「モヒカン故郷に帰る」

パンクバンドのイカれた格好をした息子がド田舎に帰ってきて騒動を起こす、というありがちな映画かと思ったが、実際にはもう一捻り入った映画だった。

パンクバンド「断末魔」のメンバー田村永吉(松田龍平)は、同棲している彼女由佳(前田敦子)が妊娠した事を機に結婚しようと考えていた。
そして家族に由佳を紹介するため、瀬戸内海に浮かぶ戸鼻島に里帰りした。
定職に就いてもいないのに由佳を妊娠させ、さらに由佳を働かせていると言う事に父の治(柄本明)は激怒、だが怒っている最中に苦しみだして救急車で搬送される。
そして入院した病院で、末期癌である事を告げられた。

自分たちの事そっちのけで永吉と由佳は、永吉の母春子(もたいまさこ)、弟の浩二(千葉雄大)と共に治の看病を始める。
だがこの治自身が、矢沢永吉に心酔して自分の息子にも永吉と名づけるほどの、なかなかファンキーな人間であった。
音楽の教師で吹奏楽部のコーチ(顧問?)をしているが、10人程度の生徒に矢沢永吉の「アイ・ラヴ・ユー、OK」を演奏させ悦にいっている。
治は入院後も病院の屋上に上がり、向かいの中学の屋上に吹奏楽部の生徒たちを並ばせ、ひたすら「アイ・ラヴ・ユー、OK」を練習させていた。

これまでの映画であれば、イカれた息子とイカれた息子の彼女が、平穏な農村を引っかき回すと言う図式になるだろう。
だがこの映画では、父親も若干イカれていると言う設定にしたところがミソだ。
しかもそれが、柄本明である。
家族には頑固でまともな事を言うのに、自分には甘いという役どころがぴったりである。
一方で前田敦子の由佳は、イカれっ振りをやや控えめにして巧くバランスを取っている。

沖田修一作品だけに、爆笑の連続、という訳ではない。
しかし、独特の間で巧く笑わせてくれ、観終わった後は面白かった、と言う感想になる。
なかなか良く作られた映画だった。


26.モヒカン故郷に帰る

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