「ヒメアノ~ル」

原作の古谷実は「稲中卓球部」で有名だが、個人的には「ヒミズ」の原作者と言うイメージだ。
どちらも原作は読んでいないが、この作品はおそらく原作も後者に近い物と思われる。

岡田進(濱田岳)は清掃会社でバイトをしており、そこの先輩の安藤(ムロツヨシ)が、行きつけのカフェの店員阿部ユカ(佐津川愛美)に恋をした。
安藤はユカの顔を見るためにしばしば店を訪れるが、それ以上の事は何もできない。
そうこうしているうちに、謎の男がユカに付きまとっているのではないかと疑い出す。
岡田がその謎の男を見ると、それは岡田の高校時代の同級生の森田(森田剛)だった。
安藤に促されて、森田に探りを入れる岡田。
しかし岡田は「何の事?」ととぼけた。
だがユカに聞いてみると、やはり岡田はユカにストーカー行為をしているようだった。

安藤に命令され、さらに森田に探りを入れる岡田。
だがどうも、岡田の様子がおかしい。
一方ユカは、岡田と接するうちに岡田を好きになってしまう。
安藤に内緒で付き合いだす二人だが、その光景を森田に目撃されてしまった。

森田はやはり危ない男で、仕事もせずに生活をしていた。
やはり高校時代の友人でホテルオーナーの息子、和草にカネをせびっていたのだ。
森田と和草は高校時代に河島という友人にいじめを受けていた。
そのいじめは苛烈を極め、卒業式の前に森田は川島を殺してしまう。
その時和草も現場にいて、少なからず河島に暴行を加えていた。
森田はそれをネタに、和草を強請っていたのだ。
和草は婚約者に促され、森田を殺しに行くことにした。

内容的にはかなりセンセーショナルな作品だ。
監督は「純喫茶磯辺」「さんかく」「麦子さんと」「銀の匙 Silver Spoon」などの吉田恵輔。
「さんかく」ではやや過激な演出もあったが、それ以外はほのぼのしたお笑いを得意とする監督だ。
しかし今回は、森田のイカれ具合をうまく表現している。
冷静に考えるとかなり無理な展開ではあるものの、演じる森田剛のどことなく危ない雰囲気を巧みに引き出していた。
唯一、森田があそこまでイカれるまでになった原因が描かれている点だけが残念だ。
原作にもなかったのかもしれないが、映画のストーリーとしてはやはり組みこんで欲しかった。

いずれにしろ、監督の引出しの多さを感じさせる作品だった。
次回作にも期待したい。


41.ヒメアノ~ル

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by ksato1 | 2016-06-07 05:30 | 映画 | Comments(0)