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「セッション」

ギンレイで鑑賞。
併映の「君が生きた証」は時間がないのでスルー。

非常に評判がいい映画ではあったが、途中までの展開は正直観ていて気分が良くなかった。
しかし、ラストのいい仕上がりがすべてを帳消しにする映画だった。

ニーマンは(マイルズ・テラー)はドラマーを目指し、全米一のシャッファー音楽学校に入学した。
ある夜自主練習をしているところに学内一の教官フレッチャー(J・K・シモンズ)が現れ、自分の教室に参加するように言われる。
翌朝、ニーマンは意気揚々とフレッチャーの教室に参加するが、フレッチャーのあまりにも厳しい指導に心を折られそうになる。
しかしニーマンはフレッチャーに認められるため、そこから努力を重ねる。

ある日のコンサートで、ニーマンはメインドラマーから預かった楽譜をなくしてしまう。
メインドラマーは楽譜がないため演奏ができないと言うが、ニーマンは暗譜をしているので演奏できると進言、見事演じ切りメインドラマーの座につくことになった。
一度はフレッチャーに認められたかに見えたニーマンだが、フレッチャーは他のドラマーを追加し、メインドラマーの座を競わせ続けた。
ニーマンは父親は応援してくれるものの、親族からはドラマーと言う職業をさげすまされていた。
そのためニーマンはフレッチャーだけではなく対親族という部分でも反骨心を増幅させ、メインドラマーへ異様に執着するようになった。

別のある日、コンペティション会場に向かう途中、ニーマンはバスの故障で遅刻しそうになる。
慌ててレンタカーを借りて会場へ急ぐのだが、今度は交通事故を起こしてかなりの負傷を追う。
血だらけになりながらなんとか会場にたどり着くニーマンだが、当然まともな演奏などできない。
演奏を途中でやめてしまったニーマンに対し、フレッチャーは冷たく「終わりだ」と告げる。
逆上したニーマンは舞台上でフレッチャーに殴りかかり、音楽学校も退学になってしまった。

息子の身を案じたニーマンの父は、弁護士を使ってフレッチャーを訴えようとする。
フレッチャーのかつての教え子が、彼の指導でうつ病になり自殺をしていたのだ。
匿名でフレッチャーの指導方法を暴露すればフレッチャーは学校を去ることになると言われ、ニーマンは言われた通りに匿名でフレッチャーを告発する。
その結果フレッチャーは学校を追われた。

その後しばらくして、ニーマンは音楽から離れて暮らしていた。
そして偶然、フレッチャーがあるクラブでタクトを振るっていることを知る。
ニーマンが店に行くと、フレッチャーは彼に声をかけ、自分の音楽哲学を語る。
そしてニーマンに、今のドラマーの代わりに次のコンサートで演奏をしないかと持ちかけた。
ニーマンはフレッチャーの音楽哲学に感銘し、わかりあえたと思い提案を受け入れる。
しかしそれは、フレッチャーがニーマンに復讐するために巧妙に仕掛けた罠だった。

最初は、老師と若き天才が音楽に対する情熱をぶつけあう熱血モノかと思っていた。
しかし実際は、天才同士と言えどもかなり性格の悪い二人がワガママをぶつけ合う、かなり見ていて感じの悪い作品だった。

だがそれもこれも、すべてラストシーンへの布石だった。
ラストの演奏シーンのために、ニーマンもフレッチャーもとことんワガママなキャラに作り上げられていたのだ。
ラストの演奏は、カット割りも含めて非常に素晴らしいできになっている。
そして観終わった後よくよく考えてみると、すべての演奏シーンについてはかなりキメの細かい演出がなされていた。
フレッチャーは練習中にちょっとでも音程、テンポがズレると、いちいちズラしたのが誰かをあぶり出し、そのメンバーをとことん追い詰める。
だがその演奏も、間違いが素人でもわかるような演出がなされている。
そして巧く行った時の演奏は、聞き惚れるような素晴らしさだ。
制作者の、音楽と映画への深いこだわりを感じる。

とは言え、クライマックスまでの展開は評価がわかれるかもしれない。
誰にでも勧められる映画ではないかもしれないが、少なくとも音楽好きなら共感する部分が多い作品だと思う。

122.セッション


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by ksato1 | 2015-11-14 23:22 | 映画 | Comments(0)