「スーサイド・スクワッド」

マーベルの「アベンジャーズ」に対抗する、DCコミックスの「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズの第3弾だ。
なかなか魅力的なキャラクターが多数登場し、今後の展開にも期待が持てる作品になっていた。

スーパーマンがゾッド将軍との闘いで亡き者となった後、アメリカ政府の高官アマンダ・ウォーラー(ヴィオラ・デイヴィス)は、今後スーパーマンのようなメタヒューマン(超人類)が現れた時の対策を考えていた。
スーパーマンは人類に友好的であったが、他のメタヒューマンも人類に友好的かどうかはわからないからだ。

そこで彼女は、超人的な能力を持つ犯罪者やメタヒューマンを集め、アメリカ政府のために働く集団を作ろうとした。
集められたメンバーは以下の通り。

デッドショット(ウィル・スミス)
どんな状況下でも標的をしとめる超人的なスナイパー。離婚した妻の元にいる娘のために、狙撃の仕事を請け負っている。

ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)
元々はハーリーン・クインゼルという精神科医であったが、ジョーカー(ジャレッド・レト)の診察をしているうちに感化され、精神崩壊を起こしハーレイ・クインとなる。
ジョーカーのためならすべてを捧げる。

エンチャントレス(カーラ・デルヴィーニュ)
ジューン・ムーンという考古学の博士であったが、南米で遺跡を発掘中に古代の邪悪な魔女に憑依される。心臓をアマンダに保有されているため、仕方なく命令に従う。

キラー・クロック(アドウェール・アキノエ=アグバエ)
地下の排水溝で独自の進化を遂げたメタヒューマン。
巨大で爬虫類のような容姿を持ち、怪力を誇る。

エル・ディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)
両手から炎を出すメタヒューマン。
元々ロスでギャングをしていたが、自らの炎に妻子を巻きこんでしまい、それ以来力を封印している。
闘う事を望んでいない。

キャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニー)
自由自在にブーメランを操る強盗。メタヒューマン(フラッシュ)に捕らえられていた。

スリップノット(アダム・ビーチ)
特殊な縄を使い、どんな壁でもよじ登ることができる。

しかし当然の事ながら、悪党どもは言う事を聞こうとせず、かつエンチャントレスが逃げ出してしまう。
さらにエンチャントレスは封印された弟を復活させ、自らの心臓を取り戻そうと企む。
エンチャントレスと弟はまずはNYの地下鉄で力を爆発させ、アマンダを探すために大暴れをする。

集められたスーサイド・スクワッドは、早速任務に駆り出される。
指揮するのは、エンチャントレスになる前のジューン・ムーン博士の恋人でもあったフラッグ大佐(ジョエル・キナマン)だ。
スーサイド・スクワッドは首にナノ爆弾が埋め込まれ、命令に従わないと瞬時に爆殺される。
任務に向かう途中で逃げ出そうとしたスリップノットは、活躍する場もなく処刑された。
またフラッグ大佐の護衛として、日本刀を操る日本人カタナ(福原かれん)も合流する。

メンバーは当初、テロリストが爆破した地下鉄の現場付近から、残された要人を救出する事が任務と聞かされる。
しかし現場に近づくにつれ、何やら得体のしれない敵が襲ってくる。
デッドショットをはじめとして、メンバーは様子がおかしい事に気付く。
そして救出する要人が、なんとアマンダである事がわかった。

一行は、屋上に用意したヘリコプターから脱出を試みる。
しかしそこにジョーカーが登場。
ハーレイ・クインのナノ爆弾を無効にして逃げようとしたのだ。
しかしすぐさまアマンダの命令で機動部隊が出動、ジョーカーとハーレイ・クインの乗ったヘリは撃ち落とされてしまう。

その後、アマンダは別のヘリで脱出を試みるが、エンチャントレスに見つかり撃墜される。
心臓はエンチャントレスの手に戻ってしまった。
もう、エンチャントレスと弟を止める事はほぼ不可能だ。
フラッグ大佐は、それでもアマンダ救出を続行するようメンバーに命令する。
だが、アマンダの乗ったヘリを探索している時にデッド・ショットが機密書類を発見、今回のミッションが、アマンダがエンチャントレスを逃した事の後始末であることがわかってしまう。
デッドショット以下のメンバーはあきれ、ミッションを放棄。
フラッグ大佐はナノ爆弾の起爆装置を破壊、自分はジューン博士を取り戻すために闘いに行くと告げる。
その言葉に、メンバーたちは命を掛けて、エンチャントレスと弟と闘う事を決意する。

本来自分本位な悪人たちが、共通の敵とは言え勝つ事がかなり難しい巨大な敵に命を掛けて挑む、この部分は若干強引な感じもする。
ただ、それぞれのバックボーンを丁寧に描くことにより、そこそこ説得力のある展開になっていた。
そして何より、メンバー一人ひとりの能力とキャラがかなり魅力的だ。
特に、個人的にはウィル・スミスのデッドショットに強くハマった。
狙撃の名手ではあるが基本的には普通の人、そして行動のモチベーションも基本はカネで、かなり一般人に近い。
だがそのため逆に、正義側に振れやすいキャラであり、ちょっとダメキャラであるフラッグ大佐に代わり、途中からメンバーの中でもリーダー的な存在になっている。
能力としてはアベンジャーズのホークアイに近い存在だが、申し訳ないが頼もしさは彼の比ではない。
今後の展開でも、ここそこでいい仕事をしてくれそうだ。

また、スクワッドの発案者アマンダが、かなり食えない悪いヤツというのも面白い。
アベンジャーズのフューリーのような善人ではなく、今後彼女がヴィラン(悪役)になるんじゃないかという期待も持てる。
それも含めて、現段階で誰が善で誰が悪か、何も決まっていない部分もいい。
ほぼ善人であるスーパーマンは、一応死亡した事になっている。
ワンダーウーマンはおそらく善人だろう。
しかし今回のベン・アフレックのバッドマンは、必ずしも善とは言えない。
そもそものバッドマンのキャラは、悪人を手加減せず容赦なく叩きのめし、時にはその手法に批判が集まる時もある。
バッドマン自身その事を知っているが、「自分は悪だ」と言い切って、意に介せず活動するのだ。
クリスチャン・ベールのバッドマンは善そのものだったが、ベン・アフレックのバッドマンはどっちに振れるかまだわからない、と言うより悪の側に立ちそうな雰囲気だ。

スーサイド・スクワッドのメンバーも、どうなるかわからない。
おそらくはいろいろと理由を付けながらもほぼ善の側に立つんじゃないかとは思うが、ハーレイ・クインがジョーカーとメンバーの間でどちらに着くか悩みそうだ。
その他、今回チラッと出てきたザ・フラッシュ、「バットマンvsスーパマン」にチラッと出てきたアクアマンあたりも、どういう立ち位置か興味深い。

アベンジャーズに対抗する作品なんて、そう簡単に作れないだろうと思ったが、アベンジャーズのようにわかりやすい勧善懲悪にせず、一捻り加えているところが素晴らしい。
まずは来年の「ワンダー・ウーマン」に期待だ。


73.スーサイド・スクワッド


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by ksato1 | 2016-10-13 05:15 | 映画 | Comments(0)