「超高速!参勤交代 リターンズ」

前作は城戸賞を受賞した演劇の映画化だったが、この映画に限らず、演劇の客席との一体感と映画館のスクリーン上映ではどうしても温度差が異なるため、その部分が若干こなれていない印象だった。
脚本はなかなか面白かったのだが、ストーリー展開にスムーズさを欠いていた。
本作は脚本はさらに面白くなり、ストーリー展開も改良の余地はまだまだ残されているもの、前作と比較するとかなりスムーズな進行であった。

なんとか5日で江戸に参勤した湯長谷藩の一行は、牛久の宿で藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)とお咲(深田恭子)の祝言を上げていた。
しかしその場に湯長谷藩から瀬川(近藤公園)が駆け付け、藩内で一揆が起きたと告げる。
しかも、一揆を視察する幕府の目付がすでに江戸を立ち、2日後には湯長谷到着する見込みと言う。
目付が藩に到着する前に戻らなければお取り潰しは必至、政醇以下、家老の相馬(西村雅彦)、指南役の荒木(寺脇康文)、御用人の鈴木(知念侑李)、馬廻の増田(柄本時生)、膳番の今村(六角精児)の6人は、行きの倍のスピードで湯長谷藩に戻る事にした。

途中で鈴木が脱落、残りの5人はなんとか湯長谷藩に到着するのだが、時すでに遅く、幕府の目付の視察は終わり、内藤に代わり尾張の柳生が湯長谷藩を治める事に決まっていた。
5人は城を追われて村に落ち伸びる。
一方江戸の湯長谷藩邸でも、藩の人間が屋敷から追い出されていた。
江戸に残っていた秋山(上地雄輔)は、蟄居を解かれた松平信祝(陣内孝則)が黒幕と推測、屋敷前で信祝の首を狙っていたところを奉行所の大岡(古田新太)に諌められる。
その後秋山と大岡は、二人で信祝の悪巧みを暴こうとする。

全体の、上から2、3番目くらい権力を持つ悪党が悪巧みをし、主役たちはそれに抵抗するものの力及ばず、しかし最後に悪党の上に位置する者が現れて成敗する、と言う典型的な勧善懲悪ストーリーである。
なので、スタートから15分くらいでストーリーの全体像が予測でき、かつほぼその通りに進行する。
しかし、脚本と演出が軽快なため飽きはない。
特に、政醇が敵と戦いながらお咲に気持ちを告白するシーンは、ベタであるが笑わされた。

ただ、かなり強引な展開も多い。
秋山が倒した忍が懐にメモ書きを持っていて、そこから信祝の悪巧みが露見する。
しかし、そんな重要なメモを懐に入れて戦う忍はいないだろう。
途中で雲隠段蔵(伊原剛志)が子どもを人質に取られて裏切るのだが、戦いの現場にわざわざその人質の子どもを連れてきて脅している。
どちらもわかりやすい演出ではあるが、あまりにも捻りがなくストレートすぎて、見ていて興醒めした。

ラストシーンではさらに続編がありそうな匂いがしたものの、もし続編を作るとしても、もう少し全体の流れを整理して無理のない展開にしてもらいたい。


70.超高速!参勤交代 リターンズ


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by ksato1 | 2016-10-05 06:10 | 映画 | Comments(0)