「デスノート Light up the NEW world」

夜神月とLの命を掛けた壮絶なる頭脳戦から10年、世界に新たなる「デスノート」が5冊ばらまかれ、6冊のデスノートが存在する事になった
その結果、かつての「キラ」の粛清と同じような、連続不審死事件が世界中で発生する。
渋谷でも青井さくら(川栄李奈)による無差別通り魔殺人が決行されるが、青井さくらは他のデスノートで殺害された。

警察庁はメンバー同士も偽名で呼び合うデスノート対策本部特別チームを発足、デスノートについて研究を重ね続けた捜査官三島(東出昌大)もメンバーに名を連ねていた。
さらに、ICPOから派遣されたLの後継者である竜崎(池松壮亮)もメンバーに加わっていた。
しかし竜崎の目的は、Lの意思を継いでデスノートによる犯罪を止める事で、そのためには多少の犠牲が伴っても仕方ないという考え方を持っていた。
その事で正義感の強い三島とは、捜査の進め方でしばしば衝突していた。

青井さくらのデスノートを手に入れた三島たちは初めて死神と遭遇、現在世界に6冊のデスノートがある事を知る。
そしてデスノートはマックスで6冊しか存在できないが、1冊減れば新たに1冊が追加されるため、完全に封印するにはすべてのデスノートを1カ所に集めなければならない事も知った。

そんな時、日本中のデジタルデバイスにウィルスが送信され、キラからのメッセージが流れる。
メッセージを再生したデバイスからは個人情報が流出し、簡単にデスノートで殺人ができる状態になっていた。
その状況を冷ややかに見つめるのは、ウィルスをバラまいた紫苑優輝(菅田将暉)だ。
紫苑は天才ハッカーでかつ夜神月の熱烈な信奉者、そして入手経路は不明だがリュークのデスノートを保有していた。
紫苑はさらにかつてデスノートを保有していた弥海砂(戸田恵梨香)に接触、デスノートに触れさせて海砂の記憶を復活させる。
そして月からのメッセージで、6冊のデスノートがすべて揃った時、月が「約束の地」に降臨すると海砂に告げた。
一緒に月に会おうと誘う紫苑だが、海砂は冷静にこれを拒否、しかしそれでも紫苑は、いずれ海砂が月に会うために接触してくると考える。

一方竜崎だが、彼も1冊のデスノートを所有していた。
その事を三島に悟られるが、竜崎はLの意思を継ぐために絶対にデスノートは使用しないと告げる。
三島はいったん竜崎の言葉を信じる事にする。

この時点で紫苑は、リュークのデスノートの他に海外にあった2冊を合わせ、計3冊を保有していた。
警察には青井さくらのデスノートが保管され、竜崎が1冊を保有、残りは1冊だった。
そしてこの最後の1冊を紫苑が手に入れる。
手に入れる際、直前の保有者であった最高裁判事の御厨賢一(船越英一郎)に、すでに紫苑が4冊のデスノートを保有した事を告げて自殺させる。
紫苑はLの後継者である竜崎に、顔出しでテレビに出演しろと要求、竜崎は自分が出演する代わりにまだ世間に顔が知られていないLの顔を、CGで再生して放送した。
だがこのLのCGは、紫苑の要求をかわすための戦略ではなかった。
竜崎は紫苑に接触するために、自分が残りの2冊のデスノートを保有しているという暗号をCGに隠していたのだ。
その暗号に気付いた紫苑は竜崎に接触、お互いにデスノートを保有して会う約束をする。

観る前は、一度終了したストーリーを復活すると言う部分で、かなり強引な展開になるんじゃないかと危惧していた。
特に監督は、「砂時計」、実写版「GANTZ」2作、「図書館戦争」2作を撮った佐藤信介だ。
今年公開された「アイアムアヒーロー」こそかなり良かったが、前述の5作品の個人的なイメージは「ダメダメ作品」だ。
しかしそんな私の不安も杞憂に終わるほど、キッチリと作りこまれた作品になっていた。
もちろんここそこに矛盾もあったが、それでも元々の「デスノート」の設定、世界観を極力活かした形で新しいストーリーを作り上げている。
原作の「デスノート」、そして10年前の実写版「デスノート」への、制作陣の愛情を感じた。

ただ全体の感想としては、最後の落とし所がやや甘くなったかな、とも思う。
紫苑と竜崎はそれぞれ月とLの後継者だが、単純に前作の二人を模倣するキャラにしていない。
そのため新たなる天才二人の頭脳戦も新鮮で見応えがあり、この二人が対峙するまではヒリヒリした緊張感が続いた。
「約束の地」にたどり着くまではすべてのキャラクターが自分の信念の元にストイックに行動するのだが、すべての謎が明らかになるラスト30分、ストーリーに流される形でどのキャラも弱くなってしまう。
また、その30分で「デスノート」のルールのエピソードを入れているのだが、これもちょっと強引過ぎて蛇足だったかな、という気がする。

役者陣の演技もよく、特に醸し出すオーラで独特のキャラを演じられる菅田将暉、池松壮亮の二人を抜擢した点は素晴らしい。
菅田将暉はここのところ映画、TVで頻繁に起用されているが、軟弱から硬派まで、どんな演技もできる器用な実力派だ。
池松壮亮は「MOZU」でも殺人鬼新谷を演じ、「海よりもまだ深く」と「永い言い訳」では淡々と語る好青年を演じているが、今回はまた違ったやや粗暴で突き進むキャラを演じている。
東出昌大は「寄生獣」で演じたパラサイトにやや違和感を感じたが、今回の正義感に燃える捜査官はピッタリとハマっている。
前作からの組み込まれた弥海砂の戸田恵梨香も、さすがの演技である。
彼らの演技が素晴らしかっただけに、余計にラスト30分が惜しかったかな、と思う。

最後に、竜崎がデスノートを所持している事に三島が気付くシーンで、まだデスノートに触れていないのにどうして三島に死神の「アーマ」が見えていたのか、その部分も残念だった事を付け加えよう。


85.デスノート Light up the NEW world


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by ksato1 | 2016-11-08 21:40 | 映画 | Comments(0)