「レヴェナント: 蘇えりし者」

西部開拓時代のアメリカ、毛皮貿易会社に雇われた道案内人のグラスは、息子と共にヘンリーの部隊の遠征に参加していた。
毛皮も手に入れて遠征を終えようとしていたヘンリー隊だが、土地を支配するアリカワ族に襲われてしまう。
部隊の半分以上を犠牲にし、ヘンリー隊はなんとか遠征の船に逃れるのだが、グラスはこのまま川を下って行けばいずれ再度アリカワ族に襲われてしまう、陸路を行くべきだと提案。
ヘンリーはグラスの提案を受け入れ、毛皮を隠して陸路を進む決断をする。
しかしその途中、斥候をしていたグラスはグリズリーの襲撃を受けてしまう。
瀕死の重傷を負いながら一命を取り留めたグラスを、ヘンリーは見捨てずにつれて帰ろうと試みた。
だが陸路は険しく、グラスを運びながら行軍する事は不可能に近かった。
しかもグラスは傷のために高温を発しており、長旅に耐えられるとは思えない。
やむなくヘンリーはグラスを置いていく決断をする。
そして若きブリジャーにグラスを看取ったのちに埋葬して隊を追いかけるように言い、年老いて狡猾なフィッツジェラルドも報奨金で釣って一緒に残るように説得した。

フィッツジェラルドはグラスの息子ホーク、ブリジャーとともにグラスのために残ったが、グラスに対しては何の気持ちも持っていなかった。
なのでアリカワ族に追いつかれる前に、早くグラスを看取って隊を追いかけたいと思っていた。
そのため、グラスに楽にしてやると伝え、彼を殺そうとする。
その現場を見ていたホークはフィッツジェラルドを止めようとするが、逆に殺されてしまった。
フィッツジェラルドはホークの遺体を隠し、ブリジャーを騙してグラスを半ば埋葬して立ち去ってしまった。

だがグラスは死ななかった。
息子のために、死ねなかったと言う方が正しいかもしれない。
そこから、グラスは復讐のために不屈の執念でフィッツジェラルドを追い始める。

ディカプリオが悲願のアカデミー賞を受賞した作品だ。
そしてアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、2年連続でアカデミー賞監督賞を受賞をしている。
薄暮の雪原と坂本龍一の透明感あるBGMは、復讐劇でありながらそれだけで観ていて心が静まってくる。
一方で、生き延びるために生肉を食いちぎるディカプリオの演技は、鬼気迫るものがある。

いかにもアメリカ人の好きな開拓史時代の西部劇というモチーフで、美しい映像と共に、アメリカ人に評価されても不思議はない。
ただ個人的には、特に目新しさはなかった。
事実をモチーフにしているそうだが、これが毛皮ではなくゴールドラッシュ時代の西部の話であってもおそらく違和感はなかっただろう。

2時間半以上と言う上映時間にしては飽きる事はなかった。
そのあたりはセリフを極端に少なくして、観客に映像とBGMの美しさを堪能させるという読みなのだろう。
イニャリトゥ監督ならではの、どうやって撮ったのかわからないシームレスな長回し撮影も素晴らしい。

とは言え、ストーリー展開を含めてやや凡庸な印象は否めない。
日本人には少し評価しにくい映画だと思った。


29.レヴェナント: 蘇えりし者



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