「アイアムアヒーロー」

「スピリッツ」を愛読しているので、この作品も原作はスタート時から全話読んでいる。
映画では「アウトレットモール」編までが描かれているが、原作の細かい部分はもう覚えていない。
おそらく原作とは異なっている部分もあると思うが、それほど違和感を感じる事はなかった。


鈴木英雄(大泉洋)は30代後半だが、まだマンガ家のアシスタントをしていた。
16年前にマンガ賞の佳作を取ったがそこからは泣かず飛ばず、同棲している徹子からも結婚を迫られていたがこたえることができなかった。
英雄はうっ屈とした日々を送っていたが、ある日東京に不思議な病気が蔓延し始める。
感染者はゾンビとなり健康な者に噛みつく、すると噛まれた者もゾンビとなる。
それらのゾンビは、ネットスラングでZQN(ゾキュン)と呼ばれていた。

仕事先のアシ仲間、マンガ家、そして徹子までがZQNとなり、英雄を襲おうとした。
英雄は元々クレー射撃を行っており、その銃を持ってZQNが徘徊しまくっている街中に出た。
そこで出会った女子高生の比呂美(有村架純)とともに、タクシーで東京を脱出する。
しかし運転手もZQNとなってしまったためタクシーは高速で大破、二人はネット上で安全と言われる富士山を歩いて目指すことにした。

だが途中で、比呂美が感染してDQNになりかけていることがわかる。
二人は別れ、英雄を一人で先を急ぐのだが、その道すがらZQNに襲われそうになる。
その英雄を救ったのが比呂美だった。
比呂美はZQNの症状が出ながら心肺機能が停止しておらず、英雄を理解し、若干ながらコミュニケーションを取ることができた。

比呂美を連れて富士山を目指していると、やがてアウトレットモールにたどり着いた。
そこで英雄は荒らされた店を物色していたのだが、ZQNに遭遇してしまう。
間一髪の危機を救ったのは、藪こと小田つぐみ(長澤まさみ)だった。
かつて看護師だったつぐみは、患者を救えなかった事から自虐的に藪と名乗っていた。

藪たちに救助され、英雄はアウトレットモールの屋上の難民キャンプに案内される。
そこでは数十人の人間が救助を待っていた。
しかし救助が訪れる様子はない。
この難民キャンプを仕切っている伊浦(吉沢悠)は、アウトレットモールの食糧庫から食料を調達しようと計画する。
そのために銃を取り上げられる英雄。
しかも比呂美にZQNの症状が出ていることがバレてしまい、頭をボウガンで撃ち抜かれてしまった。
比呂美を藪に匿ってもらい、自らは食糧調達隊に参加する英雄。
しかし銃は難民キャンプのNo.2だったサンゴ(岡田義徳)に取り上げられてしまっていた。

タクシーでの疾走シーン、そしてアウトレットモールのシーンとも、迫力がもの凄い。
そもそもゾンビ映画はあまり好きではないので「バイオハザード」シリーズ位しか観ていないのだが、迫力と言う点では「バイオハザード」にも劣っていない。
原作の世界感も残したまま、映画としてきちんと再編成されている。

唯一の欠点は、原作よりも「追い詰められ」感がやや弱い点か。
原作は世界中で何が起こっているかがサッパリわからず、さらに「アウトレットモール」編あたりではまだ英雄がほとんど役立たずだった。
そのため、どこにも逃げ場がない「追い詰められ」感がハンパなかったのだが、この映画ではクライマックスで英雄がやたら頼りになる男になっている。
特にショットガンを手に入れてからは、「追い詰められ」感ではなく真逆の「スーパーヒーロー」感がハンパなくなっている。

原作もまだ継続中なので、映画もこの後Part2、3が制作されるのだろう。
今回も単体の映画として完成されてはいるが、できればPart2、3も制作して、「追い詰められ」感を強めて行ってほしい。

37.アイアムアヒーロー


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