「僕だけがいない街」

事件を防ぐために何度も同じ時間をやり直す設定と聞いていたので、「ミッション:8ミニッツ」と同じような映画かと思っていたが、内容はSFというよりはミステリー仕立てだった。

藤沼悟(藤原竜也)はマンガ家を目指して上京するが、なかなか芽が出ずにピザ屋のバイトで生計を立てていた。
そんな悟は、同じ時間を繰り返すという特殊な能力を持っており、本人は「リバイバル」と呼んでいた。
なぜそんな能力が身に着いたかわからず、また、自分で自由に使える能力でもなかった。
事件、事故が起きた時に、その原因となる時間まで戻り、事件、事故を防ぐまで何度でも同じ時間を繰り返して経験することになる。
ある日その能力で、小学生を交通事故から救う事に成功した。
しかし悟自身は事故の巻き添えで入院、それがきっかけで同じピザ屋のバイト片桐愛梨(有村架純)と会話をするようになった。
北海道から母の佐知子(石田ゆり子)も上京して愛梨と仲良くなり、3人で悟の部屋で夕食を囲んだりしていた。
だが佐和子は悟の部屋で包丁で刺されてしまう。
窓から見えた人影を追う悟だが、犯人を見失う。
そして自分が犯人と勘違いされてしまうのではないかと考え逃げ出すのだが、警察官に追い詰められて転倒、その瞬間小学3年生まで時間が戻ってしまった。

悟は、おそらく母が殺された原因がこの時間の事件にあると推理。
その事件は小学生が狙われた連続誘拐殺人事件と見込み、最初の被害者である雛月加代(鈴木梨央)を調べることにした。
加代は母と二人暮らしだったが、母の恋人が部屋に入り浸るようになってから、二人から虐待を受けていた。
悟は加世が誘拐事件で殺害されたのではなく、母とその恋人の虐待で死んだのではないかと考え、加世に注意を払う事にしていた。
そして、加世が殺されたはずの悟の誕生日に自宅に招き、加世を救おうと試みた。
だが加世は翌日に殺されてしまう。
そして悟はそのまま現代に戻ってくる。
しかし母親は死んだままだった。

今までとは様子が異なる、何が起こっているのか悟には理解できなかったが、とにかく母親を殺した犯人を探すことにした。
悟は愛梨の部屋にかくまってもらうのだがなぜか愛梨の家から出火、愛梨は一命を取り留めるが、悟の部屋に行った時の指紋が検出され、愛梨自身も警察から注目されることになる。
病院から抜け出した愛梨は悟と落ち合うが、愛梨を追い掛けてきた警官に二人は確保されてしまう。
その瞬間、悟は再び加世が殺される前の時間に飛ばされた。
今度こそ加世を護り、母親の事件を回避する、そのためには単純に加世を救うだけではなく真犯人を捕まえなくてはならない。
悟は方針を転換し、友人のケンヤと一緒に加世を護りながら犯人を探すのだった。

何度もタイムスリップしてやり直すという設定は、タイムスリップ物ではそれほど珍しくは無い。
例えば「時をかける少女」のアニメ版も、何度も同じ時間をやり直している。
この作品も映画としては、それほど際立ったストーリー設定ではない。
ただ、少年時代の悟を演じた中川翼と加世の鈴木梨央、この二人の子役の演技力で、グッと引きしまった作品となった。

中盤の盛り上がりと比較すると、ラストはやや安易な設定で少々安っぽくなってしまっている。
特に、パラレルワールドとして悟が歴史を変えて現代に戻った時、その時代から現在までの記憶が悟の中にどれだけ残っているのかがはっきりしないので、人間関係が少々ボヤけてしまった。
ラストの感動はこの人間関係の深さで表現されるので、結末が少々甘くなってしまった感がある。
だからダメだとは思わないし、人によって好みは分かれるのだとは思うが、個人的にはやや消化不良な部分が残る作品だった。


35.僕だけがいない街


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]