「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」

予告編やCMを見ていた限りではすっかり「アベンジャーズ」の最新作かと思ってしまったが、正確には「キャプテン・アメリカ」の最新作で、ストーリーもキャプテン・アメリカを軸に進行する。

ナイジェリアのラゴスでテロリストの動きを見張っていたアベンジャーズのメンバーは、生物兵器をテロリストから護る事に成功する。
しかし自爆するテロリストの首謀者をワンダ(エリザベス・オルセン)が空中に放り投げたためにビルが大破、死傷者が多数出る事態に国連も看過できない状況になってしまった。
その結果、117国が賛同したソコヴィア協定として、アベンジャーズを国連の監視下に置く事を提案した。

チームのリーダーとして作戦に参加していたキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)はワンダを擁護するが、作戦に参加していなかったトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、状況は理解できるがしばらくは国連傘下に入る事が賢明であると主張する。
スタークはポッツとアイアンマンを着用しない約束をしていたが、ソコヴィアでの事件などでいまだその約束を果たせておらず、かつ国務省内で、一人息子をソコヴィアで亡くした職員からの訴えを聞き、アベンジャーズは独自に活動しない方がいいのではないか、と思い始めていたのだ。
一方正義感の強いキャプテン・アメリカは、国連の判断がすべて正義であるわけではない、と主張。
両者の主張はどちらも少なからず正当性があるため、意見は平行線のまま決着しなかった。
そしてトニー・スターク、ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)、ローディ(ドン・チードル)はソコヴィア協定にサインをし、キャプテン・アメリカ、ファルコン(アンソニー・マッキー)、ワンダはサインを保留した。
その後ワンダはトニーの自宅で、ヴィジョン(ポール・ベタニー)に見守られたまま軟禁状態にされてしまう。

そんな中、ウィーンで行われた世界平和の会議を狙って爆弾テロが起き、ワカンダ王国のティ・チャカ国王が暗殺されてしまった。
監視カメラに写っていたのはかつてのウィンター・ソルジャーであるバッキー(セバスチャン・スタン)だった。
キャプテン・アメリカはシャロン(エミリー・ヴァンキャンプ)の協力を得ていち早くバッキーの元に駆けつける。
バッキーに本当に爆破犯であるかどうかを確認するのだが、ドイツ特殊警察の急襲によりバッキーはその場を逃げ出す。
だが、そのバッキーの前にブラック・パンサーが立ちはだかった。
ブラック・パンサーの正体はワガンダ国の王子ティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)で、装着しているスーツはキャプテン・アメリカの楯と同じヴィブラニウムで作られており、ワガンダ国に代々伝わる物であった。

キャプテン、バッキー、ティ・チャラの3人は拘束され、特に爆破犯を疑われているバッキーは厳しく取り調べを受ける。
しかしその取り調べ中、精神科医として潜り込んだ謎の男がバッキーをウィンター・ソルジャーとして覚醒させてしまう。
謎の男の目的は、1991年のウィンター・ソルジャーのミッションと、当時の秘密基地の場所を知る事だった。
バッキーを連れて逃げたキャプテンとファルコンは、沈静化したバッキーからウィンター・ソルジャーが彼以外に5人いた事を知る。
謎の男の目的はその5人の復活だと思ったキャプテンたちは、空港から秘密基地のあったシベリアに飛ぼうと試みる。
しかし空港には、キャプテンたちを止めるべくトニーたちが待ちうけている。
キャプテンは引退していたホークアイ(ジェレミー・レナー)に連絡を取って、ヴィジョンに軟禁されていたワンダを救出してもらい合流、それとは別にファルコンがアントマン(ポール・ラッド)に声を掛けて仲間に引き入れた。
一方トニーは、YouTubeの映像で注目していたスパイダーマン(トム・ホランド)をスカウト、ブラックパンサーとヴィジョンも加わり、空港でキャプテンたちを待ちうけた。

アベンジャーズの前作の「エイジ・オブ・ウルトロン」がかなり大味な作品だったので、アベンジャーズ同士のチームバトル的な作品の今回も同様なのかと思っていた。
しかしさにあらず、この作品はシリーズ全体に関わる非常に重要なテーマを持ち、かつ今後の広がりも予感させる作品であった。

正義のための戦いにおいて犠牲が出ると言う「矛盾」は、最近では「バットマン vs スーパーマン」でもテーマになっていた。
だがこの作品では「矛盾」は表面的なものだけで、本当のテーマとしてアベンジャーズ間の信頼関係が深く掘り下げられている。
しかもその布石が、冒頭の各所に巧くちりばめられているのだ。
途中、謎の男であるヘルムート・ジモ大佐(ダニエル・ブリュール)の行動が安っぽいなぁ、と一瞬思わせるのだが、なぜわざわざそこに罠を貼ったのかと言う理由までがわかると、ラストのアイアンマンとキャプテン・アメリカの戦いが重すぎて、見ていて切なくなってしまう。

仲間だったアベンジャーズが戦う事でメンバー間の緊張はかなり高まるのだが、助っ人して参入するスパイダーマンとアントマンが二人ともコミカルで和ませるキャラになっている点も良く、さらにブラックパンサーことティ・チャラの人間性が、ストーリー全体に強烈に機能している。

ハッキリ言って観る前は「バットマン vs スーパーマン」の団体戦くらいに思っていたのだが、観終わった後は軽い気持ちで観に行ってごめんなさいと謝りたくなるほど、一本筋の通った作品だった。

アベンジャーズシリーズ全体を観ても、かなり秀逸な作品と言えるだろう。
シリーズのファンなら必見である。


28.シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

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