「海よりもまだ深く」

「歩いても歩いても」以来の、是枝作品に阿部寛、樹木希林の親子である。
親子としての距離感は、「歩いても歩いても」と酷似していた感じもした。

坪井良多(阿部寛)は何年も前に文学賞を取り、単行本も発売している作家である。
しかしその後はまったく泣かず飛ばず、探偵事務所でアルバイトをして糊口をしのぐ生活だった。
妻の響子(真木よう子)は息子を連れて去り、息子とは月に一度しか会う事を許されていない。
良多は仕事が上手く行かないストレスもあり、アルバイトで稼いだカネもギャンブルにつぎ込む生活を送っていた。
その結果、息子と会う際に払う養育費にも事欠く事態となる。
響子は早々に新しいパートナー(小澤征悦)を見つけて再婚を考えているのだが、未練たっぷりの良多は、探偵事務所の後輩町田(池松壮亮)とともにストーカーのように響子のデート現場をつけまわしたりしている。
その上カネに困って母親(樹木希林)の留守中に実家に忍び込み、カネ目の物を物色していた。

ある日、息子と会っていた良多は、そのまま実家に連れて行き母親に会わせる。
息子がお祖母ちゃんが大好きだったからだ。
しかしその日は台風が近づいていて、響子が迎えに来た時には電車が止まってしまうほどだった。
止む無く3人は、良多の実家に泊まる事となった。

良多のダメっ振りが際立っている。
だが、そのダメっ振りを際立たせているのは、回りを固める脇役キャラの堅実な演技である。
特に、池松壮亮演じる町田がポイントポイントで効いている。
唯一人全面的に良多に協力的で、良多自身物語の途中で「これ以上俺に優しくするな、泣いちゃうから」と言っていた。
もちろん、樹木希林と真木よう子の演技も素晴らしい。

ラストも、これで良いのか悪いのかよくわからないが、見た後に言葉にならない満足感が残る作品だった。


40.海よりもまだ深く

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by ksato1 | 2016-06-06 05:30 | 映画 | Comments(0)