2016年オレ的映画総括<自由部門>

そろそろ2017年の松の内も明ける頃に、2016年のオレ的映画総括だ。

2016年は4月に担務変更があったため、映画に行く時間をかなり削られた。
特に、会社帰りのギンレイがほとんどできなくなり、年間で6本と言う異常な少なさだ。
年更新を繰り返して現在は1年4カ月更新になったとはいえ、6本で会費1万円はちょっとコスパが悪い。

そのギンレイを含めて、内訳は以下の通り。

ロードショウ:95
ギンレイ:6
試写会:1
TV放送録画視聴:13

合計で115作品だった。
まあ、時間のない中よく頑張った方かもしれない。
特にロードショウ95本は、ここ11年でも2番目の本数だった。
なお、「シン・ゴジラ」「君の名は。」「この世界の片隅に」は2回観ているので、鑑賞本数で言えば118本になる。

総括としては、今年は例年になく邦画が豊作で、逆に洋画は期待外れが多かった。
洋画に関して言えば前半は良かったが、秋に公開された人気シリーズの最新作がどれもダメダメ状態だった。

その中でオレ的2016年のNo.1は「ヘイトフル・エイト」だ。

監督はタランティーノで、彼の持ち味を存分に発揮した作品と言えるだろう。
主演のサミュエル・L・ジャクソンは、SWの優等生的なメイス・ウィンドゥとは打って変わった荒くれ者の賞金稼ぎで、演技の幅を見せつけられた。
3時間近い上映時間の長さに観る前はやや腰が引け気味だったが、内容にどんどん引き込まれてあっという間に終了した。
ストーリーは吹雪に閉じ込められた駅馬車の停車地でのコンゲームなのだが、誰が味方で誰が敵かわからないヒリヒリ感が素晴らしかった。
人がバンバン殺されるので誰にでもオススメと言う訳にはいかないかもしれないが、普通の大人であれば見られる程度であり、機会があったらぜひ観てもらいたい作品だ。

1位から10位までは以下の通り。

1.ヘイトフル・エイト
2.湯を沸かすほどの熱い愛
3.クリード チャンプを継ぐ男
4.オデッセイ
5.この世界の片隅に
6.君の名は。
7.シン・ゴジラ
8.永い言い訳
9.スーサイド・スクワッド
10.TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

2位の「湯を沸かすほどの熱い愛」は、ハッキリ言ってわかりやすすぎる「お涙ちょうだい」的な感動作品なのだが、観ている者に媚びることなく真っ直ぐに描かれている点が清々しい。
監督の中野量太はかなりの力量があると思われ、これがデビュー作とは思えない完成度である。
秋に公開されたその他の邦画の陰に隠れている格好だが、すでに報知映画賞で作品賞、主演女優賞(宮沢りえ)、助演女優賞(杉咲花)、新人賞(中野量太)の4部門を受賞し、日刊スポーツ映画大賞の石原裕次郎賞と 主演女優賞(宮沢りえ)も受賞している。
今年の日本アカデミー賞で言えば、主演女優賞はこの作品の宮沢りえがグリグリ二重丸の大本命、杉咲花も、もしまだ新人賞を取っていなければ新人賞は確定、さらに助演女優賞も有力候補で、ひょっとしたら最年少受賞の可能性もある(歴代受賞者の中で最年少かどうかは調べていないけど)。
作品賞、監督賞、助演男優賞(オダギリジョー)も、十分受賞の圏内にあると思う。

3位の「クリード」は、オッサンなら誰でも共感を覚える作品だ。
父親の名声を拒否し、実力で栄冠を得ようとするクリードに、男だったら誰でも応援してしまうだろう。

4位の「オデッセイ」も、主演のマット・デイモンだけでなく、宇宙船内のメンバーおよび地球に残るスタッフ全員が、彼を生還させようと団結する部分に感動する。
個人的にはアカデミー賞は「レヴェナント」よりこの作品およびマット・デイモンの方が、受賞にふさわしいと思った。
アメリカ人の感覚はよくわからない。

5位の「この世界の片隅に」は興行収入10億円を超え、年明けにさらに上映劇場が増えついに200館を超えるそうだ。
原作を読むと、映画化にあたり動画的な手法を取り入れており、とてもきめ細かく作られた作品である事がわかる。
その部分も含めて完成度は高く、今後もさらに口コミで評価が高まって行くだろう。

