「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」

実在の辣腕編集者パーキンズと20世紀初頭のアメリカを代表する作家トマス・ウルフの物語である。
しかし無知とはいかに悲しいかな、私は二人の事をまったく知らなかったため、作品にのめり込む事ができなかった。

トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)は自分の小説を様々な出版社に持ち込むものの、誰にも相手にされなかった。
その一番の理由はボリューム、つまり小説の枚数が異常に多いからだ。
ウルフは、フィッツジェラルドやヘミングウェイを育てたスクリブナーズ社にも小説を持ち込む。
スクリブナーズ社の名編集者マックス・パーキンズ(コリン・ファース)は、トマスの小説を読むと彼の才能を見出し、売りだす事を決定した。
そこから、ウルフとパーキンズの文章を削りあげるせめぎ合いが始まる。
家族や愛人を放りっぱなしにして、二人はウルフのデビュー作「天使よ故郷を見よ」を仕上げる。
磨き上げられた「天使よ故郷を見よ」は、パーキンズの見込み通り大ヒット作品となった。

ウルフの才能を確信した二人は、2作目の制作に取り掛かる。
だが2作目の制作はデビュー作より苛烈となり、ウルフと愛人のアリーン(ニコール・キッドマン)の関係は歪み始める。
ウルフの前で薬を大量に飲むアリーン。
そして自由奔放なウルフは、やがて職人的に小説を作り上げようとするパーキンズとの間もうまくいかなくなってしまう。

かなり事実に忠実に作られていると思うが、いかんせん二人に馴染みがないので作品にのめり込めない。
だから面白いのかどうかの判断もできない。
とにかく、パーキンズのウルフへのアドバイスが、「削れ、削れ」の一辺倒である。
しかし、パーキンズが辣腕編集であったのならば、単純に文章を削らせるだけではなくもっと構成などについても指導をしていたのではないかとも思う。
逆に、パーキンズが削る以外の指導をする必要がないほど、ウルフの文章が秀逸だったのかもしれないが。
いずれにしろ、「削れ、削れ」があまりにも多くて、途中でちょっと食傷気味になる。

大役者を揃えているので、演技については「さすが」と言う他なかった。
ただ演技が良かっただけに、これがどこまで事実に忠実なのか気になって仕方がなかった。
もう少し予習をしてから見に行けばよかったかもしれない。

細かい話でいえば、パーキンズはウルフを見送る方なので、タイトルの「パーキンズに捧ぐ」と言う点にも違和感を感じた。

97.ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ


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by ksato1 | 2016-11-22 06:24 | 映画 | Comments(0)