「マネー・ショート 華麗なる大逆転」

この映画は個人的にはかなり面白く、かつ勉強になる作品であった。

2008年9月のリーマン・ブラーズ破産に伴う、サブプライム住宅ローン危機を題材にしたテーマだ。
そもそもサブプライム住宅ローンとは何か、そしてなぜ、世界中を経済危機に巻き込むほどの事件となったのかが、かなりわかりやすく解説されている。
とは言っても、住宅ローンや金融商品についての知識が皆無の人には少々敷居が高いかもしれない。
しかしながら、ある程度以上の知識がある人にとっては、興味深い内容である。

アメリカにおいて、1980年代まで銀行はお金を預かって貸し出すだけの単純な機関であった。
しかしその後、銀行は住宅ローンを証券化して売り出す事を考える。
それがきっかけとなり、銀行の業務は大きく変わる事となった。

当初証券化された住宅ローンは、AAAなど格付けの高いものに限られていた。
そのため長期で非常に手堅い金融商品であったのだが、やがてだんだんリスクの高いBランクのローンも商品化されるようになる。
1990年代にはかなりリスクの高いローンが証券化されていたが、誰もが住宅ローンは手堅い商品と考え、そのリスクに気付いていなかった。

ところが、医者から投資会社を起こしたマイケル・バーリ(クリスチャン・ベール)が、この住宅ローンのリスクに気付く。
マイケルが投資銀行に住宅ローンの逆張りの商品化を持ちかけると、銀行は信じられないと言う表情でマークの話を受ける。
マイケルは様々な投資銀行に話を持ちかけ、次々と住宅ローンの逆張りを行う。
マイケルに出資する投資家たちもあきれるばかりだった。
そんな中、偶然の間違い電話でマークが住宅ローンの逆張りをしている事を知る投資集団がいた。
マークを中心とするファースト・ポイントと言うヘッジファンドだった。
さらにドイツ銀行のトレーダーや、若き投資家コンビなどが、マイケル同様住宅ローンの逆張りを行った。
彼らは独自の調査をして、マーク同様サブプライムローンの危険性を確信していたのだ。

サブプライムローンに関しては、2008年1Qの段階で債務不履行者が100万人を超えていた。
その時点でサブプライムローンの価値は下落し、マイケルたちが大儲けをしてもおかしくないはずだったのだが、サブプライムローンの価値は一向にさがらない。
不審に思ったマイケルたちは、それぞれ独自に調査を行う。
すると、格付け会社がいい加減な審査をしている事などが明るみに出る。
彼らはWSJなどで真実を暴こうとするが、その時点でも彼ら以外の誰一人して金融危機を予測していなかった。
マークたちは、破産寸前まで追い込まれるのだった。

ほぼ真実を元にしているが、脚色も少し入っている。
だがその脚色も、ストーリー内で「映画では○○だが真実は××だった」などと役者が台詞で解説してくれる。
この他にも、内容が難しい部分は役者が芝居以外のセリフで解説してくれるので、なぜ金融危機になったのかが非常にわかりやすい。

また、逆張りをして儲ける事、すなわちそれはアメリカが金融危機に陥り街に失業者があふれる事である、と言う部分で、マイケルは罪悪感に捕らわれる。
兄が金融関係で失敗して自殺したと言う事もあり、マイケルは自分の儲けよりも、金融業界で行われた間違いを正そうとしたりもする。

事実を元にしながらも、きちんとエンターテイメントとしてストーリーも作りこまれている。
金融に興味ない人にはちんぷんかんぷんかもしれないが、少しでも興味のある人ならかなり楽しめる作品だろう。


21.マネー・ショート 華麗なる大逆転


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