「嫌な女」

監督は、NHKのBSドラマで自らこの作品の主演を演じたことがある黒木瞳だ。

石田徹子(吉田羊)は幼少時から、地味に真面目に生きてきた。
自己主張をする事も少なく、大学を卒業して司法試験を受け、小さな事務所で弁護士をしていた。
一度は結婚をするものの、仕事が忙しい事もあり夫とはなかなかコミュニケーションが取れずに離婚も経験していた。

ある日、突然従兄弟の夏子(木村佳乃)が弁護士事務所に現れる。
婚約不履行で訴えられているのでなんとかしてくれ、と言うのだ。
徹子は原告である元恋人と話をして、彼が夏子を恨んでいるのではなく未練があるのだと言う事を知る。
結局元恋人は訴えを取り下げ、しかし夏子は弁護料を支払わずに雲隠れしてしまった。

さらに事務所で数年経験を積んだ時、夏子が徹子の前に現れた。
今度は販売した絵画が偽物なので返金しろ、と言う訴えをされたらしい。
夏子は前回の弁護料も支払っていないのだが、事務所のオーナー弁護士萩原が、夏子の依頼を受けてしまう。
徹子が後輩の磯崎賢(中村蒼)と調査をすると、夏子はいわゆるキャッチセールスで絵画を高く売りつける商売をしており、しかも若い男に貢ぐために詐欺まがいの仕事をしていたのだ。
さらに今は病院で、余命いくばくかという男の身の周りの世話をしていた。
いかにも財産目当てであるかのようだ。

奔放な夏子の依頼を処理しているうちに、いろいろな人の人生に触れ徹子が成長する話だ。
黒木瞳の監督は、それほど悪くはない。
ただ、いろいろな監督の手法を少しずつ取り入れているようで、全体を通してなんとなく既視感がある。
構成もちょっと駆け足な感じで、弁護士事務所の大宅(永島暎子)と後輩の磯崎に関しては徹子の成長に大きくかかわっているのに、取り上げ方が非常に物足りない。
太田の結婚式の潰し方も、かなり強引な感じがした。

黒木瞳が人脈を駆使したのか、出演者はやたら豪華だ。
田中麗奈はほぼワンシーン、トラック運転手役だった竹中直人に至っては、映っているのは1分もなくセリフも2、3だ。
その他にも、エンドロールを見て「えっ、この人どこに出てた」という感じで、豪華な役者がチョイ役で出演している。
そして、吉田洋と木村佳乃の演技力は素晴らしく、特に木村佳乃の破天荒っぷりは見ていて気持ちがいいくらいだった。

上映時間は2時間足らず。
原作に忠実にしているのかもしれないが、せっかくこれだけの役者を揃えたのだから、上映時間が長くなったとしても、もうちょっと構成を変えて映画的にした方がよかったんじゃないかと思った。


51.嫌な女



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