「CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第2章&第3章」

ハナからそれほど期待していなかったが、率直な感想は、小学生のお楽しみ会の紙芝居レベルのこの作品でよく劇場公開したな、こんな作品作っておいて「クリエイターです」なんて恥ずかし気もなく名乗れるなんて、アニメ業界ってよっぽど甘い世界なんだな、と思った。
先に付け加えておくが、CGを含めた作画のレベルは非常に高いと思う。
人物の表情だけがやたらべったりした2Dなのはやや違和感があったが、それでもクオリティは標準以上のレベルだ。
だがストーリー展開は、小学生の紙芝居レベルだ。
ひょっとしたら総監督が途中で面倒くさくなって、小学生の息子にプロット作らせたんじゃないかと思うほど、酷い作品である。

まず始めに言いたいのは、敵の設定が「SPEC」の丸パクリだと言う事である。
第一章で敵が、太古から地球に存在した超能力を持つ存在だとわかったときにも、「SPEC」のパクリじゃないかとやや思ったが、まあ似たような設定の物語は他にもあるし、あまり気にしなかった。
しかし敵の大ボスの能力が、他のブレスド(能力者)の能力をコピーするという能力で、しかも記憶を消しさると言う能力も使っている。
「これで『SPEC』のパクリではありません」と言われても、「バカじゃないの?」としか言えない。
さらに、他の作品からのパクリ部分は多い。
宇宙ステーションにいたブレイドが培養液の中の脳だけ、という設定も、「ルパン三世 vsクローン人間」に酷似している。
ただし原作のヨミ編において、敵が培養された3つの脳という設定もあったので、この部分は「009」シリーズのオマージュと言えるかもしれない。
しかし、ジョーが極限まで加速して次元を超えると言うのは、どことなく「ジョジョ」の空条承太郎のスタンド「スタープラチナ」に似ている。
さらにジョーが敵を殴る時のセリフが「これはハインリヒの分だ」だ。
きっと孫悟空とクリリンもビックリしているに違いない。

脚本も、きちんと校閲しているとは思えない。
第2章の冒頭、ブレイドたちの会話の中で、「イワンは我々と同等以上の力を持つ者かもしれない」というセリフの直後に「我々の中で一番能力を持つ者なのか」と言っており、イワンがブレイドなのかブレイドではないのか、まったく会話がかみ合っていない。
その後も、ピョートルはブレイドではなく超進化した人間だとわかった後なのに、五十嵐は「ピョートル以外にもブレイドが(ガーディアンズの中に)いる」とつぶやいている。

第2章でジェットが超進化のナノウィルスに侵され、その対策としてわざわざ特殊な細胞を持つGBがイワン捜索に向かっているのに、第3章では「オレたちは機械だからウィルスに侵されない」とかすごい事を言ってたりもする。
宇宙ステーションのブレイドは培養液の中の脳なのになぜ酸素を送る必要があるのか、長老のブレイドに会いに行った時、ジェロニモは着ているスーツで弾丸を弾き返したのに、なぜフランソワーズのスーツは弾丸を通してしまったのか(長老のブレイドの能力で普通の人間になっていたとしても、それによりスーツが弱体化するのはおかしい)など、もう、商業映画としてはあり得ないオソマツさである。
河野悦子が台本を校閲していたら、もう大騒ぎだっただろう。

さらに、最後の戦いがブレイドの大ボスとイワンの超能力による戦いだ。
一応そこに、ジョーが加速装置で乱入してくるが、こういう小学生が満足するレベルの戦いを、恥ずかし気もなくいい大人に見せるという精神構造が理解できない。

内容紹介をするまでもなく、愚作中の愚作。
各話2週間限定公開で、TOHOシネマズデーで1100円だったこともあり、私が観た日は小さいスクリーンながらほぼ満席だった。
しかし上映終了後、お客さんのほぼ全員がガッカリして肩を落としていた。
おそらくみんな、「009は死んだ」と思って劇場を後にした事だろう。

石森プロが、今後二度とこの制作者たちに制作権を与えない事を、祈ってやまない今日この頃だ。


110.CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第2章
111.CYBORG009 CALL OF JUSTICE 第3章


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by ksato1 | 2016-12-16 07:14 | 映画 | Comments(0)