中にいた。
ルパンと次元はまだ五エ門と仲間になっておらず、賭博船内の札束を狙っていたが、彼らとは別に札束を狙っていた不二子に遭遇する。
ルパンと不二子は手を組む事にして札束を運び出そうとするが、そこにホークというトマホーク2丁を武器にする大男が現れ賭博船を撃沈しようとした。
ホークの本当の目的はルパンたちの抹殺であったがルパンたちは札束を持って逃走、五ェ門とホークは戦うが決着はつかず、ホークもその場から逃走した。

翌日、炎上した賭博船の調査現場に公安警察の銭型が現れた。
銭型はホークを追っていたのだ。
一方五ェ門は、鉄竜会の組長を護れなかった責任を問われ、組員たちに仇を取る事を約束する。
ホークは隠れ家で祝杯を挙げていたルパンたちを急襲、ホークに対してまったく歯が立たないルパンたちは逃亡するが、追いつかれて絶体絶命の窮地に陥る。
そこに五ェ門が現れるが、ホークの前に返り討ちにされてしまった。

どうやら設定は、五ェ門がルパンの仲間になる前のようだ。
と言う事は、TVの1stシリーズの第5話「十三代五ヱ門登場」と第7話「狼は狼を呼ぶ」の間という事なるのだろう。
本作品の五ェ門は後の五ェ門と異なりやや短気で狂気的な側面があるが、たしかにルパンの仲間になる前の五ェ門はかなり短気であった。
そう言う意味では、ルパンIII世の設定を正しく引き継いだ作品と言えるだろう。
狂気の五ェ門は、タイトル通り血煙りを上げバンバン人を斬りまくる。
世界観もルパンシリーズによくあるやや明る目の世界観ではなく、押さえ目の色を多用して暗めの世界観にしていた。
作品全体が五ェ門をメインとしたスタイリッシュな雰囲気に仕上がっている。

ただ個人的には、あまり面白い作品とは思わなかった。
理由は、敵役のホークのキャラがよくわからなかったからだ。

まず、このホークが異常に強い。
敵だから強くてもいいのだが、なぜそれほど強いのかもほんとど説明されないのでちょっと興醒めする。
説明は「戦争中に敵兵2,000人を殺した」のみである。

そして作品の冒頭、ホークは謎の少女から3枚のメッセージを受け取る。
このメッセージを見てルパンの抹殺に向かうのだが、この意味がまったく明らかにされていない。
銭型が公安でホークを追っている事を考えると、おそらくこの後この設定を引き継いだ作品が作られる布石だとは思うが、それにしても説明が不足し過ぎだ。
予算の関係で次回作が確定しておらず、この後のエピソードを匂わせるような演出が入れられなかったのかもしれないが、であるならば、この作品単体としてある程度の収束が必要だったと思う。
まったくの尻切れトンボ作品だ。

上映時間は54分だが前編、後編分けられて作られたようであり、実際上映中に両方のタイトルが表示された。
元々TV放映用に作られたためだとは思うが、劇場公開に変更されたのならこの部分くらい作り直すべきである。

ルパンシリーズをきちんと踏襲した作品として作られているのはわかるが、基本的に映画作品として考えると非常に雑な作りだと、言わざるを得ない。



21.LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門


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by ksato1 | 2017-02-07 23:15 | 映画 | Comments(0)