「怪しい彼女」

2014年に公開された韓国版「怪しい彼女」のリメイク作品だ。
ちなみに「2014年オレ的映画総括」では、年間114本観たロードショー作品のうちの第4位である。
元々の映画はそれほど出来がよかったのだが、日本版もツボをしっかり押さえており、笑わせて、泣かせてくれた。

瀬山カツ(倍賞美津子)は、娘の幸恵(小林聡美)、孫の翼(北村匠海)と一緒に暮らしており、幼馴染の次郎(志賀廣太郎)が経営する銭湯でパートとして働いている。
カツは妊娠中に夫に先立たれており、一人で幸恵を育て上げた。
そして幸恵は離婚しているが、ファッション誌の編集長をしながら翼を育てており、その事が自慢だった。
だが事あるごとに、幸恵と翼を育てた事で自分のしたい事ができなかったボヤく。

そんなある日、幸恵は編集長を外されてしまうのだが、そのショックもありついカツに「私たちのために自分が犠牲になったって言わないでよ、したい事があるなら好きにしなさいよ」と言ってしまう。
ショックを受けたカツは家を出て夜の商店街を彷徨う。
そして、写真館の灯りに惹きつけられるように店内に入って行った。
初めて写真館で本格的な写真を撮ってもらったカツは舞い上がって店を出るのだが、そこでひったくりにあってしまう。
ひったくりのバイクを走って追いかけ、カツは犯人を捕まえる。
その時、自分が20代の頃に若返っている事に気付いた。

見た目が代わってしまい行き場をなくしたカツは、次郎の銭湯に転がり込み、大鳥節子(多部未華子)と名乗る。
そして、小さなのど自慢大会で歌っている所を見染められ、翼のバンドのボーカルを務める事になった。
バンド「怪しい彼女」は街中でゲリラライブを行うなどの活躍をしたが、節子の歌う昭和歌謡のアレンジバージョンは人々の心に響き、やがてネットの動画で話題となった。
そしてその動画は、のど自慢で歌っていた節子の歌声に才能を見出し彼女を探していた、音楽プロデューサーの小林拓人(要潤)の目にも止まる。
小林の力で「あやしい彼女」はいきなりTVの生音楽番組に抜擢され、あれよあれよと言う間にスター街道を歩み出していた。

そんな状態の中、翼は本当は祖母のカツである節子に恋心を抱いてしまう。
一方節子は、いい年をして拓人を好きになってしまっていた。
翼は曲を作らなきゃならないのに、節子と拓人の事が気になって身が入らない。
そんな翼を節子が一括、翼は一念発起して拓人を認めさせる曲を完成させた。
「あやしい彼女」はその曲で、ネットの投票で1位を獲得すればメジャーデビューできるフェスに参加する。
だがフェス当日、翼は会場に向かう途中で交通事故にあってしまった。

大まかなストーリーは、ほぼ韓国版を踏襲している。
家族のつながりが題材のこの映画を、どのように日本の今の家庭環境にはめ込むのかと思ったが、その部分も娘の幸恵が離婚しているという設定で巧く処理していた。

脚本もかなり練り込まれ、演出も良ければそれを演じる役者も素晴らしい。
小道具の伏線の張り方も巧く、細部まできちんと仕上げられた作品だ。
特に多部未華子の演技は、日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得してもおかしくないレベルの演技である。
泣きのシーンでは、劇場のここそこから鼻をすすりあげる音が聞こえてきた。

オレ的には今のところ、今年1、2位を争うレベルの映画である。
機会があったら、絶対に観て損はない作品だ。


26.怪しい彼女

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