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「NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」<自由部門>

ヴィー(エマ・ロバーツ)は進学に悩む高校生だ。
兄は大学入学前日に他界し、今は母と二人暮らしでN.Y.に隣接する島に暮らしている。
本当はカリフォルニアの美術大学に進学を希望しており、入学許可も下りているのだが、母親は自宅から通える大学への進学を希望、経済的にもカリフォルニアに行く余裕はなかった。
親友のシド(エミリー・ミード)は高校生ながらナイスバディを持ち、チア・リーダーに所属していた。
そのため、地味なヴィーとは異なり男子からもモテモテだった。
そしてシドは、ネットゲームの「NERVE」にプレイヤーとして参加していた。

「NERVE」は文字通り「度胸」を試すオンラインゲームだ。
参加者は視聴者かプレイヤーを選択する。
視聴者は24時間$19.99を支払い、プレイヤーに課題を出す。
プレイヤーは出された課題をクリアすれば、提示された賞金をゲットできる。

シドは「NERVE」でも人気のプレイヤーで、チアリーディングにノーパンで参加し、お尻を丸出しにしたりしていた。
その結果停学になるのだが、彼女は「NERVE」への参加を辞めない。
それどころか、ヴィーにも参加するように勧めてきた。

シドと少し揉めた後、ヴィーはなんとなく「NERVE」に参加してしまう。
最初の課題は、ダイニングに来ている男性客と5秒キスをする、だった。
一緒に卒業アルバムを制作しているトミー(マイルズ・ハイザー)は止めるが、ヴィーは自分が好きな「灯台」という本を読んでいた男に話しかけ、キスをする。
課題をクリアして、ヴィーの口座には$100が振り込まれた。

ヴィーがキスをした男はイアン(デイヴ・フランコ)と言い、彼も「NERVE」の参加者だった。
イアンはヴィーに、二人で課題をクリアして高い賞金をゲットしようと持ちかける。
最初は及び腰だったヴィーだが、イアンとともにどんどん難しい課題をクリアして高額賞金を得ていった。
だが、リアルタイムでヴィーの挑戦を視聴していたシドは、それを面白く思っていなかった。
ヴィーはイアンに誘われてシドのホームパーティに行くのだが、そこで二人はケンカになってしまう。
やがてヴィーは、自分がこれまでのすべてがイアンの課題に乗せられていた事に気付き、路上のパトカーに「NERVE」の事を訴えようとする。
その瞬間、ヴィーはプレイヤーではなく「囚人」のカテゴリーとなってしまう。

スポンサーから無理な課題を出され、それをクリアすると賞金がもらえると言うテーマは、2006年にタイで制作された「レベル・サーティーン」に似ている。
「レベル~」は、ハーフのためにいじめられ続けた男が一発逆転するために、13の課題をクリアするのだが、途中で大便を食べ、ラストの課題が実の父親を殺すことだったりする。
この作品では、課題の連絡が電話やメモだったが、今回の「NERVE」はスマホ上でリアルタイムで表示される。
しかも「NERVE」のようなグロい課題はなく、しかし危険度は高そうな課題になっている。
一言で言って、かなり一般受けするテーマだ。

ストーリーとしては、キモとなるリタイアのペナルティの部分で辻褄が合わない部分もある。
イアンがヴィーに、途中でリタイアするとこれまで獲得した賞金もチャラになる、と言っているが、そもそもどの段階で課題がすべて完了になるかの設定が描かれていない。
時間、あるいはクリアした課題の数なのか。
完了の設定がなければ無限に課題を課せられてしまい、事実上何度課題をクリアしても次の課題でリタイアすると賞金を得られない事になる。
そんな挑戦誰もしないだろう。
また、「NERVE」のプログラムの設定があまりにもご都合主義で、いい加減である。

ただ、そういう細かい部分を抜きにすれば、なかなか面白い映画だった。
特にヴィーが「NERVE」に参加してからのスピード感が良い。
N.Y.の夜景の中で、今どれだけの人数が「NERVE」に参加しているか、HNによる表現の仕方も今風だ。
元々は生真面目であるヴィーのキャラを崩さず、途中で悪乗りし過ぎの自分に気付く部分や、イアンの本当の姿の隠し方などもまずまずだと思った。

制作者の二人は、「パノラーマル・アクティビティ」の3と4を制作しているようだ。
どちらも観た事はないが、実験的な作風が評価されている。
二人ともまだ30代半ばとの事なので、この後の作品に期待したいと思う。

それと、主演のエマ・ロバーツの美しさも特筆モノだ。
彼女の次回作にも期待したい。



4.NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム



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第一回プラチナブロガーコンテスト
by ksato1 | 2017-01-18 07:29 | 映画 | Comments(0)