「ピンクとグレー」

原作を含めジャニーズ色が濃い事に一抹の不安を感じていたが、監督が行定勲で菅田将暉が出演しているからそこそこ面白いだろうと思って観に行った。
そして感想はと言えば、想像以上に面白い作品だった。

蓮吾(中島裕翔)、大貴(菅田将暉)、サリー(夏帆)は小学生時代からの親友だ。
大貴はサリーの事が好きだったが、高校生のバレンタインの時にサリーは蓮吾にチョコレートを渡し、思いを告げる。
だがその直後にサリーが引っ越してしまい、サリーが蓮吾と大貴の関係を崩す事はなかった。

蓮吾と大貴はバンド活動をするなど、その後もずっと一緒につるんでいた。
そんなある日、二人は渋谷で読者モデルとしてスカウトされる。
高校卒業後に一緒に暮らし始め、二人は読者モデルから役者を目指す事にする。
そして街で偶然、美大に入学していたサリーと再会する。

3人はまた親友として接し始めたが、ルックスに優る蓮吾の方が仕事が多くなってくる。
事務所は蓮吾のバーターとして大貴の仕事も取ってくるが、不器用な大貴はその事に納得が行かない。
やがて蓮吾に大手事務所への移籍話が持ち上がるが、大貴は何も聞かされていなかった。
当然、自分は今の事務所のままだ。
事務所移籍とともに引っ越す事になっていたが、そこで蓮吾と大貴は袂を分かつ事になった。

数年後、大貴はサリーと同棲していたが、定職が見つからずにぶらぶらしていた。
そんな時に高校のクラス会に出席する。
蓮吾はすでに大スターとなっていたが、仕事の合間を縫って彼もクラス会に出席した。
蓮吾の登場で居場所をなくした大貴はクラス会を抜け出すが、実は蓮吾は大貴に会うためにクラス会に出席しており、大貴を追いかけてきた。
久しぶりあった二人は昔のように仲良く朝まで酒を飲んだ。
そして二人はその日の夜も会う約束をし、大貴は約束の時間に蓮吾のマンションに向かった。
言われたとおりに高級マンションを訪れた大貴だが、大貴は部屋の中央で首を吊って自殺していた。
部屋には6通の遺書が残されており、蓮吾は大貴にその中から一つを選んで実行するようにと記していた。

映画としては、なかなか実験的でかつ秀逸な作品である。

前半は定番の青春映画で、後半はミステリー的な要素を含んでくる。
ほぼ折り返し地点で映画としての性質がガラリと変わるため、観ている者も一瞬違和感を感じるのだが、キャラの設定がキッチリしているためにすぐに後半部分にも入り込む事ができる。
特に、強烈に効いているのが菅田将暉の演技である。
正直、これまではあまり重要な役柄だった作品を観た事がなかったので、それほど大した役者ではないと思っていたが、この映画では主役の中島裕翔以上に圧倒的な存在感を見せている。
逆に言えば、主役と脇役の存在感を入れ変えたからこそ、この映画が成立しているとも言えるだろう。
主演の中島裕翔に、終始押し殺した演技をさせた制作陣の勝利かもしれない。

唯一の難点は、蓮吾の自殺した原因が弱すぎる事。
あまりダラダラと説明しない方がいいのかもしれないが、後半部分にもう少し蓮吾の内面の葛藤をわかりやすく描いていれば完璧だっただろう。

日本ではジャニーズ色が強すぎると正当な評価がされないケースも多いが、この作品はそういう偏見なしできちんと評価されて欲しいと思う。


9.ピンクとグレー


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