「ブラック・スキャンダル」

ジョニー・デップが薄毛メイクで主演しているが、日本ではそれほど話題になっていない。
その原因は、やはり日本人にはちょっとわかりづらい題材だからだろう。

1980年代にボストンで暗躍した、実在のアイルランド系ギャングのボス、ジミー・バルジャー(ジョニー・デップ)が主人公だ。
ジミーの弟ウィリアム・バルジャー(ベネディクト・カンバーバッチ)はマサチューセッツ州の有力議員で、小さい頃兄弟と非常に仲の良かったジョン・コノリー(ジョエル・エドガートン)はFBIの捜査員となっていた。
コノリーは当時ボストンにはびこっていたイタリア系コーザノストラを一掃するために派遣されるのだが、旧知の中のバルジャー兄弟に協力を仰ぐ。
特に、同じ裏世界に通じるジミーからもたらされる情報は有力だった。

元々アイルランド系移民として虐げられ、辛い少年時代を送ってきた彼らは団結力が強い。
議員となっていたウィリアムはさすがにちょっと距離を置いていたが、ジミーとコノリーはお互いの利害を一致させ協力体制を取っていた。
結果、コーザノストラを一網打尽にしてコノリーは昇進、ジミーもシマを広げることとなった。

二人はさらに協力体制を深め、さまざまな敵を排除していく。
だが、ジミーがあまりにも勢力を拡大したため、コノリーも司法検察局からジミーを護ることが難しくなってしまう。
裏切り者を次々と抹殺したジミーだが、やがてコノリーとともにジミーと手を組んでいた捜査官モリスの裏切りにあい、ボストンの地を追われることになる。

実際の事件を元にしている作品で、アメリカ国民にとっては非常に興味深いのだろう。
だが、日本ではそもそもこの事件およびジミー・バルジャーという人間がほとんど知られていないため、あまり感情移入をする事ができない。
正直「へー、そうなんだ」という感想だ。

弟にベネディクト・カンバーバッチを配している事で、もう少し議員の弟の苦悩などが描かれるのかと期待したが、それもほぼなかった。
と言うか、出演シーンもほとんどなかった。
実際に兄弟の距離感がどうだったのかはわからないが、アイルランド移民の結束の固さが強調されて描かれていただけに、もう少し二人の間に交流があったんじゃないかと思う。
映画では弟の立場を気に掛けて、兄もあまり弟に近寄らないようにしていたが、実際には弟も裏側ではいろいろと手を貸していたんじゃないかと思う。
もしそうでなかったとしても、ボストンの大ボスとなった兄に対して、有力議員の弟が何の感情も持たなかったとは思えない。
そのあたりの人情をもう少し描いていれば、日本人にもウケたのかもしれない。



12.ブラック・スキャンダル


※こんな本書いてみました。
よろしかったらご購読ください



●放射能ヒステリックビジネス

http://www.amazon.co.jp/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E4%BD%90%E8%97%A4%E7%9D%A3%E8%AA%8C-ebook/dp/B00DFZ4IR8/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1404017694&sr=8-1&keywords=%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9
[PR]
by ksato1 | 2016-02-02 06:29 | 映画 | Comments(0)