「ハドソン川の奇跡」

2009年1月に実際に起きた事故を題材にした映画だ。
事実をほぼ忠実に再現していると思われるが、さすがイーストウッド、メリハリをきちんと付け短いながら物語としてキッチリ仕上がっていた。

機長のサリーことサレンバーガー(トム・ハンクス)は操縦する機が市街地に墜落する悪夢に悩まされていた。

2009年1月15日、USエアウェイズ1549便は離陸直後にバードストライクにあい、左右のエンジンが停止してしまう。
サリーと副機長のスカイルズ(アーロン・エッカート)は、必死に機を立て直そうとする。
しかし高度を保つ事ができず、近隣の空港までたどり着けそうにない。
サリーはとっさの判断でハドソン川に不時着水した。
結果、乗客乗員全員無事となり、サリーとスカイルズは一躍ヒーローとしてもてはやされる。
だがその後、国家運輸安全委員会が事故の調査をし、左側のエンジンは機能を停止しておらず、機体は近隣の空港まで飛行することが可能、ハドソン川に着水したサリーの判断は誤りで、乗客を危険にさらしたのではないかと言いだした。
事故の当時、サリーは間違いなく両方のエンジンが機能を停止していたと判断したが、その判断が正しかったのかと悩まされるようになってしまう。
悪夢に悩まされているのもそのためだ。

そして、調査の結果を検証する公聴会が開かれることになった。

ストーリーは、公聴会前に悩むサリーたち→離陸直前から着水、そして全員救出→公聴会、という流れになっている。
この展開が秀逸だ。

最初にサリーたちの悩み、不安を描き、その後実際の事故はどうだったのかを、乗客のバックグラウンドとともにドラマチックに展開、ラストは公聴会で検証の結果を解説している。
事実に忠実になればなるほど、ドラマチックな部分は希薄となり映画としては淡泊になりそうだが、サリーの心情の変化を絶妙に描くことにより、観ている者はサリーにズブズブに感情移入してしまう。
公聴会でサリーに質問をする調査員の憎たらしい言動も、巧い演出だ(このあたりは事実と異なるのかもしれない)。

主演のトム・ハンクスのキャスティングも絶妙、あまり話題になってはいないがなかなかおススメの作品である。
できれば事故の季節に近く、もう少し寒くなってから公開にした方が、もっと話題になったんじゃないかとも思う。


74.ハドソン川の奇跡


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by ksato1 | 2016-10-14 05:15 | 映画 | Comments(0)