6~8位の「君の名は。」、「シン・ゴジラ」、「永い言い訳」も、それぞれの監督の持ち味が良く出ている作品だ。
どうすれば、映画を観る側が満足するかを、きちんと心得た上で作品が作られている。
特に、一度観ただけではなかなか理解できないほどのセリフ量で圧倒する「シン・ゴジラ」と、できるだけセリフではなく表情や仕草で行間を表現する「永い言い訳」は相対象的で面白い。
映画の王道で言えば後者の作り方が正攻法と言えるのだろうが、映画全体がCGの迫力に負けないように、役者に緊張感を持って難しいセリフをしゃべらせ続ける「シン・ゴジラ」の手法は、庵野秀明にしかできない素晴らしい作り方である。
「永い言い訳」の感想の時、映画評論家の有村昆が「セリフで説明しすぎる映画は評価が低い」的な発言をしていたと書いたが、「シン・ゴジラ」はその日本の映画評論家たちの持論を微塵もなく吹き飛ばすほどの作品だったと思う。

9位の「スーサイド・スクワッド」は魅力的なキャラが満載で、個人的には非常に満足した。
10位の「TOO YOUNG TO DIE!」はクドカンワールド大爆発で、理屈抜きで腹を抱えて笑わせてもらった。

11位以下は以下の通り。

11.シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
12.怪しい彼女
13.何者
14.デスノート Light up the NEW world
15.ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出
16.ピンクとグレー
17.リップヴァンウィンクルの花嫁
18.ちはやふる
19.64(ロクヨン)
20.聖の青春

11位の「シビル・ウォー」以外はかなりマニアックな作品が並ぶ。

特に12位の「怪しい彼女」はオリジナルの韓国作品も好きだったが、その魅力を損なわずに見事に日本版にリメイクされていた。
もし、宮沢りえの主演女優賞を阻止するとしたら、この作品の多部未華子か「リップヴァンウィンクルの花嫁」の黒木華だろう。

その他では、「何者」と「ピンクとグレー」は映画として新しい手法が取り入れられており、ロードショウ時にはあまり話題にならなかったが、今後じわじわと評価を上げてくると思われる。

「デスノート」は次回作次第でこの作品の評価も上下するだろうが、現段階ではこのあたりだろう。

「ロイヤル・ナイト」は「ローマの休日」のようで、非常に好感が持てる作品だった。
この作品は、誰にでも安心してオススメできる。

「リップヴァンウィンクルの花嫁」は感想にも書いたが、岩井俊二作品で期待したがちょっと長過ぎた印象だ。
前半部をもっとコンパクトにすれば、作品として生きてきたんじゃないかと思う。

「ちはやふる」と「64(ロクヨン)」は、どちらも前後編の2本の上映だった。
通常、前後編の作品は評価が難しいのでランキングから外すのだが、この2作品は見応えがあったので評価する事にした。

「ちはやふる」は百人一首が題材だが、基本的に青春スポ根劇で、ケレンミのないまっすぐな作りに感動した。
オッサンになると、逆にこういう純粋な作品に感動しやすくなってしまう。

「64(ロクヨン)」は、ラストを原作と変えた部分がポイントだ。
TVドラマもダイジェスト版を見たが、横山秀夫作品の特徴でラストがかなり甘かった。
だが映画版では、ストーリーにきっちりケリを付けている。
その部分が良かった。

「聖の青春」は、役者を含めた制作者の強いこだわりを感じた作品だ。
将棋と言う題材がマニアックなためあまり一般受けしなかったが、完成度はかなり高い作品と言えるだろう。
「シン・ゴジラ」の長谷川博己、「64(ロクヨン)」の佐藤浩市、「聖の青春」の松山ケンイチ、アカデミー賞の主演男優賞はかなり混戦だ。
個人的には「怒り」の渡辺謙はないと思う。

去年は年末に体調を崩し、人生そろそろエンディング・ノートだという事を実感した。
取りあえず今年も、映画を観られる喜びを堪能したいと思う。

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by ksato1 | 2017-01-06 22:00 | 映画 | Comments(1)
Commented by ksato1 at 2017-01-22 12:06
アカデミー賞男優賞候補、「永い言い訳 」の本木雅弘を忘れてました