「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」

いよいよ公開されたハリポタ・シリーズの最新作。
私が観た公開初日の12:50~の上映回は、子どもも見やすい日本語吹替版という事もあって、中くらいの広さの劇場だが完売状態であった。

イギリス人魔法使いのニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)はNYに来ていた。
銀行の前で魔法使い追放を訴える救世軍の演説を聞いているうちに、鞄の中から魔法生物が逃げ出してしまう。
キラキラ輝く物が好きな、カモノハシに似たニフラーだ。
銀行の中に逃げ込むニフラーを追いかけているうちに、スキャマンダーはパン屋開店を希望しているジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー)と知り合う。
コワルスキーに魔法を使っている所を見られてしまうが、彼の記憶を消す前に彼は逃げ出してしまった。
その場面を、アメリカの魔法使いティナ・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォーターストン)に見つかってしまう。
記憶を消さずにコワルスキーを逃がした事で、ティナはスキャマンダーを拘束してアメリカ魔法議会に連行した。
だが、ティナが顛末を報告しようとするものの、ピッカリー議長(カルメン・イジョゴ)はとりあってくれない。
ヨーロッパで大暴れしている闇の魔法使いグリンデルバルドがNYに上陸した可能性があり、その調査で忙しいのだ。
代わりに魔法保安局長のグレイブス(コリン・ファレル)がやってきて、スキャマンダーの鞄をチェックする。
しかし鞄から出てきた物はパンだった。
銀行でコワルスキーの鞄と入れ替わってしまったのだ。
スキャマンダーとティナは、慌ててコワルスキーの元に行き鞄を取り返す。
しかし時すでに遅し、何体かの魔法動物は逃げ出してしまった。
何が起こったのかわからず呆然とするコワルスキーを連れ、スキャマンダーとティナはティナの部屋に向かう。
そこでティナの妹のクイニー(アリソン・スドル)のもてなしを受け、落ち着くスキャマンダーとコワルスキー。
部屋に案内されてすぐに鞄の中を確認したスキャマンダーは、コワルスキーとともに逃げた魔法動物を探しに行く。

映画単体としては、そこそこ面白かった。
魔法動物もなんだかよくわからないモノも多かったが、ストーリーに関わってくる動物たちはなかなかいいキャラばかりだった。
パン屋志望のコワルスキーも、憎めなくてストーリー内で強烈に機能している。
だが、ラストのオチが気に入らない。
ネタバレになってしまうので詳しく書けないが、魔法使いの映画でラストに「アレ」がアリならば、もうなんでもアリになってしまう。
ハリポタの時にも、最後は「アレ」ですべて解決、という事はなかったはずだ。

また、そもそも私が予想していたストーリーとはだいぶ違っていた。
時代背景はハリポタシリーズの数十年前、3人組がホグワーツで学んでいた頃には、スキャマンダーが発見した魔法動物やそれに関する文献などが登場していたはずだ。
まだ魔法使いの世界も混沌としている時代で、スキャマンダーが未開の地でいろいろな魔法動物を発見する冒険譚かと思って期待していた。

しかし実際には様子がかなり異なった。
まず物語の冒頭で、闇の魔法使いグリンデルバルドがヨーロッパで大暴れしている、というところから始まる。
この段階で、ハリー・ポッター本編とほぼ同じストーリー構成である事が確定した。
そしてクライマックスシーンで、グリンデルバルドを大物俳優が担当している事がわかり、この後のシリーズもスキャンダー vs グリンデンバルドで進む事が想像できてしまう。

本編のシリーズも魔法と学園モノと言うシチュエーションで人気を博したが、途中から風呂敷を広げ過ぎて収集がつかなくなり、主要人物が少しずつ死んで行き、ラストもシリーズ中盤で結末がほぼ見えてしまうというかなり安易な展開だった。
そもそも原作は児童文学だからまあこんなものかと思っていたが、新シリーズまで同じ展開と言うのは、やっぱりこのあたりがJ・K・ローリングスの力量の限界なのかと思わせた。

最初からスキャマンダーがグリンデルバルド逮捕に協力した、という設定であればわかるが、グリンデンバルドはダンブルモアとの戦いに敗れて収監されたはずなので、今回のスキャマンダー・シリーズにグリンデルバルドを組み込むのは、ちょっと強引な印象を持った。
グリンデルバルドとダンブルモアの戦いが所々でエピソード的に組み込まれるのであれば、ハリポタ全体の世界観が大きく広がると思うのだが、本作を観ると、スキャマンダー・シリーズにはガッツリとグリンデンバルドが登場してくる事はほぼ間違いない。
修行途中の若造と闇の大物が戦うと言う図式は、キャラクターを入れ替えただけで完全にハリポタの再現だ。

そうではなくて、せっかくスキャマンダーと言う非常に魅力的なキャラでシリーズを作るのだから、インディ・ジョーンズのように、いろいろな未開地で危険な冒険を繰り返しながら希少な魔法動物を救出する、というシリーズにした方が面白かったと思う。

できれば、今回のグリンデルバルドはダンブルモアとの戦いシリーズ制作まで取っておいて、スキャマンダーには自由闊達に世界中を冒険して欲しい。
そもそもタイトルが「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」なのだから。



103.ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅


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by ksato1 | 2016-11-29 06:31 | 映画 | Comments(0)