「バイオハザード: ザ・ファイナル」<自由部門>

年末年始の興行では、「ローグ・ワン」を押さえて1位になった。
どれほどの作品かと思って期待して観に行ったが、アクションとしてはたしかに素晴らしい作品であった。

前作のラストでアリスは、エスカーや仲間たちとワシントンD.C.にたどり着いた。
そこにはホワイトハウスを囲むおびただしい数のアンデッドたちがいた。
本作のスタートは、まずそもそものT-ウィルスの成り立ちの説明から始まる。

細胞がどんどん老化し、25才で一般人の90才並みの体になってしまう奇病におかされた娘。
ジェームズ・マーカス博士は娘を奇病から救う研究を行う過程で、T-ウィルスを発見した。
T-ウィルスは娘のアリシア・マーカスの異常な細胞のみを駆逐、彼女は寛解したかのように見えた。
しかしその副作用で、T-ウィルス投与者はアンデッドとなる事がわかった。
マーカス博士はT-ウィルスの恐ろしさから廃棄を提案するが、共同開発者のアイザックス博士はそれを拒否、マーカス博士をエスカーに殺させるのだった。
またマーカス博士は生前、娘のアリシアの行動パターンなどをすべて記録し、それを人工知能に移植してレッドクイーンを立ち上げていた。

舞台は一転して静寂のワシントンD.C.にうつる。
隠れていたアンデッドや謎のモンスターと戦いながら生存者を探すアリスは、レッドクイーンからのコンタクトを受けた。
レッドクイーンは、ラクーンシティの地下にT-ウィルスを無効にする抗体が存在し、それを48時間以内に空気中に撒かないと人類はすべて絶滅すると告げる。
アリスはレッドクイーンの説明を信じ、ラクーンシティへと向かう。

その道すがら、アリスはアンブレラ社の残党と遭遇。
捕らえられてしまうのだが、そこには以前倒したはずのアイザックス博士がいた。
アイザックス博士はアンデッドをかき集め、ラクーンシティにわずかに残る人類を襲わせようとしたのだ。

アリスはなんとか脱出し、アイザックス博士よりも早くラクーンシティに到着。
タワーに立て篭もるクレアと合流し、ラクーンシティ最深部にあるT-ウィルスの抗体を目指して出発した。

とにかくストーリー展開はメチャクチャの一言で、映画としては破綻している。
前作のラストシーンから本作にどのようにつながるか、「エスカーの裏切り」程度でしか説明がなく、アリスとエスカー以外の登場人物はすべて説明もなくいなくなっている。
Wikiで調べたところ、小説版にはそのブリッジとなるエピソードが描かれているようなので、ひょっとしたら脚本はできあがっていたが、スケジュールや制作費の関係で撮影されなかったのかもしれない。
それにしても、セリフやアリスの回想シーンでつなぐ事はできたと思うのだが、それも一切なしだ。
さらに前作からの回想シーンがあってしかるべき冒頭に、シリーズ全体の発端であるエピソードを挿しこんでいる。
それも、今作で終わらせるためのメチャメチャご都合主義なエピソードである。
一度倒れたキャラも、「あれはクローンだった」で何回も復活してくる。
もう、「なんでもアリの世界」もここまで極めれば見事という他ない、ストーリー構成である。

ただ、世界観、アクション・シーンは本当に素晴らしい。
冷静に観れば辻褄が合わないトンデモな話の連続なのだが、展開のスピードと勢いで観る者を圧倒しまくってくる。
元々がゲームから派生した映画なのだが、ゲームシナリオ特有の緊張と緩和のメリハリ、そしてスピード感が、映画にもきちんとつけられている。
だから観ていてどんどん話に引き込まれてしまう。

個人的には映画としては評価できないと思うが、シリーズ6作品を通じて、15年以上も常にクオリティの高い世界観と緊張感を保ち続けている点は評価したい。
わざわざミラ・ジョヴォヴィッチの産休明けを待って制作されているのだが、その意味は十分あったと思う。


3.バイオハザード: ザ・ファイナル


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by ksato1 | 2017-01-17 06:57 | 映画 | Comments(0)